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水もの進捗3 トレペ帯(特色白インク+フルカラー) [黒十字療養所出版部]

結局トレーシングペーパーで帯をね、作ったのよね。
今回は帯無しで……と考えても居ましたが、作りました。
帯が無いと新刊としての喜びが若干減ずる気がして……。

今までトレペ帯というと、私は特色白インクのみで作っていましたが、今回は「特色白インク+フルカラー」で、ちょっと気張ってみました。

『黒十字サナトリウム(復刻版)』や『黒猫ギムナジウム(復刻版)』のように、すべての本に必ず帯をつける、という仕様にはしていません。

『手腐レ風切り貴方まで(中里友香短編集)』のような感じで、一定数分、帯を作りました。
この短編集が今、ようやく帯有り分が終わって、帯無しで出回りだしている頃合いなので、今回の「みづもの」も、しばらくは帯有りで提供できるかと思います。一定数を超えたら帯無しになります。

トレペ帯に特色インクの横幅は(少なくとも私が依頼している印刷会社では)、黒猫~のトレペ帯と同様のサイズより大きい幅は刷れない。なので、黒猫~の時と同様、表紙カバーよりやや横幅が狭めになります。
そして黒猫~と同様に、表紙カバーを長くしたほうが本としての耐久性とか安定感は増すため、帯とカバーの横幅を揃えるよりは、ずれてもいいから耐久性の良いほうを選びました。

イメージ通りのすごく素敵な帯に印刷があがってきて、私としては気に入っています。

わりと私は本の帯に対して、思い入れをブログに書きがちだと思うが、私からすると、帯のデザインは表紙カバーよりも格段にやりにくい、難しいからもあります。
限られたサイズでなるべく多くの情報を入れなくてはならないし、本の表紙のデザインを殺してはならない。邪魔にならず、美しさも兼ね備えつつ、情報を詰めつつ、見やすく……すぐに破れたりしない素材で、などと考えると、カバーよりぐんと自由度は下がり、やりにくいのだ。

文字情報だけで作る帯でも良いのだとは思いもするが(商業誌は大体このパターン)、せっかく個人で帯を好きにデザインできるのだから……という美意識的な欲も入ると、もう大変。

思った通りに仕上がってくると嬉しさもひとしおです。


中里友香さんによる公開用みづもの帯
トレペ帯→表紙カバーの上にかけた状態の帯部分。
実物を見ないと今一つ素材の透け感とかが、こういう状態で伝わりにくいか……。


中里友香による公開用みづものカバー四六判withトレペ帯

水もの進捗2 [黒十字療養所出版部]

カバーの試し刷りが上がってきました。
細かいところに手を入れて、微調整を済ませたところです。
こんな感じで本刷りをしてもらおうと思っている段階です。

中里友香による公開用みづものカバー四六判 updated

右下コーナーをクリックすると拡大します。
或いはこちらのリンクから↓
https://www.canva.com/design/DAF_xgph8sk/o0Gzt1fnEIckTYkjotZ9EQ/view?utm_content=DAF_xgph8sk&utm_campaign=designshare&utm_medium=link&utm_source=editor

こちらは化粧扉や各章扉など。

中里友香による公開用みづもの四六判本体表紙&化粧扉&各章扉絵

右下コーナーをクリックすると拡大します。
>をクリックすると次ページに進みます。

或いはこちらのリンクから↓
https://www.canva.com/design/DAF_xoYGdnM/_DbT7nc-iI3J-jBHxXmKPw/view?utm_content=DAF_xoYGdnM&utm_campaign=designshare&utm_medium=link&utm_source=editor

noteでの連載時とタイトルを変えていることからも分かるかもしれませんが、紙に定着して本にするまでは作者が自由に手を入れていい、というスタンスでやっている(そして一度紙に定着して本として出したあかつきには、手を入れるにしても必要最低限の加筆修正にとどめる)。

連載の時と、ある程度まとめて一気読みが出来る小説本とでは、読み心地のリズム感なども異なってくるので、小説本としてふさわしくなる形態を心がけつつ、進めています。

あと書きもガッツリ書きました。今までの本は商業出版で出した時点のあとがきと、自分で復刻したときの復刻版あとがきとで合わせて7ページほどの分量になっている。
今回は初版にして、その長さをゆうに超えております。

5月19日の文学フリマ東京に出店したいと思っていて(申し込みは完了し、出店料は支払った)、予定通りに出られそうなら、その時までに仕上げたいです。


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一棚リアル書店OPEN@Passage by All Review神保町 [黒十字療養所出版部]

東京の神保町、一等地と言って差しつかえあるまい、すずらん通りにあるPASSAGE by All Reviewという一棚から始められる書店主、はじめました。一棚リアル書店です。
まずは実際に本を手に取って確かめたい、という方はぜひ。

https://twitter.com/PASSAGEbyAR/status/1757692899830186166

私が選んだ一棚のレンタル料は、うちの地元の個室タイプではないレンタルオフィスくらいの価格帯なので、
さすが神保町一等地……!

漫然と続けるのではなく、いろんな感触を確かめつつ、一年間を目途に延長するかどうか決めたいと思っています。
いつかパートタイム店長などもしてみたいな。

今回は郵送で搬入させていただいて、レイアウトの指示通りに並べていただきました。
レイアウトは今後改善の余地はあるかもしれませんが、まずはこんな感じで始めました。



PASSAGE by All Reviewの「中里友香 † 黒十字療養所出版部」店舗ページはこちら


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水もの進捗 [黒十字療養所出版部]

昨年noteで連載しました小説『隣の客はよく柿喰う客か』
黒十字療養所出版部から紙の本として刊行するために作業中です。
加筆修正・再編集をしまして、タイトルを
『みづもの』
としました。水物「みずもの」の旧仮名表記です。

こんな感じに作っています。

中里友香による公開用みづものカバー四六判 (457 × 194 mm)
右下コーナーをクリックすると拡大します。

今回は帯とカバーを合体した状態で、カバーに帯用キャッチコピーを載せたタイプにしようと思っています。

寂寥とした景色が荒涼と広がっているのが美しい、
といった感じのカバーにしたく、そういうテイストの著作権の切れた名画を選んで、デザインしています。
気に入っているのですが、本当に芒洋、寂寞として、本の表紙にしては硬派を通り越して、陰気すぎやしないか(多分、印刷に出すと、もっと抑えた色味になる)──

だったら帯用キャッチも入れちゃおう! こんなにも入れられるスペースが有るのだ!
という気分になった。


中里友香による公開用みづもの四六判本体表紙&化粧扉

本体表紙→本文化粧扉→本体の裏表紙。
右下コーナーをクリックすると拡大します。

──刀剣乱舞の二次創作はどうなった?
そっちもやってる。せっせと書き進めています。
体力と体調と相談しながらなので、いつ出せるか、はっきり期日を明言できないけれど、両方とも進めているので、楽しみにしていてくれると嬉しい。


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NEOKET5(10/07~10/21)スペースD06 [黒十字療養所出版部]

NEOKET5(ネオケット5)──バーチャル空間で行われるピクシブ主催のオンライン即売会イベント──に参加します。今年は文学フリマに出ないこともありますし。

前回のNEOKET4が初参加。
今回のNEOKET5で、私は2度目の参加になる。
スペース(D06)に設営を完了しました。

2023-10-05-NEOKETjpg.jpg

出品内容はBOOTHに出しているものと同じで、購入もBOOTHとリンクしています。
NEOKET4の時とラインナップも同じです。

展示スペース……というかキオスク……というかサークルスペース……の展示レイアウト、ポスターのデザインやお品書のデザインなどを、ちょこっと変えたりしました──が、アバターも前回と同じ子です。

2023-10-05-21-35NEOKETjpg.jpg

たぶん私は今回あまり会場に居ないと思います。

ボイスチャットは混んだ無線のトランシーバーで会話するよりもやりにくいので、文字のチャットで会話することになると思うのだが、3Dでアバターでリアクションの操作をしつつ、文字チャットで打ちこんで会話をするとか、スムーズにできない。
やはりリアルとは全然違う。リアルだったら苦も無く出来るのに。

