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ピンドラ#21 [は行]

輪るピングドラム。

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双子語:Idioglossia:独自言語 [は行]

http://www.nhk.or.jp/worldwave/common/movie/movie.html?110907
NHK BS ABCニュースシャワー
(動画)「9月7日 水 mimic 双子たちの不思議な言葉」
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2011年3月SF Japan Springで掲載された短編『日没までつきあって』に、
いわゆる「双子語:Idioglossia:独自言語」を話す、若い男女の双子(アルトゥールとアルテゥリーネ)が出てきます。

ふつうこのIdioglossiaは成長の過程で消えるんだけど、
彼ら(アルトゥールとアルテゥリーネ)は意図的に、
その暗号作法(CODE)を磨くように仕込まれていて、
特殊な訓練を受けて育ち……
いわば「英才教育」の遺物として描かれます。(ちなみに英才教育を施したのはナチス。)

作中で私はこの独自言語を、
フォリ・ア・ドゥ(二人狂い)という精神疾患にからめて、
しかしフォリアドゥは精神疾患だが、双子語の場合は精神的障害を一切来たさない、
かれらは至って健康で――
とか記してあるわけですが。

もっと詳しく書きこんでもよかったんだけど、
枚数的な問題があり、薀蓄は極力控えて、わりとサラッと、さらってある。

で、実際のところどうなのさ?
どこからどこまでSF設定で、どこからどこまでが創作なの。
ってか、あんた双子を都合よいSFアイテムに使いすぎだよ、
そんなご都合主義な設定、許されると思うなよ、SFとして安易だよ、それじゃファンタジーだ。

とか思う人が仮にいたとしても、不思議はないかしれない。

今日、NHKBSの「ABCニュースシャワー」で、
このIdioglossiaのリポートにからめて、
英語を聞き取りましょう、というのをやっていた。

ちょうどいいかも! 見てみてくださいな。

短くかいつまんで分かりやすく説明しています。
上の動画がうまくリンクしない場合は、
http://www.nhk.or.jp/worldwave/abc/
このページから当該動画へと飛んでみてください。

Idioglossiaを使う双子が、何パーセントくらいにのぼるのか等、けっこう驚きの内容です。
5分弱と短いので、是非ごらんになってみてほしいです。

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フミヤとhyde、チェッカーズとラルク [は行]


2004年03月24日Matthew’s Best Hit TV hydeが「ジュリアに傷心」

チェッカーズのフミヤと、ラルクのhydeは、歌い方とか世界観とかなんかちょっと似てるよねー、
と思っていて(とくにチェッカーズの後期と、ラルクの前期?)
わたしはチェッカーズもラルクもどっちも好きだし、
しかし両者は音域とか、メンバーのキャラ、曲作りのありかたとか、他にもことごとく違うんで、
語弊がある言いっぷりなんですが。
これを見ていただければ、なんとなく納得していただけるかと思うのだった。

チェッカーズはメンバーが7人いたんで、
ジャケットとか曲とかも7色レインボーをテーマにしたのが多く、
l'arc-en-cielはご存知フランス語で「虹」の意味で、
いつもそこはかとなく虹のテーマがちらつくので、
そういう意味でもコンセプト的にどことなく、シンクロするような気が、私は勝手にしてたり、しなかったり。

この動画のハイド、チェッカーズ解散のときのフミヤと髪型が似てるんで、
画像が悪いせいもあり、ちょくちょくマジでフミヤっぽい一瞬が。(かと思うとやっぱりハイド。)

演出家の鴻上尚史が、
落語や歌番組などを、たくさんのカメラであちこちから撮るのは良し悪し。アーティストは固定された正面カメラ一つを相手に、どうポーズをつけるかわかっているので、
と、なんかのエッセイに書いてたけど、
これを見ると、なるほどねーって思います。

もっと音質と画質が良いやつが、Youtubeを漁れば出てくるかもしれません。
ニコニコはことごとく削除されてるのね。テレビ番組なのにー。
(わたしは海外サイトから引っ張ってきた。)

