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蛇足のループ [活撃/刀剣乱舞]

活撃/刀剣乱舞 #10 『忠義の向かう先』

いやぁ今回は背景がとにかく綺麗で、
この江戸時代の坂道よ、江戸時代の三条大橋よ、江戸時代の梅園よ、
ああ、江戸時代の世界観の再現が実に自然に繰り広げられていて、すごすぎるわ……。
と、目を奪われることしきりでした。

いつになく背景が際立って綺麗に思えたのは、
話の筋……(脚本)がひときわ退屈だったから、つい背景に目が行ったのかも。
面白い回と退屈な回が、だいたい交互に構成されているんだな。学んだ。

同じような言動の繰り返しなんですよね。

「え、歴史通りじゃないってこと!?」
とか、まただよ、又、こんなこと言ってる――
くどいよ……さすがにもう耳にタコができるよ……その先に進んではくださるまいか。
検非違使が出てくる伏線なんじゃないですか? 

一期の最終回、最後の最後で、検非違使が出てくる段取りか。
検非違使に囲まれて、第二部隊が絶体絶命の大ピンチに陥ったところで一旦終わり、
《第二期制作決定!!》で、一期を締めるおつもりか。

小学校高学年向けにいつもわかりやすくガイド役を有難うな堀川国広は、
今回は小学校低学年くらいにも、分かりやすい言動になっていて、
そこまでやってくれなくても、
画面の向こう側の審神者はじゅうぶん話についていけてるから――。

堀川君につられて、兼さんまで言動が青くさくなりまくり、
土方さんを歴史的には価値がない人物だったが俺は好きだったとかいう類の言動をかまし、
そんなふうに世間通ぶって、歴史通ぶってディスってみせる必要がありますか、中二か。
当時刀だったんだからさ、土方さんを通しての世界しか知らなかったんだからさ、
「坂本龍馬のように大きな未来を描ける人ではなかった」とか知ったかぶれるのは、後付けの理屈。
それを今になって口に出しても、兼さんが卑怯な奴にすらみえるだけなんだが。

(三日月宗近は、かつての主について問われたときに、パーフェクトな答えをしてたのに。
人の印象など月の満ち欠けと同じで、一概に言い切れぬ、という旨の回答をしてたってのに。)

前回の、坂本龍馬と陸奥守が接点を持ってしまうエピソードが良くできていたのに、
今回は、その蛇足みたいに、和泉守兼定と堀川国広が土方歳三に出くわすって、
扱いがぞんざいすぎる……。
名場面にもなり得ただろうに……もうちょっと場面を練ってくれてもよかったんじゃないか。
せっかく兼さんが涙を流すも、私にとっては感情移入ができるだけの下地が調っていなかった……。

沖田総司がちらっと出てくる。
しかし活撃中で沖田組の刀剣男士、加州清光と大和守安定は存在してない、その違和感もつのる。
沖田組が登場しない、活撃中に存在しない設定ならば、それは構わない。
だったら沖田総司を登場させる必要も特に感じられない場面で、
「沖田さんだ! 兼さん。沖田さんを見かけたってことは、ひょとして土方さんも近くに」
というシーンは不必要どころか、むしろ邪魔なわけだし、
いろいろとチグハグでは。
(のちのち、沖田組が登場するのであれば、わかるんですが。出てくるのかなあ。)

蜻蛉切があの巨体とあの衣装に、槍をかかげて、
真っ昼間に京都の往来やら、梅園に居るということ自体が、
なんで職質されないのか……。夜ならば、江戸時代の夜は本当に暗かろう、
画面のこちら側にいる視聴者には伝わっても、
渦中にいる人間にはわからないだろうと、そう思ってやりすごせるのですが。
雨が降ってるわけでもない。あんなに晴れて、人も大勢いるところで、
どう考えてもおかしい設定なので、
龍馬よりもずっと目立っていて危険人物ふうな見てくれをしてるのに、
新選組は攘夷派にしか目がいかない病なのか? 重度な職業病?
新選組の能力値すら危ぶまれてきちゃうんですよ。

とまあ、いろいろが引っかかっているのを、
なるべく気にとめないそぶりで見続けていることに骨が折れて、
本来ならば感傷的になるだろう場面を、これでもかとお膳立てされても、
すでに食傷気味に。
(あとたぶん私は活撃タイプの感傷と相容れないんだ。)

堀川君の言動が、まだそんなこといってんのか……! という感じで、
堀川君のこの言動に、視聴者審神者(つか私)がそういった感覚を持たないためには、
これまでにもっと細やかな堀川君の内面の描写や、感情の起伏、機微が描かれていてほしかった。
というか本来、堀川国広の相棒であるはずの兼さんが、
活撃では、敵方の龍馬の刀だった陸奥守とやけに意気投合してるので、
ゲームの世界観ともずいぶん異なるし、
一部にサーヴィスするあまり、物語性は蔑(ないがし)ろ感があって、モヤっとする。
堀川君としたら居場所がなかろう、立つ瀬ないよね……。

これまでの法則からいうと、次回はきっと絶対に面白いはずで、
いよいよ一期の佳境に入っていくわけですし、期待しながら、
来週も相変わらず正座でリアタイ待機です。