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十日後はタイタニックの沈没日ですね [た行]

現在、小説すばる4月号に掲載中の短編“極東での若き日々”に、
ちらっと出てくるヴァイオリン曲、
尚夜が神蔵夫人に聞かせる「主よ御許(みもと)に近づかん」
って、どんな曲だ?

という人のために。
映画「タイタニック」で出てくる弦楽器の楽団が、いよいよ船が沈むときに弾く曲です。

http://youtu.be/_RcVzevWX4U (映画の短いヴァージョン)
http://youtu.be/mCEfqj9pDAI (長いヴァージョン)

この選曲は映画の中だけの演出かと思いきや、
実際に「船が沈んでいくとき、この曲が流れていた」
と生存者が証言し、当時(1912)ドラマチックに報道されて、すっかり定説になっているんですね。

タイタニック号の沈没は日本でもかなり大きく取り沙汰された事故で、
事故当時、作中の尚夜は生まれた頃にあたりますが、
たびたび語りつがれてきた海難事故でもあるし、
しばしば死の淵を覗いてきた尚夜なので、
この曲がタイタニックが沈没したときに流れていた曲だと、
このとき無自覚に意識しながら弾いたんだろう――
と、思いつつ書きました。