SSブログ

新作の単行本~みがかヌかがみ~明日刊行 [ニュース]

講談社から新刊の単行本が出ます。

K_migakanu_cov_Trim.png
みがかヌかがみ

● 講談社/422ページ
● ISBN:978-4062197830

明日、11月10日に発売となります。
(お住まいの地域や、ネット書店の取り扱い開始日などによって、発売日に誤差があります。)

アマゾンの登録情報だと426ページとなっているのだが、
実際、本の最後のページにふってあるのは422ページなので、
これってどういうことなのかよくわからない。
ざっくり400ページ強という認識で良いのだけれど。

物語の本文が始まっているのは7ページからとなっており、
7ページまでには目次や化粧扉などが入っていて、
真っ白のページを差し引くと、目次やタイトルページを含めて419ページとかくらい。

426って数字は一体どこから出てきたのか……。
(あとがきもないしね。)

完結している一冊としては、今までで一番短い一冊です。
しかし編集部からは「長いですのでね」「長いですしね」と、たびたび指摘されるのであった……。
でもちゃんと一段組で収まっている。

今回、本の字面のレイアウトは選べたので、
かなり読みやすさを重視して決めました。
ページの端っこにふってある数字フォントがおしゃれ。
『カンパニュラの銀翼』の目次におけるページ表記の数字も大好きでした、
その数字フォントとかなり似ています(似ているけれど同じではない)。
数字がただ横に並んでるのではなく、組み合わせによって、
微妙に配列の仕方が異なってみえるようなフォントです。
ゼロを縦長の0ではなく、円い漢字風の〇に近づけてもらったりしているのが、
ささやかなこだわりの一つであるのです。
(周囲が横書きなら問題ないのだが、縦書きの場合は、丸っこいゼロのほうがしっくりくる。)

●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・○・●・○・●・○・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●

~内容紹介~

 大正時代、五月。
 月里見紗葵子(やまなし・さきこ)は茶道の名家を訪れる。
 訪れた家は天女目(なばため)姫の命で掘られた井戸を守り、姫の言い伝えとともに継承する一族――青天目家(なばため)家。
 昔、この地に井戸をもたらしたという、年端もゆかぬ天女目姫。聡明で峻烈な姫は、干ばつで苦しむ民衆に生贄を禁じ、かわりに井戸掘りを命じる。
 工事は難航し、民の怒りを受けて、姫は井戸の完成を条件に、人柱として命を絶たれる。

 死に堕ちた者が行き着く不来方(こずかた)にて、雨夜城(あまよ・きずき)が目を覚ましていた。
 自らの記憶と引きかえに刀を手に入れた彼は、死なせてしまった美しき天女目姫の奪還と救済に身を賭して挑む。

 生者と亡者、二つの世界がいびつに交差する。めぐり会い、別れ――比類なき因縁奇譚。

●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・○・●・○・●・○・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●・○・●

2013年2月号の小説現代に発表した中編『みがかヌかがみ』に加筆修正し、
このたび第二章、第三章を書き下ろして完結。
(その時のブログ→http://blackcrosssanatorium.blog.so-net.ne.jp/2013-01-22
http://blackcrosssanatorium.blog.so-net.ne.jp/2013-01-24

昨年2014年11月には一冊分に書きあげて編集部に渡していたのですが、
ようやく今秋、刊行に漕ぎつけました。

刀にまつわる描写がわりと頻繁に出てくるのですが、
ですのでけっして昨今流行のオンラインゲーム・刀剣乱舞に触発されたわけではなく(笑)
ゲーム開始前に、すでに書き上げていました。
かつまた刀剣乱舞のおかげで刊行に漕ぎつけたわけでもなく……
さまざまなスケジュールが噛み合わず、今に至りました。

とはいえ刀描写なんて、今まで喜んでくれる人がどれだけいるか、
自己満と言われればまぁ自己満……という感じだったのが、
今は刀剣描写や剣技描写やらに抵抗ない読者が増えているかもしれない。
とすると喜ばしいかぎり。

刊行までに時間を要しましたが、そのぶん完成度の高い小説に仕上がったと思っています。

装丁は、色合わせや絵柄の流れなどアンティーク着物風を意識したものに。

文芸色の強い表紙絵は、今回編集部からおススメされた、にしざかひろみさんの作品。
小説『みがかヌかがみ』の物語内に出てくる草花を、何層にもあしらってもらいました。
インクペンと水彩で描かれているはずですが、まるで銅版画のような趣に。
広げるとこんな感じ。現代日本画や屏風絵などの風合いと言いましょうか。

2015110921490000.png

今回の表紙の女性は、物語内の特定の誰かではありません。
いままで私の小説本の表紙に描かれる人物は、物語の主要人物でしたが、
このたびは英語でいうところのアノニマスやJane Doeに近い。
登場人物の要素をいくつか取り入れた、いわば誰でもないモナリザ的な女性です。

今まででいちばん発行部数が少ないです。お早めにお手に取ってくださいますよう――。