そのくせ、アバターとはいえ作者がスペースに張り付いていると、気詰まりと言いますか、
もっとじっくりゆっくり見て、買うかどうか吟味したいが……店主のアバターが居ないときに出直そう……。
そう、私自身が購入者側に立った時に感じた。
ネット上の即売会で盗難の心配がないのだから、むしろ無人展示こそが旨味なのでは……と、思わなくもなかった。

ですので、もしも会場のD06で私のアバターと行き会ったら、
激レアの遭遇率だ!
くらいのつもりで居てくださるとありがたいです。

NEOKETのアプリをPCで起動して、任意のアバターを用いてネット会場に入ります。
PCの容量に不安のないかたは、ぜひ覗いてみてくださいね。

NEOKET→ https://neoket.net/

2023-10-05NEOKET.jpg

10月7日(土曜)19時~開催です。

秋分の日から完結済み連載小説を非公開設定 [黒十字療養所出版部]

noteに2023年1月~7月まで連載していた『隣の客はよく柿喰う客か
秋分の日をめどに、非公開にする予定です。

作品自体も「夏時間が終わる頃」を境にしていますし、連載していた作品を漫然と公開しておくのも……と思うところもあり。

いつでもnoteにアクセスすれば読める、
というつもりで購読された読者の方もいらっしゃるかもしれないので、事前に告知しておきます。御存知の通り、PDFで各話全てダウンロードできるので、必要な方は今月の秋分の日までにダウンロードしてください。

又、「電子媒体での読書はちょっと苦手……」という人の為に、いずれ紙書籍で読めるようにするつもりです。今年中は無理ですが、一年位のうちには。

電子媒体は電子媒体で便利な点、メリットも多い。
紙の本も紙ならではのメリット、電子媒体では到底カバーしきれぬ利点があります。

一例を挙げると、ひどい貧血症状に陥り、モニターなどの光を発する媒体を直視できなくなる症状(羞明)が出て、「光を発する画面が全く見られない、目が疲れる以前に、眩しくて直視してられない。画面上の文字なんか苦痛でしかなくて、目を背けざるをえない」という状態のときも、紙の本だと苦痛なく読めました(実体験)。

羞明は貧血にかぎった症状ではなく、ドライアイなどの単純な眼精疲労から、深刻な眼病に至るまで、多岐にわたる体調不良や病気の症状として出るものでもある。そういう場合に、光を発する液晶画面が拷問になるのだから、電子書籍では読書どころの話ではなくなるでしょう。

電子書籍も紙書籍も一長一短、有る。
やはり双方を揃えて、利用者が自分にあった使い勝手で当然のように選べるというのが、これからの時代、理想ですし、別段かなえるのが無謀な程でもない理想かなと。
自分でやれる分は、できるだけやっていきたいです。

連載最終回です@note『隣の客はよく柿喰う客か?』 [黒十字療養所出版部]

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書き下ろし連載小説『隣の客はよく柿喰う客か?』

ついに今回、最終回です。
第14回目(最終回)→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n5dc280d9419c

2023年1月15日から隔週更新でみっちり7箇月間。
色々ツラツラと御礼文やら編集後記やらを書き連ねたいけれど、今はひとまず最終回に集中していただこう。
物語の最後までついてきてくださって、本当にありがとうございます。

最終回なので、note連載小説のヘッダーおよびリンクのバナーを変えました*。

バックナンバーは、こちらのリンクからどうぞ。
第1回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n6f4cf32b6fc9
第2回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n30a25319806e
第3回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/nf58db4365abf
第4回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n6ad0aa5b1d2a
第5回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n0f0a68b648e5
第6回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n62b30404bfcd
第7回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/nc4b388da8b6f
第8回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n74ea989baeeb
第9回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n1d69b04757c3
第10回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n003ca1dc0d27
第11回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n62bdc73a58d4
第12回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/ne738af9b2b4f
第13回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/na62519951ff0

=====
*バナーとヘッダー画像は大正時代の着物のデザイン集『彩美』に収録されている図柄の一部を、加工しました。NDLイメージバンク(国立国会図書館)で元の絵にアクセスできます。

連載第13回@note『隣の客はよく柿喰う客か?』 [黒十字療養所出版部]

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書き下ろし連載小説『隣の客はよく柿喰う客か?』

第13回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/na62519951ff0

配信開始です。
夜遅くになりましたが、日曜日のうちに、ギリギリ間に合った。
残りあと1回です。

私の体調は多分ぼちぼちといったところです。
不調が生じたときの打つ手を、以前よりはいくらか持ちうるようになったかもしれません。
以前はあまりにも無策だった。
御心配をかけました。

私以外にも身の回りの観測できる範囲で、みんなけっこう体調がいま一つな様子……。
自分の持っている弱い部分、不調が出やすい時期ですよね。

エアコンの除湿機能は文明の利器だから、同様に気圧を調整できる機能を作ってほしいと心底思います。気圧と湿度と温度だけの問題でもないのだけれど、これで格段にやわらぐ不具合も、確実にあるはずだ。
不快指数が高いと判断力も落ちますし……。

もう日本には……いや世界にすら存在しえないかもしれない、さわやか概念の夏が懐かしい。

以前、相当前になりますが、留学から帰国して一番最初に非常勤で就いた仕事の業務の一部に、東京大学都市工学科の海外からの研究生に、英語でいろいろと対応するというのがありました。
みんな博士号を持っているとか博士課程の履修中とか、頭脳の優れた人たちで、その中にインドネシアからの研究生が居ました。行き会う時に、ハーイ、
と、ちょっとした挨拶と会話をする。
ちょうど今くらいの時期だったか、「最近どう?」と聞かれた。よくある会話です。
(私は小説を書いていましたが、まだデビュー出来てはおらず、仕事先では「勉強していることがあるので毎日勤務は無理である」と言っていた。)
「最近どうかって? 何もしてない。暑いから。もうやっと通勤している。あなたは海外から来て勉強していて偉い」みたいなことを私が言ったら、
「夏は何か行動を起こすときではない」
と、強く言われたのを覚えています。

「インドネシアの夏はやっぱり日本より暑い?」
「日本の夏よりずっと暑い。非常に暑くて暮らしにくい。夏は何か行動を起こすときではない」
「私は日本の夏ごときで猛烈に参っている」
「インドネシアほどではないが日本の夏も相当である。夏は生きていればいい。何か行動を起こすときではない」
夏の過ごし方のプロがそう言うんだから、夏は何か行動を起こすときではないんだな、
と、悟ったのでした。ヨーロッパでも暑い地方はシエスタとかがあるわけだし。

たまに、これほど気候変動が起きても、まだ概念の夏を信じている日本の「わーい夏だ」
モードに、何かやらねばならぬ気になる折もありますが、夏はそう、おとなしくしのぐ時期です。
(まだ梅雨も明けてはいないが……)

連載、残りあと一回になりました。
ここまで良くついてきてくださった。ありがとう。
次回、最終回。物語の最後まで、よろしくお付き合いください。

バックナンバーは、こちらのリンクからどうぞ。
第1回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n6f4cf32b6fc9
第2回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n30a25319806e
第3回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/nf58db4365abf
第4回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n6ad0aa5b1d2a
第5回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n0f0a68b648e5
第6回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n62b30404bfcd
第7回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/nc4b388da8b6f
第8回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n74ea989baeeb
第9回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n1d69b04757c3
第10回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n003ca1dc0d27
第11回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n62bdc73a58d4
第12回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/ne738af9b2b4f

付記
今回の連載第13回目の第四章・扉絵に使っているのは、
『千代紙集 広瀬菊雄 編 広瀬菊雄 ( 大正15 )』に収録されているものを加工しました。
NDLイメージバンク(国立国会図書館)で元の絵にアクセスできます。

あ…… [黒十字療養所出版部]

