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ラルクライヴ@国立競技場ライブ2日目(長文) [ら行]

ラルクライヴ2日目、もうすこし詳細な感想を。

初日の演目をチェックしたところ、ロックでポップなナンバー多かったようで、
そっか……今回のライヴはこういう路線なのか……と、心づもりをして出向きました。
ニューアルバムをリリースしてのライヴとかでもなく、
20周年を記念して、年代別にやるのでもない。
どういう色で攻めてくるのか、傾向がわからなかったので。

ポップなラルクも、ロックなラルクも、むろん好きだし、
ラルクのアルバムは、私にとって、いわゆる「捨て曲」がない。
飛ばして聞かない曲が、チラホラとも無いので、
自然、ラルクはエンドレスでかけっぱなしの機会も多い。
だからどの曲でも楽しめるけど、
ゴシックなラルクとか、SFなラルクとか、ハゲバラ(激しいバラード)のラルク――
今回はあまり期待すべきではないか。

と踏まえて、参戦した2日目、嬉しい誤算でした。
個人的には、セットリストも、メンバーの衣装とかも、2日目参戦で大正解でした。
(1日目のシメの曲が「虹」だったのは、しかしすごーく羨ましかった。)

宇宙船の冬眠カプセルに見立てた、スペースカプセルからメンバーが登場です。
プシューッとドライアイスの煙を上げて扉があく。
ここ、正面から見たかった。

舞台袖側はまったく全体像がわからなくて、それでも国立はかなり席が近いので、
臨場感は申し分ないから、スクリーンで補完すれば、あとは耳で聞くわけだし、
曲が始まれば楽しい。

ただ舞台袖側のスクリーンが、
各メンバーの登場を一人ずつ順にアップで映していたので、
全体像の俯瞰がまるっきり掌握できないままだった。

衣装は、Kenが、おしゃれでチャラめな次元(ルパンのね)みたいな感じで、
Tetsuyaが、キッチュでポップで少々毒のあるジョーカー(バットマンのね)みたいでした。髪が緑。
Yukki-が長髪のエクステにターバンで、砂漠のキャラバンでアンドロイドなロッカーみたい。
Hydeは、ムスリム風に目だけ見せる被り物が黒に金を織りこんだマリアベール、
目だけのぞかせて、下をシースルーのレースで、
現代版キングダム・オヴ・ヘブン(映画)風。
衣装はゴスで貴族チックな、エレガントな黒と、襟元は白のひらひら。
エキゾチック・エレガント・アサシン!
美貌の殺し屋といいますか。
そんなノリです。

ラルクってそれぞれの衣装がてんでに自分の道をつき進んでいて、
統一感がないのが、またいいんですが、
ハイドとユッキーの衣装が、今回、月面砂漠のキャラバン風で合ってました。

エキゾチック・エレガント・アサシンてなんだよ、
と思われるかもしれないが、
よくあるじゃないですか、村一番の娘が、親兄弟の尻拭いで盗賊に献上される。
その盗賊の頭目は、売春窟を持っていて、そこらじゅうから美女をかき集めてきて、
人身売買、武器の取引、麻薬の横行する悪の巣窟で、
人々が嘆いている。と、どこからともなく登場する通りすがりの旅のキャラバン。
事情を聞いて、村一番の美女になりかわり、女装して売春窟に乗りこんで、薄笑いを浮かべ。
――親分、今回は極上の上玉ですぜ、
――へっへっへそれでは俺が先に味見する、
と、骨の髄まで心底下劣で卑猥なボスが、ほおおう、こいつはなるほど……楽しませてもらうぜ、
と鼻の下を伸ばし、美貌な娘の素顔が透けるベールを剥ぎかけたときに、
ずさぁッ。
殺しちゃう感じの。
おのれひっとらえろーと、手下が騒いでいるときに、
「こっちこそ楽しませてもらうぜ!」
衣装に隠しておいたマシンガンをぶっ放し、
悪党を皆殺しにして、誘拐された女子供を解放しつつ、自分らは宝石をせしめて去っていく。
いい奴なんだか悪い奴なんだか、なんの密命を帯びて「たまたま通りかかった」のか、
正体不明でわけわかんないけど骨のある美貌の殺し屋。
そんな感じのだよ。

