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A4オリジナルクリアファイル第3弾 [黒十字療養所出版部]

4月4日~4月10日の期間、黒十字療養所出版部はメンテナンスのためBoothを一時的に閉めていました(暫定的に在庫ゼロ設定とし、購入不可状態にしていた)。

メンテ明け後も、メンテ中の文面が商品画面に残っていたページがありました。
御不便をおかけしました。

不調法のお詫びかねがね、新たにまたクリアファイルを作りました。
BOOTH→https://bcsanatoriumpub.booth.pm/items/3813657
よろしければ御覧になってみてください。

今まで作ってきたクリアファイルの色味や透け感具合が、どれも私のイメージした通りに出来上がって気を良くしまして、また違うのを作ってみたくなったというのもあります。
今回もイメージ通りに出来上がってきました。
今までのクリアファイルはA4縦型でしたが、今回はA4横型です。

こちらのクリアファイルも、2022年の秋開催の文学フリマ東京に持っていくつもりでおります。(5月開催の文フリには出ません。)

秋はまだまだ結構先。
先行お披露目として、BOOTHに置いておくことにします。
中里友香短編集「手腐レ風切り貴方まで」に使った写真を、よりオリジナルに近い状態でクリアファイルにしました。
写真は2007年にヨーロッパで私が撮ったもの。
今から思えば信じられないくらい、のどかで平和なヨーロッパだったな……。

写真を撮った当時は近年のヨーロッパ史上、ひょっとしたら一番平和で治安が良い時代だったのかもしれない……という気すらしてくる。誇張でなく。

BOOTHに商品登録はしたものの、商品写真よりも文フリで実物を確認してくれたら一番嬉しい。気が向いたら見てみてねというスタンスで置いておきます。
もちろん全ての人が文フリに来られるわけではないわけで、光源バックに写真を撮ってみたり、スキャンしてみたりと試行錯誤をしてはいます……。

大きいサイズもスキャンできるスキャナーを買おうかチラっと思いもする。
が、大きい上に画質もちゃんとしたスキャナーって、びっくりするほど、お高いのだ。
A4サイズが5万弱くらいなのに、A3サイズになると価格が最低でも5倍に跳ね上がるんですよね。
置き場の問題もあるし……。
A4より大きいサイズで平らかに高画質でスキャンをしたいのって、当面クリアファイルくらいだし……。
だったらその予算で、別の本を刷ることを考えたいかなあ。

ご購入の場合は、安心BOOTHパックの送料になります。
薄いですが、サイズ的には送料が商品と比して割高になるので、合わせ買いが推奨です。


中里友香によるA4横クリアファイル・ヨーロッパ220×310公開用

画像1:デザイン
画像2:クリアファイルの実物写真オモテ
画像3:クリアファイル実物スキャン画像オモテ(スキャナーがファイルより若干小さいため、画像の端が少し見切れてしまっています)

pikomaroさんに白雪と猫目坊を描いてもらった! [黒十字療養所出版部]


『黒猫ギムナジウム(中里友香著)』 pikomaroさんの絵

1枚目は私が帯をつけてみたもの。
2枚目にちゃんと原画のままで出てきますので、慌てないで「>」マークをクリックしてページをめくってくださいね。
右下に対角線上に描かれているマークをクリックすると、全画面表示にできます。

Skeb──スケブ。

スケブというのは本来イベント会場などで、イラストレーターさんや漫画家さんなどにスケッチブックを渡して、その場で希望の絵を描いてほしいと依頼する、
というある種、ゲリラ依頼みたい習俗文化。
なんだそのハラハラするやりとりは……と思いながら噂に聞いてはいた。

このスケブ文化を活かしつつ、そのある種、あぶなっかしいゲリラ性を回避して、気楽にかつ安全にネット上でやりとりできるシステムがSkebというものなんですね。
最近知りました。

坂口安吾の「明治開化 安吾捕物帖」「南京虫殺人事件」を原案にした、
東京開化事件譚』という漫画がヤングエースで載っていて、ちょっと注目しています。

  坂口安吾の原作本をアレンジして、まさかの新選組と絡めている。
  結城新十郎と、花廼屋(はなのや)因果が、新選組の生き残りの……あの人なの!?
  これはありうる改変というか。面白いぞ、私が好きなやつかもしれないぞ……と。
  新選組の生き残りは皆、素性を隠して生きないとならなかったわけですし。

読み始めたきっかけは絵でした。絵が好き。
明治時代っぽさが、ちゃんと出ている。

明治時代らしさって、文明開化の洋かぶれ具合&思いのほか江戸時代なんですよね。
わりとよく見かけがちな明治時代のイメージ描写というのは、実はけっこう大正ロマンだったり昭和レトロだったり。
この作品の絵は、幕末の名残と文明開化が折衷した、ちゃんと明治っぽい空気が流れている。
明治の再現率が程よい頃合いで、素敵だなと(いや……私も明治時代を知らんがな)。

これからどんどん面白くなりそうな予感がしていて、その漫画の絵を描いているのがpikomaroさんという漫画家・イラストレーター。東京開化事件譚で存在を知りました。
このpikomaroさんが、まさかのSkeb募集をしていたのです。
「東京開化事件譚、最終的にどうするか決まるのにまだあと1か月くらいかかるらしく……
めちゃくちゃスケジュール空いてるので」と2月の中ごろに。

頼むでしょ。そりゃ。迷わないでしょ。
スケジュールが空いているという書き込みを見つけて、すぐにSkebの依頼をしました。

Skebというシステムを使うのも、Skebをお願いするのも、私はなにぶんはじめてのこと。
わたわたとSkebの利用者として登録をしました。
今となっては意味不明な突撃メッセージみたいなのを送って、pikomaroさんなのにpicomaroさんと綴りミスで連呼しちゃったりと、本当によくすんなり引き受けてくださった……。

『黒猫ギムナジウム』の白雪と猫目坊をお願いしました。
明治時代が舞台です!

今年中に刊行予定の新装復刻版の紙の本『黒猫ギムナジウム』に、こちらのpikomaroさんの絵を収録する予定はありません。
紙の本のデザインはもう出来上がっている。

それでも描いてほしかったんです。
描いていただいた絵を、このブログで紹介できたら嬉しいなと思って依頼しました。

……いつごろ仕上がるのかなあ……。
納品締め切り日数が60日とある。
平均納品日数が2週間程度ともある。
そろそろかなあ。

と、思って本日、見に行ったら、2月27日に納品されていた。
はやい! 

お願いしたのは白雪と猫目坊で、背景から明治時代だなとわかる感じにしてほしいというのが、私の依頼内容でした。

──九鬼白雪が故郷を離れ、僻陬の地から帝都東京に上京してきたのは一八九三年、弥生の暮で、春特有の風のある昼下がりだ。開きかけた三分咲きの桜が、そわそわとした期待感を募らせた。──
という、まさに『黒猫ギムナジウム』の第一章の光景を描いていただけたと思っている。

『黒猫ギムナジウム』の話はその後、圧倒的に夜の描写が増えてくる。
さもなくば日暮れ時。
この一章のシーンは作中において数少ない、澄みわたった昼下がりの描写といえる。

講談社BOXで刊行時に描いていただいた絵と、当然イラストレーターさんが違いますし、タッチもかなり異なっており、今までのイメージとまたちょっと違う、猫目坊と白雪の二人の表情が見られて、とても新鮮です。嬉しい。

素敵な絵を有難うございました。


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オーディオブック挑戦中『黒猫ギムナジウム』 [黒十字療養所出版部]

オーディオブックを自分一人で作ってみようと、ちょっと無謀にも思ったのだ。

2012年に講談社BOXで初版が刊行されて、現在、売り切れ絶版となっている『黒猫ギムナジウム』を、今年中に少部数、自分で刷って復刻版として刊行するにあたり、購入してくれる人への特典・おまけとして、オーディオブックを無料でつけたりできたらいいな、と。

刊行する本の巻末にパスワードを記しておいて、そのパスワードを入力すれば、希望者は無料でダウンロードできる。欲しくない人はダウンロードしないというの無論ありで、とか。
オーディオブックはあくまで無料で配布するのだが、オーディオブックが紙の本の営業妨害になっては悲しいので、本購入後に入手してもらう形で、工夫したいなと。

私はYoutubeとかの動画を見ていても「視聴より読んだほうが手っ取り早いじゃん」と思うタイプではあるのだが、眼精疲労などから文字を読むのが億劫なときはある。
なぜか目線が字面を上滑りするばかりで、中身が頭に入ってこないときもある……。
電子書籍の小説は概してそう。

漫画は電子書籍で問題なく読めるので、最近ではもっぱら電子版を臆せず購入する。作品にもよるが。
小説本は電子書籍になると、本当に上滑りするばかりで内容が半分も頭に入っていかない気がする。小説本は絶対に紙派!

いろんな環境でも入手できるよう、電子書籍も媒体の一種としてむろん必要ではある。
(耳の不調とか、音を出せない環境下では、紙の本がないならば電子書籍が必須になる。)

ただ、単純に紙だとダメな事情があるだけの場合は、小説はいっそ電子版よりオーディオブックのほうが良い。

漫画は文字を読むだけじゃ伝わらないが、小説は文字を読むだけで伝わるように書いているのだから、オーディオブックはむしろ非常に好ましい、小説にぴったりな電子版としてのありかたではないか?
と。

幼稚園の頃、わたしは2月は1日も通園できなかったりしました。
単純にまあ冬で……子供だからごく一般的な風邪を引き、扁桃腺がくわーッと腫れて高熱が出て、その後、延々と長引く咳、というのがお決まりのコースでして。
幼稚園でとんだり跳ねたりお遊戯するほど元気ではない、体力が落ちたところにぶりかえすといけない、という状態なのだが、家でぬくぬくしている分には、少なくとも精神的にはけっこう元気で暇なんです。

通園はできないだけで、その間、大好きなぬいぐるみを抱っこしながら、布団の中で、童話読み聞かせのカセットをとにかく聞いていました。
日本の童話シリーズは黄色の本の形をしたパッケージ。西洋の童話シリーズは青色の本の形をしたパッケージだった。
カセットテープがそれぞれ6本くらいずつ入っていて、A面とB面で違う話が収録されていました。

今でも覚えているのが、
「あーんあん。あーんあん。うりひめこののるカゴに、あまんじゃくがのっている。あーん……あん」
というフレーズです。
オーディオブックは思えば昔っから馴染みがある。
媒体がカセットテープから変わっただけではないか、と。

昨今、大人が楽しめるオーディオブックといえば超有名声優が朗読をしており、ほんとうに羨ましいかぎりで、当然、購入者側目線になると本の単価としては高額ともいえる。
好きな声優が一冊まるまる読んでくれるとすれば、それを高額と感じるかというと別の話だが。
いずれにせよ、一個人としての私が手配できる代物ではない。
だったら、VOICEROIDを使ってみようと、一念発起してみたわけなんだ……。

どの声が実際に合うかは、サンプル声だけでは今一つわからないので、最初、お試し版をダウンロード。あれこれいじってみて、私でもある程度、形にできるかもしれないなと、3日目くらいに購入を決めた。
VOICEROIDの中でも最新版A.I.Voiceの声を4人──
結月ゆかり、日ノ出賢、伊織弓鶴、風見壮一
それからVOICEROID2(前のヴァージョン)の紲星あかりを購入。

なぜ何種も購入したかというと、地の文の目線が狭霧にあったりと男子の時には男性声、地の文の目線が白雪だったりと女子の場合は女性声にしたいな……と。
それであれこれ調声しても、私がイメージしている猫目坊の声はどうやっても出せないみたいなんだが。
(今まで実在の声優さんの声で一番、近いかも! と思えたのは刀剣乱舞の青江です。)

遠野怜士朗の声はかなりイメージ通りに調声できた。
怜士朗さんの日記や手紙の章を作るのが楽しみだな。

そんな感じで序章から初めて、試行錯誤を繰り返し、なるべく自然に発音してくれるように調整(調声)をしつづけ、とりあえずできた冒頭が、今回アップロードしたものである。

なお当ブログは音声ファイルを一度に5MBしかアップロードできないので、暫定的に、音質を最高品質より少し下げています。
この量で6分11秒というと、『黒猫ギムナジウム』全編全部で16時間ほどのオーディオブックになるはず。

ここまで作るのにみっちり2週間。
単語一つ一つは手を入れなくても結構きれいに発音してくれ、難読漢字も結構な数を訂正いらずで読んでくれる。
だが、デフォルトそのままで長文を読んでもらうと、とたんにロボ色がすごい。

ロボ色というとイントネーションが平坦なイメージがあるかもしれないですが、VOICEROIDは、むしろ過度に強弱をつけ気味。
息切れ気味に切れぎれに息継ぎを挟んできて、なめらかさを欠く傾向が強いんですね。

息継ぎの時間や回数を調整しつつ、声質の調声のみならず、アクセント(イントネーション)、声の高さ、話の速さ、抑揚などを一つ一つ調整する。

アクセントを正し、VOICEROIDが読めない言葉を単語登録するだけで、一気に聞きやすさの精度があがるのだが、そこから……より自然に、VOICEROIDの朗読だと気づかないくらいにしたい、
というところまで目指すと、かぎりなく時間が消えていくの……。

あまりに一定の速度だとロボ色が出る。
ずうっと一定の声の高さであってもやはりロボ色がにじみ出てくる。
抑揚の範囲が一定だと飽きもすぐ来る。
ばれない程度にゆらぎの強弱を滑らかにつけていくのが、やたらと時間を食うのである。

あと、どんなに調整しても、滑舌がダメだなんだなこれはという単語とか文章もまれにあります。

またトリッキーなのが、簡易慣用字体と印刷標準字体。
本来なら正しい印刷標準字体を、VOICEROIDはきちんと認識しないのだ。
つまりたとえば、ネット上などで便宜上よく使われている「掻く」
これは簡易慣用字体で、右上が又になってますよね。
印刷標準字体は右側が蚤(のみ)という字です。
蚤がつくから手で「搔く」というわけだ。
この「搔」とかをVOICEROIDは把握できない。

当然、私は印刷用に作っているので、印刷標準字体を用いている。

いちおう読むんですよ、VOICEROID。
その単語自体を間違って読むとか発音しないとかではないんです。
ただ、その単語を使っているフレーズを調整したあと、更新が一切できない。
正確に言うと更新登録はできる。しかし反映されないんです。
どんなにアクセントの位置や息継ぎの回数を訂正し、登録しても、デフォのロボ色イントネーションに戻る。

何度やっても特定のフレーズの調整部分が更新できず、おかしい……。
ほかの文は問題なくできるんだから、故障じゃないはず……おかしい……。
本当に困りまして、試行錯誤の上に気づいた。
漢字を簡易慣用字体に直して無事に更新できた。
この仕様については、どこにも注意書きが無いと思う。
ある種のバグなのではと疑っている。他の人が困らないように、ひとまずここに明記しておきたい。

そんなこんなで怜士朗さんの手紙文の所になど、このペースで、いつたどり着けるのか。
毎日、ほかの作業をせずに根詰めてやったとして、単純計算で仕上げるのに1年と数か月、掛かるっぽい。それはさすがにまずい。そんなにぶっ通しで続けてやれない。
仕上がっていく達成感というのはあるが、楽しい作業でもなくて……。

最初のうちは一番てこずるから、もう少しスピードアップできるとは思いますけど……。
付録は別なのを考えたほうが良いだろうな……。

気が向いた合間に、時間が空いた時に、ちょくちょくやり続けていれば、いつか必ず仕上がるはず。
地道に少しずつアップロードして、進捗をお伝えできればと。

気長に応援していただけると嬉しいです。
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『黒猫ギムナジウム』朗読 序章冒頭部分
(A.I.Voice日ノ出賢を調声)


