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不滅のあなたへ・第二話 [は行]

この回から宇多田ヒカルの主題歌はエンディングではなく、オープニングとして流れるんですね。

本来ならばいい感じのOPアニメーションなのだろうが、第一話のエンディングの印象があまりにも良かったので、俄然ガチャガチャとうるさく感じるのが正直な印象です。
内容もそう。第二話タイトルが「おとなしくない少女」なのだから、少女がうるさいのは承知の上とはいえ、話の展開がうるさい……。おとなしくない以上に声もうるさい……。

いやその前に一つ良いですか。
そもそもさ、狼の姿の時だって下(しも)は垂れ流してなかったのに、どうして人間の姿を獲得したら「それは人間たらしめるものを何も持っていないためすべて垂れ流し」になるんだよ、おかしいだろ……。
かなりきちんとした服をちゃんと身につけている時点で「人間たらしめるもの」を少なくとも一つは持っている。
(二足歩行も問題なくしているしな……)
大体、飲まず食わずで歩き続けてきているんだから、もよおしもしないはずじゃん……。

あまりにも初回が良かったがために、その感動が冷めやらないところにきて全然違う世界観の空間に連れてこられ、てんで気持ちがついていけない。
第一話はあの少年に感情移入をせずにいられない話の構成で、まんまと感情移入をしていた私は、気持ちのやり場に途方に暮れている感じ。でも慣れていこう……としているところにきて、追い打ちをかけるように新たな風俗(風紀習俗)でまくしたてられる。それが初回とあまりにも隔絶した世界観で。
(え、もう果物に? たどり着けちゃうの……?)
もう「それ」さんよ、とっととなんかの感情やら姿やらを獲得して、はやくこんなところ抜け出そうぜ。次の世界観に連れてってくれよ……
という気分になっている。
だって第二話はけっこうよくある展開で、手塚治虫漫画の時代から何度も見たことあるよこういうの、という風習の寄せ集めだし、語りつくされた定番をわちゃわちゃした味付けにしている。
人体が復元されていく作画とかはすごい。アニメーション的な見せ場はちゃんとあります。

当初、わたしは「それ」を無知で無垢・真っ白な霊魂的なものの具現化だと思っていたし、そういう要素はれっきとしてあるのですが、もうちょっと映画「ターミネーター2」の液体金属型ターミネーターに近い性質なのやもしれない……のか……?

なお、第一話については私は気に入りすぎて、既に何回か見ている。
派手さは無いが、何回見ても全く飽きがこないもんだから、つい。
初見では気付けなかったほどの微妙な人体の動かし方などまで、実に見事で。
怪我を負ってからわずかに足を引きずって歩くようになる独特の重力感とか。
むろんベッドから抜け出て椅子に腰かけるときの、やっとこさ具合や。
人体だけでなく、釣り上げた魚(鮭?)を壁際のロープに引っ掛けるときに、鮭がグんっと下にロープを引っ張る、その質感から伝わる重量感も……。
アニメーションの細部にまで、作り手と登場人物双方の息遣いがこもっていて、いちいち素晴らしいから、飽きもせずに繰り返し見たくなります。あと何回かは確実に見る。

一話がシンプルで真っ直ぐ、真っ向勝負ができるだけの内容と展開だったがゆえに、二話でおそらくはこういう感じを覚えるだろうなあというのは予期していた。その想定の範囲内なので、第三話以降も見ていきます。


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