連載第11回の告知をしていた6月4日付のブログの記事に、6月18日付のブログを上書きして、消してしまっている……。
ネット上のキャッシュを漁ったら、キャッシュは6月1日付のものまでしかなかった……。


連載第12回@note『隣の客はよく柿喰う客か?』 [黒十字療養所出版部]

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書き下ろし連載小説『隣の客はよく柿喰う客か?』

第12回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/ne738af9b2b4f

配信開始です。

物語も佳境になって、残りあと1~2回です。
残りをあと1回にまとめるか、2回に分けるかまだ未定です(迷っている)。

最近の気候は私の体調にはあまりよろしくなく、アナフィラキシーで救急車を呼んだ2018年と限りなく気圧配置云々が似ているせいで、体調面もけっこうハラハラすることがあります。

先日ちょっと危なかった。痛みがすごくて、きつかった。
呼吸はできたので救急車は呼ばずに済んだ。ものすごい痛みなのだが、同時に猛烈に眠気がきて、血圧が下がっていって、体が動かせなくなるかんじ(たぶん気が遠くなるっていう症状が起きてきている)。この時点で、なんとかして薬を飲んだ。
しばらくすると熱があがりだす。
或るとき突然、今まで大丈夫だったものが毒攻撃を仕掛けてくるっぽいの、切実にやめてくれ。

このアレルギー、最近の研究によると、体調が悪くて免疫系がぐらついている時に新規発現しやすいとか。
だから体調管理……エアコンの効いた室内で、なるべくゆるゆるモードで暮らしているんだ。じっとしすぎも良くないから、日が暮れた後に、お散歩とかもしてるんだ。

ただ、どうしようも変えがたい気候!
温度を変えるエアコンができたのだから、気圧を一定にするエアコンも家庭用で出来たらいいですよね……。

という感じで、具合が悪くなった時、
あぁ連載が途中になっちゃうから、今を生き延びたら、もう次でまとめて全部を出しておこう……出せるかな……と、チラっと過りました。

今日は普通に元気で、いやぁ危なかったぜ、ヒヤリハットめ、連載はあと2回・第14回終了で確定だな、
という強気モードになりつつあります。

いずれにしても、残りあとわずかに。
最後までよろしくお付き合いくださればと思います。

バックナンバーは、こちらのリンクからどうぞ。
第1回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n6f4cf32b6fc9
第2回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n30a25319806e
第3回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/nf58db4365abf
第4回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n6ad0aa5b1d2a
第5回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n0f0a68b648e5
第6回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n62b30404bfcd
第7回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/nc4b388da8b6f
第8回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n74ea989baeeb
第9回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n1d69b04757c3
第10回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n003ca1dc0d27
第11回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n62bdc73a58d4

連載第10回@note『隣の客はよく柿喰う客か?』 [黒十字療養所出版部]

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書き下ろし連載小説『隣の客はよく柿喰う客か?』

第10回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n003ca1dc0d27

配信開始になっております。
十回まで来ました。意外にあっという間ですね……。
まだ続きます。あと四回くらいかな。

今回の連載分が、今までで一番長いです。
長いからといって特に苦情も不評も来ていない(むしろ、一回の連載分が長いほうが好まれているのでは? という感触さえある)ので、こちらとしてもサービスサービス、と参ります。

自分で連載一回分の分量を決められるのが、今やっていることの利点でもありますね。

実際のところ、今回は一番長いですけれど、いつもと比べて長いとは感じないかと思います。こういうのは杓子定規の文字数より、感覚的な節目のほうが大事かと。
今回の連載分で「過去にどういう経緯で会ったか」が見えてきます。

よろしくお願いします。

バックナンバーは、こちらのリンクからどうぞ。
第1回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n6f4cf32b6fc9
第2回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n30a25319806e
第3回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/nf58db4365abf
第4回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n6ad0aa5b1d2a
第5回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n0f0a68b648e5
第6回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n62b30404bfcd
第7回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/nc4b388da8b6f
第8回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n74ea989baeeb
第9回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n1d69b04757c3

連載第9回@note『隣の客はよく柿喰う客か?』 [黒十字療養所出版部]

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書き下ろし連載小説『隣の客はよく柿喰う客か?』

第9回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n1d69b04757c3

既に配信開始になっております。
今回の連載分も、やや長めです。
どうぞよろしくお願いします。

「案山子は世界の東西を問わず、もともと〇〇だった」という考察は、私が本気でそう信じているからで、根拠は作中で述べた通りなのですが、しかしここまであからさまなのに……(と私には思える)、──古くは案山子は〇〇であり云々──
と、そのものズバリ述べている文献が、私が調べた範囲では出てきていません。

だからこそ、物語であつかう素材として非常にふさわしいともいえます。
誰も言ってないみたいだけど、絶対そうだと思わない? 
……ということを、物語の素材として作家が扱うべきだ、やるべきことだと思っている節があります。私は。

案山子の発祥については、銅鏡とかの時代の民間の農耕の話だから、当時はまだ読み書き出来ない人が大半だったし、文字にわざわざ書き起こすほど政治的に重要でもない。議論になるまでもなかったのか……な? と。
どうなんだろう。

バックナンバーは、こちらのリンクからどうぞ。
第1回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n6f4cf32b6fc9
第2回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n30a25319806e
第3回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/nf58db4365abf
第4回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n6ad0aa5b1d2a
第5回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n0f0a68b648e5
第6回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n62b30404bfcd
第7回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/nc4b388da8b6f
第8回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n74ea989baeeb


連載第8回@note『隣の客はよく柿喰う客か?』 [黒十字療養所出版部]

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書き下ろし連載小説『隣の客はよく柿喰う客か?』

第8回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n74ea989baeeb

今回の連載分は長めです。
第3回目と比べると、倍の長さです。
物語の世界観に読者の方々が慣れてきた頃合いですから、たぶんさほど長くは感じないと思います。どうだろう。
111ページ地点で今回分を終えようかなとも思いましたが、あと2ページくらい足しても大丈夫だろうと見込みました。美遙さんが出てこない回が続くのも避けたく。

お気づきかもなあと思いますが、凛矢君は水にまつわる話題に対して、ちょっと敏感というか……ですね(無自覚に)。

今までとは打って変わって──という程でもないと思うが、今回からじわじわと伝奇色が濃くなります。

バックナンバーは、こちらのリンクからどうぞ。
第1回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n6f4cf32b6fc9
第2回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n30a25319806e
第3回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/nf58db4365abf
第4回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n6ad0aa5b1d2a
第5回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n0f0a68b648e5
第6回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n62b30404bfcd
第7回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/nc4b388da8b6f

連載第7回@note『隣の客はよく柿喰う客か?』 [黒十字療養所出版部]

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書き下ろし連載小説『隣の客はよく柿喰う客か?』

季節もすっかり春ですし、note連載小説のヘッダーおよびサムネイルを変えました。
毎回同じヘッダーに、私自身が飽きてきたので。
春らしい色合いにしたい一方で、物語の季節は秋が深まる。
紅葉と花の絵柄の図案を見つけて、決めました。
──出典:国立国会図書館「NDLイメージバンク」https://rnavi.ndl.go.jp/imagebank/

ヘッダーは変えましたが、物語は前回からの続きです。

連載第7回目
https://note.com/blackcrosssanat_/n/nc4b388da8b6f

今回で主要登場人物の全員が出そろい、物語もほぼ半分までやって来た。
折り返し地点。
この作品の場合、イメージとしては、
──砂時計を逆さに返すタイミングにやってきた──

次回からは、ひっくり返した砂時計の時間が流れだして、今まで何気なく流してきたあれやこれやが、より焦点が定まって舞い戻ってくるかなと。

連載のバックナンバーは、こちらのリンクからどうぞ。
第1回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n6f4cf32b6fc9
第2回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n30a25319806e
第3回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/nf58db4365abf
第4回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n6ad0aa5b1d2a
第5回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n0f0a68b648e5
第6回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n62b30404bfcd

