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クレヨンの使い道は [か行]

海外ドラマ『HOMELAND』が面白すぎる。
面白いといっても愉快な話ではまったくないし、いつもけっこう痛々しいが、いちいち良い。

海外ドラマを正座して見るかんじって本当に久しぶり。
わたしはDLifeで見ていますが、TBSでもやってるようです。

7~8年間アルカイダに勾留され、拷問をうけつづけてやっと帰還した復員兵が、
アルカイダに転身していてあっち側のスパイになっている。
そう一人の敏腕だが問題児でもある女性諜報員(クレア・ディーンズ)が疑い、
盗聴するところから始まって、いろいろあるわけです。が、
なんやかんやで今は盗聴してないし、
アメリカでの放送当時に見ていたら……さすがにそこまでしないんじゃ……過激だなあと思ったろう。

実際のところアメリカさんはTVの想像をこえてアメリカ国土を超えて盗聴しまくっていたわけで、
しゃれになっていません。

帰還兵の家族のリアクションとか、それぞれの努力と歩み寄り、擦れ違い、
拷問のトラウマやらCIA内の人間関係とか、
手を抜かないできちんとリアルに盛り上げていく人間ドラマなんだが、
スパイとかテロリストとかの、規模がでっかい犯罪ドラマでもあるので、
緊張感の糸が複雑にからみあっていて切れることなく、まあ見ごたえある。

アメリカのドラマってわりと一話完結で謎が解決し、
人間模様がシリーズを通じて進化していく展開が定石で、
いっぽうこのドラマは緻密なあるある描写と、でっかいストーリー展開で果敢に挑んで、力が入ってます。

取調室で「スパイの名前を書け」と紙とクレヨンを渡すシーンがあって、
なぜにクレヨン?
と思ったのだが、自殺したり、尋問者を攻撃したりさせない用心にクレヨンなんだな。

訓練された工作員が、ボールペン一本、あるいは鉛筆一本で、
尋問者の目を攻撃したり、手の甲に突き刺して机に磔にしたり、頸動脈にぶっさしたりするの、
そういえばいろんな映画で見飽きるほど見てきたものな……。
そろそろCIAも学ばなきゃバカよね……。