『コンチェルト・ダスト』新装電子版できました(ダウンロード販売開始) [ニュース]
『コンチェルト・ダスト』新装電子版
アマゾンKindleと、Boothでダウンロード販売開始です。
・Amazonキンドル商品ページ→https://amzn.to/2N4vc0q
→(追記:現在Boothでは取り扱っていません。Amazon kindle あるいは楽天Koboでダウンロード購入できます。ハードカバーの初版単行本(早川書房)も入手可能です。)
『コンチェルト・ダスト(早川書房)』ハードカバー単行本を、
電子版に加工するため、ちまちま自主制作してきましたが、ようやくです!
このブログでもデザインの進捗など、一時期たびたびアップしていた。
あれ結局どうなった?……と思われていた方もいらしたのでは。
実は年末にはアマゾンキンドル側に作品の登録を済ませ、
一月一日から購入可能になる、という腹積もりでいたのだが、
著作権等にまつわる事務手続きに、少し手間どった。
その間にBoothのほうも用意しました。
現在、新装電子版がダウンロード購入可能なのは、
アマゾンKindle(mobiファイル)と、
Booth(epubファイルとmobiファイルの同梱)です。
半年以内に、楽天koboでも読めるようにしたいです。
表紙絵は、当初このブログで「化粧扉」として進捗披露していたものを、表紙絵としました。
「表紙の予定」と見せていた『ヴァイオリン奏者』を加工したものを、口絵(化粧扉)とした。
なにしろ表紙絵にしようと思っていた『ヴァイオリン奏者』が、
サムネイル画像になると、ひたすら暗い画面にしか見えず、よくわからない。
かといい、これ以上いたずらに明度や彩度を加工するのは避けたかった。
口絵と表紙絵を入れ替えてみたところ、意外にもしっくりきて、
むしろなぜ当初からこうしなかったのだ、自分よ……。
些末なことだが苦労した点を一つ、編集後記的にしたためるとするなら、
特定の行間に使っているセーニョの音符記号、
こいつがキンドルのリーディングシステムで表示できない点でした。
◆の上に?記号が白抜きで入った状態で出てくる。
要するにエラーマークが。
『コンチェルト・ダスト(早川書房)』ハードカバー単行本においては、
回想シーンが挿入される、その切り替え地点に、セーニョの記号を入れています。
セーニョの記号を使っていた理由は、音楽が題材の一つになっている小説だからと。
又、またセーニョというのがD.S.(ダルセーニョ)と対で使われ、
曲頭ではないところに戻りたいときの標として使われている、繰り返し記号の一種だからです。
作中、セーニョ記号で切り替えている部分は、
主要登場人物がのちのちまで、かえすがえす繰りかえし反芻する内容にあたる。
用途としてこれ以上適切な記号はないと選んで使っていました。
が、Kindleでこの文字コードが反映できない。色々チャレンジしてみたが無理だ。
リーディング用アプリをうたって大々的に展開しているなら、
いかなるたぐいの特殊文字や記号・符号であれ、
文字コードで入力できるものは全て表示できなくて、何の意味があるというのだ……Kindleよ……。
で、次には画像として入力しようと試みた。
(このブログも画像挿入で表示しています。)
が、なにぶん小さい記号一文字。
KindleのMobiスタイルであれ、epubであれ、リフロー形式で文字サイズを変えられるのが利点なのに。
画像はめこみは、文字とそろってちゃんと機能してくれない。
そもそも日本語の使用可能フォント自体が少なすぎるから、
字下げ等で対応している箇所も少なくない……。
(英語フォントは、かなり豊富に取り揃えられているらしい。)
おそらく日本の電子書籍市場でもっとも多いのは漫画。
漫画は画像をはめこんでいるので、フォント対応が必要ない。
リーディングアプリ側がフォント機能と文字コードを充実させようと、取り組んでないんだな(怒)
で、苦肉の策として、†(短剣符・ダガー)を代用しました。
†は、これまでも私は他の作品で常用してきている。
『コンチェルト・ダスト』の同作中でも使っているので、違和感は全くない。
むしろセーニョ記号と比して、一般的になじみもある。
短剣符は、
「もともとローマ・カトリック教会の典礼書において、
聖歌の楽譜の中の小休止を示すのに用いられたのが起源であると言われる」(Wikipedia)
とのことだから、今回の作品の題材と、大きくかけはなれてはいまい……。
……ということで、現時点では折り合いをつけました。
今回、「電子版あとがき」をつけています。
初版刊行からすでに6年が経ち、当時私はつまびらかに解説するべきではない、
わかる人に読み取ってもらえればそれだけでかまわない、
と考えていた箇所に関して、
この「電子版あとがき」で、ところによってはかなり真っ向から掘り下げて、解説しております。
ある程度の冷却期間をおいて、作品について客観的に語ることに、それほど躊躇がなくなった。
このたびe-book化するにあたり、再編集しています。
──やはり単行本ハードカバーの美しい装丁にまさるものはあるまい──
と考えているので、
再編集によって、せめて電子書籍のデメリットを補えるくらいには、
本全体の質が向上するように、内容・デザインの両方において、
作者個人ができる範囲に限られますが、できる限りつとめました。