以下、ネタバレ気味の内容になります。
気になる方は、本編を読んでから、こちらをお読みください。
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本作『隣の客はよく柿喰う客か?』は独立したお話ですが、書いている私が『黒猫ギムナジウム』と同じ作者なので、『黒猫ギムナジウム』と共通の概念が出てきます。
その「ちょっとした共通概念」は、私が独自に作り上げた観念というか概念ではありますが、私の作品世界においてだけでなく、きっとどこか、日本ではこの考えに基く風習があるにちがいない。
そう、わりと私がガチで信じているので、使っています。
その風習や慣習の効果はさておいて。

その風習ですが『黒猫ギムナジウム』では「マレビト茶碗」として語っています。

連載中の本作『隣の客はよく柿喰う客か?』は、妖術遣いが主人公のお話ではない。
いわゆる一般人(当人は少なくとも現時点ではそう思っている、ちょっと困った症状を持ち合わせているだけ)で、妖術に通じてなどいないですから、そもそもそういった概念を知らないで、知らず知らずに何気なくやっちゃってます。

そのシーンで「おや?」「あれ?」「ひょっとして?」「ん?」
と、ニンマリするなり、片眉をそびやかすなり、眉間にささやかなしわを寄せるなりして、
「これってもしかしてマレビト茶碗になってないか?」
と気付いてもらえたら、ちょっとだけこの作品を味わう次元がより深まったり、広まったりするかな、と。

気付いてもらえる人にだけ気付いてもらえればいい、そんなスタンスで書いていましたが、隠しておくほど大層な仕込みでもないし、ここで明かしておいて問題はなかろうと。

なお、本作は独立したお話ですが、もしかしたら『みがかヌかがみ』と作品世界が通じているかも……という気配は、今後、ややあるかもしれないです。

その『みがかヌかがみ』は『黒猫ギムナジウム』と一部だけ通じうる箇所がある。
だったら本作と『黒猫ギムナジウム』も理論上は世界観が通じそうですが、本作と『黒猫ギムナジウム』が現実に通じることは、まずなかろう……。
そう、作者の私としては感じています。


連載第6回@note『隣の客はよく柿喰う客か?』 [黒十字療養所出版部]

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書き下ろし連載小説『隣の客はよく柿喰う客か?』

連載第6回目の配信を開始しました。
https://note.com/blackcrosssanat_/n/n62b30404bfcd

今回から第二章になります。

これまでの連載はこちらのリンクからどうぞ。
第1回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n6f4cf32b6fc9
第2回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n30a25319806e
第3回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/nf58db4365abf
第4回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n6ad0aa5b1d2a
第5回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n0f0a68b648e5

そういえば、昨日の17時~19時までNEOKETの会場に行ってきました。
バーチャル空間の会場スペースD40です。
アバターもろもろを上手く使いこなせていたかどうか、正直ちょっと自信がない。
会場全体に流れている環境音楽みたいな音が、ずっと聞いているにはちょっとしんどく、消していたので、もしかしたらそのせいでおしゃべり機能が聞こえなくなっていたのでは……
という懸念が。
もしも話しかけてくだすって、うちのアバターがぼんやりしていたのならば、そういった仕儀でした。すみませんです。

今日も18時~19時くらいに、ちょっくら顔を出してみるつもりです。

https://neoket.pixiv.help/hc/ja/articles/4416456017817
NEOKETの遊び方

NEOKET4(3/25~4/2)に出ます [黒十字療養所出版部]

NEOKETのスペース(D40)に設営を完了しました。

中里友香によるNEOKET用お品書き公開用

去年の今頃は心身ともに結構きつかった気がするな……!
今年は元気に何かやりたいな?

とはいえ、このくらいの時期から花粉が猛威を振るいだす。黄砂やPM2.5も。
日差しも一丁前に強くなってくるし、今年はとりわけ花粉量がすさまじい。
気軽に外出してる場合じゃない。新型コロナだって弱毒化したわけでもなし……。
朝晩ステロイド粉末の吸入が欠かせない人間としては、引き続き警戒が必要なカテゴリーに入っているし、世の中が「もういいよね」モードになっている分、余計に気が抜けない。

それで、ネット上バーチャル空間での即売会に出ることにしました。

NEOKET
https://neoket.net/

3月25日の午後5時~7時がコアタイムなので、少なくともその時間帯はD-40のスペースに居る予定です。

出品内容はBOOTHに出しているものと同じですし、購入もBOOTHとリンクしています。

せっかくNEOKETに出ることになったのだから、新しいものも出したいなと、A4便せん(レターペーパー)を作りました。
レターペーパー以外の全商品は倉庫からの発送になりますが、便せんは「あんしんBOOTHパック」での発送になります。
 →追記『黒十字サナトリウム 新装復刻版』はただ今、倉庫側の在庫が尽きましたので、自宅から「あんしんBOOTHパック」による発送となります(3/28日現在)

ようは今でもBOOTHで買える商品なので、じゃあNEOKETの何が特別かというと、アバターを用いてネット空間でリアルタイムのコミュニケーションを取れる、という点でしょう。

NEOKETのアプリをインストールして、任意のアバターを用いてネット会場に入る、という手段を取るので、ハードルは決して低くないかもしれないですが、お時間のあるかた、興味のあるかた、PCの容量に不安のないかたは、当日ぜひ気軽に覗いてみてください。

私はそもそも3Dゲームもまともにプレーしきれた例がない。
アバターの使いかたが全然なってないので、設営ついでになるべく慣れようと動かしてみてるところです。
大体15分も歩き回ってると、3D画面酔いをして見事に気分が悪くなっちゃうんで、たぶん当日は自スペース前で棒立ちしてると思います。

いろいろと初めてなので、リアルの音声を使うべきなのか、チャット形式で文字を打ちこむ方式が良いのかもわかってないし、来週の土曜夕方は、きっとオロオロしてるはず……。

アバターはNEOKETが提供しているいくつかから選ぶか、自作するか、アバターを提供している人に使わせてもらうかで、わたしは一応作りました。

作ると言っても一からこしらえる技術なんて皆無なので、VRoid Hubを使って、Picrewで遊ぶようにパーツや服を選択し、サイズを多少カスタマイズし、髪色や瞳の色などを変えて、選べる範囲でできるだけゴシックっぽい姿にしました。

実はいろんなタイプのアバターを男女を問わずかなり作って(カスタマイズして)バリエーションを多数、試みてはみた。
これが男性アバターだと、『刀剣乱舞』のファンが作るニコニコ動画だとか、『原神』の公式がアップするプロモーション動画だとか、衣装も凝った美形のアバターをあまりにも見過ぎてきたせいで、何を作ってもモッサリしてみえ魅力薄──そうなると動かすのもうんざりしてきちゃうので、すんなり諦めた。
私の技術では、自小説の作中人物の再現など、出来ようはずもないのだった……。

女性アバターだと別のやりにくさがあって、中の人(中里友香)の実際がある程度、割れているのに、あまりにも自分および作中の世界観と(露出度とかが)乖離しているキャラを作っても、違和感がすごいの……。

ペスト医とか、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のキャラの誰かみたいなアバター、もしくはポストペットみたいなぬいぐるみと動物の中間くらいなのを自作出来たら、さぞや楽しいだろうが、かえすがえすも、そんな技術は持ち合わせていなくてですね。

そんなこんなで付け焼刃でこしらえたアバターのわりには、黒十字療養所出版部の看板娘として、気に入ってきています。開催期間中は、どうぞよろしく。


中里友香によるNEOKET4予告・スペースD40
右下コーナーで拡大できます。矢印で次のスライドに進みます。


連載第5回@note『隣の客はよく柿喰う客か?』 [黒十字療養所出版部]

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書き下ろし連載小説『隣の客はよく柿喰う客か?』

連載第5回目の配信を開始しました。
https://note.com/blackcrosssanat_/n/n0f0a68b648e5

これまでの連載はこちらのリンクからどうぞ。
第1回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n6f4cf32b6fc9
第2回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n30a25319806e
第3回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/nf58db4365abf
第4回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n6ad0aa5b1d2a

今までは、当時の一般常識(?)をおさらいする内容及び、物語の背景の説明が多めでした。
今回の連載第5回目から、主要登場人物に一歩、踏み込んでいきます。

今回は珍しく早めの時刻にアップできた。
しかしみんな日曜日の昼下がりって休息してるか忙しいかで、小説を読める人が果たしているのか。

私の小説は夜に読むほうが適している(昼間ならば雨の日とか)と、個人的には思っているのだが、みんな自分にとって都合の良いタイミングで読んでくれるに違いないから、このへんはあまり気にしないでいきます。

どうぞよろしくお願いします!