これ、オンタイムで見てたなあ。
昼間の収録なんだろうに、
この番組だとアーティストがみんな深夜ラジオみたいな妙ちきりんなテンションで、
当時かなり好きだった。

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ポカリスエットは個人的にノーベル賞もの [は行]

木曜日深夜から金曜日未明にかけて、突如体調を壊しダウン。
医者が「はい五日分」とくれた、なんかでっかい抗生剤と、
とにかくたくさん飲みなさい、と言いつけられたポカリスエットの効果に、しみじみ涙しそうでした。
正味2日、ポカリ1.5リットルのみで、命をつないでいたようなものだ。

飢餓貧困や被災地の子供らや病人に、もっとたくさん配ったらいいよ。

体調が悪くなるちょっと前まで、腹部を撃たれて血反吐を吐く人物を書いていたので、
最初、感情移入しすぎで具合が悪くなったのかと、まじでチラッと思いました。
呪われちゃったのかなあと思いそうになりましたが
いや、あいつは私にそんなこと絶対しないんだ。わかってるって。
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はしりがき [は行]

皆でランチに行くので中里さんも御一緒にどうですか、
と尋ねられて、
「はい、ぜひ」
と答えながら、
私は予定をすぐ忘れるので、とにかく手近な付箋にメモ書きしておいたら。

ぜひ

と書いてあった。ばかなのか。わたし。
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ぶっちゃける [は行]

さて気付けば私の「黒十字サナトリウム」が携帯ダウンロード版1600円まで値下げられてました。
今頃きづいたのか? 
はい。とくにそういう連絡って来ないのです。定期的に、印税おいくら振込みました、
と連絡が来る記載を詳しく見てみたら、1600円に価格設定が変更になってたと気付いたのだ。
本は2000円(税込み2100円)ですから、500円お徳ですよ。

しかも。
この携帯用電子媒体ってのは、紙代とか印刷とか流通代の手間ひまがかからないためか、
書籍よりも作家の懐に入ってくる印税率が高く設定されています。
だから500円も値引きされても、作家に入ってくる印税は、
むしろ書籍版より、高いです。
一見、両得な勘定。

だが!

おすすめしない。携帯ダウンロードは絶対おすすめできない。
以前も書いたが、まず絶対、携帯の小さい画面では読みきれないです。私の本の場合。

携帯で読むことを念頭に入れて書いてないからです。本でよむ字面を考えて書いているからです。
字のチョイスから、改行の仕方とか、句読点の打ち方とかが。
携帯で読んだら煮詰まるよ。疲れるよ。なんの苦行だよこれ、になって投げ出すよ。
本なら、さららーーって読めますが。

少しでも安く本を手に入れたいんであれば、
携帯ダウンロードするくらいなら、もういっそ古本を買ったほうが。
読まれないより、そのほうがまだいい。
いや、作家としては何のメリットもならない馬鹿親切な、究極のオススメをしているのです。
ほんとはイヤです。

つか、基本ただで流している地上波のアニメを、YoutubeにUpするだけで、
違法とかいって、逮捕されちゃう人がいるなら、
……Up主はそれでお金を儲けてるわけでもないのによ?
それで利権が妨害されたとかいうならばさ、古本市場とか図書館とかは、どうなのよ。
営業妨害となにがちがうんだ、なにがどう違法じゃないんだ、もう意味がわからないわ。

でも、それをいうなら私は子供の頃や、学生のとき、図書館の本を借りまくって読んでたし、
中古本だって買ったし、売りにも行った。
(ちなみに、いままで一番高く売れたのは、デスノのコミック全巻である。
新刊と同時に買って、全巻読み終えたとき早々に売りに行った。)

とまあ、だいたい作家なんてそうやって、本や漫画を読んできた連中に決まってるし、
(それでもお気に入りの本やら漫画やDVDで、置き場に思案中)
Youtubeの動画Upの検閲を、もっとゆるくしてもいいじゃないかしらね、と思いこそすれ、
図書館を敵にまわそうとは思わない。

