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2か月前のラルクのライヴについて今頃アップ&文フリ東京抽選待ち [な行]

5月21日(土曜)30th L'Anniversary LIVE@東京ドーム

今頃になりましたが書きました。
さすがにそろそろ書いておかないと、いつか書くもん詐欺になりかけている節があった。
けっこう長文。仮アップしておいたスペースに追記しています。

こちら
https://blackcrosssanatorium.blog.ss-blog.jp/2022-05-26

ところで『文学フリマ東京35』(2022年11月20日開催)に申しこみました。
先着800ブースまでは抽選無しで即決定。
既に800の応募数は埋まっており、私は8月下旬の抽選の結果しだいで、抽選漏れがなければ晴れて申しこみ終了──
という段取りになっています。

6月の段階で既に先着800ブースは埋まっていたらしく。
出店申しこみの期限は8月23日までなので、みんな素早い。
一時期、新型コロナの感染者数がものすごく少なくなっていて、このままもう大丈夫なのでは、と思わせる空気感がありましたもんね。

はやく伝染病蔓延が鎮静化してほしい。
感染したくないです。切実に。

七周年かー [な行]

先日、刀剣乱舞が七周年を迎えましたね。

私は同時期に審神者就任七周年でもあって、刀剣男士(2022年1月現在)全九十八振りが、お祝いメッセージを言ってくれるので、全部聞き逃すまいとするあまりに嬉しい忙しさだった。
六周年までのお祝いメッセージでは、ゲームの周年記念と、審神者就任記念と、まあほぼ似た同じような内容で「営業的な定例句……それでも新規ボイスで嬉しい」という感じだった、正直に言うと。

それが七周年ともなると、ゲーム審神者就任七周年の言祝ぎと、刀剣乱舞七周年の言祝ぎと、きちんと内容が違っていて、実のあることを言ってくれる刀剣男士も一段と増え、普段、はぐらかし気味にわかったようなわからないようなことを言っていた古参組の刀も、そうか七年経ってようやく打ち解けてきてくれたか……と。
けっこう、しみじみ感慨深いものです。

忘備録として、これまで刀剣乱舞にて実装済みの刀剣で、本体と対面がかなったやつを、ここに列挙しておこう。
ざっくり見た順で(細かい順番は違っていそうだなこれ)、カッコ内は場所。
出張展示も多いので、必ずしも所蔵元ではない。

骨喰藤四郎(江戸博/サントリー美術館)
包丁藤四郎(江戸博)
蜻蛉切(江戸博)
三日月宗近(東博)
石切丸(石切劔箭神社・宝物庫)
小狐丸(石切劔箭神社・宝物庫)
小烏丸の写し(石切劔箭神社・宝物庫)
燭台切光忠(羽田空港ディスカバリーミュージアム )
歌仙兼定(永青文庫)
豊後国行平:古今伝授の太刀(永青文庫)
亀甲貞宗(東博)
明石国行(刀剣博物館)
宗三左文字(江戸博/サントリー美術館)
陸奥守吉行(江戸博)
鳴狐(東博)
獅子王(東博)
厚藤四郎(東博)
髭切(江戸博)
五虎退(江戸博)
大包平(東博)
大般若長光(東博)
小竜景光(東博)
和泉守兼定(土方歳三資料館)
膝丸(サントリー美術館)
秋田藤四郎(サントリー美術館)

これからも、もっと本体に相見えたいですし、刀がけっこう増えたことだ、刀剣乱舞関連でおそらく私が個人的に一番好きなメディアミックス?
「おっきいこんのすけの刀剣散歩」も、そろそろ第四弾をやってくれないかなと期待している。第三弾以降、三年半とか経つものね。

にっかり [な行]


https://youtu.be/khxqoHX-jSc
「ニッカリ青江脇指 WEB展覧会」(約6分)

香川県丸亀市所有の脇差し「ニッカリ青江」の紹介動画を、市教委が11月23日まで公開。

ニッカリ青江が居る香川の丸亀は、
私の住んでいる所からはそう気軽にいける距離ではないので、
こういう動画は非常にありがたい。

本音を言えば……欲を言えば、期限を切らずに、ずっと出しておいてくれればいいのにと。
映像で見るのと、実物を目の当たりにするのとでは、また全然違うものだから。
最近の映像は画質も良いので、優劣ではない。
ただ、違うんで。

教科書でみた名画を、
ルーブルやオルセー美術館で見るのとでは、味わいが違うってのと同じです。
それがパリでも丸亀市でも同じ理屈。

生で見るには、生の良さがあり、生でしかわからない雰囲気もある。
だからといって、必ずしも張りついて独り占めできっちり見られるともかぎらない。
アップでこうして暗がりに照明を浴びて、表も裏も舐めるようにみっちり映してくれると、
また違う表情を見つけられもする。

刀剣乱舞の5分番組『おっきいこんのすけの刀剣散歩』も大好きでした。
わたしは1期、2期、3期ともれなく全部録画してあります。
映像の印象と、実際に見た印象と異なるところも少なからずあり、
それぞれに発見があって、見ごたえがあるんですよ。
そろそろ4期をやってくれないかなあ。

私はニッカリ青江を生で見たことはなく、
しかし青江派の刀自体はけっこうあちこちで相まみえているのだが、
いずれも釉薬をかけたみたいに、ぬらっとした光沢がつややかで特徴的でした。
おまけに身幅が広くて切っ先が大きいので、大胆不敵で艶っぽい。

にっかり、ってな語感は、わりと今っぽい言い回しのように思えるけれど、
この刀が、にっかり笑った幽霊を斬ったとされているのは、
豊臣秀吉が天下人になるより、ちょい前くらいの時代。
とすると「にっかり」の語は、もう相当前から、
あんまり性根の良くない笑い顔を表す言葉だったんだなあ、と。
にっこり、と一音しか違わない笑顔表現なのに。
全くニュアンスが異なる。

ちなみにグーグル翻訳では、にっかりの英訳がDisappointedと出てきていて、
違うそれ「にっかり」じゃなくて「ガッカリ」だ。間違ってんぞ。

刀剣乱舞においては「にっかり青江」のにっかりは、ひらがな表記なのだが、
香川県丸亀市の動画では「ニッカリ青江」とカタカナ表記なのですね。


共通テーマ:動画

2話目に期待:HBOドラマ『チェルノブイリ』 [な行]

一部で話題になっている、米HBO制作ドラマ、
『チェルノブイリ』
米英で2019年の5月~6月に放送され、
先日エミー賞のミニシリーズ部門で受賞したりと、名高い。
HBOは一般地上波ではなく、現地の有料チャンネルで、質の良いドラマを多数、制作している。

Chernobyl (2019) | Official Trailer | HBO

https://youtu.be/s9APLXM9Ei8

HBOの全編予告。
おお、これは期待できる……壮絶な内容で、力が入ってる感じがビシビシ伝わってくる。

──尚、なんでこの人(私)、いきなりチェルノブイリについて話しだしたのか、
と思われそうなので念のため注釈しますと、
私のデビュー作『黒十字サナトリウム』(2007年日本SF新人賞受賞作・2008年9月刊行)で、
チェルノブイリ原発事故について触れている短い章があるから……なのが大きいです──。

HBOのミニシリーズドラマ『チェルノブイリ』
日本ではスターチャンネルが独占放送。
評判も上々らしくて、ちょっとググればいろいろと好感触のレビューが。
今ならエピソード1話をフルで、Amazonビデオで期間限定(9/26~10/5)の無料配信。
さっそく見ました。

チェルノブイリ(字幕版)
第一話「1時23分45秒」
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B07WQT5Q9G/ref=atv_3p_sta_c_4hhSho_brws_3_5

正直に言いますが、
「ひどいドラマだ……」
でしかなかった。1話目は少なくとも。

銀幕役者が1話時点では一人ほど、出てきています。
その冒頭の俳優が、とても「らしい」存在感、
アメリカ英語でもイギリス英語でもなく、かといい、わざとらしいロシア訛りでもない。
アクセントが極度に殺がれた聞き取りやすい英語でありつつ、
どうやってもロシア人(ソヴィエト人)にしか見えない、という風情ですから、期待しました。かなり。

この人は冒頭でひとまず一旦退場。
そこからちょっと不安感はあった。

あ、みんなアメリカ英語?……でしゃべってる……

映画とかだと一応、ソ連の出来事を英語圏で再現する場合、
ロシア語訛りの英語で話したりするもんだけど。
このドラマ、アクセントをロシア語に寄せる気はないんだな。
まあ……わざとらしいロシア訛りで泥臭さを出してくるよりは、
このほうが聞き取りやすくてありがたいけど……。

