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作業空間と生活空間を陰陽で区別するとかかな [さ行]

インテリアに昔からかなり興味があり、
かつまた自宅のインテリアに常に問題を抱えている。
家具調度を愛でることが基本的に大好きでもあるので、
インテリア系の雑誌やサイトをよく見る。
で、最近ようやく気が付いてきたのだが、
こんなの参考になりゃあしないじゃん、という事です。

別に、天井がすっごい高くて、
暖炉全室完備、マントルピースが大理石、
ドアのノブの位置も高くて、カーテンでドレスを仕立てちゃえるような超豪華なお屋敷の、
温室とか庭園とかを一般にも公開してます、別館は美術館です系の住まいのインテリアが、
参考にならないなどと文句を言ってるんじゃありません、私は。
むしろ、作家として参考になるので、そういうのはもっとやってほしい。
海外版のELLE DECORとか、目の保養。

使えない、現実味がない……と感じるのは、
実用的な暮らしぶりを提案しているインテリア雑誌です。
何人暮らし・何平米・築何年
みたいな実例を挙げて、あなたの住まいでもきっと役立てられるインテリアとリフォームを紹介、
これ系の雑誌の、いかに私にとって役立たずな代物であることよ。

想定空間で住人が、仕事をしていないんですよ。暮らしているだけ。
家では料理して、食べて、テレビを見て……あるいは音楽を聞いて、
着替えて、寝るくらいの用向きしか想定されていない。
あとは水回りの場所を確保。
暮らしと収納の空間。以上。

オサレな窓辺に、
キッチンカウンターよりも細い、窓の桟かと思われるほどのオサレスペースがあって、
そこに薄いノートパソコン、オサレなマグカップと、可憐な花の一輪挿しかなんかが置いてあって、
私らしいプライベート書斎! 
みたいな態で紹介されているスペースとか、Huh? 
書斎、舐めてんのか?

スマフォやタブレット端末の普及により、
インテリア雑誌にうっすいノートパソコンの置かれているスペースがあれば、
昨今、まだましなほうです。
断捨離という造語の概念が日本に広まった弊害で、
日本の実用系インテリア雑誌は、もうほとんど清潔で明るい刑務所ですよ。
スウェーデン、ノルウェーの刑務所でググったらいいよ。そっくりだよ。

実際は、家で仕事をする人は結構いる。
むしろ増えてきていると思う。
みんながみんな、文筆業とは限らないけれども、
PCを使って在宅勤務とか、スカイプを使って会社に業務連絡とか、
多様な働き方をしている人が増えてきているわけで。
SOHOビジネスとか、自宅でのダブルワークとか。
さまざまな分野の同人作家さんとか、
社会人でも専門学校や大学の科目を履修したりする人も居るし、
自宅に本格的な作業・勉強スペースが必要な人は、認識されている以上に存在すると思う。

ところが趣味に重点を置いたインテリアなどの特集だと、
ギターが壁にいっぱい飾ってあるとか、
マウンテンバイクやスポーツサイクル系の自転車が壁にいっぱい飾ってあるのとか。
なんだかんだ収集系の趣味のコレクションの飾り方みたいな視野ばかり。

それらも大切だけれど、もっとこう、
家でがっつり作業をしたい人の為のインテリア雑誌や、特集はないものか。

省スペースでどれだけ本や資料を安全に配置し、地震にも怖くない作業要塞を設けられるか。
配線コードをすっきりできるコツ、コードレス化は不都合もあるので、その辺の選択と工夫とか。
作業場兼自宅を、システマチックかつ機能的に、散らかりにくいようにする動線づくり。

生活スペースが作業スペースに占領されないように、
それでいて作業場が生活空間に侵食されないように、
限られた空間で双方が違和感なく共存できる、文具とか家具とか、照明の選び方。

そういう個人ビジネス系インテリアのコツに、特化した雑誌を、誰か作ってくれまいか。
サイトでもいい……。
需要有ると思うんです。


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