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七周年かー [な行]

先日、刀剣乱舞が七周年を迎えましたね。

私は同時期に審神者就任七周年でもあって、刀剣男士(2022年1月現在)全九十八振りが、お祝いメッセージを言ってくれるので、全部聞き逃すまいとするあまりに嬉しい忙しさだった。
六周年までのお祝いメッセージでは、ゲームの周年記念と、審神者就任記念と、まあほぼ似た同じような内容で「営業的な定例句……それでも新規ボイスで嬉しい」という感じだった、正直に言うと。

それが七周年ともなると、ゲーム審神者就任七周年の言祝ぎと、刀剣乱舞七周年の言祝ぎと、きちんと内容が違っていて、実のあることを言ってくれる刀剣男士も一段と増え、普段、はぐらかし気味にわかったようなわからないようなことを言っていた古参組の刀も、そうか七年経ってようやく打ち解けてきてくれたか……と。
けっこう、しみじみ感慨深いものです。

忘備録として、これまで刀剣乱舞にて実装済みの刀剣で、本体と対面がかなったやつを、ここに列挙しておこう。
ざっくり見た順で(細かい順番は違っていそうだなこれ)、カッコ内は場所。
出張展示も多いので、必ずしも所蔵元ではない。

骨喰藤四郎(江戸博/サントリー美術館)
包丁藤四郎(江戸博)
蜻蛉切(江戸博)
三日月宗近(東博)
石切丸(石切劔箭神社・宝物庫)
小狐丸(石切劔箭神社・宝物庫)
小烏丸の写し(石切劔箭神社・宝物庫)
燭台切光忠(羽田空港ディスカバリーミュージアム )
歌仙兼定(永青文庫)
豊後国行平:古今伝授の太刀(永青文庫)
亀甲貞宗(東博)
明石国行(刀剣博物館)
宗三左文字(江戸博/サントリー美術館)
陸奥守吉行(江戸博)
鳴狐(東博)
獅子王(東博)
厚藤四郎(東博)
髭切(江戸博)
五虎退(江戸博)
大包平(東博)
大般若長光(東博)
小竜景光(東博)
和泉守兼定(土方歳三資料館)
膝丸(サントリー美術館)
秋田藤四郎(サントリー美術館)

これからも、もっと本体に相見えたいですし、刀がけっこう増えたことだ、刀剣乱舞関連でおそらく私が個人的に一番好きなメディアミックス?
「おっきいこんのすけの刀剣散歩」も、そろそろ第四弾をやってくれないかなと期待している。第三弾以降、三年半とか経つものね。

羽生選手の2021年全日本フィギュアフリー演技とても良かったですね! [は行]

2021全日本フィギュア、男子ショートプログラムを見逃したよ……
と思っていたら、フジテレビがYoutubeに動画をアップしていました。
公式動画。ありがたい。

https://www.youtube.com/watch?v=e0m44q_Vo5Q&t=2s
速報!男子SP 1位 羽生結弦選手ショートプログラム <ノーカット>
【全日本フィギュア選手権2021】

私は羽生選手を特にひいきに応援しているので、羽生君の動画URLを貼りましたが、もちろんほかの選手の動画もあります。

全日本フィギュアスケート選手権
https://www.fujitv.co.jp/sports/skate/japan/movie.html

スケート選手権が民法で放送されると、つい……キャスターの盛り上げかたやMCのコメントが正直うるさすぎてイラっとくる、過不足ない解説の本田選手を見習ってよ!
とか、変なところが気になりがち。選手の演技以外はずっと音を消しておく。
こういう動画はニーズをよく心得ていただいており、助かります。

そりゃまあ、ずらっと選手の演技を連続で見たほうが、出来栄えの良しあし、競技としての力量差とかが比較しやすく無慈悲なくらいわかるというメリットが勿論あるんですが。

今、羽生選手の優勝が決まったばっかりだから、そのうちFS(ロングプログラム)の動画もアップされるでしょう。
四回転アクセル挑戦がどうなるかばかり報道されるきらいがありますが、スケーティングのスピードが終始衰えることもなく、「天と地と」の世界観、プログラムの構成とか、一つの作品として目指しているところの全体の質が、もう比類なく素晴らしかったですよね。
見逃した方はぜひ。

クリアファイルを作ってみた第2弾 [黒十字療養所出版部]

BOOTH→https://bcsanatoriumpub.booth.pm/items/3527446

懲りずにまたクリアファイルを作りました。

前回のステンドグラスのファイルが、想像していたよりも仕上がりが良くて、私としては気に入ったので(商品写真の撮り方が下手すぎるので、説得力に欠けるきらいはあるが)、別ヴァージョンを作ってみたくなったのである。

というか商品写真ってみんなどうやって撮ってるの。
BOOTHのページにデザインだけでなくて商品現物の写真を載せるにあたって、全くうまく撮れないのだ。特殊な機材とかいるのかな。
ググると、ライトとかレフ板とか撮影ボックスとか……何やらいっぱい出てきて、黙ってそっとブラウザを閉じた。

こちらのクリアファイル、来年の文学フリマで刊行予定の『黒猫ギムナジウム新装版』と合わせて商品登録するつもりでいましたが、先行お披露目として、BOOTHに置いておくことにしました。
なお、本のほうはまだルビ調整などで、刷る段階に至っていない。

フルカラーのクリアファイルですが、印象としては一瞬モノトーンを思わすかのような仕上がりにしたかったので、満足しています。夜に、炎と火の子で花が浮かびあがって陰影が際立つような、色味を抑えた仕上がりにしたかった。
クリアファイルの半透明感と相性が良く、奥行き感のある仕上がりになったかな、と。

周囲の人間に感想を聞いたら、わりと好感触なのは良かったのだが、
「本はたくさん刷りたがるくせに、クリアファイルはなんでそれっきゃ作らなかった?」
いや、だって私、小説家だし……。
紙の本を提供したいし、みんなも本を目当てに来てくれるんだよ。そうでなくては。

BOOTHに商品登録はしたものの、文フリに出る時には持っていきます。商品写真よりも実物を確認したほうが良いと思うので、気が向いたら見てみてねという感じで置いておきます。
(全ての人が文フリに来られるわけではないのだから、写真をもっときちんと載せたいと思ってはいます……。)
前回も書きましたが、安心BOOTHパックの送料にてサイズ的に合わせ買い推奨です。

──商品説明概要
2022年刊行予定『黒猫ギムナジウム新装版』最終章の扉絵で作ったデザインをベースにして、A4サイズのクリアファイルに仕立てました。
透明感があるクリアな仕上がりの「白版なしタイプ」で、半透明です。
中に何も入れない場合、裏側からも表のデザインが透けて見えます。
素材の半透明感をいかした、夜闇に浮かぶ花びらと炎のデザインで、陰影のある仕上がりになっています。──


中里友香による公開用・オリジナルクリアファイル210×330(花)

追記


クリアファイルを作ってみた [黒十字療養所出版部]

BOOTH→https://bcsanatoriumpub.booth.pm/items/2497450

クリアファイルを作りました。
何を血迷っているんだ。
だって……今年の文学フリマ用に準備をしていたもので……。
出店を見合わせた時点で、ゆったり進行に切り替えてはいたのが、仕上がったのだもの。

来年の文学フリマ用に大事に保管しておくつもりでいたのだが、ステンドグラスのデザインだから今の時期は意外にタイムリーなのでは?
と思い立ち、一応、BOOTHに商品登録しました。

文筆業の人間がデザインをしてオリジナルのクリアファイルを作って、何を考えてんの?
……という感じなのはわかっている。
それでも作ってみたかったんだ。

大丈夫、これはさすがに超控えめな数しか作っていない。
在庫を抱えてにっちもさっちもいかなくなったら自分で使う。
同じものがいくつあってもクリアファイルなら自分で使える。だからそんなに怖くないよ。
よくよくとなれば自分で使える分しか作っていないから。大丈夫。

BOOTHに商品登録はしたけれども、文フリに出る時には持っていくつもりなので、気が向いたら見てみてねという感じで置いておきます。A4サイズのクリアファイルというのは当然A4より一回り大きく、これを曲げずに送れるあんしんBOOTHパックは宅急便60サイズになり、送料が商品の倍以上かかってくるので、合わせ買いなどで、考慮にいれる余地があれば。

好みのオリジナルクリアファイルを単品でネット購入しようとすると、どうしていつも送料が商品に見合わぬほど高くてらっしゃるか、と思っていた謎が今、解けたよ……。

──商品説明概要
「名刺代わりの小冊子」で裏表紙に使ったデザインに手を入れ、A4サイズのクリアファイルに仕立てました。小冊子ではモノクロ加工したステンドグラスの写真を、クリアファイル用にカラーに出しています。写真は2007年にドイツのコンスタンツで撮ってきたものです。パブリックドメインにあるアーサー・ラッカムの絵と重ね合わせて、加工しました。透明感があるクリアな仕上がりの「白版なしタイプ」で、半透明です。中に何も入れない場合、裏側からも表のデザインが透けて見えます。──


中里友香による公開用・クリアファイルA4オリジナル

温度調整できる服を着ていったほうがよい [あ行]

現在せっせと制作中の『黒猫ギムナジウム』新装版。
帯をトレペにしようかどうか迷っていたわけですが、やっぱりトレペ帯、素敵ですよね! 
トレーシングペーパーの帯にするつもりで、いま帯のデザインを考えています。

さて、来たる11月23日に開催の2021年文学フリマ東京。
新型コロナの東京都における感染状況が数千という、最もひどかった時期に申し込みの締め切りがあったので、私は今回、参加を控えました。

今となってみれば、感染者数がかつてなく少なく、昨年よりもずっと低い状況で抑えられている。たった3か月であっても先のことは本当にわからない。読めない。
参加を見合わせたことは今となっては残念ですが、当時はそれしか選択肢がないと思えましたし、今回の文学フリマがより安全な、感染の心配の少ない状況で開催されるのは、本当に喜ばしい事です。

昨年、初めて出店したのに、知ったかぶりするのはどうなん、なのだが、私自身が文フリ参加にあたって、過去のいろんな出店者の体験談から情報収集した部分が多い。
新型コロナが蔓延してからの文フリ東京の開催はまだ日が浅いし、情報のアップデート版として、ちょこっと書いておこうかと。
何か参考にしてもらえることがあるかもしれないし、ないかもしれない。
他の人が言及していなそうな観点で、役に立ったものと、そうでないものを。
さしてありもしないんだが。
まずイマイチだったものから。

・チラシ

過去のいろんな文学フリマの出店者によると、チラシをいかにたくさん配れるかが、本自体を売ることと同じくらい、時にはそれ以上に注力するべき項目として記されていて、なるほど……と、私もチラシを作っていった。

感染防止対策のために「公共スペースにおけるチラシコーナーは休止する」というのは、事前にむろんよく把握していました。

それでも自分のスペースで来てくれた人に、チラシを自由に持って行ってもらうことは全く問題がないので、「ご自由にお取りください」として用意した。
大体チラシはオーダー単位が100枚からなので、表と裏がカラーのチラシを100枚持参したわけです。

蓋を開けてみると、持って行ってもらったのは4枚だったと思います。
四人の手にはわたったので、チラシを作ったのが無駄だったとは思わない。
ただ100枚はいらなかったよね。
勿論、100枚のチラシが全部はけるとは、かけらも思ってはいなかった。
ただし20枚くらいは持って行ってもらえるかな、と思っていたのだ……。
購入には至らなくとも、ちょっと興味がわいた、という通りがかりの人が持っていってくれるかな、と。

公共のチラシコーナーにあるのではなくて、売主の目の前に置いてあると、いろんな人が遠慮するというか、気軽に手に取りにくいのかもしれなかった。
手に取ってくれた人も、みな一様に恐縮して、持って行かれるのだった。

もっと気ままにじゃんじゃん取ってもらうつもりで作っていたし、余っても、持ち帰るにも送り返すにも荷物だから、感謝こそすれ、恐縮される必要は全くないのに……。

おのれのチラシの内容、見た目等々もろもろが良くなかったという可能性もある。
が、周囲を見まわしても、チラシのはけが悪い様子だった。
実際の商品である本の購入よりも、チラシが動かない。

そういう風潮になってきているのかな、と。

私自身の行動パターンを顧みても、かつては映画館に行った時に、必ず映画のチラシを棚の端から端まで一部ずつゲットしたものだった。
家に帰ってじっくりと……これは見る映画、こっちは見ない映画……とやるのが、ささやかな楽しみだった。
美術館や博物館でもそう。次の展示、またその次の展示、簡単に行けもしない地方の美術館の展示案内まで、チラシをずらっと持って帰った。へぇ、こんなのやってるんだなあと。
それが5~6年くらい前から全く、しなくなりました。
──だってネットで後で見られるし。

実際はいちいちググってまで、全部をチェックするかと言えば、余程でなければ検索して映画のHPに入ったりしない。紙で持ってきていればこそ、なにかと見るんですよね……。

感染対策ゆえに極力、いろんなものに手を付けないという姿勢もあっただろうとは思いますが、そもそも即売会場に来場している人です。
暫定的に公共のチラシコーナーが休止になったせいばかりでなく、紙のチラシ文化自体がひょっとしたら相当数、衰えているのではないかと。

それでも私はたぶん、次に参加するときもチラシを用意するとは思います。
ただし持っていったら、ほぼその分を持ち帰るつもりで準備する。
私が参加前に見かけたネット上の情報では、チラシありき!
チラシがない文フリ参加は出るだけ無駄! 頑張って配る!
……みたいな勢いの時代の記事が目についたもんだった。

予算やスペース、時間的余裕に限りがあるなら、チラシは最後に用意するのでいい。むろん、あくまで私の少ない経験をもとにした判断にすぎない。

では次に役に立ったものを。

・ニトリのテーブルクロス(130x220)

私は2スペース、つまり長机一台分を使っての参加だったので、テーブルクロスのサイズが意外になくて困りました。
テーブルクロスはピンからキリまであるけれども、大判のものは、粗末なつくりであっても結構、お値段が張る。
サイズ展開も文フリの長机に合う大きさのはなかなか見当たらず、文字通り、帯に短し、たすきに長しだ……。

コミック系の即売会場だと、自分のサークルスペースのロゴ等を入れて、オリジナルテーブルクロスを作るブースも多いのかもしれない。文フリでは、ほとんど見かけなかった。
適当な布で良いわけですが、切りっぱなしの布だと材質によっては綺麗に設営するのにテクニックが必要な感じも。一人で参加したので、端と端を持って引っ張り合いっこしながら固定するのも、ままならぬのだ。

私の場合は、ニトリのテーブルクロス(プレーン BE 130x220) 商品コード7832609が、重宝しました。お値段以上のニトリ、なるほどリーズナブルな価格設定と豊富なサイズ展開。
私はベージュを選びましたが、色は全部で3色あります。

パッケージにぎっちぎちに入っているので、折り皺がきっちりついちゃっている。
ざっくりアイロンをかけて持って行った。
筒状に丸めるにしても、ある程度、畳まないわけにはいかないので、畳みじわは避けられないが。畳まないでは持ち歩けないので。
ざばっと机の上に広げただけで、とりあえず見られる状態になります。
個人的にはこれが助かりました。

・メニュースタンド
(スマイル メニューファイルスタンド 先端湾曲型 740182 )

アスクル/ロハコで買いました。
これは驚異的に便利な代物で、いわゆる薄い本を立てて展示できる……だけでなく、在庫部分もそこそこ置ける。一石二鳥のすごいやつ。
つくりは極めてシンプル。こういうの好きです。