追記
お送りしたニューズレターに間違っているところがありました。

誤)もしくは、末尾に第2回連載分のPDFファイルを添付していますのでPDFファイルで閲覧してください。
正)もしくは、末尾に第5回連載分のPDFファイルを添付していますのでPDFファイルで閲覧してください。

第2回連載分ではなく、正しくは第5回連載分です。
リンクのアドレス等は正しいので、再送はいたしません。
(そもそも毎度しつこく「PDFでも読めるよ」とニューズレターで言及することも無かったんだ……。記事自体に書いているんだから。)
お詫びして訂正いたします。

連載第4回@note『隣の客はよく柿喰う客か?』 [黒十字療養所出版部]

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書き下ろし連載小説『隣の客はよく柿喰う客か?』

第4回目を配信開始しました。
https://note.com/blackcrosssanat_/n/n6ad0aa5b1d2a

第1回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n6f4cf32b6fc9
第2回目→https://note.com/blackcrosssanat_/n/n30a25319806e
第3回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/nf58db4365abf

今回、作中で言及している昭和二十二年四月発行の二万五千分の一地形図【立川】と、昭和二十年修正版五万分の一地形図【青梅】は、国土交通省国土地理院のサイト(https://www.gsi.go.jp/MAP/HISTORY/koufu.html)から申請して、有料で地図の抄本を取り寄せたのでした。

作中で言及したのはこの二種ですが、他にもけっこう取り寄せて、当時の状態を把握するのに使いました。

私は、物語の舞台となる土地を確認して、世界観を構築したりするのに使いましたが、多くは自分の住んでいる土地が、かつてどんなだったか、あるいはこれから購入する土地がかつてどんなだったかを確認するのに使うのがメインな感じがする。あるいは研究用に。
ある意味、私も研究用・学習用と言えなくもない活用をしたともいえるかな。
まだインターネットエクスプローラーが現役だった頃のような記憶が……。

かつて沼地だったとか、もともと坂だったわけではなく盛土して坂にしたとか、そういう地盤が弱い場所を確認するのは大事ですよね。

なお、作中で、
→かつての軍都をしのばせる十町弱──立川市と銘うった一キロ四方がそっくり白抜きで、ここは陸軍飛行場や立川陸軍航空廠などが(中略)この真四角の土地は現在GHQに接収されている(以下略)

と書きました、その土地は今は一体どうなってんの?
というと、昭和記念公園になっている。
こういうのって意外に知らない。学校では教えてくれない。少なくとも私は自分で調べてみるまで知りませんでした。
立川には、たまに映画を見にいったりすることもあるのに。

なおこの「陸軍飛行場」という文字の並びを初めて見た時に、
(は? 空軍でなくて? 陸軍も飛行機を持ってたってこと?)
と私は混乱したんですが、第二次大戦当時、日本に空軍はないんですよね。陸軍航空部隊があるだけで。
じゃあ、ゼロ戦とかは? 
──あれは全部、陸軍飛行戦隊=陸軍航空部隊とかになる。
まあ……世界では航空母艦が主力のときに、日本は戦艦をせっせと増やしていたくらいだから……お空がお留守気味だったのか……
とも思ったが、海軍も建前上、陸軍の一部門であったらしい。

また、作中に登場する外来語辞典の中身。
あれは祖母亡きあと、私が遺品の書籍を入手した、その内容をベースに手を入れて書いています。もともとこれ系の本は生前から祖母は私にくれたのでしたが、この本の存在は知らなかった。
めぐりめぐって、私のところに本がきたとき、その本を手にしたときは、内心でガッツポーズした。
祖母のめぼしい金品は子供らにきちんと分配され、こんなガラクタを欲しい人なんて居る?
ああ、それ系のガラクタだったら友香が欲しがるんじゃない?
みたいな流れでゲットした感じで、
私は「物の価値のわからぬかたがたよ、ぬはははは!」と内心で狂喜乱舞した。
「おばあちゃんも友香が手にして喜ぶならそれが一番嬉しいだろうし、本としても本望だろう」みたいな綺麗な言い方をされた気もするが、「友香でもなければ、そんな古本はただのゴミなだけ」という周囲の理解があった(見向きもされてなかった)おかげである。

実際は単なる外来語辞典ではなくて、醫用外来語辞典であり、紙の薄い小冊子にびっちり小さく印字されている書籍です。全然医学用じゃないのでは、と思える言葉も載っていて、しかも全然現代にまで定着していない。
ネーベン(獨)とか。
副、手傳い(おめかけ)
と載っています。

ブルート・ドルック Blutdruck(獨)=血壓
血壓が読めなくてググりました。血圧です。

ちなみによく聞く眼病のトラコーマは、ラテン語なんだね……
そういうことがわかって本当に面白いです。

作為的に現代用に編集されている、誰かのフィルターを通した書籍ではなく、当時実際に使われていたものから世相を読み取ったり実態を推し量ったりしたい派としては、身近な人間が使っていたという事実も加味すると、本当にかけがえのない書物になるのです。

連載第3回配信開始@note『隣の客はよく柿喰う客か?』書き下ろし長編小説 [黒十字療養所出版部]

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書き下ろし連載小説『隣の客はよく柿喰う客か?』
第3回目の配信を開始しました。
https://note.com/blackcrosssanat_/n/nf58db4365abf

第1回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n6f4cf32b6fc9
第2回目→https://note.com/blackcrosssanat_/n/n30a25319806e

隔週更新なのですが、隔週ってけっこうすぐだね、頻繁だね。思っていたより忙しいね。
日付が変わった時点での配信開始になってしまいました。

今回、作中で言及している日本戦災地図については、国立公文書館デジタルアーカイブ「全国主要都市戦災概況図」を参照しています。

■全国主要都市戦災概況図
https://www.digital.archives.go.jp/DAS/pickup/view/category/categoryArchives/0200000000/0203000000_3/00

■東京その1→https://www.digital.archives.go.jp/DAS/pickup/view/detail/detailArchives/0203000000_3/0000000113/00

■東京その2→https://www.digital.archives.go.jp/DAS/pickup/view/detail/detailArchives/0203000000_3/0000000114/00

■広島→https://www.digital.archives.go.jp/DAS/pickup/view/detail/detailArchives/0203000000_6/0000000177/00

■長崎→https://www.digital.archives.go.jp/DAS/pickup/view/detail/detailArchives/0203000000_8/0000000205/00

作中では、少なくとも現時点では掘り下げていく本題とちょっと違うので、淡白にさらっと触れています。が、見れば見るほど思うところが出てくる地図の数々です。

それと今回の作中で、凛矢君が戦時中に出くわす2種類の「つくね汁」のエピソードについて。
今は亡き母方の祖母と、私は留学中に文通をしていた時期があって、その手紙で教えてもらった内容を元に書いています。今すぐ手元にその手紙はなく、見つけ出すのが容易でない(大切にとっておいてあるんだが)。
思い起こして書いている。これについてはすごく克明に覚えているので。
脂の粒が汁の表面にきらきら……という表現は手紙にあったままかなと思う(蓋を開けたら全然違っていたりしそうだが)。
とにかく戦時中当時としては、脂がキラキラ浮いていて、それが珍しくて──
という内容だったんです。


