SSブログ

水もの進捗3 トレペ帯(特色白インク+フルカラー) [黒十字療養所出版部]

結局トレーシングペーパーで帯をね、作ったのよね。
今回は帯無しで……と考えても居ましたが、作りました。
帯が無いと新刊としての喜びが若干減ずる気がして……。

今までトレペ帯というと、私は特色白インクのみで作っていましたが、今回は「特色白インク+フルカラー」で、ちょっと気張ってみました。

『黒十字サナトリウム(復刻版)』や『黒猫ギムナジウム(復刻版)』のように、すべての本に必ず帯をつける、という仕様にはしていません。

『手腐レ風切り貴方まで(中里友香短編集)』のような感じで、一定数分、帯を作りました。
この短編集が今、ようやく帯有り分が終わって、帯無しで出回りだしている頃合いなので、今回の「みづもの」も、しばらくは帯有りで提供できるかと思います。一定数を超えたら帯無しになります。

トレペ帯に特色インクの横幅は(少なくとも私が依頼している印刷会社では)、黒猫~のトレペ帯と同様のサイズより大きい幅は刷れない。なので、黒猫~の時と同様、表紙カバーよりやや横幅が狭めになります。
そして黒猫~と同様に、表紙カバーを長くしたほうが本としての耐久性とか安定感は増すため、帯とカバーの横幅を揃えるよりは、ずれてもいいから耐久性の良いほうを選びました。

イメージ通りのすごく素敵な帯に印刷があがってきて、私としては気に入っています。

わりと私は本の帯に対して、思い入れをブログに書きがちだと思うが、私からすると、帯のデザインは表紙カバーよりも格段にやりにくい、難しいからもあります。
限られたサイズでなるべく多くの情報を入れなくてはならないし、本の表紙のデザインを殺してはならない。邪魔にならず、美しさも兼ね備えつつ、情報を詰めつつ、見やすく……すぐに破れたりしない素材で、などと考えると、カバーよりぐんと自由度は下がり、やりにくいのだ。

文字情報だけで作る帯でも良いのだとは思いもするが(商業誌は大体このパターン)、せっかく個人で帯を好きにデザインできるのだから……という美意識的な欲も入ると、もう大変。

思った通りに仕上がってくると嬉しさもひとしおです。

中里友香による公開用みづもの帯

トレペ帯→表紙カバーの上にかけた状態の帯部分。
実物を見ないと今一つ素材の透け感とかが、こういう状態で伝わりにくいか……。


中里友香による公開用みづものカバー四六判withトレペ帯