「名刺代わりの小冊子」というB5サイズ薄型本を立てて置くのに、重宝しました。
見本を立てて飾れるだけのアクリル製のスタンドはたくさんあるけど、こちらは見本を一番前に置いて、売り物の本(在庫)も、見本の後ろ側に何冊か立てて置けるのがいい。
しかもメニュースタンドだから安定感が桁違い。換気のため会場の扉が全開なので、たまに突風が吹きつける中、このメニュースタンドだけは頼もしく、ストレスフリーだった。
普通のメニュースタンドだと本の表紙が隠れてしまうが、透明だから問題ない。
使い勝手が良かった。
作った人、天才か。

リーズナブルで、場所も取らないし、しっかりした作りです。
アクリルなので水には強いが、火気厳禁です。まず本が火気厳禁ですからね。

来年の文フリ東京には、是非とも気楽に出店したいです。

積み円盤が消化できない [た行]

録画した映画がどんどんたまるとか、配信映画のウォッチリストが60を越えて来たな(消化していく予定はない)とか、それらはあまり気にしていない。

が、物理的に購入したDVDを積んでいるだけで、パッケージすら開封していないことに関しては、なんとかしたいと思い続けています。

ものによっては20年近く放置している。
Band of Brothers(バンド・オヴ・ブラザーズ)のDVD BOXなんですけど……。
カナダの空港で買ったんですよ。物凄く見たいと思い続けているのに。
わかってるんです大体の内容は。だからこそ、これは気力満タンな時じゃないと見ていられぬやつ……と思い続けて20年近くです。テレビシリーズだから長いですし。

さすがにBand of BrothersのDVD BOXは極端な例だけれども、物理的にスペースを圧迫させてもかまわないから欲しい気がする……と購入したにもかかわらず、放置しているものがある。
やはり映画館に行ってまで見ようと思わなかった時点で、無駄だったんだろうか。
でも公開のタイミングを逸してただけだし……。
なかには私が子供時代に放映された、大人向けの映画とかもあるし。

単純に、30分を2時間分ではなくて、みっちり2時間を確保する時間配分が不得意なんです。
細切れ時間を使って自動モードでソシャゲをするとか、30分アニメを4本、見るほうが、映画2時間分を融通するよりずっと簡単ですものね。
読書のほうが時間的な融通は断然つけやすいのは、言うに及ばず。

……というわけで、自戒を込めて、物理的な積みDVD&Blu-rayだけでも、ここにリストアップしておこう。
見たら、追記で記録しよう。
感想を書こうなどと出来もしない、滅多にやりもしないことを思わないこと。

(順不同)
レヴェナント
イノセントガーデン
ヒトラー暗殺、13分の誤算
ブルーベルベット
Shape of Water
Crimson Peak
Age of Adaline
The Dressmaker
Cloud Atlas
Homo sapiens

英語表記はAmazon UK等で購入した英語版。
日本語表記は日本語字幕付き。
映画じゃないものを入れたらもっとあるが、ひとまずは映画からだ。

しかし、そんなにたくさん積んでいるわけでもないのに、なぜ見る気にならないのか……。
ある種の作業みたいに「こなしていく」感覚で見たくないからなんです。
きちんと向き合いたいと思っているからなんだ。

物にもよるが、1本見たら、3日くらいはその映画のことを考えて眠りが浅くなるんじゃないかと危惧しているからこそ、容易に見る気が起きないでいます。

又、現時点でなぜかわたしはここ2年くらいずっと、ウィンターズ・ボーン(2010年の映画)を見たいと思っていて、ところが全然、見る機会に恵まれない。
大抵「これは今視聴できません」状態だし、正規品も正常価格で入手できないんです。

あ、今ならU-NEXTで見られる……?

追記


癒し系料理番組とやらの癒される基準は人それぞれ [あ行]

バラ科の食べものに、かねてより強烈に即時型アレルギーが出て、アナフィラキシーも起こし救急車沙汰になった経緯があるため、外食やお持ち帰り系のスイーツは、もはや食べられません。

バラ科の果物は長時間、火を通せば、アレルギーを起こす成分が壊れて、食べられるものも中にはあるが、桃はだめらしいし、今では敢えての危険を冒さない。

バラ科には、厄介なアーモンドがありますし。
こいつは火を通しても全然壊れないどころか、成分が焙煎で凝縮されて濃くなるとか。
仮に、目に見えるスライスアーモンドなどを避けても、アーモンドパウダー、アーモンドプードルとして、フィナンシェとかスコーンとかの一般的な洋菓子に高確率で投入されており、即、死につながる。すごい苦しいから嫌だよ……。

あとは気軽に振りかけられているココア、チョコレート、コーヒーとか紅茶の茶葉とか……。
カフェインで誇張ではなく死にかけたことが多々あるので、(なぜ多々あるかといえば、大丈夫なものがある日、突然、体が受け付けなくなるという知識がなかった。カフェインが原因だと診断がつくまでに紆余曲折あり、時間を要した)とにかく洋菓子は全滅と認識しておいた方が、私には賢明なのだ。

では中華、たとえば月餅とか。
私はごまにアレルギーがあることもわかっているので、好きだった月餅もアウト……。
月餅はゴマ油を大量投入して作ってあるし、具がナッツ類なので、アーモンドという点でも危険。
ごまも加熱してもアレルギーの成分が壊れないので、今となっては無理です。

わりと安全に食べられる確率が和菓子、あんころ餅とか大福とか。
茶道部だったくらいで、私は和菓子も大好きだし、良かった……
と、それがうっかりすると和菓子も、ごまだんごとか、ごまのおはぎとか、ごま大国です。
むろん抹茶も。和菓子のごまや抹茶は見てわかる範囲なので、さほど恐れはしないけれど。
脅威なのは、き・な・こ。

Gly m 4(大豆由来)に強いアレルギーが出て以来、豆乳はすぐ死につながるし、大豆もやしとか、枝豆もだめなのは把握していた。
こちらは幸いにも死の恐怖を味わうまではいかず、具合がはなはだ悪い……くらいで済んだのですが(別段、好物ではなかったというのがある)。
きな粉が大豆って、意外に盲点といいますか。
きな粉=大豆で直球なんですけど、名前が変わると、一瞬、誤魔化されかける。
きなこはコンタミとしての危険性も高いから、和菓子屋さんの和菓子も安心できない……。

そんなにアレルギーがあって、食べられるスイーツなんてあるの?
と思われがちなのだが、実は相当あります。

小麦粉や牛乳などは平気なので、クレープをブルーベリージャム(ベリーと入るがこいつはバラ科ではない)で食べるとか。
自分で作るパンケーキとか、蒸しパンとか。
アーモンドプードルの入っていないレーズンスコーンとか(バタータップリにすると美味い、というかスコーンのうまさはバターの量に比例する)。
あと寒天で葡萄ゼリーを作るとかね。
健康を損ないもせず、命の危機を味わうことなく、おいしく普通に食べれられます。
絶望するほどスイーツが食べられないわけでもないんだ、これが。

さとうきびに、上記のアレルギーほどではないが、微弱にアレルギーを起こすとわかってもいる(慢性的に蕁麻疹が出たりする)。
てんさい糖とか麦芽水あめとかで代用すると、むしろ砂糖がさほど豊富ではなかった時代のすっきりとした、あるいはこっくりとした甘さにたどりついたりして。
お汁粉とか、ぜんざいとか、オーソドックスな昔懐かしい、祖母が作ってくれた系お菓子が、私にとっては安全&成功率が高い。

甘味を食べたいと思ったときには、大丈夫な材料で自分で作ろうモードにシフトして、お菓子系動画をわりと見ます。

時には我ながら険しく、しんどい顔をして、テレビのお決まりの料理番組を見ているときもある。「グレーテルのかまど」とかを。
癒し系料理番組と紹介されていたりするが、
こいつは私にとっては死につながる……隠し味とかマジでやめて……
とかを学べるので、見るわけです。癒されはしない。

スイーツに限らず、テレビの料理番組全般を見ていて思うのが、昨今の人気な料理法は、オーソドックスな作り方をするものが減っていますよね。
そこは下茹でして火を通すでしょ、学校でもそう習うし……?
という手間を省きまくる傾向が。

私はとにかく火を通しまくった、かつての軍隊飯で良いんだ……田舎煮込みとかな……。
揚げ物は大豆油を使っている確率が多いから、とりあえず煮ようぜ……。
あるいはバターとオリーヴオイルでシンプルに焼いてくれ……。

くつくつ煮こむとか、じっくり焼く料理番組が本当に減りつつある中、数少ない番組に、
やまと尼寺精進日記(NHK)があるんですが、精進料理なんで。
9割が大豆とゴマでね。あとは梅とか干し柿(いずれもバラ科)とかでね。
大豆が本当にトリッキーなのは、おからとか、湯葉とか、名前を変えまくるところですよ。
豆という字すら入らないじゃん……。

日本のyoutube料理動画も見るには見ていたんですが、概して、しゃべりが多すぎる。
料理番組を見る時って、作ろうと思って見るだけでなく、料理音も味わう。
しゃべりや音楽で、料理音をあえて消してある動画も少なくないし、時短料理が主で……。


https://www.youtube.com/watch?v=gZN3b9irMQ0

自分好みの料理動画を見つけました。

もとは韓国の動画なのかな?
私はハングル語は全くわからないが、しゃべりが皆無なので問題ない。
材料等は日本語のキャプションがある。材料も素朴で、おいしそう。


https://youtu.be/oIDZzA5XXYU

こちらは、もとはドイツ語の動画か。
こちらもしゃべり皆無で、日本語のキャプションがつく。
この動画の日本語キャプションはかなり怪しいのが、ご愛嬌……。
コメント欄がキリル文字と英語とドイツ語と……。
みんな、バターが好きな国民性だよね……。
(英国になると、そこにバターではなくラード!? となるのも多いですけど。)
バターは買うにしても、たのしく見られる。

もしも「お金をあげるから好きな番組を企画して作っていいよ」と言われたら、やまと尼寺精進日記の海外版?
欧州修道院サナトリウム料理日記みたいなのを企画したいし、毎週見たい。
たぶん海外には既にあるんじゃないか。
とはいえ日本の料理番組好きは異様なレベルなので、案外とまだ無いのか……。

『刀剣 もののふの心』展に行ってきた [た行]

14日木曜、野暮用で都心まで出たついで、六本木のサントリー美術館まで行ってきた。

東京は新型コロナの感染者数もぐんと減ってきていて、今がチャンスと出向いた目的は、
「刀剣 もののふの心」
サントリー美術館は六本木東京ミッドタウンにある。
ここに出向くのは実は私は初めてで。というかいつできたの東京ミッドタウン、知らんぞ。
ググってみたら、防衛庁本庁檜町庁舎跡地の再開発事業として、2007年3月30日に開業。

へー。最近こういうの多いですね。
オフィス街の中にショッピングモールとか企業とかマンションとかホテルとか医療施設、そして美術館などが入っている、ちょっとした国際空港チックな施設。
サントリー美術館は、かつては赤坂見附にあった。

個人的には、サントリー美術館ほどの美術館ならば、複合施設の中にあるより、別個の建物であってくれたほうが好きだ。
この手の複合施設の中に入っていると、広さや構造が初見では非常に把握しにくい。

アクセスは無類、良い。
この施設の存在意義すべてが、アクセスの良さに特化している。
私は本郷三丁目から丸の内線荻窪行きに乗車。
霞ヶ関で日比谷線の中目黒行きに乗り換え、六本木に。
8番出口から直通でサントリー美術館に到着。

本郷三丁目から一度も嫌などぎつい日光に当たらずに(雨ならば傘をさす必要もなく)、ロス時間がない。この手の駅直通の複合施設が、どんどんできるのは分かります。

ミッドタウンの施設内は全体的な空間の使い方、オブジェの質とかが、十年余前にスイスのチューリッヒ国際空港を利用した時を思い出させる雰囲気でした。
昨今、ユニバーサルレベルでどこも割となんか同じ感じなんだね……便利だけど……。

くわえて東京ミッドタウンは、とにかくスケルトン仕様なんですね。
エスカレーターも、ベルトコンベア部分を除いて手すりが全部スケルトン。
手入れが行き届いていて、ガラスが濁っている部分が全くなくぴっかぴか、特殊なガラスなのか反射もほとんどしないから、本当に何もないみたいに見える。

私はミモレ丈スカートの裏地の裾がちょっとめくれたので、エスカレーターに乗っている間、ちょっとかがんで裾のめくれを直した。
視線を感じ、見ると、はるか下の人が振り仰いで「何やってんだ」という目で見ていた。
はるか下からエスカレーターに乗っていて裾を直すのがまる見えなほどスケルトン。
ミニスカートの女子とかだと、大丈夫なんかな……?

私は高いところ大好きなお馬鹿さんですが、嫌な感じのめまいを引き起こしそうに、手すりも何もかもスケルトンで、鋭利で無機質な見晴らしが良すぎる造り。落ち着かなかった。
そんなこんなで東京ミッドタウンのガレリア3階サントリー美術館の受付に到着。
午後四時頃だった。

音声ガイド無しを選び、入場料1600円。
今回、音声ガイドを刀剣乱舞の骨喰藤四郎の中の人がやっているので興味はそそられた。
ただやはり自分のペースで展示を見たいのと、現在感染者数が減ってはいるものの、まだ新型コロナの感染に油断できない時勢であって、首から上に直接装着するものをレンタルするのに、抵抗感があった。

さてサントリー美術館に入りまして、展示品の写真撮影は禁止です。
入場口が非常に狭く、けっこう小さい?
……と思った目算が、誤りでした。
間口が狭いからわからなかったが、入ってみると、
……これは結構広い。
荷物を美術館のコインロッカーに預けなかったのは失敗した。

展示内容の中で、私のおもな目当ては、刀剣乱舞とコラボもしている、
・大覚寺の膝丸(別名・薄緑)、
・建勲神社の宗三左文字、
・豊国神社の骨喰藤四郎(委託所蔵元は京博)、
・京博の秋田藤四郎
です。

お初にお目にかかりますなのは、大覚寺の膝丸と、秋田藤四郎です。

私は刀剣乱舞の公式壁掛けカレンダー使っています。
今年の9月と10月は刀剣乱舞の膝丸のキャラと一緒に、膝丸の刀身が大きく載っているんですが、カレンダーの膝丸は箱根神社の膝丸(別名は薄緑丸)。
信仰の対象にもなっている刀剣なので、部外者がとやかく言うことは控えたいですが、正直カレンダーを見たときに、あれ、なんかこうもうちょっと……?

(箱根神社の膝丸/別名:薄緑丸は、一説によると江戸時代後期になってから膝丸と呼ばれるようになった刀とか。源氏の重宝膝丸の言い伝えを受け継ぐアイコンとして、人々に親しまれてきていると。)

では大覚寺の膝丸(別名:薄緑、重要文化財)は果たしてどんなだ。
膝丸は一つのショーケースに単身で島の位置に展示されていた。
裏も見られるスター展示。

単刀直入に言って、とても良かったです。

全体的に刀身が暗い色で、優雅かつ雄壮な腰の反りと伸びやかな姿で、すらっとしており、美しい以上に、身が締まってキリリとした感じで、かっこいい。
いわゆるこれが関西地方で言われる「シュッとしてる」の権化だな。

樋(ひ)が入っている。これが作成時の微妙なミス? 手癖?
樋がスーッと綺麗にくっきり一筋に入りきっていない。
樋の付け根から大きな拳一つぶんくらい、絶妙なカーブをうまくこなせずにハンドルを2~3回ほど切り返したみたいな、一直線の中にも重ね書きで書き足した補筆に似た跡が残っているのです。
優美に弧を描いた一直線になるはずの樋に、ズレかけたのを無理やり力技で軌道修正したみたいな跡が。
他が完璧な姿なので、微かな粗が目を引いた。
この樋の特徴のおかげで、美しいからこそ変哲もなく見えがちな刀剣の、大覚寺・膝丸として、確実に姿かたちを覚えられた。次は名札を見ずともわかるぞ。

宗三左文字とは今回、再会になります。
正直私には、江戸東京博物館・戦国時代展に来ていた時のほうが美しく映った。
信長が今川義元を討ち取った、戦利品としての証が、金象嵌で茎の部分に掘られている。
江戸博の時はその金象嵌が控えめに遠目にきらっと光って、合図されたように近づいてみると宗三左文字、だった。

今回は一つのショーケースに宗三左文字だけが入っており、これ見よがしなほどにライトアップされて、金の象嵌の茎部分がキラキラッに胡散臭いほど反射して光っている。
明らかにキラキラに光るように展示の角度をわざわざ調節して置いてある(と思う)。

刀の地肌をよく確かめたくも、刃の部分もライトアップを直に受けすぎていて反射して、わざとらしくキラキラしすぎで、じっくり眺めるのに不適切……。
キラキラだったので膝丸よりも、ちょっとした人だかりができていた。

https://twitter.com/sun_SMA/status/1440843362161070081/photo/1
こちらサントリー美術館のTwitter写真。
本当にこういう風に恥知らずなほどピッカピカに反射させて、悪趣味に見えた……。
(光らせておけば喜ぶだろうって、刀剣ファンが舐められているのか?)

