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カーディガンと前あきセーター(その1) [黒十字療養所出版部]


手腐レ風切り貴方まで: 中里友香短編集

さて今回、電子化にあたって、すべての短編を加筆修正したのだが、
一番手を入れたのは必然的に『貴方綴り』
三田文学に掲載されたのは2004年。
当時は落選作の掲載という性質上、がっつり校正できなかった。
手を入れた箇所も、それでかえって誤りを増やした部分もあった。
デビュー前で不慣れゆえに、わたしの校正の赤の入れ方が編集側にうまく伝わらなかったのだ。

又、時代がかった繰り返し記号、(「あゝ」等)を使いたかったのだが、
使っていなかったので、その辺を、当時、本当にやりたかったように直しています。

とはいえ、今の感覚で文章を直してしまうと、別作品になってしまう。
ここはどうしてもちょっと……と、気に掛かって仕方がない所以外は、
当然、当時のままです。

一番、手を入れずに済んだ作品が、『葉コボレ手腐レ死人花』
これは編集部が誤ったルビをふったり、
或いは、私がふっておいたルビを、はからずも取られてしまった箇所などを、
自分好みにルビをふりなおしたりと、
その手の、ごくマイナーな修正にとどまります。

たとえば、私が
・杜若(かきつばた)紋

としたところが、
・杜若紋(かきつばた)
と誤ってルビがふられていた。

私としては、紋(もん)とルビをふらずとも、誰でも読めるだろうと、
杜若の部分だけに、ルビを入れたのでしたが、出来あがって蓋を開けると、
あらら、こういったミスが出るんだな……。
以降、私は一つの単語の読めない部分にだけルビをふる、ということをしなくなった。
勉強させてもらった。

この小説には当時、挿絵があったのだが(今回は挿絵は入りません)、
その挿絵がSFJ掲載時、ネタバレ状態で入っていた。
とある人物が、とある人物を殺す、読者を驚かせたい場面で。
つまり抜刀して殺す描写よりも、手前のページに、
殺害シーンの挿絵ががっつり入った。そのせいで、先の展開がもろばれに。
初見は愕然とした。
それが自分には、ずーっと引っかかっていたんです。

おそらくは挿絵が仕上がる前に、挿絵の部分を予測し、ページを仮確保しておいて、
挿絵が上がってきた時点で、文章を読まずに、ただ当てはめたんだろう。

これに関しては、すごく迷った末に、あとで編集部に控えめに抗議した。
編集部も陳謝してくださったが、出てしまったものは取り戻せない。
ようやく、読んでほしい状態で提供できて、数年もたったあとですが、ホッとしています。

そんなこのたびのキンドル化にあたって、すごく悩んだ加筆修正部分はというと、
まぁカーディガンでしょうなあぁ。
『風切り羽の安息』(2012年ミステリマガジン掲載)の作中に出てくる、
カーディガンという単語で。

シグモンドが一夏、ラテン語講師を受け持った、英国の名門ボーディングスクール。
その寄宿舎の敷地内にある古井戸のところで、
生徒のセルジュ・アンブローズが、ティモシー・ギャレットと初めて言葉を交わした。
その、事の発端となる当時を思い起こして、
アンブローズがシグモンドに語って聞かせるシーンです。

アンブローズは、ギャレットが「カーディガンを着ていた」といった趣旨のことを話すんです。
ミステリマガジン掲載時には「カーディガン」姿と書いた、この単語の選択について、
私は悩んだ。末に、
「前あきのセーター」という語に直しました。
なぜか。

~続く~

―情報再掲―



共通テーマ:

刀剣男士冥利 [活撃/刀剣乱舞]

活撃/刀剣乱舞 #9 『元の主』

今回は、面白かった。
人情味あふれる第二部隊にとってのこれが王道、という感じの展開でしたね。
陸奥守吉行、よっ! ほんと刀剣男士冥利に尽きるねっ! でした。
刀剣男士となった自分が期せずして元の主の龍馬と再会して、
寺田屋事件で負傷した龍馬を窮地から救う。
しかし名乗らず、好印象を残して、別れるって。
なにそれ私が刀剣男士だったら、絶対やりたいわ。

それにしても、ゆるふわ日常系アニメの刀剣乱舞『花丸』ですら、
大和守安定が、元の主の沖田君と出くわして、大ジレンマに陥るというのに。
(池田屋で元の主の沖田総司と、期せずして出くわした安定が、
沖田君に声をかけられただけで闇落ちしそうに目が曇り、
戒めとして加州清光に貰っていた髪飾りをぶっこわしてまで、沖田君を追いかける。
このシーンである→https://youtu.be/FnNBsMvMUlg
ぶっ倒れた沖田君の窮地に手を貸したくも、貸すことが許されず……歴史を変えてしまうからだ、
加州清光にぐらぐら揺さぶられ、涙ながらに説得されて、ようやく自分を取り戻し、
窮地に陥った沖田君を放置して、去るしかなかった。苦渋の選択をするのにだ。)