ヴォーカルの掛け声、行くぜ~国立!
で始まった時のハイドの声が、
ガラッガラに枯れて歪(ひず)んでいて、
……え。

デスヴォイスともちがうし、ダミ声のシャウトで……うわぁ、のどを痛める……
初日に気合入れて歌いすぎで、喉を酷使しすぎなのか……?
シャウトで、ぐわぁぁぁぁと低くガラガラに出すのはよくやるし、
わざと歪んだ声を出すことは多いけど、
これは明らかに喉が枯れてるような。

歌う時の発声は、喉の違う部分を使うみたいだし、
ノリノリの曲は声質を気にせずとも大丈夫なんだろうけど、
でもなんか……今はVAMPSではないわけだし……。

……と思ってたのは私だけではないようで、
ハイド、声がガラガラじゃん、
と、ざわめきがちらほらと聞こえました。
ガラガラなのは出だしだけで、
しだいにライヴが進むにつれて、ラルクの通常運転、トークも澄んだ声に。

最初、息切れ気味に聞こえたのも、
いつのまに声のスイッチのギアが入れ替わっていた。
いつのまにベールのマスクも脱ぎ払ってました。

結果的に、後半になればなるほど、ああこれぞラルクのハイド、
呆然となるほどに良い声で歌いあげられて、じっくり聞き惚れるのでした。

私が参戦したのは2日目で最終日なのだけど、
聖火も改めて灯されました。
ライヴが始まって本当に火がつく、という演出は文字通り、期待感に火がつきます。

紙吹雪が打ち上げられ、
さすがにスタンド席までは届かないかなあ~
と見ていたら舞い上がってきて、
取れた!

腕を伸ばして、えいっと背伸びして、人差し指と中指で挟んだら取れました。
無邪気で、すまない。
みんな手を伸ばすので、別に恥ずかしくはない。
やった☆

5曲目、BLESSはかつての冬季五輪のNHKのテーマソング。
♪君へと~
 (中略)
    祝福した♪
までハイドがアカペラで歌ってから、演奏が始まりました。
今回の冬季五輪のNHKテーマソングを聞きながら、
ラルクのBLESSをまた聞きたいなあと思っていたので、
場所も、きたる五輪に備えて建てかえられる国立競技場だし、嬉しい選曲だった。

10曲目から、ステージを中央のスクエアに移して。
いままでメンバー全員を見られる位置にいなかったので、これはありがたい構成。

ステージ移動の前に、ユッキーのドラムソロがありましたが、今回はすごく短かった。
寒かったからか、みんなキビキビと、こなしていく感じはありました。

中央の特設ステージにラルクが登場するのを待つ間、
わたしたち観客は、入場時に渡された雨合羽(オフィシャルにはポンチョ)を着て待機。
雨でもないのに、なぜ着るのかしらねえ、と思いながら、指示されるままに着て待つ。
いつもこの、中央ステージに移るまで待っているのが退屈だったので、
ポンチョを着たりして待つのは丁度良かったです。

日も落ちて、ラルク登場。

「今日は良く晴れて、みんな一人一人がてるてるぼーすになってくれたおかげで」

たしかに。ポンチョを着た観客ひとりひとりが、てるてるぼーずみたいでした。
今回、雨が降ったら寒くて本当に過酷だったかと思うので、晴れてよかった。
でも、その……てるてるぼーずのためだけにポンチョ?
(と思っていたら、我々全員をスクリーンにするための、仕立てだったのだ。)

観客ひとりひとりのリストバンドもとい星屑ライトに点った明りがすっごくキレイです。
ハイドが、電飾のタクトを振る。
リストバンドの灯が、8万人弱の国立競技場の会場全員、ざぁっと赤に変わり、
またハイドが電飾タクトを振ると、
バッと薄青い鬼火色に灯り、
クリスマスカラーになったかと思うと、
桜色になったり、ネオンに光ったり、
あっ、ザッ、パッ、ふわっ、
ハイドが振りまわすタクトの手旗信号に呼応して、私たちの星屑ライトが一面色を変え、
……やばい、むっちゃ、たのしい。