骨喰藤四郎も特等席の個別展示。
こちらも私は江戸博・大関ヶ原展での時のほうが美しく思えた。
初めて骨喰に相見えた時、他の刀と一緒にずらっと並べられ、べた置きに近い状態で展示されていたと思う。
周囲の刀剣と比して別に大きくもないのに、抜きんでて目を惹いた。別格に綺麗で。
即座に目を奪われて、息を呑むほどだったんですけど、今回は単身ショーケースに入ってライトアップされているスター展示で、比較対象が間近にない。
となると、いささか刀身が脇差ゆえに太刀や打刀より小ぶりだから、やや物足りなく見えざるをえない……。

良かった点は、裏側が見られるところでした。
刀剣乱舞でもよく見える、龍の彫り物があるほうが表で。
裏側には役行者と思われる独特の姿が、表の彫り物と同じサイズくらいに掘られていました。その姿が、ちょっと怪しげでいかにも足利宝剣の名残をとどめる古めかしい意匠に思えた。

秋田藤四郎はやや離れた区画に展示されていた。
単独ショーケースに入ったスター展示の、膝丸──ややあって宗三左文字──骨喰藤四郎と来て、忘れた頃に出くわした。単独ショーケースに短刀が入っており、
「なんだろう、このみすぼらしい小さな刃物」
通り過ぎかけたけれども、いちおう近づいてみたら、秋田藤四郎だった。
本当に小ぶりで、正直に言えば、すごく貧相に見えるのだ。

同じ粟田口吉光の刀、藤四郎と呼ばれる短刀でも、東博にある厚藤四郎など立派なもので、怖いと思えるくらい分厚く勇壮、鎧通しの異名もなるほど然り。
それが秋田藤四郎は一見して同じ吉光の短刀だなんて到底、思いがたい。

吉光の短刀で他には包丁藤四郎を、骨喰藤四郎や蜻蛉切を見に行った江戸博・大関ヶ原展の折に、まだ包丁藤四郎は刀剣乱舞では実装されていなかった時分なので、さらりと見ていて、うろ覚えなものの、本当に包丁大だなと思った記憶がある。
その包丁藤四郎よりも、かなり小振り。

「折紙付き」の折紙なのかな、また仕舞われていた桐の箱なども一緒に展示されていて、大切に保管されてきた秋田藤四郎なのはよく伝わった。

江戸博に出張展示で髭切と並んで展示されたときに見た五虎退も、同じ粟田口の短刀で、あのサイズ感に少し似ているだろうか。
ただ、五虎退は地肌が綺麗で可憐な感じで品があると思ったが、秋田藤四郎は研ぎすぎて、すり減りまくっている。一見して使いこまれた道具の印象。
これが仮に一家の蔵から出てきても、折紙の書付や桐箱がなければ、うっかり処分しちゃいそう。

太刀や打刀など他の刀種と比べて、武士の短刀って、そんなしょっちゅう腹を召すわけでもないだろうし、然うそう使い減りするアイテムでもない気がする。
とすると、実際はわからないが……秋田藤四郎は持ち主に大事にされていて、頻繁に不必要なまでに研がれてきたのかもしれない……のかも?
持ち主が幽閉されて後年は病んでいた逸話も残っているし……。

何でも愛用されているものって一番ボロくなりやすく、端から見るとひょっとしたら一番みすぼらしく使い減りしているものが、えてして持ち主が一番大好きな物ですもんね。

今まで私が見てきた短刀は粟田口吉光に限らずとも、保存状態がたいそう良く、お姫様が輿入れで持参して代々受け継ぐ品なことも多いので、刀文も格別美しく、見栄えがした。
秋田君の使い減りした、か細さには、意表を突かれました。

今回のもののふの心展、刀剣乱舞に出てくる刀剣以外で特筆すべき展示は、
剣(つるぎ)の「無銘・附黒漆宝剣拵」
これが良かった。なかなか、あそこまで美しい存在感の品には巡り合えないです。

膝丸が展示されているショーケースよりもずっと手前、わりと入口近くにあり、正直わたしは剣には興味がないから通り過ぎかけたのに、美の迫力に当てられて素通りできなかった。
柄の部分、持ち手が三鈷杵(さんこしょ)になっていて、剣ですから両刃です。

刃の焼き入れの加減なんだろうか、黒真珠の光沢をうっすら帯びた感じの剣の地肌で、別格の綺麗振り。
国宝だった。やはりか。国宝は議論の余地がなく立派なものが多いですね。

4階から第一展示室で、3階に降りて行く構造です。
3階に豊後国行平の太刀が展示されており(八坂神社の重要文化財)、永青文庫の豊後国行平(国宝)とは違って、ややすり減ってはいるものの、姿・形・佇まいが優雅で白い刃の白刃振りが美しかった。
たぶん私は豊後国行平の刀剣の見目がかなり好きなんだ、と自覚した。

今回、拵えも見事なのが揃っていた。
黒漆拵の硬派なのもあれば、蒔絵の金沃(きんい)に螺鈿で模様が入っていたり。

金沃懸地有職文螺鈿象嵌鞘衛府太刀拵
これが来ていて、とてもきれいでした。
展示リストには有職文衛府太刀拵という作品名で載っているかと。

ゴテゴテと飾りすぎない品がありつつも、充分に華やかで。
なにより螺鈿細工その他もろもろの造りが丁寧で、本当に良い仕事振り。
下げ緒の一部分?に分厚く花の刺繍が入っていて、見るからに宝物です。
間近で見るほどに綺麗で、貼りつくようにガラスケースを覗きこんで鑑賞した。

美しい拵えに重たい刀剣を仕込んで帯刀していた武士は、さぞや優越感があったろうなあ。
むろん武器を持ち歩いているわけだから、自分を律する気持ち、身の引き締まる思いと優越感とが、交錯していただろう。

昨今では士農工商というのは明治以降に作られた概念で、江戸時代に身分制度としての士農工商は無かった(単純に職業の区分けにすぎない)と授業で習うらしい。事実、内職で傘張りをして刀剣を売り払い、見た目だけの竹光を差していた武士とかも、ざらにいたわけだから、そうなんだろう。

それでも常時、刀剣を持ち歩いていた武士は、やはりある種の事実上の特権を意識してはいただろう。人によっては窮していたにせよ、武士は食わねど高楊枝です。志高く自己を律し、鍛錬に励むことを認められている優越感はあっただろうと今回かなり思いました。

お武家って、精神に支障をきたした人間をすぐに座敷牢とかに閉じ込めるのが、本当に良くないと思うんですけど、人斬りや自害の心得を伝授されている上に、常に人斬り包丁を腰に差しているのだ。
「気×××に刃物」という言葉があったとおり、精神錯乱すると危なくて仕方がない取り合わせだから、座敷牢に直行というのも当時の安全対策ではあったのだろう……。

今回の「刀剣 もののふの心」展、たまに異様に状態の悪い刀が、宝剣や重要文化財・国宝の展示物と並んでポツポツと展示されており、そこは薄気味悪かった。
スーパーモデルがオートクチュールを着て、ポーズを付けて写真撮影をする中に、パジャマの傷痍兵が点滴を下げ、血に濡れた包帯を巻いて一緒に混じっていたら。
見ているほうは心配になるでしょう。
なぜ状態が悪く、どんな経緯と意図で一緒に並べたのかの説明が欲しかった。

もののふの心展、私が行ったときはかなり空いており、場所によってはガラガラでした。
最後に6F展望室にある刀剣乱舞のパネルの部分に行ったのですが、行列整理のベルトパーテーションレーンが長々と配置されているのが、
これ……兵(つわもの)どもが夢の跡みたいになってるけど……?

二日後の土曜には、行列でけっこう並ばないと入場ができなかったらしいです。
新型コロナの感染が下火になったとはいえ密は避けたい(そうでなくとも混んでいるのは普通に避けたい)し、時間帯を選べる人は、木曜午後四時頃がおすすめかもしれない。

もののふの心 パネルJPG.jpg

宗三さんと秋田君は極めた姿にしてやってほしかった。
(個人的にこの二振は極めた姿のほうが好きだ。)

寄り道とはいえ、不要不急の外出が久しぶりすぎで、ブログがあまりに長文になって自分でちょっとびっくりしてます。

「黒猫ギムナジウム新装版」進捗状況・表紙カバー [黒十字療養所出版部]

来たる11月の文フリ東京出店を断念したため、
「この日までに何がなんでも仕上げなければならない」
という縛りがなくなった。
だったら、もうちょっと表紙のカラーカバーのデザインに手を入れたいのだ……。
見れば見るほど、今一つなんか気に入らぬのよ……。

そんなわけで色々と直しました。

使っている素材に大差はないが、けっこう変えた。


中里友香による公開用:黒猫ギムナジウム表紙カバーupdated
*リンクをクリックすると拡大版で見られます。

https://www.canva.com/design/DAEtDpm4ESE/4KI4M6-faM6VjR0NXTvVzQ/view?utm_content=DAEtDpm4ESE&utm_campaign=designshare&utm_medium=link&utm_source=homepage_design_menu

こちらのほうが作品イメージや世界観に合っていて、気に入っています。
手を入れる前のカバーデザイン案は、初版時の講談社ボックスが外箱に丸窓二つ仕様だったデザインを何とか引き継ごうと、固執しすぎたせいで、バランスが変だった。

技術やセンスや使える素材など、私自身がやれる範囲内でしか提供できないけれども、それでもある程度、納得がいくところまで作りこめたかなと。微調整はまだ必要ですが、このデザインで決める予定です。

帯はまだ未定で模索中。
明るいイメージにしようか、シックな路線で行こうか。
いっそトレーシングペーパーの帯にしようか……。

トレペ帯は色の選択肢が少ない反面、おしゃれ感が増すので、個人的には好きなのです。
ただトレペ帯を作ってくれる印刷会社は、非常に少ない。
素材の性質上、サイズや使えるインクの色なども相当制限がある。
普通の帯と比して予算がけっこうかさむにもかかわらず、人によっては「なんか薄っぺらい安っぽい帯がついていたんだよね」と思うケースもあるみたいなんですよね。


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展開が雑 [た行]

固定電話に女性声のオートで世論調査?の電話がかかってきました。
「あなたは岸田内閣を支持しますか」
支持するは7を、支持しないは9を、わからないは0を押してください。

皆さんのところにも、かかってきたかもしれない。
私は0を押しました。
自民党岸田内閣発足は10月4日で、発足から一週間も経っていない。

この争点と、この争点と、この争点と、この争点について、今後どういう舵取りをしていくのか確かめてからでないと、支持も不支持も決めかねる……現時点では判断材料が少ない。
そう真面目に考え、投げやりなわけでも白紙投票的な意味もなく、0を押した。

当然私は「わからないを押した理由を教えてください」という質問が続くと思っていた。
──今後、支持するか支持しないかを決める判断材料になるのは、次の中のどれですか。
もっとも当てはまるものを3つまで答えてください──
……みたいな展開を期待していたんですよ。

「ありがとうございました、質問は以上です、電話を切ってください」
……ん?
冒頭で「全部で質問は9問です」と言ってなかった?

あー、そーなんだー。これは7番を押した人の中から、
「政策に期待できる」「人柄に好感を持てる」
などの項目があるだけなのでは?
あるいは9番を押した人の項目もあるかもしれない。
「政策に期待できない」「人柄に好感を持てない」とかの……。

これからきちんと支持するかしないか見極めたいと思っている者は、篩にかけて回答権を与えられないシステムなのか……。
それって非常に偏ったデータが世論として反映されませんか。

発足一週間足らずで支持とか不支持とか断言できるのって、関係者とか長年熱心に政治活動とかロビー活動をしてきた人とかでもない限り、むしろ頭からの決めつけ要素が高いではないか。

1クールアニメだって、大体みんな最低3話まで見てから決めるもんだ。
視聴を継続するか切るか。
判断材料に必要な最低限の話数ってのがある。
内閣発足から一週間足らずなんて、まだ予告PVとオープニングを見終わったくらいですよ。
キャスティングがあらかた発表になった時点で、1話のAパートすら途中ではないか……。

むろんタイトルとキャスティングとPVを見ただけで、
「これは見ない。自分向きでは全くないから」
と決められる作品もあるので、それだけで決めるやりかたも否定できない。
でもまだ腹を決めかねるとか、断言しきれない人を、完全スルーって何……。

第三十三回文学フリマ東京には出店しません [黒十字療養所出版部]

きたる11月23日に開催の東京文学フリマ東京の出店、今日が申し込み締め切り日です。
私は申しこみません。
今回、中里友香・黒十字療養所出版部は参加を見送ります。
出ません。

私自身とても楽しみにしていたイベントなので、かなり残念です。
参加を見合わせる理由はひとえに新型コロナの感染が収束および終息する気配がまったく見られないことに尽きます。3か月以内にこの感染爆発と病床ひっ迫が収まって、新規感染者数が300人レベルになるとは到底思えない。

なにより私自身、感染したくありません。
かつまた私が無症状感染などで知らず知らずのうちに、私の本を買いにわざわざ来てくれる人に不用意に感染を広めるかもしれないと思えば、恐ろしい。
この疫病下においてわざわざ私の所に本を買いに来てくれる人というのは、本当にありがたく尊ぶべき人なのに、その読者に感染リスクの高い行動を取らせて実際に感染したり後遺症が残ったりしたら……。私は本気で心底病む。
きれいごとじゃない、そんなのは耐え難いよ。
昨年の私はこの程度ならば出店者である私も、参加者である読者の方々も、大丈夫だろうというある種の自信もあったから申しこみ、開催日ギリギリまで様子を見続けたうえで出た。感染力と重症化傾向の強い今の変異株に対しては、しかしながら自信がありません。
私自身、もしも感染して命の危機にさらされたり、後遺症が残ったりしたら、イベントに出たことを後悔します、絶対に。

一つに文学フリマ運営の感染対策が万全か否か、このところ若干の疑問を抱いてもおり、というのも来月9月26日開催の文学フリマ大阪は、昨年と変わらず開催予定であるという。
東京を中心とした関東圏の感染爆発が憂慮する事態なのは言うに及ばず、大阪だって決して楽観視できる状況ではないはずだろう。