描写が……色々ありえないんです……単なるホラー映像に成り下がっている。
よくある、「そこに一人で行ったら絶対だめだよ」なところに行く。
「それ、うっかりさわったら絶対だめなやつだよ」というのを触る。
エンタメホラーにありがちなお約束、馬鹿な行動の数々。
チェルノブイリという実話を題材にしている分、死ぬほど悪趣味すぎてギャグレベルのホラー映画風です。

人類史上最悪ともいえる原発事故を、人類が初めて経験している真っ最中を描いているんですから、
あとから思えば軽率でしかない行動、愚かな決断、うかつな対応も、そりゃ沢山してるはず。
そういうドラマを見せてもらいたくて、見たのも事実。

──だからたとえば、状況を把握しきれていない、あまりのことで判断が鈍る、新たな現実に向き合いきれなくて、想定できる範囲で物事を片付けようとする、結末を想定しきれず英雄的な行動に走る者もいるとか、そういうのが描かれているのは分かる。

だだとにかく説得力がない。演出の展開がホラーだもの。
実際がホラーだったんだ……と、思い直そうとしたけれども、
見たことのない炎色反応で空が焼け、建物も燃え、
大気が金属の味がして、どんどん人が吐いて、皮膚が爛れて、そういう描写が続くのに。
ただただ愚かで無防備な人が多すぎる。
原子力発電所で働いているのにですよ?
避難訓練だってあったはずだよ?

パニック過ぎて感覚が鈍磨しているせいもあるかなとも思うが。
もしもここまで無知だったならば、
なぜ彼らがここまで放射能についての知識がないのに、原発で働いているのか。
その部分の矛盾をちらつかせなきゃ意味不明では?
いや、HBOとしては、ちらつかせているつもりなのかもしれない。
なぜ彼らがここまで愚かなのか、
「なぜならチェルノブイリは旧ソ連にあり、ソ連人は共産主義者だったから」

(ああそうだ、これはアメリカ人が制作した、ソ連人の描写なんだった!)
そもそもが信用ならなかったんだ!
視聴しながら、ずうーっとそう感じずにはいられないタイプの描写が続きました。

下手をするともう「福島原発すごいじゃん、チェルノブイリと比較してごらんよ、
福島第一原発の事後処理は完璧だよ、しかもあれは津波がきっかけ」
そんなとち狂った結論に安易に陥ってしまいそうなほどに。
ドラマ内のソ連人はてんでダメなんですよ。
……さぞやアメリカンの自尊心をおいしく、くすぐる描写であることか。
ソ連邦自体が崩壊しているので、どんなにダメダメ描写を繰り広げても、誰にも怒られませんしね。

──ソ連人は無能だし、嘘つきだし、ソ連人は共産主義だから色々デタラメだし(アメリカではこうはなるまい)。
チェルノブイリの正式名称が、実は偉大なるレーニンの名を戴いていることを誇りにしているし、
事故の会議の最中にそのことを口に出して状況を直視しないし。
ほらほうら!

むろん時には、ちゃんとしたソ連人もいる。
だが良いソ連人は死んだソ連人(実際、皆、亡くなる)──
という雰囲気が滲み出ている。

なにより……こんなことは日本人として誇れることでも何でもないが、
日本人は被爆国として、広島・長崎をはじめとし、海上では第五福竜丸、
(おまけに311からの福島原発の問題は収束の目安もつかないありさま)……と。
全世界において、日本人ほど被曝の実態についてリアルに恐れ、
義務教育の段階で擦りこまれている国民はない。

死の灰とか、黒い雨とか、ほとんど義務として知っている。

私はアメリカに留学するまで、東京の学校に通っていただけだが、
公立高校の修学旅行の一日目は広島。
もみじまんじゅうや、お好み焼きを食べる前に、まず原爆資料館と平和祈念公園に行く(強制)。
資料館では、放射能の熱線で曲がった弁当箱のお米の煤けている現物だとか、
誰かの被爆者の、実際に爪の残った指の先端の焦げかけた実物展示とかを見る。

──その晩は宿で、夕食後に各クラスごとに一人、かたりべの方が招致され、
学年全員で、かたりべの方の被爆体験について、じっくり話を。
修学旅行で、はしゃいでバカ騒ぎしている面々も、あまりの内容に、シン……
水を打ったように静まり返って、息をつめて語り部のかたの被爆体験に耳を傾けた。

そういう原爆教育プログラムみたいなものが、多かれ少なかれ、行き届いている。

ところがアメリカ人は原爆、放射能などの怖さについて、
基本なーんも知らない、なーんも聞かされて来てないんですよ。

実際、米ハリウッド映画の原子力爆弾描写には、おかしい点がいっぱいありますしね。
たとえばアーノルド・シュワルツネッガー主演の『トゥルー・ライズ』
あの映画、すごい面白いし、ハリウッドらしさ満点で、
映画館で見て、とても楽しんだ記憶があります。
それでも核弾頭爆破描写については、
ああこれ……原爆や被曝について無知な人がつくったなあ……というのがアリアリとわかる。

だって爆風と光線を浴びて、その距離でなんでみんな平気で「問題解決」モード、
抱き合って喜んだりしてる場合じゃないよね。
あれだけの爆発が起きてたら、かりに君らは平気でも、物凄く大量に死者が出てるはずだけど?
ありえないじゃん。まあ娯楽作だから良しとするけど。

私だって死の灰や、黒い雨やらの経験者ではまったくないし、そんなつらい経験、絶対したくないし、
ある意味「なんにも知らない幸せな奴」だけれども、常識としてわかっている。
私だけではない、トゥルー・ライズのあの能天気なシーンに引っかかっていた友人知人は少なくない。

我々とは比較にならないほど、アメリカ人は被爆ないし被曝について無知で、
放射能汚染は遠い国の都市伝説と同等レベル、なんですよ。

で、このHBOのドラマ『チェルノブイリ』
一話は、その手の「死の灰ってなにそれおいしいの?」
というレベルの人たちに向けて作っているドラマなんだな、というのをひしひしと感じる作品でした。

本作中の一般市民が、そのくらい灰に対しての無防備行動をしまくる。
度が過ぎてるだろう、というほど。
チェルノブイリに住んでいて、家族や友人の多くが原発勤務で、
目のまえの原発で事故が起きているのに。
あそこまでわかりやすく灰が降ってたら、あれが無害な火山灰であっても傘をさしそうな……。

ひょっとしたらもしかすると、この脚本家も、いや製作陣自体が、
原発や放射能の恐怖について全然知らないのでは? 
と思わずにいられぬほど、わかりやすく誇張しすぎて、信憑性のうすい描写が多々ありました。

そりゃアメリカ人だって原発事故とか放射能のヤバさとか、知ってますよ。
でも、例えば炭疽菌について──911テロのあと、話題になったおそろしいあの細菌が、
「なんかやばい、非常に怖い」ということを認識していても、
それがどういうふうに怖くて、どういうふうに危険なのか、私たちは知らないですよね。
(なんらかの専門職は別として。)

少なくとも、私が原爆のイロハのイ「死の灰」について知ってるのと匹敵するレベルで、
炭疽菌について何がどうまずいのか言えるかといえば、言えません。
何をどうすると、どういう症状を起こして、どんな風に危険になるのか、機序を知らない。
炭疽菌の形態すら知りませんから。

その私たちの炭疽菌くらいの立ち位置にあるんですよ放射能が、彼ら(英米人)にとっては。

アメリカはスリーマイルの原発事故とか経験してるじゃん、と思うかもしれないが、
そんなの1979年でかなり昔ですし、この事故、さいわい表立った死者も出ていないはず。

原爆を開発し、核実験をしまくったくせに、一般的に彼らは惨状を具体的には知りません。
原爆投下は日本を終戦に導いたのだから、善行だったと断言する人はまったく珍しくない
(大学院のクラスメイトに事実いた)。

その原爆も、日本に投下する前にアメリカ国内の砂漠地帯で実験して、
その実験に立ち会った兵士がその後、多数、亡くなっているはずですが、
あくまで過去の軍事機密のレベルの話。
研究者とかは別ですが、そうでもなくて知ってる人は奇特な人か、軍事マニアのたぐいです。

