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『黒猫ギムナジウム』キンドル化 [ニュース]

いまから遡ること4年半前になる2011年12月1日に講談社BOXから刊行されました、
『黒猫ギムナジウム』
このたびクリーク・アンド・リバー社という電子書籍リーダー用に特化した会社の部門からキンドル化。
講談社Boxは帯の意味合いを兼ねたボックス(外箱)の中にソフトカバーの本が入っているという、
やや扱いずらい代物なのが特色で、
ゆえにデザインが特殊なのですが、
電子化にあたって、marucoさんの当時の装画を活かしたまま、デザインをリニューアル。
金箔風の背景をほどこした題字の字体など、気に入っています。
色も今回のほうが紙本の表紙よりも、本来あるべく色味で断然きれいに出ている気がします。

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書名:黒猫ギムナジウム
価格:900円(税込972円)
刊行日:2016年5月20日

この作品は初出の序章~第四章までが連載作品でしたので、
連載当時、第一~第四章の扉絵はカラー絵だったのです。
(実際は当初から一冊分を書き上げており、それを連載という形で小分けにして発表していました。)
第五章~八章を書き下ろしという形にして、一冊の本にまとめて出版するにあたり、
カラー仕上げだった第一~第四章のmarucoさんの扉絵もモノクロになっていました。

その扉絵部分も、今回marucoさんのカラー版で復刻です!
外箱に描かれていたラフ絵も、作品内にちゃんと収録されております。

元来、紙の本、大好きっ子の私なので、
電子書籍化するなら電子書籍化ならではのメリットや利点が加味されていないと、
おさまりがつかない。
(紙書籍では二段組みの体裁も、キンドル版はもちろん一段組で読みやすく。)

アマゾンKindle楽天Koboを皮切りに、紀伊國屋Kinoppyなどの電子書籍リーダーでも順次、読めるようになります。

電子化にあたり、単行本における誤字・脱字等を修正しました。
修正できる機会に恵まれて良かった。
というのも『黒猫ギムナジウム』での脱字は、意味が正反対に読み取れる脱字であり、
(詳しくは当時のブログ:http://blackcrosssanatorium.blog.so-net.ne.jp/2011-12-03-1
これは当時、初校も再校も終わった段階で、
当時の担当編集者に心無い変更を強いられ、
ぎりぎり妥協できる範囲まで、なんとか変更を加え、メールで伝えた部分のうち一箇所が、
編集者のミスにより脱字で反映された。
――という苦い思い出が。

この本の出版には他にも本当に苦労しました。
版元によって諸々の判断基準は異なるので、
出版社の指針とあれば仕方あるまいと、なんとか苦慮して対応した。
実際のところは講談社の指針でもなんでもなく、
当時の担当編集者が、私の表現方法に逐一ケチをつけたいだけだった。
……と、後々わかった。

私の小説を毛嫌いしていた人だったが、プロの編集者としての仕事は期待していた私も認識不足だったのだろう。
古いバージョンの原稿が校閲に回っていて間違って届いたりとか序の口。
ミスが多発するだけでなく、悪意もあった(この小説の一体何が面白いんですか、売れる実績がない作家の本を出すのに、なんで主張するんですか、と度重ねて言われたりと)、無益なストレスが多かった。

そういった点を含めて、細かい箇所まで、今回すみずみまできちんと思い通りに直せて、
やっと一区切りがついた思い。
といっても当時も体調を崩すまで粘り強く頑張って、試行錯誤のうえできるかぎり初志を通したので、
大体的にがっつり手を入れた部分はありません。
読者にとっては、微細な修正かも。

本当はこのあるべく状態で、紙本での文庫化を目指したいし、
できれば、今はもう講談社の担当編集者が変わっているので、
当時よりも良い環境で、ぜひとも続きを書きたい。