現在蔓延している変異株の感染力は従来株よりも2倍近いと言われている、であるならば、出店者数を昨年の半分にし、さらに入場者数も昨年の半分に抑えなければ、ざっくり昨年と同様の感染対策ができていると言えないはず(無論、感染症というのはその手の単純計算が通用するとも限らないので、あくまでざっくり目安としてですが)。
また文学フリマ参加者に推奨されている接触確認アプリ「COCOA」が実際ほとんど役に立っていないと明らかになってきているつけても、昨年と同規模の感染者数であるならば、カクテル療法など治療法が確立されてきている今、懸念材料にもなりませんが、変異株が連日拡大して流行蔓延している状況下で。いささか心許ない。
ワクチン接種は重症化を防ぐ一定の効果があるといえども、感染そのものを防ぐ効果は薄いし、すべての人が打てると限らない。事実、今も病床ひっ迫は深刻なわけです。

もちろん皆それぞれに事情がある。
たとえ話でも何でもなく、余命宣告をされている人もこの社会には必ず確実におられる。いま動けるこの時に、行ける時に行ける所へと強く望んでいる人を安易に責めたり止めたりできるか。私にはわかりません。
来年の文学フリマを待てない事情がある人もいるはずで、文学フリマに出る人を咎める気持ちはありません。

ただし「今、軽率に文学フリマに出ようとする人はいないだろう。つまり今回文学フリマに出る人は覚悟のある真の文学好きであり、文学の道を進む人にふさわしい」といった類の言動には、どうか振り回されないでほしい。
今回の参加や不参加を、文学への思いを測る物差しとしないでほしい。

この週末、フジロックが開催されましたね。
ネット上で、と或る書きこみを見かけました。
「今回は本当に音楽が好きな人だけがフジロックに行ったんだな」
「本当に音楽を生で聴きたい思いの強い人だけが危険を冒してまで、己の危険を顧みずにフジロックに行って、音楽に直接、触れることが許されたんだ」
といった感じの、つまりは興味本位の連中は淘汰され、本物の音楽好きだけが参戦したかの書きぶりだった。

えっと?
疫病下においてフジロックに行くことと、真の音楽好きか否かを決定付けることとは、等しくないよう?
さも音楽への誠実度合や、思いの強さ、好き度合いを試すような妄言で。音楽好きを盾にとった、それはまったく卑怯な物言いではないか。
(音楽好きがすべからく祭好きで、人混みや野外や真夏の天候が得意とも限るまいし)

昨今、この疫病下を戦時下にたとえる人が多すぎるとも感じます。
なるほどこれが戦時下であり、大勢の人が集まるところは焼夷弾が降りやすい、爆撃を受けやすい状況であったならば、フジロックに参加することはたしかに勇気ある行動になる。
たとえ爆撃されるかもしれなくとも、死を甘受し音楽を愛する行動というのは実に骨のある姿だ。全く見上げた根性だぜ。これが戦時下の戒厳令中であったならば、だよ。
まるで坂口安吾の『堕落論』で、戦時下の東京において疎開もせずに、空襲を待ち受けるカメラマンの姿に、安吾が驚嘆を覚えるくだりのようであることよ。

以下、ここ堕落論より抜粋(適宜、読みやすさ重視で改行。)
→私は疎開をすすめ又すすんで田舎の住宅を提供しようと申出てくれた数人の親切をしりぞけて東京にふみとどまっていた。大井広介の焼跡の防空壕を、最後の拠点にするつもりで、そして九州へ疎開する大井広介と別れたときは東京からあらゆる友達を失った時でもあったが、やがて米軍が上陸し四辺に重砲弾の炸裂(さくれつ)するさなかにその防空壕に息をひそめている私自身を想像して、私はその運命を甘受し待ち構える気持になっていたのである。

私は死ぬかも知れぬと思っていたが、より多く生きることを確信していたに相違ない。然し廃墟に生き残り、何か抱負を持っていたかと云えば、私はただ生き残ること以外の何の目算もなかったのだ。予想し得ぬ新世界への不思議な再生。その好奇心は私の一生の最も新鮮なものであり、その奇怪な鮮度に対する代償としても東京にとどまることを賭ける必要があるという奇妙な呪文に憑(つ)かれていたというだけであった。

そのくせ私は臆病で、昭和二十年の四月四日という日、私は*始めて四周に二時間にわたる爆撃を経験したのだが、頭上の照明弾で昼のように明るくなった、そのとき丁度上京していた次兄が防空壕の中から焼夷弾かと訊いた、いや照明弾が落ちてくるのだと答えようとした私は一応腹に力を入れた上でないと声が全然でないという状態を知った。

又、当時日本映画社の嘱託だった私は銀座が爆撃された直後、編隊の来襲を銀座の日映の屋上で迎えたが、五階の建物の上に塔があり、この上に三台のカメラが据えてある。空襲警報になると路上、窓、屋上、銀座からあらゆる人の姿が消え、屋上の高射砲陣地すらも掩壕(えんごう)に隠れて人影はなく、ただ天地に露出する人の姿は日映屋上の十名程の一団のみであった。先ず石川島に焼夷弾の雨がふり、次の編隊が真上へくる。私は足の力が抜け去ることを意識した。煙草をくわえてカメラを編隊に向けている憎々しいほど落着いたカメラマンの姿に驚嘆したのであった。
(坂口安吾『堕落論』青空文庫より抜粋終わり)

*青空文庫の原文ママ

ここでたったの一文で描写されている、「屋上で煙草をくわえてカメラを編隊に向けている憎々しいほど落着いたカメラマンの姿」に、私は憧れます。命が惜しいまともな人間は疎開し、あらかた人が出払ったような東京で、命知らずで孤独な人間しか残っていない。焼夷弾の雨が降る中、米軍の航空編隊を待ち構えて、屋上でカメラを向ける、煙草をくわえ憎々しいほど落ち着き払ったカメラマンの姿を思い浮かべるにつけて、
それは本気でカッコいい命知らず……
できることなら自分もそうなりたいけどきっとなれない、という意味でとても惚れこむ。

でもだ、この新型コロナの感染が蔓延している緊急事態宣言下において、感染前と変わらず好きなところに好きなように出向き、好きな相手と好きなように飲み食いし、感染のリスクにさらされると同時に新型コロナ変異株ウィルスをばらまきまくる行動と、戦時下においても努めて今までと変わらぬ生活を送ろうし、自分という個を見失わないでいる格好良い姿とは、似ても似つかない。
なのに、なぜか重ね合わせているかのような人が実は結構いるっぽいことに大いに驚く。感染症と戦争は本質が違うのに。
混同したらダサいよな。

そんなこんなでこの度の出店は控えますが、本づくりは着々と進めています。


中里友香による公開用・黒猫本体表紙・化粧扉・目次・章扉
中里友香著『黒猫ギムナジウム新装版』・本体表紙・化粧扉・目次・章扉

>をクリックすると全部で16頁、見られます。

まだ少し手を入れるつもりですが、こんな感じで進めているところです。
やたらめったら時間と手間暇が掛かったのが目次なのだが、にもかかわらずそこまで凝っているように見えないし、あくまでさり気なく作りこむのを頑張った、ということで。


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すぶり前振り準備運動 [さ行]

Hydeが京都の平安神宮にて7月31・8月1日という2日限定でスペシャルライヴをした。
20th Orchestra Concert 2021 HYDE HEIANJINGU

東京は新型コロナ感染拡大地域ですし、京都まで都府県をまたいで行けないので、当然私はライヴ配信組です。

とはいえ仮に平時であっても座席数が少ないのでチケット争奪戦を切り抜けられたかはわからない……。新型コロナのせいで行けなかったと思っているが、平時でもチケットが取れずにやむなくライヴ配信組だった可能性はある。

映画館でのライヴヴューイングもあったが、その手の音響の良い映画館というのは街中にあるので、私は今回必然的にライヴ配信を選んだ。

開演30分前から、モニターでっかいデスクトップPCに、外付けのステレオスピーカーをつなぎ(日常はわざわざつないでいない)正座待機です。ライヴ配信チケット発券コードの入力が、スマフォデフォルト仕様となっているらしくて、一瞬、戸惑うも無事開通。

そのコンサート内容が本当に想像以上に両日とんでもなく良くって……
すみからすみまで好きな奴で……
ライヴ配信が終了してから、しばらく喪失感にやられましてね……。

何をやっても幾日もまともに手がつかないくらい気持ちを持っていかれるなんて。
うんと子供の時、家に録画機がない時分に、夢中になっていたアニメやドラマが終わっちゃったときとか、友人に貸してもらった漫画(はいからさんが通るとか、ポーの一族とか)を返して、自分でも欲しいのに当時は絶版で、入手不可。愕然となった折ぶりくらいの話ではなかったろうか。思い出せるかぎりにおいて。

今はほら、見逃し配信とかも普通にあるし、映画もすぐ円盤になるし。たとえば夕立の後にすごい虹を見つけても、いつでも何某のカメラ機能を携帯しているから、写真も気軽に撮って残せる。もう二度とこの感動は味わえないかも……と現在進行形ですりぬけていく喪失感を滅多に覚えることがなくなった。

Hydeがわざわざ平安神宮で、ソロ活動20周年記念コンサートを、クラシックオーケストラを引っ提げてやるのだ、そりゃ普通のライヴをやるとは思っていなかったですよ。
いつもの、こじゃれたカジュアルな着こなしでサラっと登場するレベルなんかではない、と分かってはいたよ。
予想外ではなく、予想を超えてみっちりと好きだった。
平安神宮というセッティングを最高に活かしたステージで、かといいガッチガチに作りこんでいる感じではなくて、平安神宮の舞台に不思議となじむ世界観のバランス感覚が絶妙だった。
舞台背景に溶けこみながらも際立って、没入感へと誘う選曲や衣装やアレンジはもちろんのこと、篝り火とか、プロジェクションマッピングとか、もういろいろ。声の調子は言うまでもない。

こういう時、ブログに感想をアップすることはせず、胸の中にしまっておくべきや……この感想はあくまで私の感想で、誰かと共有する類のものではないのやも……といったん迷う。
Hydeやラルクやライヴに興味がある人ならば、他人の感想などにもはや興味はなかろう、自分の感想を大事にするだろうと。
またそもそもHydeやラルクやライヴに興味のない人なら、この内容にも興味がないわけだ。
Hydeやライヴに興味のない人が読んで、偏った印象を持っても難儀だし。良く知りもしない印象だけで仮に茶化してきたりでもしようもんなら、私もイラっとせずにいられるか自信がない……。
(Hydeやライヴに限らず何事であっても軽率に茶化されるのは、そもそも私は良しとしない。相手を軽蔑すらしちゃうんだが……)

そのいっぽうで、ちょい面倒でも書いておこうと書いておいて、後で読み返すと、そうだそうだそんなことがあったと自分が二度三度とおいしく楽しめるのも事実。後々の自分のために、ようやく何も手につかない状態から脱しつつあるのだが、さらってみようと思う。
近日中に。できるかな。

まずは初日7月31日のセットリスト

1.UNEXPECTED
2.WHITE SONG
3.THE ABYSS(未発表曲)
4.NEW DAYS DAWN
5.ZIPANG
6.NOSTALGIC(6月25日リリースの新曲)
7.RED SWAN
8.SECRET LETTER
9.MY FIRST LAST

全9曲。少なめです。
ちなみ2日目は全15曲。
その差の理由は、土曜当日を襲ったゲリラ雷雨でした。


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今のところは……黒猫ギムナジウム新装版・進捗 [黒十字療養所出版部]

昨2020年11月、文学フリマ東京開催時において、新型コロナの新規感染者数は、東京都が1日300人に達するという時期でした。
300人の大台に乗ってしまうが、それでも万全の対策をしていく!
と、当時私は不織布マスクと布マスク二枚重ねで、飛沫防御用にブルーライトカット用のメガネをかけて、本は一つ一つ個別にパッケージして1週間前に現地に送付、あれこれこまめにアルコール除菌をしつつ出店し、感染することなく無事に有意義な時間を過ごすことができた。

東京都内の新規感染者数が1日300人程度であれば、もはや私は恐れることなく出店するだけの経験値と心得は一応ある。
今は当時よりもマスクが容易に手に入る。不織布マスクを2枚重ねでかけられる。
都内新規感染者数が1日500人程度ならば、迷わずすんなり出店を決めるでしょう。

ただ、さすがに2021年7月末現在のように、都内新規感染者数が1日3000人をゆうに超える事態ならば控えます。文字通り桁が違いすぎる。

文フリ東京運営による感染対策は万全といってよく、信頼を置いている。
それでも現在流行しているデルタ株は従来の新型コロナよりも感染力が強いらしいし、また感染は会場内で起こるとも限らない。
道中、交通機関の移動中などでも起こりうるわけだし、それは私だけでなく来場者の方にとっても同じだけハイリスクなのだ。

スペース申し込みは8月23日まで。
開催日は11月23日。3箇月先の感染数を踏まえて計画を立てねばならない。
迷っています。

本づくり自体は、やめていません。
今回の新刊『黒猫ギムナジウム・新装版』をどのタイミングで出すかの差異はあれども、出すこと自体は決定事項です。
こんな感じで進めています。

表紙(カバーデザイン)

■公開用:黒猫ギムナジウム新装版表紙カバー(←こちらのリンクをクリックすると拡大します。)

カバー(帯無し)
カバー帯あり(A案)
カバー帯あり(B案)
──という順のスライドになっています。

新装版にするいっぽうで、初出時の表紙絵の色合い(紫・ピンク・黄色・黒)は意識して入れています。差し色の紅、あと青磁とエメラルドグリーンの中間みたいな色もそう。

初出時の本は丸形の窓が開いている講談社ボックス仕様で、丸窓から黄色の月が覗くデザインだった。そのニュアンスも継承しているつもりです。

物語の舞台が明治時代なので、パブリックドメインにある明治時代の着物の柄を取り入れています。明治時代の着物の模様と言ってもさまざまあるので、作中に出てくるアイテムが描かれているものを選んで加工した。

あとは、なんといっても杜若。

本に巻く帯のデザインに花弁を散らせるか(A案)、
花びらは無しでいくか(B案)、
どちらにしようか。
帯に書く文面の配置具合や内容量にもよるよなあ。


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見極めるタイミング [ま行]

年1回エピペンを処方してもらうために、かかりつけ医に行って来た。
ついでに別件で血液検査も必要だった。その採血の間、おのずとオリンピックと新型コロナの話題に。

かかりつけ医によると、オリンピックを開催するために海外各国から選手や関係者を入国させた時点で既に、まずい状況になるのは確定事項だった。つまり今更中止したところで手遅れで、中止が直接、感染状況拡大や、更なる変異株の脅威に歯止めをかけられることには最早ならないのでは、と。
ただ、今オリンピック関係に医療従事者やPCR検査数、病床をものすごく割かれている。新型コロナに対応するためのリソースをありったけ取られているので、オリンピックをなるべく早く中止することによって、医療リソース不足の問題は多少なりとも緩和される。

もはや感染拡大は不可避であるならば尚更に、せめて医療のリソースを早急に取り戻させてくれないと深刻な状況にくわえて打つ手がない、
というのが実情のよう。

「ついでにいうと虫垂炎(盲腸)とか、胆のう炎など〇〇炎と名の付く急性の病気は24時間以内に手術をしないと死ぬ病気と思っていたほうがいい。新型コロナに医療のリソースを割かれて、急性〇〇炎の手術をできなくなると、この現代社会で本来ならば治せる病気で命を落とす患者が出てくるから」

「〇〇炎になる患者だって、誰も好きで病気になってるわけじゃないですよね。……どうしたらいいんですか?」

「〇〇炎という病気も、初期ならば、抗生剤投与だけで手術しなくても、地域のクリニックで対応できる」

「今は医院や病院に、つい足が遠のきがちなんですけど……」

「こういう状況だからこそ、はやく来て。なにかあった場合にかかりつけのクリニックでも対応できるうちに、はやく来て。素人判断が一番よくない」

とのことでした。

どこかが激しく痛んだりしたら、我慢したり様子を見たりしていないで、今はとにかく医者に行こう。


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新装版『黒猫ギムナジウム』黒十字療養所出版部から今秋刊行予定 [ニュース]