基本シリアス展開のはずの、こちら活撃は、
その辺の設定というか大前提の掟というか……が、すごーく緩い。ぬるかった。
どちらの刀剣男士の立場が嬉しいかというなら、
そりゃ陸奥守吉行のほうがお得に決まっている。

元の主に、刀剣・陸奥守が自分の愛刀であることを、ぼやきじみて自慢されるとかって、
(それを聞かされているのが当の陸奥守自身であるとかって)、
なにそのシェイクスピアのお気に召すまま的シチュエーション。
こういうエピソードは一回は見ておきたいですね。

しかしだ、物語の展開として実に都合よく(……登場人物としては実に不都合なことに)
「歴史通りじゃない……これは歴史が……動いている……!?」
という台詞がもう今までに何べん発せられてきただろうか。活撃。
歴史が史実通りに動いていない、その根本的な理由がついぞ明かされる気配もなく、
物語としては、
それってどうよ! 適当過ぎるよ!
と、思わなくもありませんでしたが。

戦闘シーンは誰もかれもが皆それぞれにかっこいいし、
……兼さん、迷いのない太刀筋がかっこいいなあ……ああ堀川と息があってるなあ……
薬研、さすが夜の路地が得意なんだな……
蜻蛉切は、いつも一本気ってかんじの槍筋だな……
鶴丸は遡行軍を薩摩藩邸門前で待ち受けるとき、白いお召し物で地べたにあぐらかいて座って待つんですか、余裕ですね……。
京都の町並み、板塀とか色々リアルだし、
時間遡行軍の登場の仕方も、良い感じにまがまがしいし、
細けえことはもういいや~!

龍馬が口を開いたとき、
この声……そしてこのナチュラルな土佐弁……ひょっとして小野D?
たしか声優の小野大輔さんって、高知県出身で、土佐弁ネイティヴだったような……。
土佐の家具屋さんのおうちの人だよね、オーディオCDで言ってたの聞いたこともあるもん……。
と、エンディングのキャスティングを見たら、思ったとおり小野Dでした。

花丸で沖田君役だったのも小野大輔ですよね。
小野Dは刀剣乱舞で「元の主役」をやらないと、どうにかなるのか、そうなのか。
どっちも全く違うタイプの元の主で、どちらも役に、はまっていました。

ところで陸奥守が抜刀した時、龍馬が一瞬、ハッとしたような表情を見せますが、
顕現した陸奥守が持っている陸奥守は、
龍馬が当時、携えていた陸奥守と姿かたちがだいぶ変わっていて、
焼けて、打ち直されて、刀もまっすぐになって、刃文も異なっているので、
龍馬がそれと気づくはずはないんですよね……。

打ち直される前の、龍馬の手にしていた自分本体で、敵を一刀両断する場面は胸熱でした。

気になるのは、堀川国広――彼は刀だった時の記憶が欠落しているんだろうか? 
記憶がないという骨喰よりも、よっぽど、ちょっとずれた発言をしますよね。
龍馬が死ぬまで添い遂げたい、刀剣・陸奥守のありかたを知って、
「それって……そんなのって……」
と、堀川国広は最後に一人で感傷的につぶやいていました。
いや、でもそれって刀剣としては、普通だよね?
堀川国広だけ、刀剣男士としての自覚とか自我が記憶喪失なみな気がする。
意味があるんだろうか。

刀剣男士の、歴史的に有名な元の主は、誰であれまあ死んでいる。
主が死んだことのない刀剣男士は居ないはず。
元の主が死んでいるということは、刀の自分が主を守れなかった、敗れたということだ。
たとえ病で死んだのだとしても、病を祓えなかったという事になりますし。
陸奥守に限らない、いってみれば皆、敗れた刀剣が顕現しているわけですよね。
長い間存在し続けている、刀剣男士ならではの、あるあるというか。
敗れてもなお、強く、美しくあらねばならぬのが刀剣の性(さが)というのが、
刀剣乱舞の大前提にあると思うんだが。

まったく使われたことのない、主といえる主を持たぬ刀剣も例外的に居るには居るが、
そっちのがずっと稀だもの。で、堀川国広はその手の、未使用組の一振りではない。

以前、大太刀の存在を理解していなかったことといい、
一回折れて、二振り目堀川国広だったとしても、ちょっといろいろ腑に落ちない。
そろそろ作中で説明が欲しいところ。
いちげんさんの視聴者にもわかるガイド係だから、とかな恐れがないでもない。
だとしたらあえてすっとぼけた質問をしたり、すっとんきょうな発言をしてるんですね、
さすが補佐役、気が利くなあああ。

不具合修正報告(*8/27追記しました) [黒十字療養所出版部]