「あ、べつにこれ本当はおれがやってるんじゃないんだけどね」

わかってます、無線で光の色が制御されているんですよね、
ハイドのタクトにあわせて、技師ががんばってるんですよね、
全ての息が合って、この演出ですね、真っ暗闇に8万のライトが明滅して、陶酔感と昂揚感たっぷりだ。

で、metropolis。

前回の国立で聞いて以来、改めて大好きになっていたので、
やってくれてすごく嬉しかった。
とてもよかった。
声の揺らぎが快くしみます。

このあたりから、もう楽しくてぼーッと見て、聞いてたので、
わーっ、わーい、
とリアクションする(明りを振ったりする)のを、私は忘れていました。

11曲目は未来世界。この優しい曲調にこじんまりした世界観があまり自分に合わないので、
唯一、CDの中で飛ばすことがまれにあるんだけど、
白っぽい、てるてるぼーずと化した8万人の観客をスクリーンにして、
ゆったりとクジラとか、イルカとかの影が空中を浮遊するように泳いでいくと、
自分たちが海の底にいるのか、空が海を投影しているのか。

ちょうど押井守監督のOVAアニメ『天使のたまご』に出てくるシーンみたいでした。

http://www.youtube.com/watch?v=2PVVRz2ZFok
天使のたまご
 (『天使のたまご』は上級者向けすぎて私には「……」だったのだが、
  空を泳ぐでっかい太古の魚が映しだされる場面は、印象深かった。)

この動画の34:35~35:50あたりのイメージがまさに再現されたかのような世界でした。
この壮大な幻影が、あるいは赤ちゃんの頭上で回っているモビールの影、
子供部屋の壁面に映っているだけなのかも、そんな「未来世界」の演出。

12曲目、花葬。
ピアノのイントロが始まり、
花葬はラルクの曲で個人的に殿堂入りなほど大好きで何度も聞くのに、
最初何の曲かわからなく、
なんかすごく良い曲が始まったなあ、
と、聞き入っていたら、花葬。
呆(ほう)けたように聞いてました。

元のステージに戻って13曲目は、MY HEART DRAWS A DREAM。
夢を描くよ~夢を描くよ~夢を描くよ~Our Hearts Draw a Deam~♪
全員コーラスのところで、ハイドがイヤーモニターを片方はずして、観客の生の声を聴きながら、
テンポを合わせて一緒に歌うので、会場の雰囲気をつくりあげていく成就感、たっぷりです。

14、the Fourth Avenue Cafe。初期の曲ですね、なんか歌謡曲っぽいラルクで懐かしい。

15、XXX
16、shade of season
17、DRINK IT DOWN

the Fourth Avenue Cafeで初期のラルク曲を歌った後に、
新しい「butterfly」のアルバムの流れを汲みつつ。
Yukki-の曲が続けざまに2曲立て続けてで嬉しい。
Yukki-の曲はラルク現在進行形という感じがする。
DRINK IT DOWNは、ライヴで必ずやるナンバーになってるみたいで、非常に盛りあがります。
ライトニングも毎度、かっこいいんだ。

18
EVERLASTING(新曲)
この感想は先日アップしたとおりで。

19、Blame
すごい初期の曲で、ほとんど初聞きでした。
Tetsuyaのベースが特徴的で主張するなあ……と思って聞いていた。

21、Driver's High
ステージを取り巻いた何本もの火柱が上がる。
火焔がリズムをとって、ぶわっと巻きあがると圧巻。
何発もの火柱のセットが、全部で12回ほどまき上がったかと!
寒かったので、暖かくなるのは大歓迎!
暗がりが突如、明るくなるので、最初のうちは目がびっくりして反射的にのけぞりますが、
慣れてくると、火柱が、ぶわっつ、ブワッツ、と膨れあがっては空中に立ち消えていくのが、
楽しくってたまらなくなってきます。

ハイドが間違えました☆

鋼(はがね)の翼で~♪
と歌うところを、
♪来世でまた~会おう! Yeah!♪
と突っ走って歌い終わりかけたところに、まだ曲は続いていたわけで、
するとハイドが絶妙なてへぺろを披露しつつ、

会場全体は、おっとラルクのだんなー、
顔役のハイドさんが、お茶目なミスをやらかしてくれましたよ、
といった愉快さに沸きました。
火焔のテンションに煽られて、♪来世でまた~会おう~Yeah!♪
……を結果的に2度聞けて嬉しかった。