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書き下ろし小説『隣の客はよく柿喰う客か?』連載第2回配信開始@note [黒十字療養所出版部]

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2023年1月29日、書き下ろし連載小説『隣の客はよく柿喰う客か?』
第2回目の配信を開始しました。
https://note.com/blackcrosssanat_/n/n30a25319806e

第1回目から読まれる方はこちら
https://note.com/blackcrosssanat_/n/n6f4cf32b6fc9

小説を画像で埋め込んでいるので、画像画面を拡大して右クリックで次ページへ。
もしくは、第2回連載分のPDFファイルを、今回配信開始したnoteの記事の一番下に添付していますので、PDFファイルで閲覧してください。

隔週更新予定です。

今回、出そろった面々でしばらくは話が進みます。
(あと2~3人の主要登場人物が居ます。登場は中盤以降かな。)

noteの目次の設定の仕方がいま一つ分かっていない。
今のところはただ記事を付け足している。
連載回数が重なってきたら、目次表示ができるようにしたい。

noteで長編書き下ろし新作小説2023年1月15日より連載開始 [黒十字療養所出版部]

2023年1月15日、書き下ろし小説をnoteで連載開始いたしました。

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■note
https://note.com/blackcrosssanat_/n/n6f4cf32b6fc9
タイトル『隣の客はよく柿喰う客か?』

■文章を縦書き画像で埋め込んでいます。
(ALTに全文を入力してあるので、読み上げ機能は問題なく使えます。)

画像をクリックすると読みやすいサイズになります。
続きのページは右の矢印をクリックしてください。
左の矢印をクリックしたくなるのですが、noteが横書きを想定した仕様になっているため、続きを読むには右側矢印のクリックとなります。
「この続き:164文字」と自動表示されますがこれは正しい文字数ではありません。画像で原稿を埋め込んでいるためで、実際はもっとあります。

■隔週更新予定です。

note未登録でも購読できます。
ぜひ読んでいただけますと嬉しいです。

noteを使って連載するのは初の試みですので、応援していただけますと嬉しいです。
noteにこだわりがあるわけではないので、他にもっと使い勝手の良いこの手のアプリが有ったら知りたい……。

■内容は商業出版に劣るものではないという自負がありますが、一点、不安があるとするなら校正を通していないことです。万一、誤字脱字変換ミス等がありましたら
https://blackcrosssanatoriummailform.jimdofree.com/
まで連絡をいただけますと嬉しいです。

──あ、表記ゆれは指摘してくれなくて大丈夫。概してわかってやっているので。

追記)ブログタイトルに2013年~より連載開始などと書いていたんですけど、2023年です。修正しました。2023という西暦が感覚的に近未来すぎで、まだ馴染んでないんで……。

追記2)小説文面の画像を拡大しても、なお文字サイズが小さくて読みにくい場合のために、連載の末尾に第一回連載分のPDFファイルを添付しました。必要に応じて、PDFファイルで閲覧してください。


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*予告*noteで書き下ろし小説の連載を開始します [黒十字療養所出版部]

400字詰め原稿用紙換算枚数500枚ちょいの長編を、noteで来週から連載開始の予定です。

この小説の前身となる話を、400字詰め原稿用紙換算で250枚くらいの小説に書き上げたのが十年くらい前になります。

『カンパニュラの銀翼』でアガサ・クリスティー賞を受賞する前に書き上げており、商業出版で出せないか模索しましたが、良い線まで行くけれども(文学賞の最終候補とかね)なかなか出版までこぎつけず、寝かしておいた題材です。

この題材や登場人物をもう少しきちんと書きこみたいな……と、暇を見つけては思い立って、書き足りないこと、書きたいことを入れて書き直し、いちど原稿用紙換算枚数450枚くらいで完成させました。
そこでまた商業出版で出せないか検討しました。

大体、良い線までいくのですが、担当編集者が「良いですね」と言ってくれ、編集長に回し、あるいは編集部の編集会議にかける。そこでも「良い」と言ってくれて、広報に話がまわります。
ここで「NO」を食らうんですよね。
過去に出した私の本の売れ行きを鑑みると、リスクは負えませんね……という回答を。

これはもう商業出版で出すのは諦めよう……。
作品の質が劣るとかの問題じゃないので、私には働きかけ方がわからない。

商業出版で出すのでないならば、ちょっと遠慮していた部分、作中で触れるのに躊躇したトピックも、この際、もう少しだけ……。

という感じで、現在のページ数にまで至った小説です。
私の既出の著作物で比較すると、『コンチェルト・ダスト』より長く、『みがかヌかがみ』よりは短いです。

舞台背景は昭和24年秋、GHQ占領下の日本です。
ジャンルはやや純文寄りの幻想小説になるか。

商業出版での書籍化を今少し模索したい気持ちもありましたが、なぜnoteで連載することに決めたかというと、一つに、ちょっとだけシベリア抑留の話に触れる部分があるんです。
登場人物の一人がシベリア抑留から生還した人間なので。
その「ちょっと」を書くために無論かなり調べもした。

今たしかシベリア抑留を題材にした映画が公開されています。
「付け焼刃で、その映画を見てちょっとお話に取り入れてみたんだな」と思われたりしたら、さみしいかなぁ……と。
シベリア抑留は作中のほんの一つの例で、
「この案件、この題材、私は10年以上も温めていた……」
と、いくら吠えても、引き出しにしまっているかぎりは、お話にならない。
もう発表するほうが得策では、と思える瞬間が少なからず有ったからです。


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追納完了 [黒十字療養所出版部]

その後、『黒猫ギムナジウム新装復刻版』については、トレペ帯特色白インク版と、フルカラー帯と、同数程度の売れ行きとなりました。なんだか安心しました。

今日のブログの内容は、先日送ったニューズレターと重複する部分が多いのだが、ニューズレター登録をなさっている方と、当ブログの読者が同じとは限らないよな……と思い立ったので、ブログにアップします。

ちなみに私はニュースレターと言ったりニューズレターと言ったり表記ゆれがありますが、その時の気分なので特に差異はない。英語の発音で言うならばニューズレターだし、でもnewsをニュースと呼ぶのも、ニュースレターも、日本では普通に使われている言葉だし?……という感じで、どちらも使います。

■『黒十字サナトリウム新装復刻版』の在庫がしばらく切れておりましたが、追納が完了して、さきほど在庫が復活いたしました。購入可能となっております。

既刊だし……と、当初『黒猫ギムナジウム新装復刻版』の1/8の冊数しか倉庫に納品していなかったのでした。

■注文後に、購入をやめて支払いをしない場合は、支払い猶予の期日がくるまで放置するのではなく、購入をやめると決めた時点でキャンセルをしていただけると、大変助かります。

というのも、支払い猶予期間中は在庫を消費したカウントになるからです。追納が必要かどうかの状況をかなり左右します。(BOOTHの倉庫は、一定量を超えてふさぐと、倉庫代金があらたに課せられてくるので、納品は在庫ぎりぎりなラインのせめぎあいをしている……という背景があります。)

■これまでご購入くださったかた、またBOOSTしてくださったかた、ありがとうございます。(BOOTHはただでさえ送料が高くつきがちなので、購入に加えてBOOSTまでしていただけるとは身に余る光栄です。)

黒十字療養所出版部(中里友香のBOOTH) https://bcsanatoriumpub.booth.pm/

新装版『黒猫ギムナジウム』のBOOTH通販開始 [黒十字療養所出版部]

BOOTHで新刊および既刊の全商品(私家版)、12/8(木曜)夕方に入荷済みで、購入可能となっております。

BOOTH → https://bcsanatoriumpub.booth.pm/

そして入荷通知とほぼ同時に、さっそく購入してくださった方々、ありがとうございます。

文学フリマ東京35では、新刊『黒猫ギムナジウム』のフルカラー帯版と、トレペ帯特色白インク版と、ほぼ同じお買い上げ率でした。
ちゃんと好みが半々に分かれるものだなあ、どちらもお気に入りで自分でも決めかねるから両方作ったくらいなので、両方刷った甲斐があったなあ……!
と思っていたところ、BOOTH通販においてはフルカラー帯が圧倒的な人気。

トレペ特色白インク帯は、現時点では一冊も出ていない。
これは……私のネット上でのプレゼンの仕方に偏りがあるのかも……?