一般庶民が被曝して、その実情を語り継いできたりしている文化がそもそも皆無。
考えてみればとても幸せな、ある意味、放射能に関しては「おめでたい」人たち。
だから、被爆体験教育みたいなものを受けてきた私からすると、
「いくらなんでもこの状況で、このリアクションはありえない」
「もしかして原子炉の炎ってまったく熱くないとか?」 
「焚き火であってもここまで煙が立ち上っていたら丸腰で近づけないが」
「タバコの副流煙であっても、人間、少しはむせこむもんだが。こうも塵煙が飛んでいるのに、ハンカチで口すら覆わず素顔で確認するのはなぜですか」
(俳優の表情を見せるためと、皮膚の爛れ具合を見せたいためと、煙がCGだからですよね?)それをリアルな臨場感と勘違いできるほど、こちらはおめでたくいられない……。
「こういう行動に至らざるを得なかったのが事実ならば、その窮状や理由をもっと補足してほしい。説得力不足」
というシーンの数々が展開されて、
ときとして怒りすら覚える。
理不尽ですらないんで。
それとも「ソ連邦の人は全体主義の駒だから、自分でおのれの安全について、判断を下すことに慣れていないのは当然なんです」とかいう、お約束の共通認識でもあるのか?
その割に保身しか考えてない上司も多く出てくるけど……。

のちほど、その何気ない無防備行動がどれほどの悲劇や不幸を増幅させるか、
というのがもうスケスケで、
ベタすぎて、ただのおぞましいホラーに成り下がっている。
悲しいかな、米HBO視聴者と、被爆国日本人との視聴前提条件が違いすぎるのだ……。

おかげで見ごたえがない。
正直、現時点では、とてもじゃないが良いとは私は言えない。

さらには字幕の残念具合。
作中に「汚染水」という字幕が出てくるんです。
(*追記:前半管理室の場面ではなく、後半シェルター会議室近辺で発せられた「汚染水」の字幕。)
その単語、原作ドラマではfeedwaterと言っています。
つまり給水です。
(緊急事態発生で、炉の温度が急上昇したときに、急激に冷ますバックアップ用の水。)
状況からして緊急用冷却水とか、その手の水だと思います。

ちなみに汚染水は英語でcontaminated waterで、
たとえば福島の汚染水はradioactive waterと表されることも多い。
放射性物質に汚染されている水になります。

HBOドラマ『チェルノブイリ』では一話時点で、
contaminatedとかradioactive waterとは言ってない
(追記:そのシェルター会議室の場面では言わない)。
その水が「汚染水」であることを、頑なに口にしない。
なぜなら汚染水のはずがあるはずないからだ(……でも分かってる人間は分かっている)
そんな後半のシーン。

目の前で繰り広げられている異常な事態と、口にしていいレベルの情報の範囲との、
あまりにかけ離れた差異。
目には見えない放射能というものを、現場でどう把握していいのかわからない、ちぐはぐな不気味さ。
これらが#1エピソードのキーでもあり、ホラーとしては秀逸、と表現したいところなんですが……。

本来のシーンは、
汚染されてるのはみえみえなのに、それでも汚染水とは断言しないで点検に行かせようとする、
上司の見え透いている忌々しい言動の描写のはずが。

……あ、言っちゃうんだ?
それ汚染水ってことでいいんだ?

(暗黙の了解とか、無言の攻防とか、どこいった……)
お偉いさんが「汚染水」って、運転員がわかるところで口にしちゃってるもん、
そりゃ丸腰で点検なんて「やれません」って当然なるよね?

誰もが少しずつ自分の都合の良いように、嘘をついたり隠蔽したりして、
事実を見ないで信じたいものだけを見ようとするのが積み重なって、大惨事に、
というテーマだったはずだけど、あれれ?
早々に汚染水って馬鹿正直な字幕をいただきましたよ?

いろいろあったがここが一番ひどいと思った。

次回予告、
有名な演技派女優・男優が複数、出てくる。風格があって、いかにもソ連の関係者にしか見えない。
チェルノブイリ原発事故の舵取りが、いかに迷走し、座礁するのか。
ときに政治的で、ときに悲惨でもある人間ドラマが展開されるはず。
まさか共産主義のソ連邦だったから大惨事になったという「掘り下げかた」だけではあるまい……。

エミー賞も受賞していますし、一話目は手ならいとして、
2話目、期待しています。

*追記(2019/9/29)


日本的美意識 [な行]

カズオ・イシグロがノーベル文学賞を獲ったことが話題ですね。
「カズオ・イシグロは日系ギリス人で、日本語はしゃべれないし、英語で話を書いている。
なのに、まるですっかり日本人扱いの日本文学扱い。日本人てば調子いいよ。
おいしいところにとっつきたがる、すぐ尻馬に乗りたがる」……的な発言もチラホラと見かけます。

たしかに、日本の研究土壌では予算や着眼点その他が認められず、
海外にいわゆる研究的亡命を果たし、アメリカで永住権あるいは市民権すらをも取得し、
海外で研究した成果が認められた、研究者の功績を「日本人研究者の功績」
として扱って憚らない、昨今の現状に関しては、
私は「恥ずべきだ」と思う。改めるべきだと。

しかし、カズオ・イシグロに関していうと、
彼の作品は、日系人作家だということを抜きにしては語れない部分が色濃く出ていると思うので、
よくある、「なんでもかんでも日本産扱いしてフィーバーしたがる」というのとは異なるのではと。

(あと彼は日系二世(?*)イギリス人。
これは単に私がアメリカに留学した時に感じた個人的な経験にとどまるが、
二世の人は、日本人のわたしが想像している以上に、
排除するにせよ取り入れるにせよ、日本や日本文化を意識していた。
場合によっては日本人以上に、日本的な価値観に縛られている人も少なくないのだった。)

といっても、私はカズオ・イシグロのファンでも何でもないし、
それどころか、映画化している作品しか知りません。
だから何言ってんだお前、と思われても仕方ありませんが。

ただ、カズオ・イシグロがブッカー賞を受賞した『日の名残り』
この映画化された『日の名残り』――アンソニー・ホプキンス、エマ・トンプソン主演
この映画が、わたしは異常なほど大好きでして。

キャスティングも良い。主演二人のほかにも、
クリストファー・リーヴ、彼は落馬事故で首下が不随になり、
車椅子生活を余儀なくされた挙句に、数年前に亡くなりましたが、
まだ事故前の、まったく壮健な状態で出演している。
よくも悪くもアメリカ人らしい言動をかます役どころが印象的です。

ヒュー・グラントも、今みたいに女ったらしのキャラが定番になる前で、
まだ映画『モーリス』のクライヴ役の余韻を引きずっている、
名家出の品の良い、ちょっと影がある若者で出てきます。

とにかく私はこの映画が大好きで、
アメリカ留学中にビデオを見つけたときに即買いしました。当時は高かった。
ビデオというところがポイントで、まだDVDなんて無かったんだ!
ビデオだから一回見るごとに擦り切れて、劣化してくわけです。
見るときには、こと好きな作品のビデオのときには、
気合いを入れて巻き戻しとかなるべくしないで、一気に脳裏に焼きつけるように見るんですよ。
そうやって幾度となく見てきた。

(似たような舞台設定であるテレビシリーズ『ダウントン・アビー』を何シリーズも見るのであれば
正直、『日の名残り』の映画を百回、繰り返し見たい派なのである。)

『日の名残り』の映画に日本人は一人も出てこない。
日本の話題も全く出てこない。日系人も居ないどころか、アジア人も出てこない。
ユダヤ人とドイツ人とアメリカ人とフランス人は、ちらっと出てきますが、
がっつり英国人の英国映画。
それでも猛烈に日本ぽい侘び寂びが、いたるところに滲み出てるんです。
無視できないほどに。

それが英国のお屋敷の作品世界に、絶妙にマッチしている加減がたまらないし、
作品世界にそこはかとない影を落としていて、それが妙に腑に落ちる、深い味わいと化している。

カズオ・イシグロは映画化に恵まれている作家だと思います。
映画がいわゆる「原作レイプ」に陥っておらず、
作品へのリスペクトがちゃんとなされていて、文学の端正な三次元化に仕上がっている。
まれにみる成功例といえるケースな気がしています。
タイトルもすべて、映画が小説タイトルのままですしね。

映画『わたしを離さないで』の原作小説『わたしを離さないで』は、
「エモ系ディストピア小説で、淡々とひたすら嫌な感じの展開が続く」
といった一部批評を先に目にしていたので、
そのいっぽうで過剰なまでな絶賛組も多く、遠巻きにしたまま、
正直、いまひとつ気乗りしないで映画を見に行った。が、
好き嫌いはともかくとして、これもとても良く仕上がっている映画でした。