手腐レ風切り貴方まで: 中里友香短編集

先日、アマゾンKindle限定で刊行いたしました、
手腐レ風切り貴方まで: 中里友香短編集
こちら、これまでのキンドル版と同様、縦書き、リフロースタイルで配信中ですが、
マイナーな不具合が生ずることがわかりました。

文字サイズにより、まれに改行部分が文頭にあたると、一行アケ状態で出るときが。
え、こんなところで章が変わる?
という行があく場合がありました。
(しかし文字サイズを変更すると直るので、当初は不具合だと把握していませんでした。)

リフロースタイルに良く起こりがちなデメリットなのだと思っていたのですが、
黒十字サナトリウム』や『黒猫ギムナジウム』では、このような状況にならない。

とすると、これは不具合……。
禁則処理的な何かがうまくいってないのだ。

この不具合、どうして生じていたかというと、
自分は文書作成において、文末改行を通常、Enterキーで行っている。
そのせいでした。
(すべての文末Enterが、章末扱いで表示されるわけではなかったので、
当初は原因が分からなかった。)

一般的に、わたしだけでなく多くの人が文書作成時、
文末改行にEnterキーを使っていると思います。
しかしEnterキーは厳密にいうと、本来、章末に使うキー。
文末の改行はShift+Enterでなくてはならなかった。

これはHPなどの文面を、Wordにコピペすると差がクリアにわかりますが、
Shift+Enterの文末には↓下向きの矢印が出る。
Enterの章末には、よく見慣れた直角に折れた矢印が出てきます。

これを自分は使い分けていませんでした。
Kindleが提供するファイル形式は、限りなくHPなどのフォーマットに近いので、
そこをきちんとやらねばならなかった。

これら文末改行部分を、
Shift+Enterに改めました。
そのうえで動作確認をいたしましたところ、正常に読めることがわかりました。
現在、問題は解消済みです。

また、小説内における傍点の部分が、
フォントサイズによっては適切に表示されない箇所がありました。
そちらも併せて修正いたしました。
現在は、いずれのフォントサイズでも正しく表示されると確認済みです。

いずれも内容には差支えありませんが、リーダビリティを左右するもので、
せっかく早めにダウンロードしてくださった方には、本当に申し訳ありませんでした。
上記の不具合は、いずれも修正済みで、
正常な状態で読めることを確認済みですので、
お手数ですが、これまで購入されたかたは、更新してくださいますようお願いします。
通常は、自動更新になっているかと思いますが、
念のため、更新のやりかたを記しておきます。

================== ・Kindleアプリ左上の「ライブラリ」をクリック。 ・ライブラリに行ったら、ライブラリの右横にあります円形やじるし(矢印二つで円になっている) その矢印をクリックします。「同期して新しいアイテムをチェック」の矢印です。 ================== 以上です。 これにより最新のコンテンツに更新されるはずです。

*追記しました。2017/8/27---------→(ここから)
上記の方法では更新されないことが分かりました。
(上記の打ち消し線部分は、端末の同期設定のやりかただ……。)
正しくはこちら→本の自動更新をオンまたはオフにする
https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=201252670

ご自身で本をすでに購入しており、自動更新にしないで改訂版を確認したい場合は、 「お問い合わせ」のページから Amazon までご連絡ください。 Amazonがお使いの端末に改訂版のコンテンツをお送りします。 もう一度購入する必要はありません。

詳しくはこちらも参照してください。
「電子書籍の改訂版はどこで入手できますか:
https://kdp.amazon.co.jp/ja_JP/help/topic/A1RGGPBKDR1BPZ

←---------(ここまで)追記しました。2017/8/27

上記のやり方で改定版を入手することによって、
あらたにKindle料金が課せられることはありません。
(お使いの通信環境によっては、通信費用が掛かる場合があります。)

なお、化粧扉や章扉などのカラー画像は、
スマフォおよびタブレット端末の場合、
ダブルクリックで、想定された画面いっぱいのフルサイズで見られることを動作確認しております。
指でスワイプしてリサイズするのではなく、ダブルクリックです。
これはKindle側の仕様によるものですので、
ダブルクリックをして見てみてください。

~付記~


わが本丸の兼さんは好物から頂く派 [活撃/刀剣乱舞]

活撃/刀剣乱舞 #8 『歴史を守る』

今回、録画は失敗した……。
録画した番組数がMaxで、容量は余っているのに録れなかった。
リアタイで視聴しといて助かった……。危なかった……。

さて第一部隊は敵を一掃して、本丸に戻るかと思いきや、
第一部隊は本当に人間ができてるのね……。というか神様だった、そうだった。

刀剣を使った戦闘に関しては神様丸出しだけれど、
そのほかの事に関しては、ほとんど人間と同じレベルで他者を気遣い、
自分らで出来る範囲のほどこしをするあたり、実に日本の神様らしい。