トレペ帯はなんといっても、厚手のトレーシングペーパーなので、紙へのフィット感が良い。儚げな透け感とサラリとした手触りからは想像もつかないくらいに、ピシッと丈夫でもあります。ちょっとやそっとじゃ破れません。

……とまあ、実際のところ、きっちり半々に売れるとはかぎらないので、どちらかが多い場合に備えて、どちらの帯も多めに作ってあります。トレペ帯数とフルカラー帯数とを足すと、刷った本より多くなる。

なので、安心してお好きな方をお選びください。
(両方、お買い上げいただくのも勿論嬉しいです。しかし何度も言っちゃうが本自体は同じです。)

新刊のBOOTH通販開始予定&既刊の通販再開予定 [黒十字療養所出版部]

このたび、中里友香の黒十字療養所出版部が文学フリマ東京35で取り扱った書籍やクリアファイルなどを、すべてBOOTH(通販)で展開いたします。

12月2日時点でBOOTHの倉庫に全商品が搬入済みです。
BOOTH側に準備期間が必要なので、BOOTHの各商品ページは現在「入荷待ち」状態ですが、「入荷お知らせメール設定」も可能です。

12月8日ごろから新刊の販売開始および既刊の販売再開予定です。

■黒十字療養所出版部BOOTH
https://bcsanatoriumpub.booth.pm/
いずれの商品も「BOOTHの倉庫からの発送」で、匿名性が保たれます。

■新刊『黒猫ギムナジウム』新装復刻版の商品ページは以下のとおりです。
帯を二種類、用意しました。お好きなほうをお選びください。

帯)白トレペ特所インク→https://bcsanatoriumpub.booth.pm/items/4346579
帯)フルカラー→https://bcsanatoriumpub.booth.pm/items/4338163

以前もここで言及しましたが、これまで私家版同人誌で小説本を3冊つくってきたなかで(本作含む)、今回の『黒猫ギムナジウム』の本が、紙選びや組版、印刷会社の技術の質など様々な点において、一番良い出来になっていると思います(当社比)。
また講談社BOXでの商業誌版よりも、紙質も組版もグンと向上しているはずです。

■同時に既刊3冊も、通販再開いたします。 『手腐レ風切り貴方まで』──中里友香短編集──は今回新装版で出しました新刊『黒猫ギムナジウム』の前日端的な番外編『葉コボレ手腐レ死人花』も収録されています。これを機に未読の方はぜひどうぞ。
『黒十字サナトリウム』新装復刻版や、『名刺代わりの小冊子』も在庫復活です。

これら書籍のほかにも、オリジナルA4クリアファイル3種(ヨーロッパの街並み花焔ステンドグラス)も、BOOTH倉庫からの発送ですので、あわせ買いにどうぞ。

文学フリマ東京35まで足を運ぶのが難しかったかた、あるいは文フリで買いそびれたかた、Booth(通販)を是非ご利用ください。

あとで本の動画をもうちょっときちんと撮ってアップしたい。


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文学フリマ東京35、ありがとうございました [黒十字療養所出版部]

文フリ東京35、昨日はありがとうございました。

新型コロナの感染状況が第八派に突入しつつあり、天気も雨もよいで(私としては紫外線ビシバシの晴天よりも怖くないのですが)、それでもはるばる足を運んで来てくれて、本当に嬉しかったです。

もちろん体調に懸念があって大事を取って、家で「文フリいいなあ」と思ってくれている人も、本当に、無理せず居てくれて良かったと思っています。文フリで体調が悪化したら辛いし悲しいし、嫌な思い出が付きまとうと怖くなっちゃうものだから、そういう時は用心するのも有り寄りのアリ。遠方すぎるとか、いろんな事情で来たくても来られない人だって勿論いるわけで、「行きたかったなあ」という気持ちを持ってくださるだけでも嬉しい。
12月からBOOTHで販売するので是非、利用してください。

私は今回は前回の誤算を鑑みて、11時40分に会場に着きました。11時50分からは出店者も一般客と同じ列に並んで入場しなければならない、しかもその時かなり並ぶ、ということを学んだので。なんとしても11時50分前に入りたかった。11時30分を目指していましたが、なんだかんだとカートの荷物が重い。道中、エレベーターに乗るために遠回りをしなくてはならない。浜松町あたりからは、いっぺんに乗り切れない人員が殺到するため、何度かエレベーターを見送らねばならなかったりで。路線情報を「ふつうよりゆっくり歩く」設定で検索しておくべきだったのかもしれない。

会場の建物内に入ってからの、会場すぐ手前の階段で、エスカレーターが動いているのに立ち入り禁止のテープが張られていた。階段を一段一段、重い手荷物カートを持ち上げて上がっていくのが、本当に厳しかった。なぜエスカレーターを使わせてもらえなかったのか……。

一段一段、進んでは荷物を置き……進んでは荷物を置き……。
踊り場のところで「持ちますよ」とスムーズに見知らぬ文フリ参加男性がカートを階段上まで上げてくれました。有難かった。

開場は12時。12時までに設営が間に合うだろうか……。

クロネコヤマトで送った荷物は無事に着いており、今回はその各エリアの荷物まとめ置き場から、一番離れたところに私のブースがあったので、小さい台車が役立ちました。こいつが無かったら今回の文フリを乗り切れなかった。
サンコープラスチック sanko plasticラクゴロ S [ベージュ]
台車自体が小さくて軽いからカートに難なく入ったし、付属の滑り止めを張り付けておくと安定感も抜群、相当の重量を乗せてもスムーズに動いて、使い勝手が良かったです。おススメ。私はヨドバシカメラの通販で買った。

12時ちょい過ぎくらいには今回は大体、本や商品を卓上に設置し終えました。

前回わたしが文フリに初参加した2020年11月秋は、開場とほぼ同時にずらっと混んだので、てんやわんや大パニックに陥ったんですが、今回は設営も済んでいたし、ぽつぽつとお客さんが見えて、時間的なゆとりがありました。以前よりは格段に落ち着いた対応をできたと思っています。それでも不慣れでありますが、短いながらも会話のキャッチボールを成立させられるだけの余裕があった。実りある体験ができて、楽しかったし嬉しかった。

(ちょい謎なのは、前回よりも文フリウェブページの「気になる」スイッチ数は倍以上押されていましたが、前回の半数くらいの人が来てくれた状況だったので、「気になる」スイッチ数は全然あてにはならんな……と。)

かえすがえすも、いらしてくれる読者の方々が本当に良い人ばかりで、いちいち例を挙げると或る種プライバシーに関わるのかなあとも思うから伏せますが、本当に私は恵まれているなあ……と。前回より数は多くはなかったけれど、そのへんは「どれくらい搬入したら妥当なのか読めないんだ」という別問題であって。本質的には一番実りある部分が得られたと感じています。

あとね、けっこう覚えているもので、私は人の顔と名前が一致しないことに定評があるが、顔と名前が一致しないだけであり、その人を良く覚えてはいる。あの時のこの方だ、というのは仮に10秒くらいのやり取りであっても、エピソードが付随すれば断然、心に残っています、いつまでも。
──この方は前回も真っ先にみえて、まだテーブルクロスもかけていないときに言葉少なにあっという間に買っていかれた?
──この方は前回、かくかくしかじかのコメントを手短に残していってくれたかたで? 
──この方は前回、私が長机を畳めなくて四苦八苦、右往左往しているときに、手を貸して、スムーズに机の脚を畳んでくれた人では……? 
等々。

手紙や葉書を渡してくれる方もおり、今この時代に手書きで文をしたためることの面倒くささをやってくれる、それも賀状のような定例句とは異なるのに、なんて得難いんだと。白雪と猫目坊のイラストを描いてきてくれた方も居て、封書を開けて二人の姿が目に飛び込んできたときに、ジン……と泣きかけた、感動して。