この作品にも日本人は一人もいないし、そもそもイギリスなのかどうかもわからないような世界観。
ディストピアな世界線で描かれるSF(?)なんですが、
施設内の雰囲気はイギリスっぽい風景1930~1950年くらいの設定に映る。
でも一歩、施設の外に出ると1990年の世界が広がっているんですけど。

主人公の「苦難」を受け入れようとする姿勢と言動に、共感できるところは少なかったが、
(私ならば何としても逃げ出す、抜け出す努力をするので)
これもまた、カズオ・イシグロが書きそうな世界であることよ、という……。
「耐え忍ぶ、我慢は美徳。それが他人(ひと)の為になるならば」
という観念が、美しい哀れみを誘うという展開なんですよ。

「自己主張は悪」
「自分の感情があるのも本当」
このジレンマの存在を認識しつつも呑みこんで、流されていく感じです。
日本文化に根強く宿る「美意識」じゃありませんか? 
(私個人はその精神を美意識とは呼びませんが。)

これらはしかし、私が勝手に「日本的な精神性が強いなあ」と感じとっているだけだし、
作中のそこはかとないペシミズム、
清貧に宿る孤高さ……(下手すると、しみったれた感じになりうるギリギリ手前)な感じは、
カズオ・イシグロ独自の個性なんであって、日本文化は関係ない、
と言われれば、それまでか。

『上海の伯爵夫人(The White Countess)』という映画がある。
カズオ・イシグロのオリジナル脚本。
監督は、『日の名残り』のときのジェイムス・アイヴォリー。
この作品、私、好きなんですが、
これは珍しく日本人ががっつり出てくる。
日本人役は真田広之です。

この真田広之が、かっこいいのだ。英語もとても自然。
英語で台詞を言わされているという感じがまったくなくて、
ふつうに役になり切って、その役どころが英語で会話をしている。

カズオ・イシグロのオリジナル脚本なので、
監督やプロデューサーに「こういう作品書いてね」と言われるがままに
脚本を仕上げる、ライター稼業の脚本とは、わけが違います。
映画化ありきで、カズオ・イシグロがお話を作ったのだ。

主役は、『イングリッシュ・ペイシェント』のレイフ・ファインスと、
ナターシャ・リチャードソン(リーアム・ニーソンの妻で、近年スキー事故で亡くなった)。

ナターシャ・リチャードソンの実母はヴァネッサ・レッドグレイヴで名女優ですが、
このヴァネッサ・レッドグレイヴが、作中では義伯母役をしてます。お姑側の伯母さま役です。

白系ロシア人の亡命貴族が上海に落ち延びて、租界で貧しい暮らしをしている。
(タイトルのThe White CountessのWhiteはこの白系から来ている。)
いっぽう、事故で妻と小さい娘を失い、自らも盲目となったアメリカ人の元外交官役、
レイフ・ファインス。
二人が出会います。

おりしも日中戦争がくすぶりそうな不穏な時代で、
日本人であるマツダ(真田広之)は戦争勃発までの根回しに暗躍している、謎めいたキャラクター。

真田広之の役は敵役であり(べつに愛情関係はからまない。政治的に敵役)、
いってみれば悪役なんですが、
そのカッコいいこと! 悪いのにですよ。
とにかく知的で有能だし、気品があるし、礼儀正しいし、
それがわざとらしい、あからさま感じではなくて、日本人だから滲み出てくる知性、
という描かれ方です。
日本人独自の気骨を持って、スマートに行動する。

欧米映画の作中で、日本人が日本人役で、わざとらしくなく、こうもカッコよく描かれている作品、
私はほかに出会ったことがありません。
(無害な空気みたいな役とか、ユーモラスなあるいは滑稽、もしくは粗野なのとかばっかり。
『ラストサムライ』は信念があって良かったですけど、あれは侍がテーマだし、
ちょくちょく不自然さは有りました。)

これは日本人作家であったなら、
日中戦争の準備のために暗躍するマツダ役を、ここまで格好よく描くことに躊躇しただろう。
又、日本にゆかりのない作家が書いた場合、ほぼ間違いなくこのマツダ役は、
下品かつ横暴に描かれたのではなかったか。
日系人カズオ・イシグロは恥ずかしげもなく、マツダをここまで格好良く、上質に描く。

ほかにも歴史的な視点と扱い方が、
カズオ・イシグロが日本と全く無縁の作家だったら、こうは書かなかっただろう、
というのを色濃くうかがわせるのだ。

とはいえ、これはあくまでも私の感じかたに過ぎません。
未見のかたは、とても良い作品ですし、
これを機会に、映画『上海の伯爵夫人』おすすめです。
日本ではメロドラマやラブストーリー扱いになってますが、
そういうレベルの映画じゃないです。
カトリーヌ・ドヌーヴの『インドシナ』を髣髴(ほうふつ)とさせる大河ドラマ。
亡国の民の描きかた、
〇系人という、二つの祖国を持っている者特有の悲哀とか強さとかが際立ってます。

後半、どの船に乗ったら逃げられるか、という場面に至っては、
なにしろ主人公の目が見えないので、並大抵の切羽詰まった感じゃない。
どの役者も鬼気迫る演技力。
かといい無様に錯乱したりしないから、見ごたえがあります。

*



共通テーマ:映画

夏の行楽シーズンにむけて [な行]

ネット界隈でずいぶん拡散されていたし、NHKニュースでも取り上げられたとかで、
日本での学級避難時における「おかし:押さない・駈けない・しゃべらない」に匹敵する、
テロ遭遇時の行動規範の優先順位である
「Run/Hide/Tell」
こちらはもっぱら知れ渡ってきていますが、
英治安当局がつくった次の動画がとてもわかりやすいです。

https://youtu.be/f_VrwYJawxc
Run Hide Tell: Stay Safe in the event of a terrorist attack abroad
Counter Terrorism Police UK

銃声が聞こえたら~で、聞こえてくる動画の銃声が、
爆竹の音よりもずっと控えめなので、音が相当遠い時点で行動しないと逃げ切れなさそう……
そうなったら隠れるしかないんだな、といった面でもリアルに勉強になります。

逃げるときには、グズグズ躊躇ってる人間を急き立てて、無理にでも連れていくこと、
とはいえ、かれらのおかげで出遅れぬよう、いざとなれば見限って自分は逃げる、
など綺麗言じゃないアドヴァイスの数々。
そういう地に足の着いた忠告部分は、日本のメディアでは省かれて、なぜかきちんと拡散されない。

参考までにこちら↓
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170711/k10011054441000.html
英当局がテロ遭遇時の対処方法まとめた動画を公開(NHKのNews Webの記事)

英治安当局の動画ではテロに遭遇し、万一逃げ切れず隠れる場合におけるキーポイント、
バリケードをつくるとか、袋小路・行き止まりなどに逃げ込まないとか、
携帯の音を消す(マナーモードであるバイブレーションも消す)とか、
いろいろと具体的なアドヴァイスが。

動画後半、
「警察は現場に踏み込んだ時、場合によってはあなたと襲撃者との区別がつけられません」
これはリアルに怖いし、自分を含め日本人は、よく心得ておいたほうが良い部分だなあと。

まず警察は、あなたにハードモードで銃口を向けて接してくるから、
恭順の態度を明確に示し、
急に動いたり叫んだり手を振ったりしては駄目。

下手したら警察に射殺されかねないことを示唆しているのも、親切な動画です。

それにしても英国人って、


二極化 [な行]

先日、大沢たかおを、かなりお好きな女友達に久しぶりに会いました。
とても真面目できちんとしている友人なのですが、
以前、大沢としお、とわたしが言い間違って、プチマジ切れされたことがあります(笑)
大河ドラマ『花燃ゆ』を見ているそうです。
もちろん、たかおが出ているから。

私「伊勢谷の松陰先生がいくらイケメンだろうとも、
美形の高良健吾がいくら高杉をやろうとも、あの大河ドラマを見続けられる根気はなく……」

いっぽう彼女は、大沢たかおが出ているかぎり、見続けるつもりのようです。

私「ひょっとして、ちゃらちゃらしてない男の人が好き?」
友人「あ、うん」
私「あー大沢たかおって誠実そうだもんね。実際のところは全然わかんないけど。ほんとは超ちゃらちゃらしてるかもしんないけど。そこは我々は知る由もないわけだし、テレビからうかがい知れる範疇においては」
友人「えー、もしも実際にちゃらちゃらしてたら、やだなあ」
私「……やっぱ、やなの? そこは大好きな大沢たかおでもいやなの?」
友人「いやだなあ」
私「そっかぁ。わたしチャラチャラしてるの、けっこう好きだけど。駄目?」