チラシ黒猫ギムナジウム 新装復刻版.jpg↑クリック推奨/原寸大表示

『黒猫ギムナジウム』(中里友香・著)は2011年に講談社BOXで刊行されたのち、紙の本は売り切れ絶版。
いろいろと地道に働きかけてはいたのですが、正直なところ商業出版での重刷・再販・文庫化等はなかなか難しいので、新装版にして自費で復刊します。

自家版として黒十字療養所出版部から出す予定です。
単行本四六判ソフトカバーに仕立てるつもりで、2021年11月23日開催の文学フリマ東京での刊行を目指し、現在鋭意製作中です。
ちょうど講談社での初刊行から10年という節目でもありますし、ね。

新型コロナの感染状況や、私自身の体調など、不確定要素も多いので、刊行時期は現時点では確定ではありません。
それでも表紙カバーと本体表紙のデザインは、あらかた形になっており、本作りを自分一人で仕上げていくわけなので時間はかかりますが、合間を縫って、楽しみつつちまちまと作業を進めています。
新装版あとがき・編集後記的なものも新たに加える予定。

印刷会社は、昨年秋に黒十字療養所出版部より刊行した短編集「手腐レ風切り貴方まで」を刷り上げてくれたところにお願いしようと考えています。
印刷も紙質も製本も、これといった目立ったトラブルもなく理想的に仕上がり、満足のいく出来だったので、あそこなら安心して頼める、と。

乞う御期待。


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「あんしんBOOTHパック」はじめました [ニュース]

黒十字療養所出版部刊行本のBOOTHでの取り扱い、発送方法につきまして。
6月より「自宅から、あんしんBOOTHパックを利用して発送」
に切り替えております。

「あんしんBOOTHパック」も、これまでの「倉庫から発送」と同様に、双方の匿名性が保たれます。私側も購入者側も、個人情報(住所・氏名・電話番号)を明かすことなく配送手続きができるシステムです。

BOOTHの「倉庫から発送」より、おそらく送料が少し安くなると思います。

例)『黒十字サナトリウム新装版ハードカバー』1冊を購入の場合
「倉庫から発送」→送料750円
「あんしんBOOTHパックで発送」→送料540円~

新書判サイズの短編集など、ほかの本も一緒に合わせ買いをする場合、「倉庫から発送」の時と同様に送料は発送一回分となります。その際は一番送料が高い料金が適応になります。

例)
短編集+小冊子+黒十字新装版ハードカバーを「倉庫から発送」→750円
短編集+小冊子+黒十字新装版ハードカバーを「あんしんBOOTHパックで発送」→送料540円~

なお短編集+小冊子を「あんしんBOOTHパックで発送」の場合、ネコポスで370円になるはずです。

黒十字療養所出版部・BOOTH:https://bcsanatoriumpub.booth.pm/


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「進撃の巨人」最終巻の感想(ネタバレあり) [さ行]

『進撃の巨人』最終巻(34)、読み終わりました。

……Huh?(怒)

みたいな気持ちになっている部分もあるにはあるんですが、これ以上読み進めていくのが正直かなりしんどかったので、終わらせてくれてよかったです。
あちこちで腑に落ちぬ部分もあるし、納得できぬ部分も少なくない。
それでもここまで読んできてよかった、途中で読むのをやめなくてよかった……と思える終わり方でした。

30巻くらいからか、私は、はっきり言ってもはや面白くもなければ、さしたる感動もない傍観者の諦念に至ってきていて、
どんな結末であれ、ここまで来たからにはついていくよ……もうどの登場人物の死も見取る覚悟はある程度できているから……と。
最後まで読まねばなるまいという義務的な感覚になっていた。

とか言いつつも、33巻のハンジさんの活躍と退場の場面には、積年の思い出が去来し、一瞬、泣きそうになったんですが……。

最終巻・34巻は怒涛の展開の地獄絵図……というか、これはかなり「風の谷のナウシカ(とくにアニメ映画版)」リスペクトで下敷きにしているんだね……?
という印象が、読み進めていくうちの8割を占めていました。

──進撃の「地ならし」って、ようはナウシカの王蟲の大群、そのまんまじゃん……。
王蟲は山津波の擬蟲化とも思えるいっぽうで、進撃の「地ならし」は火砕流っぽいイメージも加味されてはいる……。地ならしをする巨人は近づくと猛烈な高温で発火する。
進撃の飛行艇は、その役割がもうナウシカのガンシップ。
進撃の「空を飛べる巨人アニ」は、ナウシカでのメーヴェの役割そのまんまだし……。

ナウシカの巨神兵は、進撃でいう「九つの巨人兵」か──しかしナウシカの巨神兵はこの世で最も邪悪な力を持ちつつも、トルメキア軍の傀儡だけれど、進撃の「九つの巨人」は、おのおのが意識も知性も、人間性も個性も持ち合わせてはいる。
厄介なわけだ……。

「進撃の巨人」のエレンの最終決断は、「鋼の錬金術師」のエドが真理の扉との問答および等価交換の駆け引きをするさまに似てもいた。
しかしハガレンのエドは、扉の向こう側に囚われた弟のアルの肉体を、こちら側の世界に連れて帰ってくるのに成功した。いっぽうエレンは、始祖のユミルと語り合った結果、ユミル側にシンクロしちゃってあちら側に取り込まれちゃったんだな……という印象でした。
アルミンやミカサが戸を叩き、エレンも応答したけれど、エレンはついぞこっち側に帰ってくることはなかったんだ、と。

物理的な壁に何重にも囲まれたヨーロッパの小さな町から物語が始まって、その破壊と再建の震源地である「壁」の存在が、エレンが初めて海を見て、父親に託された地下室の秘密にたどり着いたあたりからか。地球上にある現存の「嘆きの壁」とオーバーラップするような様相を見せはじめ、パレスチナ問題(&ナチスのユダヤ人迫害)を露骨に想起させる展開となっていったところで、「テーマのすり替えが起こっている気がする……物語の舵を嫌な方向に切りだした気がする」という感覚がありました。私には。

その懸念(私にとっては懸念だけれど、ほかの読者にとっては深いテーマと思える点かもしれない)が、どんどん強まっていって、社会情勢チックで普遍的な「現実社会において世界平和をどう実現していくか」という闘争を描いていくストーリーに、物語の争点が移っていったように思う。

当初は、どれほど苛酷な世界であれ、自由を求めて外に飛び出そうとする話のはずだったが……。

私としては「進撃の巨人」独自の物語性──巨人は植物と脊椎動物との掛け合わせによって出来たと思えるんだが、それであってますよね? だとしたらどうやってそれを人工的に?
という謎の仕組みをもう少し掘り下げて、種明かししてほしかった。
観念的には解き明かされているが、私がこの物語に求めていたのは、ここまで観念寄りの世界じゃなかったので……。

結局、いろんな風呂敷をこれでもかというほど、あちこちで広げきり、「平和は大事だよ」ということを、陳腐とわかっていても言葉を尽くして、今更ながら声高に言った挙句に、あちこちで広げた風呂敷をいちいち畳むことは一切せず、全部燃やして片を付けたんだね。
と、全体的にそんな印象。

途中、パレスチナ問題を匂わせなんてレベルじゃなく眼前に提示したけれども、結局は、エレンとミカサとアルミンの幼馴染3人組の決断に、物語が帰結した。
それはとても良かったと思っているが、じゃあ進撃パレスチナ問題はなんだったの?

……と、そこはオスカーワイルドの『サロメ』の一幕を思いっきりオマージュした、ミカサがエレンの首を抱いてキスするシーンでお茶を濁した、という点ばかりはさすがに非常に鼻についた。

サロメはもともと歴史上の人物で、聖書に登場する、ユダヤの王の義理の娘ですよね。
王が、サロメの母親の再婚相手にあたります。
つまりサロメはユダヤ王の血のつながらない姫。
ユダヤ王の姫サロメは洗礼者ヨハネの斬首を求め、求めたものを得る。
その歴史的なエピソードをオスカー・ワイルドが退廃的に脚色したのが「サロメ」
「サロメ」において、姫サロメは、父王がとらえた囚人・洗礼者ヨハネに恋をしているが、ヨハネが姫を突っぱねるので、その唇にキスをしたいからヨハネの首を斬って自分にくれ、と王にいうわけです。そのさまをビアズリーが装画にしたのが超有名。
で、進撃最終巻のミカサとエレンの見開きのシーンは、もろそのビアズリーの装画の進撃版にすぎなかった。

洗礼者ヨハネは、キリストに洗礼を授けたから洗礼者ヨハネなわけですが、預言者でもある。ユダヤのヘロデ王に殺されたのもなんだかんだ色々理由はあるが、預言者だったから殺されたというのも大きいと思う。

エレンも未来の殺戮の記憶を見た、ある種の預言者。
エレンはその殺戮の記憶のままに、自らも殺戮をする選択をするんですけど……。

その宗教や信仰について本質的に理解の及んでいない人が、これ見よがしに目に付くモチーフだけあしらって「わかってる感」を出して描いて、読者を納得させようとしている、
という風に映り……違うかもしれないけれども、モチーフとしての使い方があまりにも露骨なあまりそう映り、一気に猛烈に興が冷めた。
本当は「わかってる感」ではなく、心底わかっていらっしゃるのかもしれない。
だったらこのモチーフの使い方は陳腐でチープで付焼刃感しか出ないのでは……?
肝心かなめの物語の着地シーンであるド迫力の見開きが、ド級のオマージュシーンというのは一体なに。
そういう漫画だった……?

ジークの血縁であり(考えようによってはエレン自身も遠い縁戚にあたる)調査兵団の仲間でもあったクリスタ・レンズことヒストリア・レイスが国のために犠牲になるのを救うために、エレンは幼馴染3人組の信頼関係を危うくしてまで、「地ならし」に踏み切った部分も多々ある。なのに、当のヒストリアが、エレンの最終決断──エレンが破壊の限りを尽くした後で、アルミンとミカサに、エレン自身の身の振り方すべてを委ねた──という点について、個人的にどう受け止めたのか。全くわからない。描かれていなすぎる。
いくらなんでも、そりゃないだろ……。

謎はいくつか残っていたほうが物語としての余韻があるし、語りつくさぬ想像の余地をあえて残す物語は、私も大好き。
だが、そういうレベルじゃない、あれやこれやらが放置されたまま、
え、もうエピローグ……?

それでも「ここまで読んできてよかった」と思えるのは、リヴァイ兵長がジークの首を取れたことです。
幾度となくジークにとどめを刺せる機会を得ながらも、様々な事情から寸止めの憂き目にあっていた兵長が、ついに目的を果たしたときには、当初の「エルヴィンとの約束をたがえぬ」という目的とはいささか様相が異なっている部分もあって、それも含めて、とても良かった。

ジークもね、初めて猿の巨人として出てきたときには心底、不気味で、ミケさんやナナバさんを殺したときは本当に憎かった。ナナバさんは直接的に殺してはいないが、あのとき指揮を執っていたのはジーク。
ジーク特有の自虐的なオヤジギャグっぽい変なしゃべりが、
……これ……敵とか味方とか関係なく、寡黙な兵長と性格的にもとことん正反対、反りが合うはずないんだな……
という謎の説得力で。

みんなを死なせたくないし、なんとしてもジークだけは自分の手で決着をつけねばならないと苦渋の決断をしている兵長と、みんな死ねばいいし自分も例外ではなく死ねばいいし、なんならみんな道連れにしてやろうと思っているジークとの因縁が終始、味わい深かった。
この点は作中で過不足なく描かれ、ちゃんと片を付けてくれて、満足でした。

兵長は文字通りに満身創痍で、体のあちこちに不具合を抱えていても、いつまでもリヴァイ兵長のまま……というか悲壮感が増して全盛期よりもっと格好よくなっていったように私には映った。

それにしてもさ……エルヴィン団長と、ハンジさん、どちらも熱い感情がありながらも、感情と理性が拮抗したら、必ず理性的な選択をできるタイプの二人が途中退場したのは、本当に痛かったね……。
おかげで最終巻の34巻なんて、9割がカオスだもの……。

ウォールマリア奪還作戦で、エルヴィン団長とアルミンのどちらを生かすかという究極の局面において、私はアルミンが大好きなこともあり、アルミンを選ぶのは当然だと思った。
アルミンは未熟だがアルミンの代わりになれる者は居ないんだよ!
未来のためにもアルミンだよ、エルヴィンのわけないだろ!

それでもその後の展開はエルヴィン団長の不在がかなりこたえ、
ああ、エルヴィンが居たら、ここまでの投げやり展開とカオス具合には至るまいに、今エルヴィンの統率力があれば……
と、随所で思い知りました。

まあエルヴィンが健在だったら、リヴァイがここまでジークの首を取ることに執念を燃やす必要もなくなるかもしれないですけど……。

ときどき砂も混じっている、かなり刺激的なスパイスのきいた料理を搔っ込んだ、という感じの34巻でした。

ごちそうさまでした。


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ゾエトロープ:回転覗き絵 [さ行]

パラパラ漫画の万華鏡みたいな──と思っていたものに名前があった。
ゾエトロープ
と呼ぶんですね。いま知った。

三鷹のジブリ美術館に、大型のこの手のやつがあったと記憶している。
いっぽう、こちらは海外のファンが作ったもののよう。



私はストップモーションアニメとか、こういうのとか大好きです。
たぶん私と同様に多くの人がこの手の作品に愛着を持っている。
もっと見たいと思っている……。
製作時間が掛かりすぎるせいか、映像化されるストップモーションアニメとかゾエトロープは概して短編なので、今の時代のニーズにむしろマッチする気がしますよね。
CGが日常的になっている昨今においてはノスタルジックだし、ロマンチックですらあります。吸い込まれるように見入る。

来月から変更予定*BOOTHの発送方法 [ニュース]

BOOTHでの取り扱い、発送方法につきまして。
注文数も落ち着いてきたので、今月(5月)いっぱいでひとまずBOOTHの「倉庫から発送」を終わりにします。
来月からは「自宅から、安心BOOTHパックを利用して発送」に切り替えていく予定です。

「安心BOOTHパック」も「倉庫から発送」と同様、双方の匿名性が保たれます。
私側も購入者側も、個人情報(住所・氏名・電話番号)を明かすことなく配送手続きができるシステムです。

BOOTHの「倉庫から発送」のほうが良いなあというかたは、ぜひ今月のうちに注文してください。
現在、BOOTHは繁忙期ではないようで、今のタイミングですとスムーズな発送となっているもようです。

尚、BOOTHの「倉庫から発送」は、私が本の在庫をまとめて倉庫に納品したあとは、一切をBOOTHの倉庫におまかせするので、注文が入ってから、「未発送」の印が消えるまで、私はヤキモキしつづけるしかないのでした。
BOOTHの繁忙期には、注文の一週間後に発送だったりが通常モードでしたね……。

「自宅から安心BOOTHパックを利用して発送」に切り替えるのを躊躇していたのは、体調やスケジュールの加減で、注文が入ってもすぐに発送の対応できなかったらどうしよう……
という不安が強かったからです。

でも時としてBOOTHの「倉庫から発送」も、かなりな時間を要している。
この位のペースが許されるならば私でもおそらく大丈夫だろう……場合によっては私が逐一梱包をして一つ一つ発送するほうがBOOTHから発送するより、スムーズな時期もあるかもしれんぞ、
と思い至った次第です。

販促っぽいものを貼っておこう(クリックすると拡大します)。

チラシ黒十字サナトリウム 新装復刻版(6).jpg






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不滅のあなたへ・第三話 [は行]

第一話の良さ、まごうことなき名作の息吹を感じたあの感動はいったん忘れよう。

忘れたふりをして見ていたら、意外にこれが面白かった、第三話。
『もののけ姫』とか、『WOLF'S RAIN(ウルフズ・レイン)』とかそういう類である。

──こんなチートがあるか……こんなチートがあってたまるか……。
第一話のひたすらリアル寄りの描写を突き詰めていた、骨のある、丁寧な世界観の構築はなんだった。ファンタジー要素があっても地に足の着いた、丹念な描写で物語を紡いでくれたあのスタンスはどこにいった……。
良い意味で期待を裏切ってくれる作品は大好きだが、いくら何でもこれはもはや別物が過ぎる。
これは……ひょっとして原作時点で、第一話のあの良さを理解できない愚かな編集部とかが、
「もっと派手さが欲しいんですよねぇ~」
みたいな路線変更を強要したんでは? 
作者にとって不本意なテコ入れが入ったんでしょ? そうでしょ……?