「好きです」という言葉は誰にとっても概して暴力的で、というのも相手に何かを要求する状況に多用されることが多いから、反射的に恐怖感や圧を覚える類の凶器になりかねない、下手をすると。すんなり咀嚼や吸収できる言葉とは限らない。それがために、用いるほうも受け止めるほうも緊張感を伴いがち。
これがひとたび「あなたの書く小説がとても好き」となると、たちまち生理食塩水の点滴並にすんなり抵抗なく、しみいる。怖くないどころか素直に「嬉しいです。有難うございます」とフランクに会話できちゃう、百パーセント励みになる魔法の言葉になるんだから、すごいですね。

3時過ぎに母親が来てくれました。
母親、2022年の年明けに肺腺癌と診断され、喫煙経験皆無なので青天の霹靂だったのですが、不幸中の幸いでステージ1のごく初期で、場所も取りやすい左下葉にあり、3月中旬に胸腔鏡手術を受け、無事に悪いところを取りました。
(その折に私は、母親の切除された下葉を実際に見せてもらいました……というか確認のために見せられたというか。もういっそ、と開き直って執刀医師の許可を取って写真に収めたら、「触りますよね?」と勧められたので、ラテックスフリーの手袋をはめて、けっこう大きい下葉を持ち上げ、その下葉の一部にある悪い部分を手で触り、切除した下葉に巣食っていた患部を確認した。)
母親、現在は普通に生活を送っています。術前は、検査につぐ検査で、ようやくステージの確定診断が下った時だったか、「……今年こそ文フリに行ってみたいと思ってたのに……」と。
「え? 私が本を並べて売ってるだけだけど……会場の雰囲気が文学に占められているという意味ではとても良い場所だし……じゃあ手術が済んで元気になったら来て」
と、約束していた。

最近では遠出を極力、避けたがる母親だし、最寄り駅へのアクセスが私の家よりやや悪いので、まず駅に出るまで疲れるのに、電車を乗り継いで1時間以上もかけて来られるのか……。モノレールなんて使い慣れてないし……本当に姿を現してくれる……?

「来てくれるなら、出店者側にきて隣に座って、一瞬でいいから、店番とかしてほしい。その間に私はトイレに行ったりとか、残部を自宅に送り返すための着払い伝票を、宅急便搬出受付まで取りに行ったりとかできる」と「出店者用カード」を渡してはいた。

母は「あんまりあてにしないで」と言っていたのですが、まったく平気の態で来てくれ、「通勤スイッチが入った。通勤していたときの」と。「モノレールは羽田から出張に行ったときに使ってるし」
「当時からモノレールってあったっけ?」
「あるよ。モノレールをなんだと思ってんの」
なんとなくモノレールとゆりかもめとを混同していた、私は。

私は鳥が大好きだけど……たぶんこれは閑古鳥……席を離れても差し支えのないタイミング。という頃合いで母親が来てくれたので、手荷物を見てくれているおかげで、あれやこれやの用事を前回よりは手際良くこなせて、搬出作業も困難を見ずに済み、5時過ぎに会場を後にしました。

この日が無事に済んで、本当に達成感がありました。
感謝です。

文フリ新刊『黒猫ギムナジウム』新装版動画 [黒十字療養所出版部]


中里友香による黒猫ギムナジウム新装版動画

どんな感じがわかるかなと思って動画に撮ってみたのですが、取り急ぎ、しかも初めての動画アップを試みているので、あとで消すかもしれない。

テーブルクロスにモアレが出ちゃってるし、おまけに縞々の手袋なので、なにやらやたらとモアレっている動画ですが。組版(行間とかフォントとかそういうの)や、本の厚さ、帯やカバー、見返し加工とかのイメージが写真よりはつかみやすいかなあと。

詳細は文フリ当日(明日ですね)、見本として現物を2冊置いておくので、そこで確認していただければ。

BOOTHで通販を開始するときには、もう少しきちんと丁寧に録画して、動画をアップしたいと思っています。ひとまず今回はあくまでざっくりとイメージを摑む一助になればと、貼っておきます。

【G35~36】文フリ東京・お品書き兼チラシ [黒十字療養所出版部]

いよいよ明後日に迫ってきました、文学フリマ東京35。
これからテーブルクロスのアイロンをかけて、当日持っていくものの荷造りをするところです。

2週間余り前にお品書をアップしましたが、いろんなタイプのSNSと違って、当ブログはトップに記事を固定することができない。同じものを再アップするのも能がないかなと思ったので、お品書き兼チラシっぽいものを用意しました。


中里友香による公開用2022年11月20日開催文フリ東京35チラシ
(右下コーナーをマウスオーバーすると拡大できます。)

黒十字療養所出版部のブースは第一展示場G35~36、GothicのGと覚えれば良いです!

本自体は10日に発送済み。現在、京浜島営業所(東京流通)に留め置かれており、文学フリマ側が受け取れる指定の日時まで、待機中のもよう。一冊が分厚いのでね、ほどほどの冊数でもどうしても嵩ばるんだ……。

なおクリアファイルは1枚350円で、3枚まとめると1000円。
これは4枚は1350円、5枚で1700円、6枚で2000円となります。3枚単位で1000円、6枚で2000円となる計算です(そんなにまとめて買われる方はまず居らっしゃらないと思いますが)。

中里友香は当日、黒マスクをしていく予定です。
お会計の折には、たぶん信じられないレベルでいちいち電卓を叩いていると思います。
少しでもリーズナブルに提供したいと努力しているから刻まざるをえないんだ、金額を。
(私に暗算を期待しないでくれ、間違えるより良いだろう……)

心にゆとりを持ってきてくださると、とても嬉しいです。


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『斬リ結ビ』は年明けに [黒十字療養所出版部]

『斬リ結ビ』は今回の文フリには間に合わないので、年明けにでも出せたらいいな、と思っています。8割がた書き上げ、あとはクライマックスを書くだけ、というところで表紙やクリアファイルを作っていたら、間に合わなくなったよ……。

二次創作は後にも先にも『刀剣乱舞』以外ではやる予定はなく、初めての試みでもあり、楽しみながら書いているので、今更あまり慌てて作るのも……という気持ちでいます。

なお主たる登場刀剣男士は──

源清麿
加州清光
山姥切長義
にっかり青江
肥前忠広
古今伝授の太刀
へし切長谷部
薬研藤四郎
毛利藤四郎
水心子正秀
一文字則宗

──という面々です。


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付録の紙製しおり [黒十字療養所出版部]

そうだ、栞を作ったんだ。

今までも小説本にはいずれも紙製のしおりを付録で添えています。
今回もまた作りました。

ブログに埋め込むと巨大になりますが、いわゆる標準的な栞のサイズ。
幅47mm×高さ143mmです。
またブログにCanvaで画像を埋め込むと、自動的に角が少し落ちた状態で映るんですけど、本体はふつうにかっちり直角です。


中里友香による公開用・黒猫ギムナジウム付録しおり大

マウスオーバーで矢印が出てきたら、クリックするとページが進みます。
表→裏です。

表面(おもてめん)にUV加工をしてあります。
ジェルネイルのようなつややかな質感になっています。
裏面は普通の印刷です。

表のほうが華やかですが、裏面のデザインを作り上げるほうが難しかった気がする。
その分、仕上がりを見た時にはテンションが上がりました。
いずれも明治時代の着物の柄をベースにして、モチーフを足しています。

なお、私は本もカバー表紙も帯もいずれもどこでプリントしたか、印刷会社を必ず商品自体に記していますが、栞だけは書きこむスペースが無い。
ですのでこの場で──栞はいずれも「グラフィック」で頼んでいます。
というか、ほかに紙製栞を扱っているところって、まず無いよね?
(そこしか取り扱ってなくない……?)

栞は本の最初のページに挟んでパッケージしています。

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