ここで双方、微妙に話が嚙みあわなくなってきているのですが、
わたしは二次元設定、
正確にはこの場合、2.5次元上の話をしており(ドラマとか芸能人とかの話題だったので)、
しかし、おそらく彼女は当然のように三次元のリアルな場面を想定して話をしているのです。

しかし二次元の延長線上に三次元があるわけですから、まったく別物というわけでもない。
ただ次元が違うのみ。

彼女は、私の小説を好意的に読んでくれるのですが、
いつぞや『黒猫ギムナジウム』のときに、「猫目坊と狭霧だったらどっちがいいとか訊いてもいい?」
と尋ねたところ、猫目坊を、かなりお嫌いみたいでした。
というか眼中にも無いようであった。
なるほど原因はチャラさ……。
内実がどうこうではなく、チャラっぽい外見と雰囲気なだけでアウト。

今日、こんな記事を見つけました。

【中身編】「友達でいよう!永遠に!」と女子が思う男性の特徴 2位「チャラい」男性
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=60&from=shared_ranking&id=3431804

記事によれば、ありえないのは、
1位 食事のマナーが悪い 47.0%
2位 チャラい 43.3%
3位 頭が悪い 39.7%
4位 ナルシスト 37.6%
5位 話がつまらない 34.4%

なるほど。

しかし食事のマナーをはじめ大変スマートに行動し、
頭が切れる知恵者で、己の分をよくわきまえていて、
話が超面白いうえに……チャラい。
それって感じの良いイケメンかと。

そもそもスマートに行動する切れ者で、話が超面白いって時点で、ある程度チャラついて見える。
――くそまじめの堅物で逆に面白すぎる、阿呆すぎて滑稽などというケースを除いては。

服装やしゃべりかた、趣味などから、いかにも真面目そう……という地味タイプのほうが、
警戒されない分、ここぞとあらばナルシスト全開でせっせと粉をかけ、
したたかで器がちっさかったりする。
そんな村上春樹の小説の主人公気取りのつもりなのか?――的な「文化系オヤジ」が、
わたしの本を読んでくださる読者層の界隈では忌み嫌われているというのに。
(文化系説教ジジイにモテない方法http://togetter.com/li/237431

ちょっと前に、チャラ男VS中二病を拗らせすぎた文学系少女(http://togetter.com/li/793297
このまとめが話題になったりもしていたのに。

データ取ってるパラダイムが違うのか。
チャラいの定義が異なるのか。
棲み分けの問題かしら。
それともあれか、ひとまずチャラいのは嫌いだと言っておくツンデレ的な作法なのか。

いろいろと乖離を意識します。

に……日常系 [な行]

今期開始のアニメでとりあえず今のところ一番面白いな、と思っているのは『血界戦線』です。
なぜか身のまわりで見ている人をまったく知らないので、
さりげなくお勧めしておこう……。

背景絵が込みいっていて毎回眺めてるだけでも楽しいし、
人物がリズミカルに動くし、
声優は実力派ぞろいの、うわあ良いキャスティング……だし、
主題歌はBump of Chickenだし、
良い意味で安心して見ていられます。痛快。

1話は、ん?
という謎テンポとカオス展開で、さすがに良くわかんなかったのだが、
2話から、ぐんと面白くなり、ははーんこういうテイストかあ、と理解して、
3話は3話目にしてもう安定の小気味良さです。

血界戦線 #01「魔封街結社」
http://www.nicovideo.jp/watch/1428306932

血界戦線 #02「幻のゴーストワゴンを追え!!」
http://www.nicovideo.jp/watch/1428915744

エンディングを何っ回も見てる……。キッチュに動くよなあ~。

サムチャとか銀魂とか、カウボーイ・ビバップぽさもあるかもな、という類の
「うさんくさい犯罪がらみの日常系?」が不足している視聴者には、
これだよこういう弾け具合のだよ……と。
キャラにみんな愛嬌があります。

TVアニメ『血界戦線』PV第3弾
http://www.nicovideo.jp/watch/1426826885
忙しかったらこのPVだけでも最後まで見てみて……。

===
先日、大関ヶ原展に行ったレポを忘備録をかねて書こうかなと思ってブログに来たのだが、
気が付けばアニメのこと書いてるうちに、
個人的にタイミングを見失った。
まあいっか~。




共通テーマ:アニメ

南無三 [な行]

わりと当ブログで「このアニメおもしろい」とか「すごい」とか「楽しみ」とか、
具体名をあげてつらつら書いた後に、
ガタッ
とクォリティもろもろが下がることが多々あるので(必ずしも全部ではない)、
現在放映中のアニメに関して迂闊に言及して浮きうきするのは、やめよう……
と慎重を期しつつある今日この頃なのですが、

いつまでたっても神アニメの丁寧なつくりのままですよ、
いつまでたっても劇場版クォリティのままですよ、物語もわくわくすっぞ、
いつまでたってもOVAクォリティを死守ですよ、

……というアニメが今期3作くらいあって、楽しみにしている。とても。

そういえばわたしは割と最近まで、
ワンクール、ツークールという言葉と、
一期、二期、って言い方の区別がろくすっぽ、ついていなかったのでした。
大体このクールって何語なんだ、と思ってググったら、判然としないらしい(英語ではない)。

私は勝手に英語だと思い、
一回やって、冷却期間を置いて、またやる、というタイプの一期二期のつくりかたを、
ワンクール、ツークールと呼ぶのかと思っていた節がある。

かつまた、進撃のアニメを「二期も続けてやってくれる」とか書いていたブログ記事があり、
あれはツークール連投で、と言いたかったかと思われる。
南無……。

ところでOh my God! とかGod……! とか、
私は極力、使いませんが人によっては多用するこれらの言葉を、
南無三!
とか
南無……!
などと、なむなむ訳している映画とか本に最近めっきり行き当たらない。

一挙にレトロ感が増すけど、
こんなにもぴったりしっくりくる的確な対訳はない気がするので、
語法が廃れていくのは、さびしい。

Oh my God! という発言や語法自体が減ってるならともかくも、
たぶん増えてる口だと思うから(Swearingは昔の人より、現代人のほうが気軽に使いますよね、
どうしても)。


上りエスカレータで下らないために [な行]

人生の教訓みたいなタイトルですが文字通りの意味で。
昨日、上りエスカレータで下ろうとして怖かったです。
ヒヤッとしました。
なにやってんの。

初めての場所に行くと大抵とんちんかんな小っちゃいミスを一つくらいして帰ってくるのが最早、
自分のしきたりなのですが、
クロークでもらいうけたコートのホックを留めながら階下のロビーに降りようとして。
上りエスカレーターに直行してたわけだったのね。
いや、さすがに上下どちらかのエスカレータに人がいたら気づくかと。

……いえ、たしかに以前、
上りエスカレータかと思って突き進んだら人がどんどん突進して降りてきて、うわ、こわ、おっと!
と、なったことがあった気もするけど、あれは、ものすごーく慌てていて。
時間的にピンチで急いでいたのである。しかもやはり慣れない場所だったので。

今回は、誰もいない滑らかなエスカレータが二基並んでおり、わたしはぷち、ぷちん、とコートの前を留めつつ下ろうとして足を踏みだし、乗りかけて、手をベルトに置いた瞬間、
抵抗を感じて、ふいっと顔をあげたら、うおぁっ……。

足許がおろそかすぎます。
すぐさま周囲の目を意識して、自嘲気味に少々気恥ずかしく小さく笑い、
いやだ私ったらテヘぺろ的にそそくそさとお隣のエスカレータに行って無事に下りましたが。

ここから割とまじめな主張をする。

一昔前のエスカレータって、エスカレータの昇降口が交互に設置されていた。
上りと下りを間違えるってトンチンカンはまずありえなかったです。
上りたいのに、こっちは下りか……ちっ
と、ぐるっとまわらねばならない手間はあった。

最近のエスカレータは上りと下りの昇降口が並列で、
二基が同じスロープをなしているので、
遠見に、右側と左側、どちらが下りでどちらが上りか、区別がつかない。

交互にするより空間の構成上、うつくしい。
あとまた交互になってると、子供などがエスカレータの脇から身を乗り出しての事故(エスカレータが交互になっている三角の一隅に首を挟んでの死亡事故)が防げるから、積極的に採用されている構造なのだと思います。

