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吸血鬼の頭蓋骨発掘事件 [か行]

こういうニュースを見ると、まあ当然ちょびっとテンション上がります。
ニュースはこちら。
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イタリアで「吸血鬼」の頭蓋骨、見つかる

 [ローマ  12日 ロイター] イタリアの研究グループが、ベネチアで女性の「吸血鬼」の頭蓋(ずがい)骨を発見したことが明らかになった。骨が見つかったのは16世紀に流行した疫病の犠牲者らを埋めたラッザレット・ヌオーボ島の集団墓地。
 この頭蓋骨の口の部分にはれんがが挟まれており、当時「吸血鬼」と疑われた遺体に対して施される行為と考えられている。

拡大写真
http://ca.c.yimg.jp/news/20090313145432/img.news.yahoo.co.jp/images/20090313/reu/20090313-00000730-reu-int-view-000.jpg

 発掘調査をしたフィレンツェ大学の法医考古学者マッテオ・ボリニ氏は、この発見により、中世では疫病流行の背後には吸血鬼がいると信じられていたことが裏付けられたとしている。
 ボリニ氏は、ロイターの電話インタビューで「考古学の発掘調査で吸血鬼に対する悪魔払いの儀式が明らかになったのは、今回が初めてだ。吸血鬼伝説がどのように生まれたのか知る手がかりにもなるのではないか」と話した。
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このニュースはまずタイトル勝ち、ですね。
吸血鬼と認識された頭蓋骨、というところを「吸血鬼」の頭蓋骨!!と銘打ったところがキャッチー。
「吸血鬼」とカッコ付けにしてあるところが、心憎いではないの。

ヴェネチアは北イタリアで、同じお国のローマよりも、オーストリアやスロベニアのほうが近い。やはり発想が東欧がかっています。「ヘタリア」でもベネチアーノとロマーノの性格が全然違って、ベネチアーノはオーストリアさんの召使・小姓をやってハンガリーさんと暮らしてたりしていましたね。

さて、集団墓地と記されているラッザレット・ヌオーボ島ですが、このちっさい島は、もとは伝染病の隔離地域。疫病患者を船で運んで、死んだらそこで埋めた。ゆえに疫病犠牲者の集団墓地という、口をぬぐったような言い振りをされるわけだ(……「黒十字サナトリウム」の四章と六章を読んだ方はお見通しかと思うけど……笑)。

ロイターの英語の原文を読んでみると、はっきりと、「黒死病患者のサナトリウムであったラッザレット・ヌオーボ島はベニスから北東3キロ(2マイル)に位置する」と記されています。

日本語訳のニュースだと、写真が一枚しか載っていないのだが、ロイター原文にはこの写真もついていて、集団墓地発掘現場をよくあらわしています。

http://www.reuters.com/resources/r/?m=02&d=20090312&t=2&i=8616547&w

さてここで混同しがちなのが「吸血鬼=黒死病を具現化した、疫病の象徴」みたいな認識だが、疫病とくにペストは、白い服に白髪で骸骨顔の老婆の仕業、とかいうのがもっぱら。白い悪魔のもたらした黒死病の犠牲者は、吸血鬼になるのではと、んでその吸血鬼により被害が広がるのではと恐れられたりしたわけなので、「黒死病≠吸血鬼」です。

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