MC

Kenの下ネタが健在でした。
メモってるわけじゃないので、ざっくりと要約すると。

・この国立競技場を取り壊して、作り変えるんだってさ。
俺らの感覚からいうと、ちょっとずらして変えればいいと思わない?
全部壊すらしいよ。
なのでここは取り壊されるわけですよ。
感慨深いわけなんですよ。

・東京五輪を俺たちは知らないわけだけど、でも噂には聞いているわけで、
今回、また東京五輪があるわけで、2つの世代をまたがって生きている感じがするよね。

こういうまともなMCだったのですが、
下ネタ話さないとやっぱり俺は調子が出ないんだよな、とばかりに次第に。

寒いので股間にホッカイロ……あ、商品名言っちゃいけないんだっけ、振って温かくなるカイロを、
あちこち貼りつけてきたんだけど、
ここ、ギターが当たるやん、
そこだけ熱いやん、
体温調節もへったくれも、もう、むっちゃくちゃですよ。

という内容で終わればよいものを(笑)
下ネタいっとく? 
どうぞどうぞ、
というメンバーの後押しに張りきって、もはや責任感なのか、
「机の角ってさ~
オフィスの机の角は、女の人の股間の位置にくるらしいよ、
俺らは机の角をそんな目で見たことなどなかったけど……
いや、待って、まってちょっと聞いて、まじで」

おしゃれでクールでダークな映画を見てたはずが、
あれ~いきなり銀魂が始まったよ、テレビ壊れたよ~
みたいな流れでした。

しばらくKenがくだらない下ネタを続けて、メンバーがうははと失笑し、観客が温かく沸く、
という――国宝級の茶道の茶器で、
冷や飯にお茶漬けの素と熱湯をかけて、割り箸でかっこむみたいな、
無粋っぽい小粋な贅沢を楽しむ時間なんです、これはきっと。

テーブルの角というと、
Yukki-ことyukihiroさんの「角フェチ」が思い出されましたが。
きっちりが好きなyukihiroさんは、かつて、
「角、直角が好きなんですよ。たとえば、丸いテーブル嫌いなんですよ。
(四角いテーブルの何が良いの?) 
……緊張感かな」
という名言を残しておられますよね。

ハイドのMC。

「国立は火をいっぱい使えて嬉しい。
火を見てると……同じ火を眺めてると、キャンプファイヤーの火を見てるみたいに、
心が一つになるって感じしない?」

……的なことを言い、照れくさくなったのか、
ああぁ~なんかこんなこと言いたいんじゃないんだけど~
と、Kenの下ネタに助け舟を求めかけるも、
いいやん、それで、いいじゃん、ってKenが言ってるのがマイクに入ってないけど見えました。

TetsuyaのMCは映画館のライヴヴューイングに向けて。

Yukki-は今回、終始無言でしたね。
ドラムが雄弁なのでいいんですが、それにしても今回は寡黙だったな……。

最後の曲は「あなた」でした。
観客全員が「あなた」なかんじで。

全体的に欲を言うなら、
メンバーがハッスルして駆け回る、というのを今回は全然見られなかったのがちょっと残念。
寒かったから?

あるいはライヴヴューイングを意識して、
あまり好き勝手に派手に動くとカメラのフレームから外れるからか。

舞台袖側って、いままではTetusyaとKenがしょっちゅう走っていくイメージで、
いいなあーと見てたんだけど、
今回、いざ舞台袖になってみると、ほとんどお目見えしなかったという。

Hydeはヴォーカルで楽器がない分、身動きもつきやすいのか、
けっこう頻繁に動いて、わりと暴れまわってくれたのと、
舞台袖側は、前に身を乗り出してポーズをとって歌う場所なので、横顔がよく見えました。

ぜんぶで23曲。
アッという間で凝縮された時間、
大満足な容量で(20周年の国立より曲数が増えていたー)、
今後もラルクについていこう。

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バンド名を入れるとメンバーが見切れる。
Hydeを入れるとバンド名が見切れる……。Kenがうまく入らない……。
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ポンチョと星屑ライトのリストバンドに、右端で反射してるのは紙吹雪。


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