キリスト教的な全知全能感とはまるで違う、気配りのベクトルが面白かった。
面白いと言っても愉快なのではなくて、興味深い、Interestingの面白さですね。

炊き出しをするってところが、山姥切が部隊長の第一部隊らしい。
山姥切ってコンプレックスの塊みたいだけど、
その手のタイプが気配りするときって、地味だけど見せかけでなく、
地に足がついて実が有ることをしますよね(や、わかんないけど、そんな感じがする)。

室町時代の民衆は、うっすら神様だと気づいて、
刀剣男士と接してるのかもしれないなあ……。
当時の人間は、神様との距離感が江戸時代や現代の人間よりもずっと近かっただろうし、
そうでないなら、こんな変わった風体の者を、すんなり受け入れられないよな……。
人ならざる者……少なくとも「まれびと」だと認識してはいるだろうなあ……。
と、やや感慨にふけりかけたところで、
「あなたたちはおさむらいさんなのですよねえ」
的な発言が老婆から発せられる。
「そうだ」
と骨喰。

お。お侍設定だったのか?……その風体で……?
外見が言及されると、いつもどうしても違和感がすごくて、無理筋すぎる。訳が分からん。

そのころ本丸では人間味の強い面々で構成されている第二部隊が、
再起をかけて動き出すといった感じでしたが、
第二部隊の言動が青すぎて、少々、見ていてじれったいというか……歯がゆいというか……。

尚、あの本丸、社食とかあるし、あんなハイテクなのに、
薬研が馬に舐められて顔を洗うのは、川? ため池? 用水?
水道を引いていないんですかね?
せめて井戸くらい掘ってないんでしょうか……。
それとも薬研がガサツで、刀剣男士たるもの水道水など使ってられるか……と、
桟橋みたいなところで屈みこんで顔を洗うのを己の矜持としているのですかね?
なまじの水道水よりも、よほど澄んだ水でしたが……。

本丸で第一部隊と第二部隊がすれ違うときの、張りつめた緊張感たるや。
本丸全体が上下関係に支配されている気配が濃厚。
部隊内で隊長をたてるのは、皆の意見をまとめ、命令系統を一貫するのに必要だろうけども。
頂点に立つ審神者も本丸内に一緒に暮らして、
上下関係の浸透した空間で、寝食を共にする本丸って……わりと地獄じゃないか。
地獄は言いすぎだが、ちょっとした煉獄ぐらい……考えてみるに苦痛だわ。

なんの因果で刀剣男士になんかに顕現させられて、
審神者の命(めい)で戦わなければならないのか。
刀剣男士だから戦うのは本分だろうと思っていたけど、
刀時代に幾人も人を殺めてきた分、償いでもさせられているんだろうか。
考えてみるにつけて、活撃の世界観はけっこう理不尽……。

おそらく鶴丸は、もともと第一部隊に配属されていて、
鶴丸が第二部隊に移った後任が、骨喰。
とすると、必ずしも第一部隊が精鋭で、第二部隊が劣るという力量差とも言いきれないが、
第一部隊が一軍で、第二部隊が二軍設定。
(実際に第一部隊は第二部隊とは比較にならない強さでしたしね。練度も成果も見事。)

であれば、活撃の本丸は、スペースは広大だけれど、窮屈な感じがビンビンする。
地味にストレスたまりそう。暮らしにくそう……。
花丸の本丸が恋しくなってきた。

今回の作画は時々、堀川国広がきゅるんとした目をすると、リボンの騎士みたいでした。
ところで燭台切光忠は、花丸でも、活撃でも、野菜を愛してやまない設定が過ぎて、
せっかく打撃力が高いのに、厨にいるか畑にいるかで、一度も出撃シーンがない。

あと「化粧扉」と「奥付」もつきます [黒十字療養所出版部]


手腐レ風切り貴方まで: 中里友香短編集

Amazonキンドルで発売開始しました。
本の詳細ページhttps://www.amazon.co.jp/dp/B074SBT77N
自己出版の短編集『手腐レ風切り貴方まで
Amazon Kindle限定です。

その章扉をせっせとCanvaで自主制作。
(これまでの経緯↓
http://blackcrosssanatorium.blog.so-net.ne.jp/2017-07-19-1
http://blackcrosssanatorium.blog.so-net.ne.jp/2017-07-27-1
http://blackcrosssanatorium.blog.so-net.ne.jp/2017-08-03

その苦労話(?)の最終回となります。
こちら、
『葉コボレ手腐レ死人花』の章扉。

*5葉コボレ桜版鬼縮小版.jpg

このお話は平安時代、都のややはずれがメイン舞台。
姫とか、上達部(かんだちめ)とか、生き血を啜る美しい鬼とかが出てくる。
これまで作ってきた章扉のように、作品の色にあう写真を自分で用意して、
効果的にタイトル文字を入れれば済むわけではない。

