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カバンに経口補水液 [か行]

カナダは西海岸にしか居たことがありませんが、
そこでの夏っていうのは、大体、今の日本くらいの感覚がほぼMAXで。
緯度も高いんで、今の日本の、
ああ明るい、日が長い、行動時間がいっぱいあるね!
湿度はまだまだ低く、爽やかな風が吹き、
若葉からの木漏れ日が眩しいわ、ああ夏ね、暑いけど夏ってすてきね!
スパークリングワインが美味しいもの。
みたいな季節感なわけなので。
(実際の所、日の長さはもっとずっと長いですけれども。)

……夏、割と好きだ! いい季節じゃないか。
そう、気付いたのは初めてカナダで夏を過ごした時でした。

日本の夏が尋常でなくしんどい。
最早、無軌道な苦行。日本人、いや日本住みって気の毒なんだな(自分も含め)!

日本は四季があって美しい国なんです、そう習ってきているわけなので、小学校で。
地球上のどこにいっても四季は有るし、
なかでも日本の四季はあまり性質(たち)の良くないタイプの四季だぞこれ、
知らないと思って勝手ぬかすな、と悟った。

日本の夏より、厳しい夏を展開する地域もあるだろうが、
日本の夏でも死にかけているのに、
海外の酷暑地域で暮らすのは、
医療方面や電気事情など考慮すると、私にはリアルに困難なので、
日本以上に苛酷な夏の世界に行ったことはない。

今くらいの爽やかな夏の気配を吸いこんでいると、
あ、今ちょっとカナダっぽかった、この風はカナダっぽかった、
あるいはアメリカ西海岸の朝の空気だ。
この調子ならまだまだいけるぞ、と晴れやかに勘違いしかけます。

日本に帰って来たばかりの頃、
家族みなが天気予報をものすごく真剣にチェックしていて、
テレビが天気予報を流しているときに、話しかけたりすると「ちょっと黙れ」と気色ばむので、
どこかおかしいんじゃないかと、やや軽蔑していた時期がある。

お天気の会話なんて、当たり障りなく場をしのぐための、
ぬるい発声練習みたいなもんだろうに、
なにを仕込んでいるんだ……と呆れていた。

カリフォルニアに何年か住んでいた時に、
日本からの手紙で、
(まだメールでなく手紙主流でした、海外版PCで日本語フォントがまず使えなかったですよね)
「世界の天気をチェックするとカリフォルニアは、常に晴れだね」
と来ることが多かった。
実際の所、ちらほら曇ったり雨がふることもあります。ごくまれに嵐も来た。
が、おおむね晴れです。
天気予報なんて日常的に、余程の暇人ぐらいしか見なかった。

だから傘は携帯しないし、
日本製のほんのちょっと小洒落た8本骨の折り畳み傘を使っていると、
目聡い見知らぬアメリカ人からも、
なにそれかわいい! 素敵! どこで買った? と大好評……。

日本の素敵な洋傘、こと婦人用の傘は、
かなり世界随一の可愛さを誇れるレベルで、サイズや軽さもヴァラエティに富んでいるので、
カリフォルニアはダメだと思うが(車移動だし滅多に傘をささない)
雨の多い地域に、ビジネス展開したら、好評なんじゃないかなあ……。