ようは、古本屋なんて! 図書館なんて!
小説家は、なにひとつ守られちゃいないわ。
……であっても、携帯ダウンロードで読者にお金を払ってもらって、結局、
携帯じゃ読みにくい!
という事前にわかりきった理由で、
けっ!
と投げ出されるよりは、最低限、読んでもらえるほうが、まだましなんです。

……いやべつに、携帯版で投げ出しました、って連絡が来てはいないんだが、
ダウンロードする人の数が知らされると、いつも非常に不安になるので。

もしも古本も、図書館もダメ、誰かの読んだ本がきもちわるいんだ、という潔癖屋さんが、
でも予算は……1円でも安く読みたいのってのであれば、
あんまり大きくない図書館に行って、
(でも小さすぎない図書館に行って)
リクエストしたら、たぶん新規購入してもらえます。
大きい図書館では、既にたぶん置いてあって、誰かの手垢はついている。
そこらへんはHPの蔵書確認でチェックしてから出向く。
小さすぎる図書館だと、大きい図書館から本をまわしてもらうだけで、買ってはくれない恐れもある。

あるいは値段は関係ないんだ、ハードカバーの本を持ち歩く余裕が鞄にないんだ、
家に蔵書スペースが無い、携帯より重いものは持てない箱入りさんだ、
エンジンよわった飛行艇で移動中にてあと19 x 13.4 x 3 cm ハードカバー1冊分の荷を降ろし、
身軽になる必要がどうしてもあるのです、とかいう人は、今後こういうのをオススメします。

Amazon.com、「Kindle DX」を日本を含む世界各国で販売
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100106_340773.html

これだったら、あくまで本として読める。たぶん。
ただし、私の作品は、多分まだこの媒体にて流通できる形式になっていないかと。

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フラタニティ [は行]

友香さんカメラ小僧みたい~

えーーっ!

友人作・球体関節人形が展示されるというので、そそくさと出向き、ほんとうは撮影だめっぽいんだけど、どこにも勝手に公開しないから! と約束。「わたしの作ったのだけならいいよー」という優しい言葉に甘えてきた。

だったらデジカメ持ってくればよかったようとか言いながら、携帯のカメラを縦に横にしたり、かがんだり。覗きあげたり、見下ろしたり。完成度の高い清楚な上品さとか、可愛らしさとか、スカートのヘムラインの縫製の隙の無さとかに、テンションあがって斜めアングル、横顔横顔、やばいこの角度超キレイ、きゃあ美人。とか言いながら撮ってたら、だ(笑)

さて。
私は少し前の鳩山首相の国連演説(?)を聞いてはいないのだけれど、「友愛」を
「Yu-ai, Fraternity」
と述べたらしいと。

フラタニティ!?

ま・じですかー。と、私は一人悶々と勝手にあわてる。
たしかに友愛はフラタニティとも訳せるが、もっとシンプルなCompassionとか、あるいはuniversal benevolenceとかでいいじゃないか。それだと博愛主義的になるから、ちがうんだ友愛なんだ、っていうこだわりがあったのかもしれないが……。

フラタニティってのはあれですよ、私流に説明すると、大学および大学院における「桜蘭高校ホスト部」のホスト部みたいな感じを言います。ホスト部は高校だし、やってることが「キラキラしいおもてなし」だからいいんだけど、ようは名門名士成績優秀美貌の有力者のご子息ばっかりが集って、なにやら自分らで楽しく学校内で画策めいたことをしているような、していないような。ああいう感じの、麗しいんだか、いかがわしいんだか……な面々を言います。入りたいと希望して入るというより、主にスカウトで入るというのもそうだな。

あるいは「コードギアス」のアッシュフォード学園の生徒会とかも、フラタニティの色合いが濃いです。

もっと言うと、これ私は前半しか見てないので、ひょっとしたら後半存在の色合いが異なってくるのかわからないんだけど、「少女革命ウテナ」での生徒会(ウテナが生徒会メンバーと薔薇の花嫁をめぐって決闘してたころの生徒会)あれまさにフラタニティ的。