そもそもCanvaはもともとオーストラリア発のデザインツールで、
和の素材は非常に乏しい。
(たとえばデフォルトで、縦書きテキストがありません。)
和風のデザインを作るのには、いちいち工夫が必要になってくる。
和風といっても……お江戸っぽさとか、商店街の盆踊りポスター風とかではなくて……
平安時代らしさは、これがけっこう難しい。
デザインのしかたに、センスが非常に問われる……。

我ながらよく撮れた風景写真を使おうにも、平安時代的な京都らしさ満点の写真は、
「そうだ 京都、行こう」
JR東海のポスターを全面でリスペクト。
となりがちで、一番、思案したのがこの章扉でした。

最終的には和風ゴシック色の強い作品世界と、相反しない扉になったので、
ひとまず満足しています。
(というかCanva+私の技術力で、現時点でこれ以上はできないの。)

章扉?
え、わりとどうでもいい……。
そう感じる読者のかたもひょっとしたら少なからずいるのかも。
なのになぜ私がこんなにこだわっているかというと、
本来ならば紙の本で提供したいのに、できない。
ならば紙でない分を補うプラスアルファ、キンドル版だらこそできる付加価値を添えねば、
という使命感に囚われているからです。

私は小説を紙媒体で読むのがベストだ、と感じているわけで、
「紙の本のほうが読書に向いていて、記憶に定着しやすい」という研究報告もありますし、
ただ誰もが、家の落ち着いた場所で、紙の本で読書に没頭する生活スタイルとは限らない。

私自身も昨今、タブレット端末で漫画を読んだりする機会がまれにあり、
かさばる本を持ちこめない、持ち歩けない状況で何日か過ごすときに、
本を読めるのは極めて便利で、殺伐としがちな感性が潤うものだった。

キンドル版で読んだ内容があまり定着しなくとも、
良い読書体験をしたという記憶は残るかも。
だったら電子書籍媒体版をあまり目の敵にするのはやめるんだ……。

紙の本の場合、小説の章扉をすべてカラーにすることは、ほぼ実現不可能です。
「せめてこの最初のこのページ部分だけ、紙色とインクをセピア色に……」
と頼んで、やはりだめだったこともある……。
そこだけ機械を使えずに手作業と同価になるので、コストがかかってできませんと。

文豪本なんか皆、画一の規格で並んでいても傑作・名作ぞろいじゃないか。
そう思われる方もいるかもしれないが、
そんな文豪も存命中は、思い入れたっぷりで、
装丁について侃々諤々(かんかんがくがく)やってる人が少なくないですからね。
売れっ子になる前によ。

たしか太宰なんて紙質の指定から、題字を誰それ先生に頼んでみる、等々……
何から何まで、
まぁそんなとこまでこだわってんのか……! 凝り性め!
呆れるレベルだったかと。

私の場合はいかに贅沢分のコストを抑えて、いかに良い装丁の本を作れるかという、
シビアな無理ゲーを戦いつつ、やってきてまして。
具体的にわかりやすい例でいうと、箔押しなどが縁遠い(というかコスト上、無理だといわれる)。
……にもかかわらず、
わあ素敵な本、贅沢な装丁だぁ!
と、ときめく本を目指して、知恵を絞って出版にこぎつけてきている。

箱入りでアンティーク風な布張りの装丁本、
中身も全編2色刷りの『はてしない物語(ミヒャエル・エンデ)』を、
後生大事に愛蔵している私としては、
えっ……あ……そういうのって無理なのか……。
あれは出版業界バブル時代 + 世界的著名作家ミヒャエル・エンデだったから出来たのか……。

とまあ、折々の本の出版を経て、鬱積した思い入れを、
自分なりにやれるだけ存分に具現化してみようと。
紙の本で出せる日がくるとしても(今のところこの短編集にその手の予定は気配もないですが)、
商業媒体だとカラーは難しいだろうな……
というところに、だから今回、あえてちょっと凝ってみたかった。

*All right reserved.

―追記―


骨喰は記憶を失くしていたのが功を奏しましたよね [活撃/刀剣乱舞]

活撃/刀剣乱舞#7「第一部隊」

のっけから、この季節感に合った、おどろおどろしい場面で、
これは好みのタイプ……期待できるぞ……。
オープニング曲中で、今まで影になっていた第一部隊もお目見え解禁になり、
今回は期待通りの面白さでした。
(期待を上回りはしなかったけれど、
第一部隊が見かけ倒しの咬ませ犬あつかいだったら嫌だったので。)

まず源氏の重宝、髭切が笑いをうかべながら敵を斬っているところで、
キャラ解釈にズレが無い……!
大体の刀剣男士が、平常時と戦闘時では気持ちの切り替えをするのが珍しくないいっぽうで、
兄者こと髭切は、平常時と戦闘時にほとんど差が無い。
戦闘時は平常時よりややテンションが上がってるな、といった感はありますが。