ただ、ちょっとぼんやり歩いていると、けっこう(そうだよ実はたびたび)上りと下りを間違えかけて、ひやっとする時があるのです。

いつもコートの前を留めながら歩いているわけではないが、マフラーを巻きながら、あるいは外しながら歩いたりする瞬間ってある。荷物を肩から掛け替えようとする瞬間とか、ちょっとした一瞬で注意がおろそかになるときってありませんか。

歩きながら携帯は見ないポリシーであっても、メールが来て誰からだとカバンから取りだす瞬間とかね、運転してるわけじゃないし、そういうの誰でもあると思うんです。

まあ……あの、私は、性格診断というのやると大概、“考え事をしている事が多いので、周囲を見ていない事が多々あります。事故に合わないように注意が必要です”という分類に括られるんで、そのせいはありましょう。ええ、そうですとも。

当日、それまでずっと上下を繰りかえしてきた駅のエスカレータが全部左側通行だったせいもあり。
脳内にエスカレータは左側と自動刷りこみが成されていて、当然のようにその自動モード設定に準じて歩いていた。

で、私としてはなんかこう、基本ルールとして、エスカレータは左側通行設置とか、あるいは右側通行設置でも無論構わないが、統一して建築の基準として設けていってほしいなあと。

よく「福祉に優しい社会は思いやり社会」みたいなの言われますけど、福祉に優しい社会って、普通に健常者にとっても、便利でより安全な街づくりなわけだ。「思いやり」がなくてはむろん世の中はダメになるけど、日本って「まず思いやり、ありき」の前提で、「思いやり」に頼らないとやってけない構造が強すぎる。

人に道を聞かなくとも進めるような街づくりとか、誰でもわかる道筋や導線(および動線)の整備にまずつとめてくれると、ぼんやり屋も助かるなあと。

私のささやかな人生経験上と旅行経験上、この整備がもっとも素晴らしかったのはスイスでした。
スイスの空港から電車を乗り継いでドイツに入国。女一人で、夜十一時ごろに、初めての場所で。
おまけにドイツ語わかりません、ろくに読めもしない、
あいさつ程度の片言のフランス語は役に立たないので、
英語と下調べだけで勝負、
ちなみに方向音痴、道に迷った経験は国の内外を問わず、星の数ほどです!

……という私が、初めての空港で、ドイツ行の電車のチケットを購入する場所にまず行けるのか、というところからはじまって、目的地までの適切な電車を選び、そのチケットを窓口でゲットし、的確なホームに直行し、まちがいない電車に飛び乗る。その電車を逃すと翌朝まで電車がこない。あるいは1時間半程度で着くところに、夜中かけて(ひょっとすると寝台料金を払って)ゆっくり進んで目的地に着く電車にのる……という瀬戸際な状況下で。

何ら問題なく、一ミリも右往左往しなかった。大きなトランクを引きずりつつ、一切の滞りもなく進んで、すんなり目的地に到着したのは、わたしが実はすごいのでも、運が良かったのでも全くなくて、スイスがすごかった。(それとドイツのタクシーの運転手がきちんとしていたのは言うまでもない。)

ただスイスは、これまた私の数少ない経験値から語ってるにすぎないのですが、
ローカルな人たちは、基本、無愛想を通りこして、もんのすごく意地悪で、
険悪ですらあり、呆気にとられるほどした。

だって私がスイスから英国に降りた国際空港で、ごまんといる旅行者の中で、あきらかにスイス人じゃないなこのお姉さんという白人女性が(NW航空で英国からアメリカに向かうアメリカ人のようだった)
私に近づいてきて、
……そう、あきらかに、あの空間でもっとも英語が不得意そうな私のところに、同じ行き先でもないのに(私は日本に帰国するBAのチケットを持っていた)不安げにやってきて、
あの、私はここでシャトルバスを待っていていいんですよね?ね?
と、キョロキョロおどおどしながら尋ねてくるくらいに。周囲のなみいるスイス人は圧倒的に近寄りがたいんですよ。

先進国での忙しい都会の日常における無愛想、とまたちがって(先進国なのに)
むしろ都会的に訓練されている場所のほうが人は普通で、しかも生真面目で、
きちんとした仕事ぶりをしてくれるのであった。
で、我々の基準からすると、「田舎の偏狭な偏屈者ッ」みたいなのが国民性に流れる血のデフォルトみたいでした。

でも、だからこそ外国人でなにもかも不案内の旅行者の私が、
人に頼らずに進める街づくりが整備されていて、さもなきゃ国際都市として成り立たなかったのかもな、と解釈した。
いや、かれこれ十年ちかく前の話なので、今は違うのかも知れませんけれども。

動線がきちんと整備され、確立された土壌に、
ここ日本特有の「思いやり」も備わったら、怖いもの知らずだよなあ、と期待したくなったのだった。
最近の日本のエスカレータは長いし、動きが滑らかだ。
エヴァンゲリオンの第三新東京市の地下へおりていくエスカレータ並みなのも珍しくない。

エヴァのパイロットでない、たとえば眠たい人でも、私のようなボンヤリ屋でも、
慣れない場所でヒヤっとしないように対応してくれると、
今後エスカレータでの転倒事故の誘発を、いくらか未然に防げるのではと思ったのでした。
オリンピックもやることだし。

もとはといえば明らかに自分の不注意です。

脳梁がんばれ [な行]

先日アルゴ(映画)を見に行って、
このロゴに、
WarnerBrosTelevision_logo.jpg
あれ、モスバーガーじゃん! 
と一瞬本気で思った私は確かにお腹がすいていたが、

家に帰ってテレビにドジョウが映っていたのをみて、
あ、もぐらだー
と口走りかけたのは本当なんだったのか
かるく自分の言語野が心配になるレベル。


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念写 [な行]

夜になるとひときわ怖気だってたちこめるような金木犀の香りも衰えてきて、
秋深いっていうか、もうただ寒いだけじゃん!

・・・・・・ってな時期になってきました。睡魔がいたずらに眠気を募らせやがります。

前回のブログに記したミステリマガジンが手元に届きました。

小島文美氏の絵が、え・ろ・い。
いや、なにひとつえろいものはひょっとしたら描かれていないかもしれなく、
えぐいものも、これといって描かれていると言えないのに、
むごたらしさを想起するっていう。

ハッと美しい可憐なものは、はっきりと描写されており、
くわえて・・・・・・え、これがえろく見えるのって私が視点おかしいのか?
みたいな両者が共存したひとつの姿が描かれておりまして、
うわぁあまさに!

・・・・・っていう扉絵です。


いっぽう鈴木康士氏の『風切り羽の安息』の扉絵は、
夏場のそよ風みたいな瞬間を、
的確に捉えてあって、
おおおまさに!

・・・・・っていう扉絵です。

扉絵から受けるイメージが、
そのまま作品のイメージそっくりまるごとの印象だと思っていただいて間違いない、
そのくらいどちらも作品の世界観を念写したみたいでした。

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寝かせといてあげて [な行]


なにこの行き倒れ。ねこなのに無防備すぎ・・・・・・やばい。かわいい。

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ニューヨークも寒いが東京も寒い [な行]

一週間ほど、大学留学時代の友人Aと、アメリカのNYに行ってきました。
Aと私はルームメイトでした。
お互いにルームメイトは他にも色々居たんですが、
お互い、いちばん長いこと一緒に暮らした。

Aの友人のJちゃんがいまNYに6~7年住んでいます。
留学時代、JちゃんはAのところによく泊まりに来て、
JちゃんがAのところに来る=うちに泊まる。
おかげで、いつしか3人で出かけたり、自然わたしもJちゃんと知り合いに。
で、NYに行ってきました。

夜のロックフェラーセンターも、その前にある美しい電飾のクリスマスツリーも、
アイススケートリンクも、
映画『ティファニーで朝食を』の五番街にあるティファニーも、ああNY。
クリスマスシーズンで混んでました。
貧乏人なのに中に立ち寄って、うっかりお買い上げをはたす我輩。
円高だけどTAXが高い。得だか損だか、いまだ分かってません。

年季のいったブルックリンブリッジも、渋いし、
そこから一望できる湾の夕焼けも寒々として美しい。

予約しておいて見に行ったブロードウェイミュージカル『ウィキッド』も、実にNY。
ブロードウェイの劇場は、新宿コマ劇場みたいな親しみある、小じんまりしたつくりでした。
でも舞台装置の桁はサラッと違う。