漫画とかアニメとかで結構みられる「貴族的生徒会」≒フラタニティ。
こうも貴族的生徒会設定が、欧米風で違和感なく、しっくりいくのも、たぶん「フラタニティ」の転用だからじゃなかろうか。

実際の高校の生徒会が、そんな学内における秘密めいた権力を握っていたり、きらびやかなモラトリアム、特権階級にあったりしない、ってことは、日本に暮らす私たちは当然、実体験として理解しているわけだけれど。これが米国だと実際に、漫画やアニメのファンタジー生徒会としてではなく、リアルにフラタニティとして存在しているのです。……というのはいささか言い過ぎにしても、その名残がいまだ色濃く、確実に残っています。

私の卒業した米大学はキリスト教福音系私立大で、そのせいなのかなんなのか、フラタニティという言葉ではなかったけど、やっぱりそれっぽいのがあった……。週3必須のチャペル、みんな大講堂か、音楽のホールか、その手の広いところで催されて参加するのに、そのメンバーだけは、プレジデントルームで少人数のチャペルに出る。とかなんかそういう感じの区別があったりしたような、しないような。留学生の私が知りうるのはその程度だったけれども。(州立だと無いのかもしれない。ちょっと通った州立の大学院では、そういうのがあるのかないのかすら、私は知らなかった。)

フラタニティをさかのぼると、フリーメーソンとか、スカル・アンド・ボーンズ*とか、つまりは映画「From Hell」だったり「グッド・シェパード」だったりと、前身確実に秘密結社めいてきます。

だから少なくとも、実際はどうであれ、英語圏にいる人がフラタニティと耳にしたら、なにやら陰謀めいた閉鎖的、ちょっと貴族的ですらある仲良し集団を、即座に連想するはずです。

それともあれかな、私の発想がゴスがかかって偏っているために、フラタニティ(友愛)という語を聞くと、即座にエリート秘密クラブなイメージを抱いてしまうのか? と思ったけど、日本語のウィキペディアで、私が思うのとさして変わらないフラタニティ*の説明がすぐ出てきたので、まあ誰しもフラタニティときいてそういうニュアンスを感じとるのは間違いなかろう。

国連ってのは、英語を第一言語とする文化圏の人間ばっかりが集まってるわけじゃない。
フラタニティと聞こえれば、先入観なしに、すんなり「友愛」と理解する人間のほうが大半だ!

という反論もなりたつかもしれないが、だいたい国連とかの英語のスピーチを聞いているような人ってのは、概して英語圏文化になじみがある……その言語を習得するってのは、すなわちその言語圏の文化を習得することに直結する面も否めないので、やっぱりフラタニティとくれば、閉鎖的エリート仲良し集団と、イメージ先行しちゃうはずです。

たとえばじゃあ、日本人がいま「翼賛政治を推し進める」とかいうフレーズを聴いたとして。
翼賛ってのは、もともとは「力を添えて助ける、補佐する」という意味合い、「翼」という字も「賛」という字も、どっちも肯定的で美しい字です。
でも、いまやどうしたって、戦時中の「大政翼賛会」とか、「翼賛選挙」とか、軍部支配下におかれたファシストがかった政治のイメージが先行する。そういうイメージと無関係であるならば、率先して、翼賛、翼賛って使いたい語じゃないはずです。

そういう用語と大差ないよな、フラタニティー。
「友愛」かもしれないけど、すんなり「友愛」とは思い難い。

鳩山首相およびそのスピーチを考えた面々も、当然それは承知のうえで、友愛をフラタニティと訳したのは苦肉の策であったのだとは思います。ぴったりしっくりくる言葉がほかにないから、わざわざ「Yu-ai, Fraternity」と日本語を前述して言い換えているのでしょう。

私は演説の内容を聴いてないけど、フラタニティと言ったからって、世界中が「日本は、閉鎖的ブルジョワエリート仲良し差別クラブ政策を推し進めたい」と言ってるわけじゃないってことは、全文を通じてみれば、むろん察しがつくはず……ですが……。
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ぱねんちゃんちら [は行]