平常時、そもそも髭切はきわめて温和な口調と柔和な表情とは裏腹に、
物騒な台詞を平然と口にする。
ゲーム内では、入手当初、薄気味悪くて私はちょっと警戒していた。
使うほどに、なるほど人間だったら異様で病的だけど、刀剣男士だったらきわめて健全。
その自然な感じがアニメでも滲みでてました。

オープニングの曲中で、鶴丸も笑いながら嬉々として敵を斬っていますが、
鶴丸は、ふだんは気さくで人間らしく振る舞っているけど、
戦闘になると刀としての地が出る、といった感じですよね。

骨喰藤四郎も、ゲーム内の寡黙なキャラを決して崩すことなく、それでいてわりと話してくれるし、
山姥切は一から十までまったくブレなし。
この第一部隊の山姥切は間違いなく初期刀だと思うのですが、
この骨喰と山姥切という、
単純にパワーでいうと第一部隊のほかのレア太刀連中と比べて、かなり劣る二振りが、
精鋭感まるだしの身のこなしで、抜群の切れ味を披露しながら敵を倒して、
強い……さすが……恰好いいぞ。

そんな骨喰を「やるね、彼」とか誉めちゃう髭切という構図が、ほんとうに王道。

ただ猛烈に気になるのが、
この第一部隊の源氏の重宝、髭切と膝丸のコンピはどう考えても、特レベル。
その二名ともが、練度が低い衣装のままというのは、どういうことだ!

こと、膝丸の衣装は、練度が低い時の膝あてが、かなりもっさりしていて垢ぬけないので、
せっかく歴史上、名前がどんどん変わっていったのにちなんで、出世魚タイプの刀剣で、
腕に磨きがかかるにつれて、衣装も少しずつ変わって洗練されていく設定なのだから、
そこんとこ、反映してよ……。

物語にそこまで盛り込むのは無理だとしても、
美的観点から選んでも、洗練されている衣装のほうを着せてやってよ……。

ちょくちょく思っていましたが、
このアニメ、あんまり刀剣乱舞のゲームをやりこんでない人が作ってるんだろうなぁ……。
ゲームの設定に縛られない物語と、世界観の広がりを見せてくれると期待しているので、
がちがちにゲーム設定に固執して作ってくれる必要は全くないのだが、
髭膝の衣装については断固、受け入れがたい。
もっさり膝あての衣装のほうを、わざわざ着せておくメリットって、ありますかね。

キャラ解釈がもっとも私と異なっていたのは、大典太さんで、
あんな威圧的な脳筋キャラだとは思わなかったですが、
雷になると調子が良いという新設定はとても面白かったです。

(アニメの視聴後、なにか所以のある設定なのかとググってみましたら、
刀剣・大典太光世は、雷が鳴ると鞘から出るという伝説があるんだとか?)

三日月宗近は安定の三日月具合で、
なにより桁違いに腕がたつし、精神面でも揺るがないしで。
ひるまない第一部隊の活躍はいちいち納得の力技でした。

個人的なツボとしては、脇差の骨喰藤四郎が、脇差を片腕で構えるフォルム。
美しかった。
脇差だからこそ片手だけで持てるわけか。
胴体に対して、腕を垂直に突きだすのかと思いきや、
抜き身にした脇差を携えて突きだした腕と、胴体とが一直線になるように構えるのね。
兄者もわりとそう。

いろいろと謎を残しつつ、かつまた新たな謎を生み出しつつも、
今回のように、一話で一時代の時間遡行軍を制圧するテンポが面白い気がする。

室町時代というのが、江戸末期と比して、
より野蛮で未開で何でもありというか、曖昧模糊として分からない部分も多いので、
謎めいた物語性の余地がある。
多少無理な設定であろうとも、すんなり入っていきやすかったのかもしれません。

地面に刀剣があちこち刺さっていて、その刀剣が次々に攻めてくる絵柄は、
fateの衛宮士郎だったりアーチャーだったりで見慣れた景色。
ufotableのお家芸なのだから、そういった面からしても、
永禄八年、足利義輝(床に名刀を幾振りもぶっ刺して、次から次へ引き抜いて戦ったとか)
この時代が舞台になるのは、考えてみれば当然だった……。

骨喰がもし当時の記憶を残していたら、
きっともっと面倒ごとに巻きこまれていたのかもしれません。

刀剣乱舞のゲームらしさ満載の次回予告が毎回楽しみ [活撃/刀剣乱舞]

活撃/刀剣乱舞#6「本丸」

今回はいつも見ている東京MXではなく、都合で出先の群馬テレビで視聴でした。
事前に、同じ時間に放送することを調べておいたので、
「それでは私めはここで失敬してちょっと野暮用が……」と、
いつもよりも待機時間に余裕を持って、視聴にあたったのだった。
が、持っていたイヤフォンがタブレット端末用で、おろろ……
テレビとイヤフォンの口金が合わないではないか……不覚。
やたら音を絞って見たので、あとで録画を見直すつもりです。

今回は、#5での戦闘のアフターケア+第一部隊のチラ見せ。
戦闘シーンもなく、思わせぶりな会話が繰り広げられて、フラストレーションを募らせる、じらし回。

・すらりと華奢な鶴丸国永は、自分より背も高く骨太な和泉守兼定を、
いとも簡単に背負って手入れ部屋へと運ぶ。すごい。さすが太刀。
しかし蜻蛉切を担架で運ぶのなら、なぜ兼さんも担架で運んでやらないのか。重傷だぞ?
あの本丸にして、まさか担架が一つしかないとか……?