ブルックリンブリッジを見に行く途中、迷って偶然たどりついたグランドセントラル駅がすごく大きく宮殿みたいで美しく叙情的。ここで誰かを待ち続けるとしたら、さして不幸ではないんじゃないかしら。
『アンタッチャブル』に出てくる駅がありますね? 落ちていく乳母車を挟んでのスローモーション銃撃戦シーンが有名な駅。あれはシカゴ・ユニオン駅ですが、ああいう造りで。
そうそうブライアン・デパルマの『カリートの道』で、アルパチーノが逃げる駅は、NYのグランドセントラル駅です。

目につくものすべて、ああ見たことある、ああこんな感じかあ、といった街並み、地下鉄。
地下鉄は、いろんな映画に出てきますよね。
『大いなる遺産』で、イーサンホークと、ロバートデニーロが逃げる地下鉄。
ああいう、暗くて、汚くて、さびれている雑踏。演出じゃなくて、あのまんまです。
線路に落ちてるごみがハンパないし(笑)線路にネズミがチョロチョロと走ってました。
寒いせいか、臭かったりとかは全くないです。あとまず安全です。
慣れてくると地下鉄は、日本の東京の地下鉄よりわかりやすいです。

みんなのうたで有名な、"タイムトラベルは楽しい~♪" 『メトロポリタンミュージアム』は、
もう私このミュージアムの中で暮らしたい、って思うくらい。
金曜の夜は遅くまでやっています。で、夜は空いていて。
夕方がオススメかも。ツアー客とかが引けてるので。
広すぎる、がらん、とした中、
本当に天使の像が、"夜になるとここは冷える君の服を貸してくれる?~♪"
って囁きそうに静かで。
静寂にあるローマ時代やヘレニズム時代の像や石棺、美術品。
配置が完璧で、涙でそうに良かったです。
(あとで写真を添付する予定です。
うっかりフラッシュたいてバシバシとってたら、
係員にフラッシュはダメですよって静かに諭された。そりゃそうだ。)

街は有色人種が混在していて、日本人が目立つこともなく、
文化も多様な分、食べ物は相当おいしい(高いが)。

みな地下鉄で移動していて、人が出歩いているので、
歩いていると危ないということもなく、(……LAは歩行者が少ないので歩いていると危ない)、
遅くなっても夜にも出歩ける。
イエローキャブは安全だし、拾いやすいし、そこらじゅうに走ってる。
(タクシーの運転手は当たりハズレがけっこう激しい。それはまあ日本でもそうか。)

3月にラルクが単独ライブをするマディソンスクエアガーデンを、
しょっちゅう、わき見しながら移動する毎日。
おおNY!

だが基本、街が汚い。
しかも、ひどくきたないです。
街全体が、巨大なゲットー。実際そうかはさておき、イメージ的に、かなりそれです。

むろん、ウォール街や、マンハッタンとかの高級住宅地は違うんですが、
高級住宅地も、LAのビバリーヒルズみたいなお屋敷が建っているわけじゃないし。
NYの市街地は、いろんなゲットーが集合して一つの街をなしているかんじ。

街はでかい、そのぶん人も多い! 多すぎる。混雑しすぎ!
渋谷や新宿の何倍混んでるんだろう……
で、ニューヨーカーは無愛想! 
信じられないくらい無愛想で、Uptight! 服装も暗すぎ! 
都会的でおしゃれというより、ただ黒を着ているだけのような……。

彼らは歩くのが速すぎる。
私は東京に暮らしていて、
LAに住みだしたとき、どこも、みんな歩くのおっせーなーと思ったもんです。
まあたいてい、欧州だろうと、どこだろうと、
日本人は、歩くの速いんだなあ、みんなおっせーなーと実感します。

が、NYの雑踏は、軍隊行進なみです。まじで遅い人は蹴散らす蹴散らす。
で、歩行者はみんな信号を守らなすぎ。
車も車間距離が狭すぎ。
レディーファーストなんて存在しない! 
ドアなんて、いまどき日本だって後ろの人に押さえてあげますよね。
後ろにいるのが女でも男でも子供でも老人でも。
そんな習慣、NYでは存在しないのです。仕事で立ってるドアマンしか、しません。

珈琲ショップとか、劇場とかの、外でのトイレがいちいち汚い!
そして少ない!
観光客にとって、トイレが少なくて汚いのは、かなりこたえる。
その都度ホテルに戻りたくなります。

ちなみに私の尺度は、日本の東京+アメリカ西海岸尺度がメインに構成されてると思います。
LAは基本的には街がきれいだし、どの店でも、どの劇場でも、どの空港でも。明るく、広く、清潔。
LAやロングビーチはそれでも都会で、無愛想な街といわれています。
ニューヨーカーと比べれば、スーパー愛想がいいんだと実感。
というか、ツンデレ系欧州都市、パリとかフランクフルトとかロンドンとかと比べても、
NYは比較にならないくらい、ひときわ無愛想でしたよ(笑)
JFK空港なんて、これ本当に国際空港なのか……? 
という汚さと、しょぼさ……。老朽化しすぎなのでは。で、ツンツンぶりはすごいが、デレがない。
税関がウェルカムの一言も言わない。そんな空港、はじめてです。
私が言われないんじゃなく、誰として言われないんです。
(ちなみに私の知りうる中で、空港ベスト1はジュネーヴ空港。機能的でまるで未来都市。
2位は羽田の国際線。)

西海岸に暮らしている間、私はとくにめぼしい観光名所にほとんど行かなかった。
LAとかロングビーチとかは、東側や欧州に比べると文化的名所が少ないので、
振り返ってみると、生活の記憶しかない。
が、気候がいいし、日々が気持ちよかった。海とか海岸線が広くて、歩いているだけで幸福でした。
で、西海岸的観点だと、
「こういう街並み、こういう人種、こういう服装の人たちが歩いている、こういう汚いところは危ない」
という雰囲気の地域が、NYではあまり危なくないんですね。
しかしカリフォルニア・東京の尺度に影響され慣れてる私たちは、いちいち警戒心が募る。
NYはなぜこうも殺伐としていて、雑踏で、汚いんだよう……と大都会にひたすら消耗する(笑)

でも住んでいるJちゃんは、
NYの活気にパワーをもらって満喫してました。
エネルギーに有り余っている人は、NYに行くともっと元気になる気がする。
鍛えられます。
癒されはしません(笑)
Jちゃんの部屋で、私を含め日本人が5人くらいあつまって、小さいホームパーティがあった。
NYに住んで、NYに馴染んで、NYを愛している人は、皆パワフルで、ガツガツしてます。
初対面の人もいるのに夜遅くまで話が弾みました。

映画館は意外にもとても綺麗でした。
映画館は落ち着きます。
私は一人でいくらでも居られる。落ち着く映画館があるかぎり、その街に暮らせる気がする……。
といっても観光に行って、映画館に入りびたりでは意味がないんで、
『シャーロックホームズ2』だけを見てきました。
『フロムヘル』のオマージュ・パロディ色が強かった前作よりも、
私には今回のほうがキャラも世界観もユーモアも奥行きが出てきて面白かったです。
エンディングも、ガイ・リッチーらしい終わり方で、にやっとさせられました。

クリスマスの24-25は、日本のお正月・三賀日にあたるんで、
めぼしい店はほとんど閉まります。
部屋でTVを見る時間がたっぷりあって、
『The Big Bang Theory』という、カリフォルニア・パサデナを舞台に繰り広げられるシチュエーションコメディが、めっちゃ面白かった。
30分一コマのコメディを、クリスマスにちなんだエピソードをまとめて一挙放送していました。
Aと一緒にテレビを見ながら、十年前のルームメイト時代がよみがえるというか、笑いころげる。
NYに来て、テレビが面白いとか、いいのかそんなんで。

『The Big Bang Theory』は若手天才科学者で奇人の主人公:シェルダンが、面白い。
ギークで、SF映画・アニメ・ゲームマニア。
天才すぎて、言動からよく頭がおかしいと勘違いされ、
初対面の人には、わりとしょっちゅう通報される。

http://www.youtube.com/watch?v=mlhHTdDqoBc
The Big Bang Theory - Penny's Christmas gift to Sheldon

↑金髪の子は、女優志望でパサデナのチーズケーキファクトリーのレストランでウエイトレスをしている。
で、店のナプキンを、シェルダンにプレゼントする。
ただのナプキンではなく、レナード・ニモイが使ったナプキンを……!
(レナード・ニモイは元祖スタートレックのミスター・スポックの役者です。)

日本ではこの一週間、輪るピングドラムや、Fate/Zero、坂の上の雲など、
いろんなお話が最終回だったり佳境だったり。
一週間分のさまざまな録画を、これから一挙に見ていきます。