大学時代の担当教授と、メールでちょびっとやりとりをした。少なくとも7年ぶりとかくらい。

不定期に、ニューズレターが配信されていて、哲学の卒業生がどこそこで先生になりましたとか、何某教授がどこそこでレクチャーしますとか、結婚しましたとか、多種にわたるアップデートが来る。で、最近のニュースがあったら情報をおくれね、というメールが来たので、連絡してもいっかなーと思って、したわけです。《えと、新人賞をもらえて本がでました。日本のアマゾンの頁はこちら。日本語の本で、英訳される予定はないし、SFの賞ですが、ゴシック風味という噂……。》

そしたら律儀に、お返事くれて、卒業したのは9年以上前なのに、事細かに覚えていてくれ、ひそやかに感激。《先週、パサデナを通ったときに、ちょうどYUKAを思い出しました。ここの美術館であなたはインターンシップをしましたよね。》

してた! してたよ先生、私自身、忘れていました。

この先生、非常にうだつのあがらない感じが、真面目そうで好感度な、うだつがあがらない紳士で好感度って、けっこう難易度高いと思うんだが、アメリカの大学の教授って概してエラそうなんだけど、一見、なんだこのおっさん、という慎ましい感じだった。かなり豪華な木目調の教授室で、机に向かってお昼にジップロックあけて、奥さんがつくってくれたっぽい慎ましいサンドイッチを頬張っていた。私が時間より遅れて面接に行ったのに、サンドイッチ食いながらでかまわないのに、それを脇によけ(生徒に対して失礼あっちゃならないという感じで)手についたケチャップマスタードをズボンでこすっちゃって、あ、Yuka来たね、よかったよかった、と。おいおい……ソース付いちゃってませんか、と思いながら、私が内心あわてると、それに気付いてかナプキンを取り出して、せっせと手を拭くんだ。そんなおじさんが、メタボだと減点なのだが、もともとクエーカー教徒出身だかで、節制が身に染みついているらしく、ぼそっとしてるけど、おなかでてないし、離れたキャンパスにも、さくさく歩いて行っちゃうし、笑顔は優しいし、採点は容赦してくれない。良い先生だった。

わたし、大学院進みたいかもなんですが、って話をしにいったとき
「美学論か、自殺について(哲学的観点における自殺について)勉強できるところ知りませんか?」
と訊いたような漠たる記憶が。(これがもうほとんど覚えてないよ。いいかげんだな。)

すると「うちの哲学はメインが神学分野だから、そちらの分野につながりはなく、残念ながらここがいいよと紹介できる大学院を知らない、むろん推薦状は書くけども」と非常に誠実に答えてくだすった。

そこで自力で開拓して行った大学院が、自分のやりたいこととかけ離れていて、おまけに担当アドバイザー教授と今度は非常に折り合い悪く、彼らはアジア人=数学優秀という偏見を、私に押しつけ……。どうやらGREスコア(大学院受験用の一般教養試験みたいなやつ)が、ネイティヴ哲学進学生より、英語成績において低めだったからってことなんだが。でも、だからって数学ができるわけじゃない。読解力が低いわけでもないんだ。あえて言おう、高いのだと!

今となればよ――本の一冊も出せたので読解力あります、と虚勢のひとつも張れるかしれないけど、一介の外国人学生が、私、読解力ならあります、GREの国語(英語)のスコアからでは顕著ではありませんが、私の数学が絶望的なの、わっかんないのかなあ? 
と主張したって、信憑性に欠ける困った子で、いやいや君は理数系哲学が向いている。このコースとこのコース取って……と頭から決めつけられ。担当教諭のサインがないとクラスを取れないので、数学脳が壊滅的な私には、少々、不幸な仕儀に陥った。

