SSブログ

サンファン映画・西幽玹歌 [さ行]

『サンダーボルト・ファンタジー 西幽玹歌(セイユウゲンカ)』
EJアニメシアター新宿まで見に行きました。

全国でもかなり限られた映画館でしか放映されていないので、
前回の映画と同様、有料ネット配信待ちでもすっかなあ……と思っている人も多いかもしれない。

連休中に行ったんですが、がら空きでした。
面白いのに。周知されきれてない感。
まあ世の中、案外そんなものか。

今回は新宿でも公開されていることが知られていないのかもしれません。
この映画館、かつては角川シネマ新宿という小規模映画館だったところが、
最近、アニメ映画に特化してリノベーションされたらしい。
(サンファンはアニメではないが、実写とも言い切れまい。)

映画の内容については地上波テレビや無料ネット配信と違うので、
ネタバレせぬよう、ものすごく気を使わなければならないのが……苦手。
基本的にブログに書かないように決めている。

とりあえず、面白かったし楽しかったし、見どころが沢山あったとだけは書いておきたい。
具体的な内容については触れないぞ、いいな(自戒)。

伝統的な布袋劇といっても、
たとえば音楽は今風……というか、ガッツリ西川貴教(敬称略)と澤野弘之(敬称略)だし、
他にもキャラデザもろもろ、この新旧融合具合がたくみで、終始一貫、飽きさせないつくりになっています。

ハリウッド映画のアメコミ系アクションにも最近、かなり食傷気味……
かといいアニメやゲームの実写化2.5次元は、
常世の美形とか、人外的な美形とかを人間が演じてることに、
どうも違和感がぬぐいきれん──
という自分にとって、布袋人形活劇のリアル感と作り物の融合具合が、絶妙な塩梅でした。

布袋人形の造形がいちいち素敵で良いんですが、それは語りつくせない。
実際にTVシリーズや映画を見れば一目瞭然だし、
展示や写真で見るのも良いが、
やはりスクリーンで動いて話していたほうが圧倒的に魅力的に映る。
動かす人や、声で演じる中の人、撮影技術などの集結した結晶だからなんだろうなあ……。
まさに美しい傀儡に魂が宿るのを目の当たりにする感じです。

今回、舞台の大道具的なものもいちいち素敵で、
引きの構図は、雲とか崖とか、いずれもピクチャレスク。
その景色が、東洋の大陸的な壮大さで再現されていて、風や温度が伝わります。

実際の水や火、煙、砂塵、生花などを盛りこんで世界が作られている上に、
風がわかる衣装や帳のひらひらが空気を孕み、あるいはひるがえったりとリアルなので、
下手な実写化よりは、よほど豪華な世界観のつくりこみ。
ライヴ的でもある。

大人の辛口視点で劇中の造作ひとつひとつに目を奪われているうちに、
苦もなく作品の世界観に入っていけて、
物語が展開していき、
クライマックスの〇〇が覚醒するところなんて、
──ガシャン、かしゃーん、かん、カチン、カキーンッ!
となってからの、びゃーん♪ビゃーん♪ヴィゃーん♪──
に、
行っけぇ……!
いつのまに童心に帰っていた。
(未視聴組にわからないように書いているつもりだから、勘弁してほしい)。

それと、内容から少し外れるネタバレだから良いだろうか……
音楽とともにキャストなどが流れるエンディングが、二部構成になっており、
後半のエンディングはメイキング映像。
この短いメイキング映像だけでも見どころが満載で、胸熱です。
布袋人形でも実際に、
香港系活劇映画でおなじみのワイヤーアクションをさせているんだな……等々、
目新しくもあり、興味深かった。

なお、このEJアニメシアター新宿、
極小レベルの映画館で、スクリーンもけっして大きくはないが、
シートはゆったりと大きめ。
通路もゆったりめで、前列シートと膝との間が広めにとってあって窮屈ではない。
トイレも含め清潔で、映画館自体が新しいので、居心地も悪くないです。
ただしクレジットカードが使えず、現金決済のみなのは、ちょっと驚いた。


共通テーマ:映画