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第31回文学フリマ東京、ありがとうございました。 [ニュース]

無事にいってきました。文学フリマ。

無事ではありましたが、私自身は色々と不手際があって、反省点も多々あった。
それを「ご愛嬌」として受け入れてくださった心の広いかたがた、
困ったときに手を貸してくださった方々、
本当にありがとうございました。

本来なら自己嫌悪で落ち込むところなのだろうが、本当にみんなが優しかった。
感謝の気持ちのほうが上回っていて、
自己嫌悪になりそうな環境でも、みんなが優しいと、
自己嫌悪に陥らずに済むものなんだね! 学んだ。

どうか、みんなに良いことがありますように!
まずは何より健康でいてほしいな。

ただ、感謝だけで浮かれポンチだと学びがないから、
忘備録と、自らの後学のために、不手際……反省点……ときには言い訳……ともども、
今日の行動を振り返って、書いておかねばなるまい。

文学フリマ。
初参加でした。
そもそも私はこの手の即売会イベントに一般参加でも足を運んだことがなく、
昨今、ほとんどの作家のかたがたが通販をしてくださるから、
欲しい本は通販で買っている。現地に出向いて購入したことがない。
(人混みが苦手なのと……体力がなさ過ぎで……)
今回、本当に場所から何から初体験でした。
本日、お会いしたかたがたは、私の不慣れっぷりに、
初参加だとすでに察しがついていただろうとは思う……。

ではなぜ「初参加です」と、これまで一切言わずに来たかといえば、
「初めてだとわかると置き引きにあう」と忠告されていたからです。
──文学を愛し、たとえ赤字だろうとも行動する参加者がそんなことするかよ──
なのだが、そういう意味ではなく、
「本にそもそも全く興味なんかない根っからの犯罪者が、
この手の即売会イベントを狙っていて、本を愛する一般参加者にまぎれてくる。
情報も事前に簡単にゲットできる、むしろ広く公開されている。
置き引きしやすい位置だったり、初参加を表明していたりすると、標的になりやすい」と。

なるほど、だったら黙っておきますか……。

そんな初参加にくわえ、新型コロナの感染者急増ですから、
ヘルプは頼まずに自分一人でやろう、と決めた。
下準備はやるだけきちんとやった。
それでもちょっと無理があったやも……。

流通センターに到着したのは12時5分前でした。
11時50分までは、出店者受付ルートで入場できる。
その時刻を過ぎると一般参加者と同じルートで入場することになる。
それは勿論わかっていた。

できれば出店者ルートで入りたいとは思っていたのだが、
遅れても、コミケではないし、
こと、2020年の文フリは軒並み中止。
直近で唯一開催されていた文フリ大阪でも、昨年の10分の1の人出……。
つまり「空いているだろう」「すぐに入れる」と思っていた。

コミケやオンリーなど、漫画メインの二次創作イベントとは異なり、
文学フリマは参加者が閉会時間まで、みっちり居ることがほぼ慣習になっている。
今回、私は一人で食事もとらずトイレにもいかず店番をしつづけることになるので、
あんまり前もって入ると、体力的に持たない。
新型コロナの流行がなくとも、
私の場合、アレルギーが多岐にわたってあるので、
お店やファストフードで食べられるものが今や極端に少ない(ほぼないくらい)。
空腹でどれだけいられるかの耐久レースになりがちで、
そんなことをしていると一気に体を壊すんです。
流通センターは自宅から決して近くはない。

つまり、12時ぎりぎりに着きたい。
で、事実そうしたのだが、ふたを開ければ長蛇の列です。
大盛況じゃん文フリ……。嬉しい誤算……。
いや、これはただの誤算では……私ってば。

会場入りできたのが12時15分過ぎくらい、いや12時30分くらいだったか……。
12時の時点で会場から、開催を祝する出店者の拍手が沸き起こるのが聞こえた。
おーーーーわーーーー始まったんだ……あれ自分はまだどこに居んの(列に並んでる)。

会場入りして、テーブルクロスを広げたりとせっせと設営をしているときに、
来てくださった方が幾人か居ました。
「本当に申し訳ないんですが……あと5分、5分後に来てもらっていいですか?」