──という勝手な疑念が、頻繁に頭をもたげてはきましたが、それもアニメーションの良さで、しのげました。

白い狼が巨大な化物(熊)に対して、獰猛かつスタイリッシュな戦いを仕掛ける。
あ、私こういうの好き……。
なんとなく目先の良さにつられて、最後まであっという間に見終えていた。
第一話とは正反対、何もかもがこんなにうまく運んでたまるかというほどの御都合主義で、ひとまずは、めでたし・めでたし……。

第一話、一面真っ白な世界でふと見えた道標に気を殺がれた一瞬の隙に、氷の下にあった川へと足を踏み外す。その際に脚に怪我を負い、その傷の出血が止まらなくて……というリアルで過酷な展開だったのが嘘のよう。
ファンタジー要素がファンタジーな展開をするのは全く申し分ない、それどころか楽しみの一つなのだが、そういう部分ではなく、
あの高さの崖から普通の成人女性が落っこちて無傷なんですか? そうですか、へーえ。

ツンドラ地方からタイガ地方に移動してきて、洋ナシっぽい果物が取れるのはわかる。
しかしだ、ドラゴンフルーツめいたものも転がってくる。
ドラゴンフルーツは南国、熱帯雨林の果物……。
ニナンナの村人はどことなくアイヌ民族を彷彿とする衣装を着ていたけれども、同時にアステカ・マヤ・インカ文明の色も濃く、実際かなり薄着で夏場仕様。
特定の民族をモデルにすると色々と誤解を招くかもしれないので、これは意図的に混ぜているのだろうし、このごった煮ちぐはぐ具合はファンタジー設定なので、突き詰めるだけ野暮。
しかしだ、第一話はファンタジーであっても、きちんとリアルを感じられた。

第一話の冒頭時点で、「それ」が意識や感覚を獲得し、体感温度等の快・不快を感知することは言明されている。第二話、第三話と、みんな割と薄着なところに、ツンドラ仕様の身支度では厚着が過ぎるはずなのだ。
相当暑いはずなのに……「それ」が何を感じているのか伝わってこない……何も。

そのあたり、原作漫画を読めばすっきりする設定になっているのかな……。

『刀剣乱舞/活撃』のアニメの時も私は、刀剣男士の出陣先での戦闘時以外の身なりについて、時代に全然溶け込んでいないのに周囲が一切スルーな旨を、終始、気にしていた記憶があるので、単に私が気になるポイントに過ぎないのかもしれない。

思えば『シュタインズ・ゲート』でも、真夏の秋葉原の炎天下を歩いている岡りんも、クリスも、なぜそんなに厚着で居られるんだ……と気になって仕方がなかった。私は夏でも相当の厚着マンだが、その私が見ても……大丈夫なのか、熱中症にならないか?
冷房がキンキンに効きすぎた部屋に居すぎて、体の芯まで冷え切ってんのかな……と、たびたび気になったものだった。


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不滅のあなたへ・第二話 [は行]

この回から宇多田ヒカルの主題歌はエンディングではなく、オープニングとして流れるんですね。

本来ならばいい感じのOPアニメーションなのだろうが、第一話のエンディングの印象があまりにも良かったので、俄然ガチャガチャとうるさく感じるのが正直な印象です。
内容もそう。第二話タイトルが「おとなしくない少女」なのだから、少女がうるさいのは承知の上とはいえ、話の展開がうるさい……。おとなしくない以上に声もうるさい……。

いやその前に一つ良いですか。
そもそもさ、狼の姿の時だって下(しも)は垂れ流してなかったのに、どうして人間の姿を獲得したら「それは人間たらしめるものを何も持っていないためすべて垂れ流し」になるんだよ、おかしいだろ……。
かなりきちんとした服をちゃんと身につけている時点で「人間たらしめるもの」を少なくとも一つは持っている。
(二足歩行も問題なくしているしな……)
大体、飲まず食わずで歩き続けてきているんだから、もよおしもしないはずじゃん……。

あまりにも初回が良かったがために、その感動が冷めやらないところにきて全然違う世界観の空間に連れてこられ、てんで気持ちがついていけない。
第一話はあの少年に感情移入をせずにいられない話の構成で、まんまと感情移入をしていた私は、気持ちのやり場に途方に暮れている感じ。でも慣れていこう……としているところにきて、追い打ちをかけるように新たな風俗(風紀習俗)でまくしたてられる。それが初回とあまりにも隔絶した世界観で。
(え、もう果物に? たどり着けちゃうの……?)
もう「それ」さんよ、とっととなんかの感情やら姿やらを獲得して、はやくこんなところ抜け出そうぜ。次の世界観に連れてってくれよ……
という気分になっている。
だって第二話はけっこうよくある展開で、手塚治虫漫画の時代から何度も見たことあるよこういうの、という風習の寄せ集めだし、語りつくされた定番をわちゃわちゃした味付けにしている。
人体が復元されていく作画とかはすごい。アニメーション的な見せ場はちゃんとあります。

当初、わたしは「それ」を無知で無垢・真っ白な霊魂的なものの具現化だと思っていたし、そういう要素はれっきとしてあるのですが、もうちょっと映画「ターミネーター2」の液体金属型ターミネーターに近い性質なのやもしれない……のか……?

なお、第一話については私は気に入りすぎて、既に何回か見ている。
派手さは無いが、何回見ても全く飽きがこないもんだから、つい。
初見では気付けなかったほどの微妙な人体の動かし方などまで、実に見事で。
怪我を負ってからわずかに足を引きずって歩くようになる独特の重力感とか。
むろんベッドから抜け出て椅子に腰かけるときの、やっとこさ具合や。
人体だけでなく、釣り上げた魚(鮭?)を壁際のロープに引っ掛けるときに、鮭がグんっと下にロープを引っ張る、その質感から伝わる重量感も……。
アニメーションの細部にまで、作り手と登場人物双方の息遣いがこもっていて、いちいち素晴らしいから、飽きもせずに繰り返し見たくなります。あと何回かは確実に見る。

一話がシンプルで真っ直ぐ、真っ向勝負ができるだけの内容と展開だったがゆえに、二話でおそらくはこういう感じを覚えるだろうなあというのは予期していた。その想定の範囲内なので、第三話以降も見ていきます。


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不滅のあなたへ・第一話 [は行]

2021年春アニメ、あれやこれやを楽しみにしつつ視聴をし始めたところである。

2021年冬アニメは『はたらく細胞BLACK』くらいしか見ていなかった気がするので、今期は視聴で忙しいよ、である。そろそろ色々と第一話が出そろってきたタイミング。
とりあえず現時点で一番猛烈に良いのが『不滅のあなたへ』です。
とても推したい。

●不滅のあなたへ(配信情報)
https://anime-fumetsunoanatae.com/vod/?l=ja

ちなみにエンディング曲は宇多田ヒカル。

私が「見てみるとすっか……」と思ったきっかけは主題歌が宇多田ヒカルだとだけは知っていたからなのだが、エンディング曲なんか些末なことかも、
と思えるほど、中身が良くて嬉しい誤算なのだった。
地上波放送はNHK Eテレ月曜夜10:50分から。

前情報を一切入れずに見たので、しょっぱな津田健次郎のナレーションが非常にゆっくりモードで始まる時点で心が萎えかけ、なかなか人間も出てこないし……。
1.3倍速に切り替えて見だした。
寒々しい風景に、いくらイケボの津田健でもあまりにゆっくりナレーションだから、しびれを切らした。
1.3倍速で「ごく普通の速度」と感じるので、本当にスローなナレーションで始まるのだが、そこで見るのをやめないでほしい。
……というかその数分で視聴をやめなくて本当に良かったよ、私自身。

見ていてリアルな冷たい風を感じる気がする描写。
いきいきして魅力的なキャラ(現時点では登場人物ほぼ一名+一匹)だけがおりなす第一話。
良質な短編映画を見たような内容の濃さで、ダークホースの圧勝です。
「原作よりもアニメのほうが良い作品なんてごくわずか一握り」
と先日ここに書いたばかりなのだし、事実そう思っているのは変わらないのだが、
この『不滅のあなたへ』は、そのごくわずかな一握りに入るんじゃないか、
と俄然、期待せずにはいられない。
別にすごいクオリティたっけー作画というわけでもないかもなんだが、人物が動くときの重心のかけかたが良くて、総じてアニメーション全般のつくりが誠実。その背後にちらちらと透ける、原作の良さ。
……多分だけど、このアニメ、原作に相当忠実に作っている。だからこその良さもあるよね?

とはいえ一切の前情報を入れていない、原作を知りもしない状態なので、今後どんなつまらぬ展開になるのかだってわからないのだが、たとえどんな展開になったとしても、この初回だけで既に名作の気配が。
ほんわり、かわいい絵柄で淡々と進むのに、着々と迫る悲劇的な予感。
──これぜったい……この少年が……んで……この狼が……だよね……?

狼がしょっぱな少年の家に入って「口がきけたならここにずっと居たいと言っただろう」的なことを思うんだが、(津田健がそうナレーションする)それは見ている私としても完全に同意で。
もうさ……この、サーミ民族がモデルになっているのかな?……と思わせる少年と、狼だけで、他のキャラとか要らないからさ……。このまま折々の苦難はありつつも、なんだかんだでうまくいってくれ……と祈るように見守るのだ。

派手な演出は一切ないけれど飽きさせないリアル寄りの描写が、美しくも過酷かつ素朴な世界で展開して、正直、続きを見て幻滅したくない、この一話で充分かも……
という気持ちにすらなった。


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チェインソーマンじゃなくて「チェンソーマン」 [た行]

「チェンソーマン」のアニメ化が決まって嬉しいな。

なんでこいつ今、突然チェンソーマンの話なんかしだしたんだ、エヴァはどうしたシン・エヴァンゲリオン劇場版:||の映画は。今まで初日に見に行っていただろう、
と思われる方もあるかもしれないが、そこはこれ新型コロナの感染を恐れて見にいけていない。
もっと優先すべきこと、参加したいことを自宅待機で済ませてきているのだ──。
たとえば1月末のHydeのライヴですらAbemaで配信購入&鑑賞した……。

大画面で音も良いデスクトップPCを夏にゲットしたばかりだったから、設備は悪くないはずなのだったが、現地あるいはライヴ・ヴューイングの鑑賞ほどには、やっぱり今一つノリきれない自分がいた。PC画面を前にしていると、知らない曲名とかは即座にググりたくなっちゃって気が散るし、自宅のPC画面に向かっていると、自動的にどっか仕事気分がぬけきらない。仕事部屋の自分の椅子で、電気毛布で足を温めながらだったりすると、気楽な反面どうしたって特別感が失せるのよ……。

「生死にかかわることでないかぎり、Hydeのライヴの時間帯は連絡をしないでください」と身内にも頼んでおいて、実際、視聴に集中できる環境にできたのにもかかわらずだ。
ライヴ会場での一体感や、ライヴ・ヴューイングでの浸り具合とは、やはり差がある。
自宅から視聴できたのはとてもありがたかったし、内容も良かったのに。
多分、リアルライヴ参戦やライヴ・ヴューイングの経験が皆無であれば、ネット配信でも充分満喫できたのだ。おそらくは。

とまあ、そんな感じに、他にもあれやこれやの用事を自宅で済ませているので、エヴァばかり例外にはできない。言ってみれば10年ほど待ってきているので今更ちょっとばかり焦ったところで大して変わらないよ……の境地。

映画鑑賞は感染リスクが極めて低いことは知っているし、映画館では感染対策も万全だろうこともわかってるが、2時間35分の映画となれば、道中もあるし、たぶんトイレに一度くらいは行きたくなる。現時点では、私は飲食とトイレを外出先では極力さけたいと思っているので、足が遠のく。

そんなこんなで昨今は映画鑑賞のかわりに圧倒的に電子書籍でコミックを読む機会が増えている。で、「チェンソーマン」。

小説本はすべて紙で買うが、漫画は「友人や身内にも貸して布教するんだ!」
と思う本以外は、電子媒体で買うようになってきた。保管スペースの問題があるから。
今まで紙で読んでいる作品は、引き続き紙の本にしたほうが絶対いいことは言うに及ばずなのではあるが。
なにしろ「夏目友人帳」や「将国のアルタイル」をためしに電子本で買ってみたら、それまで紙で慣れているので読みにくいこと甚だしく……あんなに大好きだったし今も大好きなのに購買意欲が萎えまくり、完結したら全部まとめて紙で買おう……と購読を保留・いったん中止するまでに至っているので。
「黒執事」も電子本が出たとたん、もうどうでもよくなった。
紙の本と電子本は、ライヴ会場とネット配信くらいの差があるものだ……。

「チェンソーマン」の場合は11巻でひとまず完結だし、電子版で一気読みするのに適度な冊数なので、読みおえたところに早々に、アニメ化決定が報じられた。で、今から楽しみにしているのである。

私の場合、どちらかというと原作至上主義になりがち。
アニメから入って漫画原作を読んだら原作漫画のほうが断然良くて……という原点回帰系・原作強火担にもなりやすい。
アニメが原作ならば、やはり原作アニメを至上としがち。
過剰で緩慢なオリジナルエピソードとか、オリキャラとかって、マジでなんで入れるんですか……?
原作エピソードがざっくり端折られて、内容が改竄されるのも呆気にとられて、悲しいが。

原作漫画よりアニメが良かったよね、とか原作漫画と同じくらいアニメも良かったよね!
……という作品は一つ、二つくらいしかめぐり合っていないのだが、これはアニメが原作通りにやってくれないことが多すぎるせいなので、「チェンソーマン」は原作をきちんと踏襲してやってほしいな。 
だけど原作のままテレビアニメでやれるのかな、これ……深い時間なら大丈夫だよね……?
あとは中の人(声優)のイメージ次第。

アニメから入って原作漫画を読むと、俄然、漫画のほうが面白く感じるケースが多いのは、おそらくアニメでしっかりキャラ付けされた声優のCVで、原作漫画のセリフを脳内再生することにより、白黒漫画に彩りが生まれてくるからだろう。

チェンソーマンの場合、これほどまでにセリフが声優さんの声で脳内再生されてくる作品も珍しいよ、というくらいCVのイメージがクリアであった。
私の脳内で再生されたCVと比して、実際のキャスティングがどうなるのか。現時点ではまだキャスティングが発表されていないので、実際にアニメ化されたとき比較参照するために、今のうちに予想CVをここにちょっと記しておこう。
(敬称略)
===========
デンジ:KENN
早川アキ:石川界人
パワー:小清水亜美

マキマ:伊藤静 or 能登麻美子

姫野先輩:井上麻里奈
レゼ:田村ゆかり
岸辺:藤原啓治
クァンシ:甲斐田裕子
サンタクロース:能登麻美子 or 伊藤静
吉田ヒロフミ:鈴村健一 or 宮野真守
天使の悪魔:上村祐翔
===========

この勝手にキャスティング予想のなかで、とくに岸辺が、読んでいるときに脳内再生余裕なキャラで、藤原啓治さん以外は考えられなかった。
が、藤原啓治さんは昨年4月に55歳で亡くなっており……。
とすると、岸辺は中井和哉さんがいいな……。
となれば、必然的に吉田ヒロフミは鈴村健一さんが良いなぁ。

ちょっとググってみたらアキ君を石川界人さんと言う人は複数、見つけた。
……というか石川界人さん以外の名前が出てこなくないですか……。
パワーちゃんを小清水亜美さんだと言っている人も見つけた。
だよね……!

