SSブログ

おのれ偏西風 [あ行]

ラルクのライヴ:L'Arc〜en〜Ciel ARENA TOUR MMXX@さいたまスーパーアリーナ参戦について書く気満々でいたところに、新型コロナ肺炎流行を食い止めるためとして、お上からの自粛要請。
横浜公演も、代々木公演も中止に。
代々木公演はせめてライヴヴューイングであっても参戦したい(……チケットが取れなかった)と思っていたから、私は色々と出鼻をくじかれ、気持ちのやり場がわからなくて、宙ぶらりんな気持ちに。
2020さいたまスーアリのラルクライヴの感想を書けるまでに、気持ちを持っていけません。
しばらくかかりそう……。

そもそも3月は確定申告の時期である。
クリエイティヴ系職種フリーランス家業にある者は大体、さまざまな活動がいったん低迷しがちです。
事務処理と創作系頭脳は、使う部分が明らかに異なると思う。
どちらかにスイッチを切り替えると、どちらかが立ち行かなくなる──
そこまでいかなくとも、まったくもって億劫に感じられる。
スイッチ問題だけならまだしも、自分のお金の色々と向きあわなければならない事自体が、
けっこうストレスフルな人も少なくないのでは(私はそう)……。

10年以上前だったか、とある作家のかたが確定申告についての愚痴を、ブログで漏らしておられた。
タクシーの運転手さんにぼやくと、
「だめだよー! そういうのは一年かけてきちんと領収書の整理からなにから、きちんとやっておかないと! 急場しのぎでやろうとするから大変なんだよ!」
そうたしなめられて感心した、心を入れ替える、といった感じのことが書かれていたと記憶している。
記憶だから曖昧な部分や、自己補完している部分もあるかもしれないが。

このほど、その作家さんのSNSを覗いてみたら、
創作系業務に従事する者が確定申告に苦手意識を持っているとかいう流布は大概にしろ、
自分はとっくに仕上げた、こういうの大好き、大の得意、
といった感じの豪語をされていた。別人のようになられていた。
本当に心がまえを変えられたのだ……。
当人にとったら豪語ですらなくて、至極当然のことを言っておられるだけなのだった……。

と、そんな確定申告にくわえて、花粉症と黄砂が猛威を振るう時期でもあるんです。
昨年は花粉量は多かったが、黄砂はこの時期、まだ関東地方には来ていなかったので、症状は想定内だった。

今年は春一番が早かった。春一番が吹けば、黄砂を連れてきますからね。
2020年は2月時点で既に黄砂がものすごくてね……。
おのれ偏西風。はっきりいって私は偏西風が吹いてからの日本はずっと居心地が悪い。
偏西風が日本に吹き出すと、つぎに木枯らし一号が吹くまで、ずっとしんどいんだ……(夏があるしな)!

今年は花粉量は少ないらしいが、症状としては今年のほうが明らかに悪い。
で、花粉症の症状と言うと、テレビCMなどでは、鼻や目にくるということが大きく取り沙汰されがち。
鼻症状がほとんどでない人間は、花粉症だと思われにくいし、
わたし自身も花粉症だと長きにわたって自覚できなかった。

季節の変わり目だから風邪気味なんだ。このころいつも咽が痛くて、咳が出るんだ。
空気が乾燥して風が吹いて、埃っぽいせいだよね。
気温のアップダウンも激しいから自律神経が狂ってるんだよね。
おかげで微熱も出るんだよ……。
そんな認識をしていたのです。愚かだ……一番本質的な部分を見過ごしていた。

たまに目がかゆいから花粉症の気配もする、くらいに長年ずーっと……。

現時点、私の周囲でも「おおお……それ、おそらくは花粉症……」
という咽・咳・微熱症状に悩まされている方々が複数がいる。
彼らは大概、花粉症だと認めたら負けだと思っているように見受けられる。
花粉症だと認めた瞬間に、すべてのアレルギー症状に負ける、病は気からだと思ってらっしゃる。
さもなくば今年は新型コロナを疑っておられる。
新型コロナを疑っても、花粉症は疑わない。
観念して耳鼻科にかけこみ、「花粉症です」と診断され、アレルギーの薬を処方され、それで症状が軽減されても、「いや本当はもしや新型コ……?」
と疑っている人に実際、ちょくちょく出くわす。

新型コロナを疑うのはもちろん大切なんですが、同じくらい花粉症も一度しっかり疑って……。

アレルギー症状の有無はわかったほうが医者も自分も対処しやすくなるし、
認めずに大きく症状が出すぎてからだと、
自分の愚かしさが自分をいたずらに痛めつけていた自己嫌悪で、なかなか立ち直れなくなりますよ……。(私だけじゃなくて似たような状況になった先輩がまったく同じことを言ってたもん……。)