そんな院時代の先生とちがって、この大学時代の先生・カルプ教授は、

《今期から、美学論の教授が入って、一~二年後にはうちでも美学論のコースができる予定です。》

わたしがちょろっと、美学論やりたいんだけど、と言った事を覚えていて、哲学から遠ざかっている私としては、申し訳ない気分になるくらい。

んで先生は《僕は本は出版してはいませんが、スタンフォード大学哲学事典でPanentheismについて書いています。》とのこと。へー、パネンシイズムかー、ぱねんしいずむー、ぱねんてー……
わからん! やばいこんな単語、覚えてない……てか、知らないんじゃないか私もとから……。

そそくさと調べて、あーは! わかった、わかったような気がする。ようは汎神論だよな! へっ。 
と思ったら、汎神論とは違うらしく、PanentheismについてWikipediaで調べると、Culp教授が外部リンクのトップに出てくるので、ぬぅ……ぱねんなんちゃらの先駆け、専門家なのね。

Process Theismってやつと類似かとも思うのだが、まったくあやふや、やばい……もうわたし哲学専攻ってブックカバーの裏表紙に書くのやめたほうがいいんじゃないか……。忸怩たる心地をちょびっと味わう。(味わってすぐに忘れる。)

ちなみにPanentheism、日本語にすると「万有内在神論」と訳されるようで、この字面を見ると、
「なーんだ簡単ジャン。八百万の神をまつっちゃう日本にはおなじみの考えよっ」
と、一瞬おもいがちなんだが、そちらはたぶんアニミズムに帰属し、まったく別の単語と意味になり、おそらく世界観の方向性が真逆です。
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鋼の錬金術師 (リメイク版アニメ) [は行]

さて楽しみにしていたハガレンアニメ・リメイク版。

私はハガレンはアニメから入って漫画にいったら、二度とアニメに戻ってこられなかった……とはいえ、気のいいあの人が殉職して、軍の葬儀が執り行われるところまでは見ています。前のアニメは漫画より破壊的に暗いイメージだった記憶があるけどまあそれはそれで、今回は原作に忠実らしいのでそれはそれで、期待感が募るわけです。で、モヤモヤといろいろ感じつつ見ていたら、

大佐の声が違う……!

マンガ家の絵柄が変わったりするように、時を経ると声優さんの発声も変わるもんだな……ロイ・マスタング大佐。以前の皮肉っぽい棘をはらんだ野心がいまいち響かないですけど。あなたの意地悪めいた、懐深い策略家の、からっとした張りのある声を楽しみにしていたんですよ。

……と思いながら、抑えた知性が光るいまの口調も素敵ではあるが、なんか落ち着いた学者っぽい……と、エンドロールを見たら、大佐のキャスティングが変わっていたのでびっくりしすぎ、第一回目のいろいろな感想がすっとんだのでした。

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ボン [は行]

ふだんけっこう咀嚼って面倒くさくて、全部スープとジュースで済めばいいのに……としばしば感じる。一日中、水分補給に終始しては、すっごくおなかを空かせて食欲を焚きつけてからモリモリ食べるようにしているのだが、先日、仕事関係で東京會舘にて立食があった。そこで食した子羊の香草焼きと、一見なんの変哲も無いカレーと、飾り気のないシンプルすぎる苺のショートケーキが激ウマで、いまだに忘れられない。
 
ケーキは凝ったのがいくかあったけど、そこでは苺ショートが一番おいしく、しかも世の中の苺ショートの中でひょっとしたら一~二を競うほどおいしいのかも……? 苺ショートなんてつまらない、と思っていたのに、おやおや? という。しつこくないのよ。クリームなんか薄づきで、豪華じゃないんだけど、口に残る甘やかな優しさが消えかけるときに品を感じるのよ。 

カレーといえば、某ホテルのレストランに知人と入って、知人が一皿3500円だか4000円の、たっかーいカレーをオーダーしたことがある。アラジンの魔法のランプみたいな器に別盛りでルーが入ってるやつ。私がオーダーしたカサカサに乾いたアヴォカドのハンバーガーですらすごい値段で、キャンドルの灯る一級ホテルのレストランのカレー。(キャンドルの煙が味に邪魔なんで、雰囲気勝負なんだな、という店ではあった。)