ここが私の一番の認識不足炸裂なのだが、
みなさん、いろんな作家さんを見にくるのだろうから、
ついでに寄ってくれたら御の字である、と考えていたことです。
真っ先に私のところに買いに来てくれるとは、思っていなかった。
一番に私のところに来てくれるなんて、ものすごく嬉しいことです。本当に。
声が2オクターヴくらい高くなりましたね。
己はそんな高い声を出すんか、と自分でびっくりするくらいに。
そんな嬉しい、ありがたい状況なのに、こちらはてんで準備が整っていないではないか、
という事実に一気にテンパってもいた。

かろうじて準備が整い、
(まだポスターと付録の見本を置いてないし、あれもこれもおっとあっちも……な状況で)
買いに来てくださった方々とやりとりしていたときは、地に足がついていなかった。
お金がね、わからないのよ。
いくら返すか、いちいち電卓をたたかないと。
絶対、暗算できる数字なのに。

そもそも商品の値段がわからないで、いちいち値札を見て確認する始末。
自分で値段を決めているのにですよ。

自分の中で価格を幾度か変えたりもしていたので、結局いくらにしたんだっけ……
と考えだしたら、もう思い出すより見たほうが速いんだ。
もともと算数がだめなのもある。が、それ以前の問題として、
昨今、こうして「売る」という行為をしたことがなかった。
学生時代にバイトで販売業務やレジをしたこともあるが、数か月、その程度です。
お釣りを渡して「ありがとうございました」と一段落、つきかけたら、
「で、本(商品)をください……」と急かされて、渡す本に気が付いたり、
そんなのばっかりです。

複数本をお買い上げの方には、商品をまとめるために、
レジ袋っぽいものに入れることに決めていたのだが、
それもまた不慣れで……まごつくし!

値段を決めているはずの人間が、
値札をその都度、確認していたせいで、
「ご本人は来られないのですか?」と尋ねられる。
「本人です」と答えたところ、ものすごく恐縮されてしまったし、謝られてしまった。
いや……私がそもそも値段をいちいち確認していることが、
本人としてはあまりにも不審なんだ……。

テンパってる+テンションが上がってるから、あたふた空回りするばかりで、
マスクにブルーライト眼鏡をかけているから、レンズが曇るし!
心底、すまない……と私が思っていたことが適切に伝わっていたかどうかも定かでない。

でもみんなが優しく、辛抱強く待ってくれ、有難かったです。
手短なコメントをくださるのが、いちいちその都度それぞれにすべて嬉しかった。
テンパっているようでいて、そういう内容はきちんとつぶさに覚えています。

最初に真っ先に来てくださった方々が、
潮が引けるようにいなくなった後は、暇になり、
そこからようやく設営を完了する。
が、風がとんでもなく強くて、
私とお隣がとくに、突風の被害にあう地点にあたっていた気がする。

こと私のブースはポスターが何度も倒れたり、テーブルクロスが波だったりしました。
養生テープで留めてからはなんとか……。

養生テープで留めればいい、
ということも思いつかなくて、お隣から聞いた。
養生テープを持ってきたのは帰りに荷物を発送するため、としか考えていなかった。

それでも吹き込む突風がひどすぎて、途中から運営側が私たちの前の扉を閉めました。
風が入りこんでいた間(1pm~3pmくらいまでだったか)、かなり寒く、
突風でお品書やらが次々に倒れるので、その間は、誰も立ち寄ってくれなかった。
積ん読のゴールデンカムイ最新刊(電子版)を読み終えたりしていました。

前の扉が閉められたとたんに、ちらほら、人が来てくれるようになりましたが、
通気が途絶えて、同時に一気に蒸し暑くもなった。

サインを頼まれた本があったのですが、
段ボールの梱包を解いたり重い荷物を持ちあげたりで、腕がくったくたになっており、
へんろへろの、よれっよれした字しか書けなくなっていてびっくりしました。
申し訳なかった……。

無事に5時の終了時間を迎えて、
長机を畳む段になって、畳み方がわからない。
通りがかりの出店者のかたをつかまえて尋ねて、教えてもらいましたし、
近くにいた人が手伝ってもくれました。
みんな知ってるんだ、すごい……。
長机を一人で持ち上げて運べるの、力持ちだね……。
私は、ずりながら運びました。腕の力がもう限界に近かった。

今回、残念だったことが一つあるとするならば、
自分一人だったので、よそのお店を一切見て回れる余裕がなかったことです。

それ以外は素晴らしい体験をさせてもらえました。
体力的には猛烈に疲れはしたが、精神的には元気になれました。
以前、Hydeが言っていたのはこれか!
ライヴをすると無茶苦茶疲れるけど、
精神的にはむちゃくちゃ元気になれるというやつだ……。