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キンドル限定短編集を紙の本にする [黒十字療養所出版部]

『手腐レ風切り貴方まで』を自費で刷ります。
ただいま製作中です。
装幀等を、右にしたり左にしたり突いたり引いたりしてせっせと形にしている。
『黒十字サナトリウム』はハードカバーですが、こちらは新書判ソフトカバー(オフセット印刷、カラーカバーつき、内側本体は白黒印刷)で出すつもりで作業しています。


中里友香による公開用──中里友香短編集表紙カバー

右下端の矢印をクリックすると拡大します。
タイトル表紙の地模様が、折り返しに若干かかるデザインです。
(実際の紙カバーでは、この画像より上下左右の端3ミリ分が裁ち切られた仕上がりになります。)

私の小説にしては珍しく、明るめの短編も収録しているので、
カバーは私なりに軽やかで、清涼感を残しつつ、カラフルにしたかった。
短編集という作品の性質上、一つのイメージを煮詰めていくにしては、
物語の舞台となる場所や年代が大きく異なるので、
各作品の彩(いろどり)感を詰め合わせにしたつもりです。

カバーは、まっ平らに広げてみるのがデフォではなく、
タイトル表紙とその折り返し、裏表紙とその折り返し、背表紙、
という部位で見るのが一般的。
全体の統一感もほしいけど、見える面ごとに違う表情もほしい。
短編集ならではの、そのバランスの難しさが試行錯誤のし甲斐があって、
このデザインの仕上がりに、私自身は気に入っています。

これは画面上の色彩だから、実際、紙に刷ったらどうなるか、
カバーとしてかけて立体になったらどう見えるかが、けっこう手探りなのだが……。

今の情勢では2020年11月の文フリ東京が開催されるかわかりませんが、
開催された暁には、その時に出せたらよい。

文フリ開催が取りやめになったり、延期になったり、
あるいはこの短編集のほうが間に合わない場合には、
Boothをはじめとする通販で出すつもりです。
仮に文フリが開催になったとしても、様々な事情で来られない人もいるだろう。

オフセット印刷のクオリティにこだわりたいため、ある程度まとまった部数を刷ることになる。
どうせ1年やそこらで売り切れる冊数でもあるまい。
いつか晴れて文フリが開催されたときに、余裕で出せるし、
5年~10年かけて売るくらいの心づもりでいます。

気付けばデビューしてから10年余が経っている。
昨今、さまざまな即売会イベントの休止で日本の中小印刷業界が不況との話。
いつか刷ろう、いつかやろうと思っていて、印刷業者が潰れていたら困る。
頃合いの節目である、ということにしよう、と。

即売会イベントの開催が軒並み中止になって、
刷った本を売りにくい環境だから、みんな印刷を控えざるを得ない状況で、
だからこそ中小印刷会社の不況になっているわけです。
──そんなときに自費で刷るなんて……。

大量の在庫を抱えて途方に暮れることを考えれば、不安要素もリスクもあります。
先立つもの以上に、保管場所の確保も課題である。

ただ、今回にせよ次回にせよ、いつかは文フリに出すからには、
どうせならば1種類じゃなくて、自費で刷れそうなものは刷って持っていきたい。
出るときには2スペース(180センチ幅)を確保する予定なので。

なにしろ1スペースは180センチの横長デスクを2区画に分けての、90センチ幅です。
おとなりのスペースが雛壇上に本を積み重ねているお店だったとしたら、
搬入や設置作業中に、ちょっと蹴つまずいてぶつかったりして、
お隣商品のなだれ事故を引き起こしかねない……あァ想像に難くない。
……超やりそう……危険すぎる。

といって、180センチのデスクをあんまりガランとさせた状態で、
つくねんと店番しているのも色々、勿体ないんじゃなかろうかと。

鋭意制作中です。


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