アレルギーって死ぬから……死ななくともアナフィラキシーってすごく苦しいから。
アレルギー体質という言葉が誤解を招きやすく、
体質だから病気ではない、という認識をする人も多いのだが、
他者に感染しない、という意味では感染症ではないけれども、確実に持病の一種です。

そろそろいい加減にテレビCMとかでも、
──のどが痛い、咳が出る、微熱が出る、風邪? 
いちど花粉症を疑ってみましょう。鼻症状が出ない場合も多いです──
みたいな告知を大々的にしてほしい。

国民の3分の1がかかっている国民病で、潜在患者を入れたら多分もっと多いんだから。
人によってはお腹の調子が悪い、肌荒れという症状になる人も少なくない。
必ずしも鼻症状に悩まされるとは限らないのですよ。

いずれにしても花粉を体内にとりこまないことが必須で、マスク装着が奨励される事案。
だがなにぶん新型コロナでマスクは不足しているし、
「今年は花粉量が昨年より少ない」
ということが強調される。
だから余計に、「花粉が少ないのに、この症状って本当に花粉症?」と思えてくるんだと。
正直言って、花粉量は黄砂と一緒に論じないと花粉症の観点からして、欠陥があるんですよ。

ニュースのお天気コーナーも花粉量を示すなら同時に黄砂量分布も出してほしい。
なんのために花粉量を出しているのか……?
まさか杉やハンノキやヒノキや白樺の受粉具合を気にかけているわけじゃあるまい?
花粉症の対策に、この情報を用いよという意図ですよね? 
だったら黄砂情報もくれ!

気象庁のネット情報を確認しても、日本にとっての黄砂情報は、
「洗濯物が汚れるし洗車が必要になる、ひどくなると航空機の離発着の視程に影響がある」
という認識で、花粉症状と直結して把握されていないみたいなんだ……。

→気象庁|黄砂の濃度と視程の関係
https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/kosahp/4-7kosa.html

実際のところは、アルコールと睡眠薬を併せて飲むと、
睡眠効果がブーストされて死に至る危険性があるように、
花粉症状を黄砂がブーストする。花粉×PM2.5もまずい。

→環境省
5-1457 黄砂とPM2.5による複合大気汚染の肺炎、アレルギー疾患増悪作用とメカニズム解明
https://www.env.go.jp/policy/kenkyu/special/houkoku/data_h28/5-1457.html

上記のスライド部分を抜粋したPDF
https://www.env.go.jp/policy/kenkyu/special/houkoku/data_h28/pdf/5-1457.pdf
(ざっくりこっちを見れば要点は足りる)

こちらのPDFによると、
黄砂とPM2.5が一緒くたになることで、さらなる影響が生成されるという懸念はない様子だが、
それぞれがアレルギー症状や呼吸症状を悪化させるに足るのは、れっきとした事実で、
そのメカニズム(機序)も解明されているのだ。

どっちも大気汚染……と、ざっくり把握をしてしまいがちなのだが、
黄砂は微生物、PM2.5は化学物質を体内の奥深くまで取りこんでしまう要因となっており、
それで引き起こされる結果は仮に似ていたとしても、メカニズムはまったく異なるんです。

で、いたるところで示唆される黄砂無双ぶりよ。
"複合曝露時のアレルギー増悪作用は黄砂の量に依存する"
黄砂自体はアレルギー物質ではないのにである。
「黄砂が紙やすりみたいに粘膜を荒らすから、花粉が入りやすくなっちゃう?」
と思い込みがちなのだが、そんな生やさしい理屈だけではなく、
黄砂には微生物(バイオエアロゾル)が必ず付着しているのだ。

だからたとえば海水自体はアレルギー物質でなくとも、
海水には魚貝のさまざまな要素が必ずといってよいほど混じっているから、
実験室で作り出した「海水」でないかぎりは、
魚貝にアレルギーがある人は海水や海辺の砂を避けたほうが良い、と耳にしますよね。
その理屈に似ているかと。

花粉が火の粉だとするなら、体内に火の粉がふりかかるだけでも大変なのに、
黄砂による微生物は、人体内において可燃性物質と同意。
炎症が加速度的に燃え広がるのは不可避でしょう。

で、その黄砂に付着している微生物──すなわちバイオエアロゾルは何なのか。
バイオエアロゾル 黄砂 ゲノム解析」等のキーワードで検索をかけてみると、
外気にさらされても死なない、しぶとく厄介な菌が複数ぞくぞく出ます。

黄砂って、そもそもなんぞや? ……につきましては、こちらを参照くだされば。
→気象庁|黄砂に関する基礎知識
https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/kosahp/4-4kosa.html