兼さんが「俺は自分で歩ける」と部隊長らしく立ちあがって気張ってみせるもよろけて、膝をつき、
「おっと隊長さん。少しは同じ部隊の仲間を頼ってくれ」
と鶴丸が背負ったとか、ベタだけれど、そういうやりとりが少しでもあったなら。
でないとかなり不自然に感じたが、そこは視聴者が脳内で補ってね、ということか。

・本丸ってもっと、新選組の屯所と壬生寺を掛け合わせたような雰囲気かと想像していた。
というか、我が本丸はそういうイメージで存在している。

活撃本丸は、スチームパンク+サイバーパンク的な目新しい魅力的な設備投資がなされている、
会社所有の長期滞在型リゾート(保養地) & 和風高級老人ホームのイメージ。
(食事シーン、全員同じ鮭定食のお盆をめいめいで運んで、思いおもいのテーブル席について、
大食堂で食べていて、なにか嫌なものを見ちゃった気がした。)

・こんのすけがいっぱい。
こんのすけは複数居ないと辻褄があわないと思ってはいたけれど、あんなに居るんですか。
こんのすけXが、鶴丸国永をこん棒のようなものでどついたことに、わたしは大いに引いた。
誰に危害を加えているわけでも、自分に危害が及んでいるでもなく、
まだ別に何も悪いことしてない鶴丸を「あなた常習犯ですから」と言いがかりをつけて、
いきなりどついて平然としているのには、ドン引き。
(そこがいかにも介護職員こんのすけが、
身体検査中に軽口をたたく入居者鶴丸を竹刀で打ちすえるように映って、ぎょっとした。
刀剣男士が正当な理由で殴られるシーンを見るのは私も決してやぶさかではないが……。)
鶴丸も、文句は言うが別に憤慨しておらず、意味が解らん。

・複数のこんのすけがエヴァのゼーレなみに油揚げについての会議をしていたシーンは、
おそらく笑うところなのだろうが、こんのすけXの横暴にドン引きしたあとだったので、
冷え冷えとした心地にしかならなかった。

・骨喰藤四郎が、儚げで淡々としながらも、芯が強く凛として美しいのだ、
と伝わってくるような長回しで登場してくれて、骨喰好きにはとても嬉しい。
薬研が「骨喰兄(ほねばみにい)」と呼ぶことも判明。
薬研の部屋の襖絵と、骨喰の色合いがマッチしていて、いつまでも見ていたかった。
骨喰と薬研が「兄弟なんだな」とおもえる色彩で良かった。

・薬研の居室と、三日月宗近の居室との差はなんなんだろう。
薬研の部屋のほうが居心地が良さそうではあるが、三日月宗近の居室は別格すぎやしませんか。

・第一部隊登場。
よくある学園もので圧倒的な権力と発言力を誇るエリート生徒会幹部っぽさがすごかった。
美形ぞろいの富裕層ぞろい曲者ぞろいの逸話ぞろい、
鼻持ちならないオーラが芬々(ふんぷん)と。

「このいけ好かない奴らが、いけ好かないほど華麗に敵を一網打尽にして、
第二部隊に第一部隊との実力の差を見せつけ、
君たちも頑張りたまえ、応援するよ、とか第二部隊に上から目線で笑うんでしょ。いけすかねえ!」
感が。
きゃ~すてき……さま! とか下駄箱にラブレターがごっそり入っているような、
言ってみれば『少女革命ウテナ』における生徒会っぽさ。
刀剣乱舞のゲームでは、そんな感じの役回りを好んで実践するキャラクターは居ないので、
活撃アニメが、第一部隊をどう扱うのか。
第一部隊6名のうち、6名が私の推しですし、
次回「第一部隊」が気になります。

章扉の裏話 [黒十字療養所出版部]

*3縮小版.jpg
画像表示にすると現時点でもいくらかは大きく見えますが、実際はもっと大きくクリアに見えます。

現在、キンドル化にむけて鋭意制作中の短編集
『手腐レ風切り貴方まで』
その章扉をCanvaでせっせと自主制作している。
(経緯→http://blackcrosssanatorium.blog.so-net.ne.jp/2017-07-19-1
http://blackcrosssanatorium.blog.so-net.ne.jp/2017-07-27-1

第2回アガサ・クリスティー賞受賞作『カンパニュラの銀翼』のスピンオフ作品、
短編「風切り羽の安息」の章扉は、
物語の世界観を一目瞭然に語ってくれる感じがする写真を、自前で選びました。