「ボンの味がする」
「ボン? さすが違うね、ドイツ風味?」

しかし彼女はドイツに行ったことが無いんだ。

「ちがうっ、ちがうって、だからボンだよ」
「ドイツじゃないっけ」
「……ボンカレーの味がする」

うそだ! ということで私も一口もらったのだが、この味しってる。

「つか味だけじゃなくて、この具の小ささ、あたかも全部ルーに溶かしました的な演出だけど、乏しい感じもまぎれもなくボンだ。福神漬けが欲しい」

人気メニューは魚介スパだったので、あんまりカレーをオーダーする人がいないあまりに本当にボンなんじゃないのか、雰囲気でごまかせ的な。でもそれじゃ材料を安く仕入れて作りこむから店としての採算が。いやいや、そこはだからさ。

そんな、いま三な(いまいちどころじゃないってこと)なのと比較するのも失礼なんだけど、東京會舘のカレーは段違い、ほのかにビターなチョコレート風味がかぐわしく、あ、でもそのカレーにチョコレートが入ってるかは知らないよ(たぶん入ってない)。隠し味にほんのり焦げたカラメルっぽい風味が遠くして、たかがカレーが、こっくりと美味です。

子羊の香草焼きが一番おいしかったのだけれど、ラム肉って人気がないのか、あんまり売れ行きよくないみたいで、ほかの行列にあぶれた人が並んでたみたいだった。羊肉でもラムはマトンとちがって、美味いやつは臭みゼロのはずなんだけど、一度自分で調理して大変まずいのをこしらえ、食べられたもんじゃなかったので、料理の腕によって、相当、出来が左右するのだろう。

で、今回のは付けあわせのポテトとシンプルながら絶妙なマッチで、いい感じにやわらかくて、香草と塩加減のコラボがちょうどよくて、おいしかったなあ!

東京會舘ってちょっと地味(ごめんなさい)だけど、料理が堅実に美味だと知った。
仕事関係で行ったのに、食べてばっかであった。
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深読みか、あるいは暗黙裡の当然 [は行]

ここ数日、各種メディアを騒がせている厚労省元次官連続殺傷事件で、
犯人の子供時代に容疑者の父親が、ペットの犬を保健所に連れていき処分、と耳にした。
で、ふと『窓ぎわのトットちゃん』を思い出し、おや?……と思いつくことが。

「ロッキーがいなくなった」というエピソードがある。
窓際のトットちゃんは小学校時代の私の愛読書で、ゆえになにしろ記憶があやふやだけど、
トットちゃんの家では賢いシェパードを飼っているのだ。ロッキー、一家の愛犬。
で、一時は問題児とおもえたトットちゃんも電車の学校で日々楽しく過ごしているのだが、
次第にぼんやりと、戦争の気配が色濃くなる。話の色調も徐々に暗くなってきて、
やすあきちゃんが死んだりとか、物資不足で自販機からキャラメルが出てこなくなったりとか。

そんな矢先、追い討ちみたいにシェパードのロッキーが死ぬのだが、
トットちゃんが留守中に、お母さん曰く「居なくなった」と。
そのあまりの歯切れの悪さと困ったようなうろたえ方に、あ、ロッキーは死んだんだ、とトットちゃんは即座に気付く。

で、だ。
これって大人になって読んでみたらすぐ気付くのかどうか(あいにく手元に本が無い)、
ロッキーは時勢が時勢がために、大型犬だし、殺処分されたんじゃないかと。
だってちょうどトットちゃんの留守中に犬が死ぬなんて。タイミングが計画的に嘘くさい。
しかもお母さんが、トットちゃんを悲しませまいと本当を語らないその漠然とした回答が「あのね、いなくなっちゃったのよ」
なるほどいなくなったんだ、手元で死んだわけじゃないんだ。
当時読んだときは全くそこまで気がまわらなかった。あるいは深読みだろうかな。

=============追記(2019年8月)


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