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刀剣男士冥利 [活撃/刀剣乱舞]

活撃/刀剣乱舞 #9 『元の主』

今回は、面白かった。
人情味あふれる第二部隊にとってのこれが王道、という感じの展開でしたね。
陸奥守吉行、よっ! ほんと刀剣男士冥利に尽きるねっ! でした。
刀剣男士となった自分が期せずして元の主の龍馬と再会して、
寺田屋事件で負傷した龍馬を窮地から救う。
しかし名乗らず、好印象を残して、別れるって。
なにそれ私が刀剣男士だったら、絶対やりたいわ。

それにしても、ゆるふわ日常系アニメの刀剣乱舞『花丸』ですら、
大和守安定が、元の主の沖田君と出くわして、大ジレンマに陥るというのに。
(池田屋で元の主の沖田総司と、期せずして出くわした安定が、
沖田君に声をかけられただけで闇落ちしそうに目が曇り、
戒めとして加州清光に貰っていた髪飾りをぶっこわしてまで、沖田君を追いかける。
このシーンである→https://youtu.be/FnNBsMvMUlg
ぶっ倒れた沖田君の窮地に手を貸したくも、貸すことが許されず……歴史を変えてしまうからだ、
加州清光にぐらぐら揺さぶられ、涙ながらに説得されて、ようやく自分を取り戻し、
窮地に陥った沖田君を放置して、去るしかなかった。苦渋の選択をするのにだ。)

基本シリアス展開のはずの、こちら活撃は、
その辺の設定というか大前提の掟というか……が、すごーく緩い。ぬるかった。
どちらの刀剣男士の立場が嬉しいかというなら、
そりゃ陸奥守吉行のほうがお得に決まっている。

元の主に、刀剣・陸奥守が自分の愛刀であることを、ぼやきじみて自慢されるとかって、
(それを聞かされているのが当の陸奥守自身であるとかって)、
なにそのシェイクスピアのお気に召すまま的シチュエーション。
こういうエピソードは一回は見ておきたいですね。

しかしだ、物語の展開として実に都合よく(……登場人物としては実に不都合なことに)
「歴史通りじゃない……これは歴史が……動いている……!?」
という台詞がもう今までに何べん発せられてきただろうか。活撃。
歴史が史実通りに動いていない、その根本的な理由がついぞ明かされる気配もなく、
物語としては、
それってどうよ! 適当過ぎるよ!
と、思わなくもありませんでしたが。

戦闘シーンは誰もかれもが皆それぞれにかっこいいし、
……兼さん、迷いのない太刀筋がかっこいいなあ……ああ堀川と息があってるなあ……
薬研、さすが夜の路地が得意なんだな……
蜻蛉切は、いつも一本気ってかんじの槍筋だな……
鶴丸は遡行軍を薩摩藩邸門前で待ち受けるとき、白いお召し物で地べたにあぐらかいて座って待つんですか、余裕ですね……。
京都の町並み、板塀とか色々リアルだし、
時間遡行軍の登場の仕方も、良い感じにまがまがしいし、
細けえことはもういいや~!

龍馬が口を開いたとき、
この声……そしてこのナチュラルな土佐弁……ひょっとして小野D?
たしか声優の小野大輔さんって、高知県出身で、土佐弁ネイティヴだったような……。
土佐の家具屋さんのおうちの人だよね、オーディオCDで言ってたの聞いたこともあるもん……。
と、エンディングのキャスティングを見たら、思ったとおり小野Dでした。

花丸で沖田君役だったのも小野大輔ですよね。
小野Dは刀剣乱舞で「元の主役」をやらないと、どうにかなるのか、そうなのか。
どっちも全く違うタイプの元の主で、どちらも役に、はまっていました。

ところで陸奥守が抜刀した時、龍馬が一瞬、ハッとしたような表情を見せますが、
顕現した陸奥守が持っている陸奥守は、
龍馬が当時、携えていた陸奥守と姿かたちがだいぶ変わっていて、
焼けて、打ち直されて、刀もまっすぐになって、刃文も異なっているので、
龍馬がそれと気づくはずはないんですよね……。

打ち直される前の、龍馬の手にしていた自分本体で、敵を一刀両断する場面は胸熱でした。

気になるのは、堀川国広――彼は刀だった時の記憶が欠落しているんだろうか? 
記憶がないという骨喰よりも、よっぽど、ちょっとずれた発言をしますよね。
龍馬が死ぬまで添い遂げたい、刀剣・陸奥守のありかたを知って、
「それって……そんなのって……」
と、堀川国広は最後に一人で感傷的につぶやいていました。
いや、でもそれって刀剣としては、普通だよね?
堀川国広だけ、刀剣男士としての自覚とか自我が記憶喪失なみな気がする。
意味があるんだろうか。

刀剣男士の、歴史的に有名な元の主は、誰であれまあ死んでいる。
主が死んだことのない刀剣男士は居ないはず。
元の主が死んでいるということは、刀の自分が主を守れなかった、敗れたということだ。
たとえ病で死んだのだとしても、病を祓えなかったという事になりますし。
陸奥守に限らない、いってみれば皆、敗れた刀剣が顕現しているわけですよね。
長い間存在し続けている、刀剣男士ならではの、あるあるというか。
敗れてもなお、強く、美しくあらねばならぬのが刀剣の性(さが)というのが、
刀剣乱舞の大前提にあると思うんだが。

まったく使われたことのない、主といえる主を持たぬ刀剣も例外的に居るには居るが、
そっちのがずっと稀だもの。で、堀川国広はその手の、未使用組の一振りではない。

以前、大太刀の存在を理解していなかったことといい、
一回折れて、二振り目堀川国広だったとしても、ちょっといろいろ腑に落ちない。
そろそろ作中で説明が欲しいところ。
いちげんさんの視聴者にもわかるガイド係だから、とかな恐れがないでもない。
だとしたらあえてすっとぼけた質問をしたり、すっとんきょうな発言をしてるんですね、
さすが補佐役、気が利くなあああ。