電子書籍には当然デメリットもあり、書体が明朝とゴシックの2種しか選べない。
紙の本で、怜士朗が白雪に宛てた手紙部分の書体などは、
キンドル版ではゴシック体になってしまったりと、惜しいところもあり。

『黒猫ギムナジウム』(講談社)は絶版ではなく、紙媒体の本がまだ市場に出回っています。
一般書店ではもうあまり取り扱われていませんが、
取り寄せあるいはネット書店では入手可能です。
やっぱり本といえば紙!派のかたがたは、
上記の誤字脱字等をやんわりを踏まえたうえで、
これを機に改めて紙書籍を手に取ってくださると、嬉しい。

追記(2016/7/28)



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若冲展脱落です [さ行]

昨日の金曜日、上野界隈に出かける用事があり、
帰りにそうだ東京都美術館で開催中の若冲展に寄っていこうと思い立つ。
若冲は、花鳥風月をモチーフにしつつも毒々しいまでに精巧華麗というイメージで、
一度きちんと見ておきたかった。

混んでいるのは知ってました。

その前の週末で3時間待ちとか、
又18日(水曜)のシルバーデー?とかいう一定年齢いった人が無料で見られる日には、
激混みのニュースがちらほらと耳に入っていた。

でもなんでもない平日金曜の昼下がり。
並んだとしてもまあ30分くらいか。
私だいたいこういうの運が良くて、激混みのニュースが流れていても、
スッと雲の切れ間みたいな時間帯にすんなり入れることが多いんです。
(人と生活パターンの時間配分が少しずれているのと、
雨の日に行動するのが嫌いじゃないせいもあるかもしれない。)
徒歩圏内だったので東大近辺から不忍池を抜けて精養軒から動物園裏を通って……
歩きやすい靴を履いているし、天気も暑すぎず風は肌寒いくらいだし、
ポカリスエット、帽子とサングラスさえあれば何とかなるでしょ……。

甘すぎた。

着いたのは午後3時前でしたが「210分待ち」。
2時間10分じゃないからね。
210分だから。
3時間半待ち。
レア4太刀を手伝い札なしで鍛刀しても、まだお釣りがくるんです。

チケットを持参していなければ、チケット売り場でも待ちます。
(わたしは事前にチケットを買ったとして万一、入れなければ無駄になると思ったので、買わないで出向いた。)

ここまで混んでいると、中に入っても人間の頭を拝む形になり、きちんと見られないし、
宮内庁所有とかの通常、お目に掛かれない代物がごっそりまとめて展示になってる分、
生きているうちに一度は拝んでおきたい系の参拝者、
御開帳とか参詣とかメッカとかに通ずる苦行と御利益的な趣きを呈しているので、
即Uターン。
諦めました。

それにしても整理券を出さないのは、すぐ近くにある他の美術館や博物館に集客を奪われぬよう、足止めを食らわすための、東京都美術館の目論見か。
日頃、東博や上野の森美術館に客足を奪われている鬱憤を晴らして、見せびらかそうとしたのか。
……そう疑いたくなるレベルです。

展示の終わり際ゆえ激混みに拍車がかかっていたけれど、当初はここまで混んでなかったはず。
早い時期に行けばよかった。
映画とかだと、ドル箱メガヒット作でも終わり際になればなるほど空くんだが……。

ここまで長い行列というと、愛地球博の万博を思い出しました。
「早いうちはガラ空きだったよ~地元民ばっかが何回も足を運んでたもんね、俺なんかもう10回は来てる」とか、話しかけられたのだった、そういえば行列の渦中であの時は(知らない人に他意なく話しかけられると、あ、東京とは違うな?と実感します)。
《後半必ず混む》というよりは、メディアの取り上げる時期にも左右されるのだろう。やっているのを知らなきゃ見にいきようがないんだし。

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並んでいる人の顔を隠す加工をほどこそうとしたら、吹き出しみたいになってしまった。
思い思い好きな台詞を入れてね。