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連載第13回@note『隣の客はよく柿喰う客か?』 [黒十字療養所出版部]

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書き下ろし連載小説『隣の客はよく柿喰う客か?』

第13回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/na62519951ff0

配信開始です。
夜遅くになりましたが、日曜日のうちに、ギリギリ間に合った。
残りあと1回です。

私の体調は多分ぼちぼちといったところです。
不調が生じたときの打つ手を、以前よりはいくらか持ちうるようになったかもしれません。
以前はあまりにも無策だった。
御心配をかけました。

私以外にも身の回りの観測できる範囲で、みんなけっこう体調がいま一つな様子……。
自分の持っている弱い部分、不調が出やすい時期ですよね。

エアコンの除湿機能は文明の利器だから、同様に気圧を調整できる機能を作ってほしいと心底思います。気圧と湿度と温度だけの問題でもないのだけれど、これで格段にやわらぐ不具合も、確実にあるはずだ。
不快指数が高いと判断力も落ちますし……。

もう日本には……いや世界にすら存在しえないかもしれない、さわやか概念の夏が懐かしい。

以前、相当前になりますが、留学から帰国して一番最初に非常勤で就いた仕事の業務の一部に、東京大学都市工学科の海外からの研究生に、英語でいろいろと対応するというのがありました。
みんな博士号を持っているとか博士課程の履修中とか、頭脳の優れた人たちで、その中にインドネシアからの研究生が居ました。行き会う時に、ハーイ、
と、ちょっとした挨拶と会話をする。
ちょうど今くらいの時期だったか、「最近どう?」と聞かれた。よくある会話です。
(私は小説を書いていましたが、まだデビュー出来てはおらず、仕事先では「勉強していることがあるので毎日勤務は無理である」と言っていた。)
「最近どうかって? 何もしてない。暑いから。もうやっと通勤している。あなたは海外から来て勉強していて偉い」みたいなことを私が言ったら、
「夏は何か行動を起こすときではない」
と、強く言われたのを覚えています。

「インドネシアの夏はやっぱり日本より暑い?」
「日本の夏よりずっと暑い。非常に暑くて暮らしにくい。夏は何か行動を起こすときではない」
「私は日本の夏ごときで猛烈に参っている」
「インドネシアほどではないが日本の夏も相当である。夏は生きていればいい。何か行動を起こすときではない」
夏の過ごし方のプロがそう言うんだから、夏は何か行動を起こすときではないんだな、
と、悟ったのでした。ヨーロッパでも暑い地方はシエスタとかがあるわけだし。

たまに、これほど気候変動が起きても、まだ概念の夏を信じている日本の「わーい夏だ」
モードに、何かやらねばならぬ気になる折もありますが、夏はそう、おとなしくしのぐ時期です。
(まだ梅雨も明けてはいないが……)

連載、残りあと一回になりました。
ここまで良くついてきてくださった。ありがとう。
次回、最終回。物語の最後まで、よろしくお付き合いください。

バックナンバーは、こちらのリンクからどうぞ。
第1回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n6f4cf32b6fc9
第2回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n30a25319806e
第3回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/nf58db4365abf
第4回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n6ad0aa5b1d2a
第5回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n0f0a68b648e5
第6回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n62b30404bfcd
第7回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/nc4b388da8b6f
第8回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n74ea989baeeb
第9回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n1d69b04757c3
第10回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n003ca1dc0d27
第11回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/n62bdc73a58d4
第12回目→ https://note.com/blackcrosssanat_/n/ne738af9b2b4f

付記
今回の連載第13回目の第四章・扉絵に使っているのは、
『千代紙集 広瀬菊雄 編 広瀬菊雄 ( 大正15 )』に収録されているものを加工しました。
NDLイメージバンク(国立国会図書館)で元の絵にアクセスできます。