上の写真は、西欧のとある御貴族の館(というか今も現役のお城。一部、一般公開している)で、
伯爵の館なので、どこに行っても、どのコーナーも絵になる場所ではあったんですが、
いかにもキラキラした感じではない、こういう一角は案外と無いものでして。

友人カップルが結婚式を挙げたときに、披露宴をした場所で、
同じスポットで、友人カップルに並んでもらって写真を撮った記憶がある。
その立ち去り際に、あまりにもこのロケーションが気に入って、
即座にカシャッと無人状態でシャッターを切ったのでした。

奥行きを一目で感じられるロケーションを見ると、写真に収めたくなるのだ。

手前の扉むこうに、
さほど飾り気のない家具調度の踊り場が(そう、ここは部屋ではなくて踊り場なのでした)。
更にむこうに白い扉が見えて、
右側からはうっすら光が差して、
真夏で晴天でしたが、湖畔に在って、かなり涼しい澄んだ空気感と、
場所の古めかしいたたずまいが調和していて、
なんか良い! 

加工前はこんな感じ。
*DSCN0210縮小版.jpg
撮影日2007年8月24日/クリックすると拡大します
(デジカメが日本時間で記録しているため、時差分の誤差あり)

それにしても急いでシャッターを押したのがわかる見事な傾きっぷりである。

この章扉の短編「風切り羽の安息」は、
これら写真をモデルにして物語を組み立てたのではない。
むしろ短編「風切り羽の安息」の章扉の世界観に合いそうな写真を、
自前のアルバムから選りすぐって、章扉に仕立てた。

だからこのロケーションが実際の所、
シグモンドの住んでいた屋敷の一角、夏用の邸宅だったか。
はたまた、この短編「風切り羽の安息」の舞台になっている、
英国の名門学校における寄宿舎の一角なのか。
そこらへんは私も厳密にはよくわからないし、御想像にお任せしたい……。

意識したのは、
「この手の家具調度や扉のある空間がとりたてて珍しくもなく、当然のように視野に入る」
という世界観の前提が、深く考えずに、この章扉によって、
すんなり読者の脳内へと導けるものになれば良いな……と。

下の写真も同様です。
こちらは明らかに当該短編のラストシーン、
夏のドーバー海峡における場面を想定して選んだのだが、
写真のロケーションがドーバー海峡かというと……(ここ、そもそも海ではない)。

しかし、まあ19世紀夏のドーバー海峡、そのカラー写真を撮ってくることは、
実際問題として不可能なわけで。
ならばカモメと、西欧における夏場の広大な水辺。
そんなゆるいくくりで、この写真を選びました。

写真は船上(フェリー)で撮っています。
中央に白い教会(?)が見えて、海鳥(カモメ)が飛び交って、
シャッターチャンス!
意気込んで撮り、さぞや良い出来あがりになるであろうと期待していたのだけれど、
蓋を開けたら、ずいぶんと小さく映っていて、
ズームとか無理よ……あの一瞬にズームとかできないんだよ私の腕では……。
おしい出来の一枚になっていた。

今回、この引きの写真を撮っていたことが、意外にも功を奏した。
あんまり寄りで撮っていたら、
当時の世界観にして矛盾する人造物が、くっきり映り込んでいる可能性も捨てきれない。
たぶんプロならフォトショで消したりするんだろうけど、Canvaではできないし、
下手に消すと、水面の波紋が不自然になるし、その手の細工は加えていません。

あそこに小さく映ってるのはモーターボートじゃないかって?
さあ……あの小舟の動力源は石炭なんじゃないですかねェ……(空とぼけ)。

加工前はこんな感じです。
*DSCN0254縮小版.jpg
撮影日2007年8月24日/クリックすると拡大します
(デジカメが日本時間で記録しているため、時差分の誤差あり)

素材に使う写真がすぐ定まったので、案外すんなり出来るかと思ったこの章扉、
手こずったのは、レタリング部分。
透かしのようにアルファベットを大きく入れたかったので、四苦八苦しました。

この透かしっぽさは最終的には、
一番下のレイヤーに、地色としてネイビーを置く
(写真に青みを足したかったのと、異なる写真に、章扉としての統一感をもたらしたかった)。
次のレイヤーに、黄色系の濃い色でアルファベット部分を入れる。
その上に写真のレイヤーを重ねる。

で、写真と文字の透明度やらをいじった末に、よし、と納得できる状態に至ったのでした。
一番下の青と、文字の黄色が重なると、色相環の対極にあたる補色であるせいかどうか、
上に載せた写真のそこだけ色が抜ける。
それで、透かしっぽく映ります。

もっと簡単にやれる方法があったのかもしれないけれど、ともあれ私はそういった方法で、
この、文字が透かしっぽく炙りだされて浮かびあがるような感じを作っています。

*All right reserved.