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pikomaroさんに白雪と猫目坊を描いてもらった! [黒十字療養所出版部]


『黒猫ギムナジウム(中里友香著)』 pikomaroさんの絵

1枚目は私が帯をつけてみたもの。
2枚目にちゃんと原画のままで出てきますので、慌てないで「>」マークをクリックしてページをめくってくださいね。
右下に対角線上に描かれているマークをクリックすると、全画面表示にできます。

Skeb──スケブ。

スケブというのは本来イベント会場などで、イラストレーターさんや漫画家さんなどにスケッチブックを渡して、その場で希望の絵を描いてほしいと依頼する、
というある種、ゲリラ依頼みたい習俗文化。
なんだそのハラハラするやりとりは……と思いながら噂に聞いてはいた。

このスケブ文化を活かしつつ、そのある種、あぶなっかしいゲリラ性を回避して、気楽にかつ安全にネット上でやりとりできるシステムがSkebというものなんですね。
最近知りました。

坂口安吾の「明治開化 安吾捕物帖」「南京虫殺人事件」を原案にした、
東京開化事件譚』という漫画がヤングエースで載っていて、ちょっと注目しています。

  坂口安吾の原作本をアレンジして、まさかの新選組と絡めている。
  結城新十郎と、花廼屋(はなのや)因果が、新選組の生き残りの……あの人なの!?
  これはありうる改変というか。面白いぞ、私が好きなやつかもしれないぞ……と。
  新選組の生き残りは皆、素性を隠して生きないとならなかったわけですし。

読み始めたきっかけは絵でした。絵が好き。
明治時代っぽさが、ちゃんと出ている。

明治時代らしさって、文明開化の洋かぶれ具合&思いのほか江戸時代なんですよね。
わりとよく見かけがちな明治時代のイメージ描写というのは、実はけっこう大正ロマンだったり昭和レトロだったり。
この作品の絵は、幕末の名残と文明開化が折衷した、ちゃんと明治っぽい空気が流れている。
明治の再現率が程よい頃合いで、素敵だなと(いや……私も明治時代を知らんがな)。

これからどんどん面白くなりそうな予感がしていて、その漫画の絵を描いているのがpikomaroさんという漫画家・イラストレーター。東京開化事件譚で存在を知りました。
このpikomaroさんが、まさかのSkeb募集をしていたのです。
「東京開化事件譚、最終的にどうするか決まるのにまだあと1か月くらいかかるらしく……
めちゃくちゃスケジュール空いてるので」と2月の中ごろに。

頼むでしょ。そりゃ。迷わないでしょ。
スケジュールが空いているという書き込みを見つけて、すぐにSkebの依頼をしました。

Skebというシステムを使うのも、Skebをお願いするのも、私はなにぶんはじめてのこと。
わたわたとSkebの利用者として登録をしました。
今となっては意味不明な突撃メッセージみたいなのを送って、pikomaroさんなのにpicomaroさんと綴りミスで連呼しちゃったりと、本当によくすんなり引き受けてくださった……。

『黒猫ギムナジウム』の白雪と猫目坊をお願いしました。
明治時代が舞台です!

今年中に刊行予定の新装復刻版の紙の本『黒猫ギムナジウム』に、こちらのpikomaroさんの絵を収録する予定はありません。
紙の本のデザインはもう出来上がっている。

それでも描いてほしかったんです。
描いていただいた絵を、このブログで紹介できたら嬉しいなと思って依頼しました。

……いつごろ仕上がるのかなあ……。
納品締め切り日数が60日とある。
平均納品日数が2週間程度ともある。
そろそろかなあ。

と、思って本日、見に行ったら、2月27日に納品されていた。
はやい! 

お願いしたのは白雪と猫目坊で、背景から明治時代だなとわかる感じにしてほしいというのが、私の依頼内容でした。

──九鬼白雪が故郷を離れ、僻陬の地から帝都東京に上京してきたのは一八九三年、弥生の暮で、春特有の風のある昼下がりだ。開きかけた三分咲きの桜が、そわそわとした期待感を募らせた。──
という、まさに『黒猫ギムナジウム』の第一章の光景を描いていただけたと思っている。

『黒猫ギムナジウム』の話はその後、圧倒的に夜の描写が増えてくる。
さもなくば日暮れ時。
この一章のシーンは作中において数少ない、澄みわたった昼下がりの描写といえる。

講談社BOXで刊行時に描いていただいた絵と、当然イラストレーターさんが違いますし、タッチもかなり異なっており、今までのイメージとまたちょっと違う、猫目坊と白雪の二人の表情が見られて、とても新鮮です。嬉しい。

素敵な絵を有難うございました。


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