「チェンソーマン」、特殊でかなりグロテスクな世界観なのにもかかわらず、ものすごくしっくりくる、かなりホームグラウンド的な居心地の良さがあって、懐かしくもある。

これは作者が大好きな映画作品のエッセンスが要所要所にちりばめられていて、それら映画を私も決して嫌いじゃないとか? と思っていたのだが、後半に1997年が舞台だとはっきりする。
……そっかーだからかー、世代ってやつかー。
都会は雑多で薄汚いし、日常生活の家電の中に、スマフォやネット回線や電子キーの影がなく、でも私からすると充分に現代の範疇に映る。
これは団塊の世代の人たちが「Always──3丁目の夕日」をどうやら無条件に身近に感じるらしいのと同じ原理かあー

と気付かされるのであった。

『チェンソーマン』9 巻発売記念スペシャルPV

https://youtu.be/VPB_J6Egi28

こちらはジャンプ公式Youtube。チェンソーマン9巻発売記念PV。
アニメ化もこういうテイストを大事にして作ってくれると、かなり嬉しいよ。


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テキレボEX2に参加しています [ニュース]

テキレボEX2こと、テキストレボリューション・エクストラ2に出店しています。

Text-Revolutions Extra2 中里友香
https://text-revolutions.com/staffdaikou/products/list?category_id=&tag_id=&name=%E4%B8%AD%E9%87%8C%E5%8F%8B%E9%A6%99

テキレボとは文芸オンリー・同人即売会イベント。
若干の御幣を恐れずにざっくりいうなれば、文学フリマの縮小版的立ち位置にあります。

通常なら東京浅草に即売会場が設置され、丸一日開催されているこのイベント。
昨今の時勢を鑑み、ネット上で即売会イベントが開催されることになって、3月21日まで開かれています。テキレボEX2のEX2とは、エクストラ2ということ。

テキレボがネット上でイベント会場を設けると私が知ったのは、年明けでした。
既にテキレボEX2は開催されていたのですが、このたび追加募集をかけており、遅ればせながら参加料2000円を支払って申し込みました。
(EX1の時は参加料1000円だったらしいんですが……。)

私は従来のリアル・テキレボでも参加したことはなかったので、今回が初参加になります。

私を含め追加募集で参加した人は、出店期間が3月1日~21日までと短いので、この2000円の参加費はかなり割高になるのですが……。それでも充分にありがたいイベントです。

第31回・文フリ東京ですと、私の場合、長机1つ分スペース(2ブース)の1万2000円弱を支払って、出店しました。文フリはリアルイベントで、当日の場所代がメインですから、本が売れようと売れなかろうと支払う道理を理解できます。現地の感染防止対策や、入場の整備、長机や椅子など運営側がすべて手配してくれるのです。参加費は当然と思えました。

いっぽう今回のテキレボEX2はネット上イベントなので、この参加費は場所代ではないわけです。
本が一冊も売れなくとも、前もって支払わねばなりません。
追加募集の短期間でも同じ参加費……。
現時点では、出店者側の立場で言うならBOOTHのほうが理にかなったネット店舗の仕様だと感じてはいます。BOOTHは売買成立した時点で初めて手数料・利用料が生じるので、一冊も売れないうちに金銭は発生しません。

ただ、テキレボEXは様々なアンソロジー企画を催しているらしく、その様々な企画に参加するのであれば、かなり安くつく2000円になるのかも?
で、あれば──出店者側が一律2000円の参加費を支払うのではなく、アンソロジー企画に参加する人がアンソロジー参加費を別途支払うほうが公平なのでは……? なにしろ私の場合は、それら企画に参加はせず、シンプルに自分の本を出品するためだけの出店参加のみなので──と思わなくもないですが。いわゆるコストコ形式なのでしょう。

コストコ形式──つまり安くはないコストコ入会金を支払うけれども、その後は大量のコストコの商品が破格になるので、たくさんまとめ買いをすればするほど、入会金はただ同然になってくるというやつです。

2000円の参加費の元を取れるくらいに、テキレボ開催のあれやこれやを活用すればよいだけのことで、活用できない人はできない人の都合にすぎない、という方式でしょう。

ネット上即売会イベントテキレボEX2、という試み自体が、非常事態宣言中に軒並み即売会イベントが取りやめとなる事情を鑑み、一種の救済策として発案されたものでしょうし、イベント開催期間の延長とか、出店者追加募集がかかったこととか、さまざまに模索中なのかと思います。
臨時で開催をしてくれるその心意気がありがたく、Web即売会イベントの試みに賛同できるので、私も急遽参加を決めたのでした。

このテキレボが、文学フリマと大きく異なっている特色があるとするなら、購入者側にとっての利便性かなと。テキレボはイベント当日、現地会場に出向けない人のために、運営側がWebカタログに掲載されている本のお買い物代行を引き受ける、というサービスを提供していました。

今回、このお買い物代行サービスのノウハウを生かした形でテキレボEX2が開催されていて、購入者は300円の手数料を支払い、テキレボのWebカタログに掲載されている本を何冊買ってもいい。運営が購入本を取りまとめて発送してくれます。送料は購入者負担ですが、送料はまとめればまとめるほど割安ですからね。

手数料もたとえばBOOTHだと本1冊につきその都度、決済等手数料がかかってきて、本の価格にもよりますが大体3冊くらい購入すると、300円を超す手数料がかかってくるので、テキレボEXでたくさんの本を買うならば、BOOTH利用よりかなりのお得感がでてきます。
出店数は2、300ほどにのぼり、その出店者が複数の本を出しているので、ぜひ合わせ買いをしてください。WEBカタログはこちら→https://plag.me/c/textrevo_ex2

注意事項としては、運営が購入本を取りまとめて同梱発送してくれる、すなわち購入した本がすぐ手元に届かないこと。購入本が到着するのは4月18日以降になるそうです。また在庫僅少の本を購入しようとした場合、買えたか否かの結果が3月21日以降でないとわかりません。

買った本が1か月以上も先になるまで届かないなんて耐えがたい……という場合は、やはりBOOTHでの購入をおススメします。

黒十字療養所出版部・テキレボEX2用・お品書き。
テキレボお品書き.jpg

上記の価格はいずれもテキレボEX2イベント価格です。
2020年11月の文フリに出たときと価格・内容等、すべてにおいて変更はありません。
購入を見合わせていた人は、ぜひこのテキレボEX2の機会にお手に取ってください。

私は2021年5月の第32回文フリ東京は参加を見合わせます。
文学フリマは楽しくて大好きで精神的なエネルギーをたくさんもらえるけれど、体力勝負な部分もあり、5月はいつも体調があまり思わしくないので大事を取ります。

ちなみに文学フリマの時には「幻想文学」のカテゴリで出たのですが、テキレボは「幻想文学」のカテゴリがありませんで。
今まで私はSFとミステリで受賞してはいるけれども、多くの人から「これでSF?」「ミステリっぽくない」等さんざ言われてきている……と逡巡し、今回、参加サークル『黒十字療養所出版部』としては「ローファンタジー」のカテゴリに登録しました。

また小説本自体には、やけっぱちみたいに複数のカテゴリタグをつけています。

【SF】【ローファンタジー】【ミステリ】【伝奇】【学園】【恋愛】
『黒十字サナトリウム』新装復刻版
https://text-revolutions.com/staffdaikou/products/detail/3647

【SF】【ミステリ】【伝奇】【学園】【恋愛】【純文】
『手腐レ風切り貴方まで』 ──中里友香短編集──
https://text-revolutions.com/staffdaikou/products/detail/3648

【エッセイ・随筆】
『名刺代わりの小冊子』
https://text-revolutions.com/staffdaikou/products/detail/3649


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癒しに必要なものは概して「生活必需品」ではない [あ行]

昨晩、皆さんは大丈夫だっただろうか……?
揺れを感じたとき、私は動画を見ている最中だった。

こちらを↓
#4 声優 花江夏樹と斉藤壮馬の【GRIS】実況プレイ
https://youtu.be/_ymSquunzRg

以前ゲーム「リトルナイトメア(1)」を、
花江夏樹(以下敬称略)が、斉藤壮馬(以下敬称略)を自宅に招いて、
実況プレーしていた折には、わたしは毎週の更新を楽しみにしていたっけ。

昨年秋ごろには、こちらGRISの実況動画がアップされていたらしいのだが、
私はまるで知らないまま過ごしており、
昨晩発見し、超嬉しく初視聴中であったのだ。

もともとセリフが皆無のインディーズゲームGRIS。
このYoutube花江夏樹チャンネルの動画で初めて知ったのだが、
このGRISの作品の世界観が、アールデコ風の造形美で占められていて、まず最高。
ゲームを進めていくに従い、嘆きの神殿っぽい遺跡が次第に色を取り戻す。
色が灯っていくにつれて深まる加賀友禅みたいな色彩感。
抑制のきいた寡黙な演出に、音の奥行き──広がりや閉塞感の加減があって、
没入感が独特で、すばらしく綺麗。

そのGRISの世界で、
ゲーム操作がやや覚束なめの斉藤壮馬を、
ゲームテクニックが高い花江夏樹がサポートしながら、
協力してああだのこうだの、声を張らない素に近いやりとりをしながらクリアしていく。
その過程が、非常に癒し。

花江夏樹といえば「刀剣乱舞」の髭切の声の人であり、
昨今では「鬼滅の刃」の竈門炭治郎といって知らない人はまずいまい。
私が初めて存在を知ったのは「東京喰種」の金木。

斉藤壮馬といえば、
「刀剣乱舞」の鶴丸国永の声の人であり、鯰尾藤四郎の声の人でもある。
私が初めて存在を知ったのは「残響のテロル」のツエルブ。
ほかにも「ハイキュー!!」の山口であったり、
最近では「ヒプノシスマイク」の夢野幻太郎や、
「憂国のモリアーティ」のウィリアム・ジェームズ・モリアーティだったりで、
超透明感あるイケボをいかんなく発揮してきている。
(ついでに言うと、ジョジョのドッピオの頭がおかしい電話の演技は衝撃だったね。)

花江夏樹がほかの声優さんを自宅に呼んで実況プレーをし、
個人でアップしている動画の数々は、
ほかにもいくつか見てみたことはあるのだが。
この二人の場合、同い年だからなのか、キャリア年数が似ているせいか、
双方の間に、妙なこびへつらいが皆無に等しく、聞いていて全くストレスを感じない。
フランクかつ仕事仲間として一定のリスペクトもあるやりとりで、聞いていて心地良い。

で、この実況動画4の途中で「お!」ズッシーン! 「よっ!」ズシーン、
と「ストーン効果」を使っている最中、ガツンと突き上げるような衝撃が来たのだった。
グラグラ……と揺れが続いてなかなかリアルな演出だな……
と、ほんの0.1秒くらい、昨晩、私は現実との境界線があやふやな時間があった。
で、その後の行動をなぜだかものすごく冷静かつ機敏に取れた。
シミューレーション効果みたいな?

家族の安否確認が済んで、テレビやネットで状況を確認して、
今の私に何か変わった行動を起こす必要はない、とわかった後も、
ずーっと微弱な揺れを感じてはおり、
湯冷まし入りのコップや、水のペットボトルを身近に置いて、水面をたびたび確認。
ああやっぱり揺れてないのか……揺れて感じるんだよな……ざわざわする……
これぞ地震酔いか。
(ちなみに私は乗り物酔いをはじめ、揺れに非常に弱い。
近くで道路工事や地盤工事をやられるとマジで吐き気が起きてくる。)

で、この動画を再視聴しはじめたら、みるみる鎮まった。
再度、ストーンを発動するところで一瞬緊張したが、
問題なくゲームが進んでいき、それにしたがい変な揺れをまったく感じなくなった。
ゲームは通常ただでさえ3D特有のゲーム酔いが起きたり、世界観がグロかったりするものなのに。
GRISはその手のゲームと方向性が正反対で、目に耳にと清涼感が桁違い。

再生回数が高いので、知っている人はとっくに知っているだろうが、
おすすめです。癒し効果が本気で本当に高かった。

#1 声優 花江夏樹と斉藤壮馬の【GRIS】実況プレイ
https://youtu.be/5_dGSGNZmog

#2 声優 花江夏樹と斉藤壮馬の【GRIS】実況プレイ
https://youtu.be/-Soq-IsId-U

#3 声優 花江夏樹と斉藤壮馬の【GRIS】実況プレイ
https://youtu.be/FF-nKqz8ngg

#4 声優 花江夏樹と斉藤壮馬の【GRIS】実況プレイ
https://youtu.be/_ymSquunzRg

#5 声優 花江夏樹と斉藤壮馬の【GRIS】実況プレイ
https://youtu.be/u4jLm4rZL3U

#6(完) 声優 花江夏樹と斉藤壮馬の【GRIS】実況プレイ
https://youtu.be/MyQvno_h_-s


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全ページ完備しました [ニュース]

工事中だったリポジトリのページも改装&復旧しました。

Repository:旧HPの残骸埋設所。ゴス映画関連アーカイヴ
https://blackcrosssanatorium.amebaownd.com/pages/4598356/news

このページはアーカイヴではあるのですが、
さすがに最終更新から十数年も経っているので、若干の加筆修正および追記をしました。
HTMLのベタ打ちを、手付けずでそのまま残していた旧レポジトリよりは、
見やすくなっていると良いのだけど。

ちなみにアメーバのウェブサイトはHTMLを小単位のブロックにして、
部分的に埋め込むことはできる。
映画タイトルごとにブロックを作り、それぞれにHTMLソースコードをちくちくと入れて、
ページを埋めていったのが、予想以上に時間を食った。
不慣れなこととはいえ、ベースは以前のHTMLソースコードがあるのだから、
もっと一気に素早くできると思っていた。
自分の不得意分野における能力を過信していた。甘かった。

PC画面に張り付いて、まったく得意でない分野で格闘していたせいで──
具体的にはHTMLのソースコードをちくちく埋め込む作業に終始している最中に──
閃輝暗点(またの名を閃輝性暗点)を発症してしまいまして。

ともあれ、これでようやく一連の、
HPの消滅→移転先を見つける→部分的リニューアルオープン
→WORKS・作品リスト再公開→Repository・ゴス映画関連アーカイヴ再公開、
という公式サイト引っ越しのてんやわんやが落ち着きました。

ささやかな個人サイトなのに新装完全オープンには丸8日も要した……。
お騒がせしましたが、これからまた長きにわたり、どうぞよろしくお願い致します。

黒十字療養所 † 中里友香公式サイト
https://blackcrosssanatorium.amebaownd.com/

Works:作品リストのページを復旧&更新 [ニュース]

急遽、引越しとなった中里友香公式サイトこと、黒十字療養所のホームページ。
工事中だったWorks:作品リストのページを復旧&更新しました。
突貫工事ではありますが、あらかた形になったかと。
リンク切れを整理するだけでなく、新たに少し手も加えました。

まだ少し手を入れたほうが良さそうな箇所もあるし、
サイトのフォントカラーをいまだにちょっと決めかねているし、
ちょこちょこと直していくかもしれませんが、ひとまずこちらで。

新・公式サイト(Works)→
https://blackcrosssanatorium.amebaownd.com/pages/4599560/page_202101310402


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