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ここだけの話 [か行]

このたびの新刊
『みがかヌかがみ』
この単行本は、シリーズでも続編でも番外編でもなく、
一篇の独立した小説です。

ですが実は、
『黒猫ギムナジウム (講談社BOX)』にチラッと出てくる共通の人物がいます。

黒猫ギムナジウム165pに出てくる磔刑の侍。
猫目坊にむかって「なあ小僧、首を刎ねてくれ、どういうわけか死にきれぬ……」と声をかけてくる、
案山子のようになった人物。

目縁(まぶち)は死斑で黒ずみ、
散斬り(ざんぎり)になってふりかかる髪から兇暴な眼光が覗いていて、
鳥の嘴(くちばし)に内腑を喰い尽されて、幾日も経った様相なのに、
綺麗な目線をいやにまっすぐ猫目坊へと向ける、彼です。
猫目坊が《お手前様は、もう死んどります》と答える、その相手の人物が、
『みがかヌかがみ』の主要登場人物、
不来方で目を覚ます、雨夜城(あまよ・きずき)にあたる。

『黒猫ギムナジウム』を書いている当初から、
この磔刑の武者について掘り下げて書きたいなあ……と。
ぼんやり考えていました。

裏設定というのか、
ここだけの話。

黒猫ギムナジウム (講談社BOX)

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