追記・写真
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ナダルとマーレー@楽天テニス・セミファイナル [な行]

先週の土曜日10月8日、楽天テニスのセミファイナルを有明コロシアムで見てきました。
数ヶ月前からチケットとって楽しみにしていたやつです。
天気がさわやかに晴れて行楽日和でした。

第1試合:ラファエル・ナダル対フィッシュ(12時から)
第2試合:アンディ・マーレー対フェレール

お目当てはナダルです。はい。ナダル。
私だけでなく、まあ有明までテニスを見に来ていた、たいていの人がそうです。

うわっ、これだから……
ナダルはすげーよ。
なっ……ナダルー。
あれを取るのかよ……
ナダルぅ

とかいう、もう呻き声、嘆息にも似たヒソヒソ声が、男女を問わずあちらこちらで。
かわりに今年は、ラファ! ヴァモス!(Vamos=Goのスペイン語)
という黄色い歓声がなかった。

去年はアンディ・ロディックが第2シードだったので、
これは順当に行くと、ナダルとロディックの決勝戦が見られるぞ!
と、ロディックも好きな私はウキウキして、決勝チケットを取ったのだが、
ロディックは早々に敗退してしまい、
ナダルの一人勝ち、って感じの決勝戦を見てきたのであった。
それでもナダルは手を抜くことなく、1ゲーム1ゲーム猛然とプレーするし、
見ていて楽しいのはちがいないのだが、あっつうまに試合が終わってしまったのであった。

ということで、今年は準決勝を見よう! 男子シングルス2試合分、見られるし!
と準決勝のチケットを取ったわけです。

会場に向かう、ゆりかもめで、去年とは違う妙な不安感、違和感。
埋立地のがらーんと広大な、液状化になりそうな景色に囲まれて、
ゆりかもめに乗って、どんどん都心から離れていくのが、昨年は
「のどかだー! 広大だー!」
と浮かれていたのが、今年は「どうしようこんな遠出して帰れなくなったら歩けないよう」と。
ま、有明コロシアムに着いてナダル見たとたん、そんな不安は即効吹っ飛びましたけどね。

テニスの試合ってのは、観客が終始、すっごく静か。
好プレーのときに拍手したり、合間に歓声をあげるのは自由ですが、おしゃべりは基本ダメ。
チェンジコートの合間をぬってでないと、観客席との入退場もままならないので、一瞬びびります。
これが、慣れてしまうと非常に居心地がいいです。スポーツ観戦なのに、まったく騒がしくない。

野球とかと違って、しーん、としている中、テニスボールの
パコンッ!スカンッ!バッコン!バシッ!
という音と、
テニスシューズが、タタタタタッツ、キュッツ、ズタタタタタッツ、キュッツ、
と走ったり、止まったりする音が行き来して。
時間を追うごとに、テニスコートに差し込む日光が動いていって、
まぶしそうに顔をしかめる選手の影が変わっていって、
みんなジリジリしながら試合を見守るわけです。
テニスコート自体が広くないんで、緊張感がぴりぴり伝わる一体感です。

私はテニスに詳しくないけど、ナダルのボールは、とにかく重たそう。
おそらくすっごくスピンが掛かっていて、だから受け手が「うわ、重たっ!」って感じになるんだと。
ナダルはストレート勝ちでしたが、相手選手も好プレーをちょくちょく見せてくれました。
ま、途中でやけっぱちになって、ラケットぶん投げてましたけど(笑)
まだ準決勝だったからか、ナダルは、わりと淡々とプレーしてました。
決勝だと、もうちょっとガッツポーズとか派手にしてくれるんだけど。

アンディ・マーレー対フェレールの試合は、
かなり五分五分の戦いが続いて、これはこれで面白かったです。
マーレーは、ミスが少ない。
とにかく球が速かった。スコーンと力まず打って、ほとんど200越え。
スライスは驚くほど、のびる。
打点からしてこの辺だよな、と見積もってるよりスッと延びるので、
敵からすると、予想より手前に、深く球が入ってくることになり、
ぬあっ? なにをー!
と、かろうじて打ち返すも、ボールが打ちあがって、
それをマーレーがバシッと的確に非情なスマッシュ、
というパターンが多かったです。

マーレーは勝ったんですが、試合中、ラケットのガットが切れて。
打ち返す音に、ピシんっという羽音じみた違和感が走ったのですが、
私の周囲の観客は、みんなテニスに詳しい人だったみたいで、
「切れた!」
と、異口同音、いっせいに低い声で口走ったのが印象的でした。

*試合の写真を撮ったのであとでアップする予定。
(去年も写真を撮ったんだけど、画素数が高すぎて、
ブログにアップできなかったのでした。)
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≒(ニアリーイコール) [な行]

似てるけど違う。
似て非なる。
違うけど似てる。
つか似てるっていいよね、の巻。
ばったもんとか、ぱくりとかのレベルを超えてどちらも存在感がばっちり確立されているものを思いつくままにひとまず列挙。

○「精霊の守り人」のシュガ≒「十二国記」シリーズの景麒*
 恰好も、立場も、性格も似ている。髪の色が違うだけなのでは。シュガは人間で、景麒は麒麟なので、シュガのほうがまだ少し、殺生に対する抵抗力があるな。

○「精霊の守り人」のトロガイ≒「風の谷のナウシカ」のばばさま
 全部似てる。というかもうほとんど区別がつかないレベルで似ている。

○「ピューと吹く!ジャガー(漫画)」のジャガーさん≒サンテグジュペリの「星の王子さま」の王子様
 様相からして似ています。ちょっとうっとうしい性格まで似てます。王子さまが大きくなったらジャガーさんです。

○「銀魂」の高杉≒BUCK-TICKの「蜉蝣」PVにおけるヴォーカル
 妖美であぶない存在感がもう。女物とおぼしき派手な着物に、煙管を咥えて、不穏な薄笑いを浮かべているところ。ちがいは片目包帯かどうか。

○007「慰めの報酬」≒「ボーン・スプレマシー(The Bourne Supremacy)」
 英国系、米国系の違いは大いにあるが大筋そっくり。最後らへんの、東欧の暗い部屋で椅子に腰掛けて待ち構えているシーンまで似ています。その目的は違うのですが、どっちも自分のトラウマに直面する行為。

○「MATRIX」シリーズのネオ≒「かもめのジョナサン」のかもめのジョナサン
 ネオはキアヌが演じ、かもめのジョナサンは鳥のかもめなんですが、使命感に開眼するその使命感自体までそっくりよ。

○「瀬戸の花嫁(アニメ)」≒「うる星やつら」
 前に深夜アニメでやっていたのをちらと見たとき、なんだ懐かしいこのドタバタの感触は一体!? と。

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ねむりばこ [な行]

眠り箱。おこたつの意。
by 太宰治 『千代女』

千代女って語り手は女性で、「いまにわたしは気が狂うのかもしれません」とかいう結びだったと記憶。
太宰治の書くところの「狂う」とは、周囲が常識的に異常でデタラメ、でもあくまで常識の範囲内の身勝手さ。当人といえば誰よりも良識的でピュアがゆえに異質でなんだかおろおろ気弱で報われないイメージがあります。『燈籠』『水仙』『トカトントン』なども。

ねむり箱を出しました。洋室なのに台無しなんだが眠り箱の誘惑に負ける。



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凪雲さん [な行]

凪雲龍司(なぐも りゅうじ)のこと。
「黒十字サナトリウム」の第二章において主要登場人物。ほかの章にも出てくる。
呼び名はもっぱら「龍司」あるいは「凪雲君」
お父上が無医村にて唯一のお医者をやっている。母君は子供の頃死亡のもよう。
親友はたぶん寄近湊(よりちか みなと)。

さてなぜだか読者のかたがたは、龍司を「凪雲さん」と呼ぶのですね。
「凪雲さん」と呼ぶのはわたしの知りうるかぎり皆、女性です。
そういえばドリーがごくまれに「凪雲さん」って呼んでるが。ドリーはミシィカを「ミシィカさん」とも呼んでいる。でも、誰ひとりとしてみんな「ミシィカさん」って呼ばないのに、龍司だけなぜ特別あつかい?

そんな龍司の友人、湊に関しては、一方で猛烈に好みがわかれています。
きらい、きらい、だいきらい、凪雲さんに迷惑かけるな、困ったさんが! 最低!

という人もあれば、実は一番好きですよ……という声も確実にゲット! やったね湊!

湊を全否定な人も、笠井あゆみ先生の描いた裏表紙の湊に気付いたとたん、にわかに方向転換がすごいぞ。





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